マギアレコード 偽書e/s memorys 作:ジャックノルテ
□ 神浜市内 水名区 七瀬ゆきか自宅近辺の公園
七瀬ゆきかは自宅の周辺をパトロールと称した散歩をしていた。
七瀬ゆきか(はあ・・・。今日は家の集まりがあるから魔女には出て来て欲しくないんですよね・・・。流石に大切な集まりに遅刻する訳には行きませんから・・・)
ゆきか「今日くらい魔女が出なくても良いのに・・・。なんてそんな事起こりっこ無いですよね・・・」
思わず願望を口に出してしまうゆきか。
???「そうね。でも思う事は間違っていないわ。だって人は生きていれば常日頃から何かを思うのは当然の事なんだから!」
ゆきか「え!!?」
背後から聞こえて来た声にゆきかが振り返るとそこには王冠を被り白い衣装を身に纏った派手な人が立っていた。
ゆきか(えっ?この人・・・。魔法少女ですよね?)
???「あなたの口から思わず出てしまった思いは言霊となって私に響いたわ。例え無意識に呟いた言葉だったとしてもその言葉にはあなたの思いが詰まっているわ」
ゆきか「あのあなたは」
???「私が誰かなんて問題じゃ無いわ。重要なのはあなたの願いは祈れば届く筈だと言う事なの」
ゆきか「えっえっ!?」
???「だから祈りましょう。私もあなたの為に祈るから!」
ゆきか「えっ?いや」
???「祈りましょう!」
ゆきか「だからその」
???「祈りましょう!」
ゆきか「・・・。分かりました。祈れば良いんですよね」
???「大丈夫よ。祈りは必ず届くから!」
目を閉じるゆきか。
ゆきか(せめて今日だけは魔女が神浜市に現れない様に・・・)
???「あなたの祈りは・・・。必ず届くわ」
ゆきかが目を開くと目の前にいた筈の派手な服装の魔法少女?は姿を消していた。
ゆきか(今の一体・・・。それに確かあの人は・・・。要注意人物の一人だった筈・・・)
ゆきかはマギウスから送られたメールリストに載っていた顔を思い出していた。
その時ゆきかは公園の影から魔力を感知した。
ゆきか(これは!使い魔の反応!?)
思わず身構えたゆきかが結界の方向へ向かおうとすると使い魔の結界は急に消えてしまった。
ゆきか(えっ?まだ何もしてないのに?)
使い魔の魔力を探ってみたが周囲には感じられなかった。
ゆきか「一体何が起こったんでしょう・・・。まさか私の祈りが通じたんでしょうか・・・。まさかそんな筈ありませんよね・・・」
自信に起こった出来事に驚きながらもゆきかは現実を受け入れる事にした。
ゆきか「さて・・・。散歩は切り上げてそろそろ帰らないと。そろそろ家の集まりが始まる時間ですから・・・」
釈然としないが現実を無理に受け入れたゆきかはそのまま自宅へと向かって行く。
□ 12月24日の日記
???「わたしは恋をしている」
???「けどそれは成就しない恋」
???「悲恋と言うモノ」
???「けれど恋を捨てられない」
???「だから色々な事を調べた」
???「ネット時代の今では様々な情報を直ぐに得られる」
???「だから恋が成就するおまじないや恋愛運を上げる神社なんかにも行った」
???「そんな時にある噂話を知った」
???「ある村の海岸で聞こえる優しい女性の声が聞こえたら必ずその恋は成就すると言う話だった」
???「普段なら特に気にしなかったがわたしは何故かこの時、この話が気になって仕方なかった」
???「だから声を聞きに行く事にした」
???「幸い冬休みで時間はあった。わたしは電車を乗り継いでその村へと来た」
???「目的の海岸を目指してバスを乗り灯台を目指す」
???「途中ですれ違う人はほとんどいなかった」
???「ラッキーだと思った。恋を叶えると言う声を聞き間違える心配はないからだ」
???「その声は 待っているから と聞こえて来るらしい」
???「ネットの解釈では、待っているからの意味はきっとあなたの恋愛が叶うのを待っているからと言う意味だと説明されていた」
???「それでは声の主は神様なのだろうか?正直違う気がする」
???「待っているからだけでは幾らでも解釈の仕様があるからだ」
???「途中で祠があったが特に珍しくもない古い物だった」
???「灯台を目指して歩き続けた先に灯台はあった」
???「ただし灯台の中は冬期中、閉鎖されて中は入れない。しかしわたしがここに来た目的は違う。優しい声を聞きに来たのだ」
???「恋を叶える声は誰にでも聞こえる訳では無いらしい。聞こえる人と聞こえない人がいる。わたしが聞こえるかどうかはここに来なければ分かり様が無かった」
???「数十分間、灯台の周りを探索した時に不意に風の音に混じって確かに聞こえて来た。待っているからと・・・」
???「周囲に誰も人がいないからこそ噂話が本当の事だとわたしは確信した」
???「思わず声のした方向を探っていると風が吹いた」
???「風と言うよりも突風だった。足をもつらせたわたしはバランスを崩して道から外れたわたしはそのまま崖から落ちてしまった」
???「気づかない内にわたしは道から大きく外れてしまっていた。足から大地の感触が消えて体全体が落下する感覚に戸惑った時、大きく上空に思わず伸ばした手に鎖が絡み付いてきた」
???「驚き困惑するわたしが鎖を追って行くと、その先にはわたしの感情を揺れ動かす事があった」
???「わたしは、わたしの賭けに・・・。久しぶりに勝利した事を知ったのだった」
12月24日の日記より
□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ エントランス
神楽教官「そろそろ宴もたけなわと言った所かしら?」
ミユリ「そうですねえ。みんな食べて芸をして満足したみたいですう」
時雨「まさか急に何かやらされるなんて思わなかった・・・」
はぐむ「うん。仕方ないから歌でも歌って誤魔化そうとしたけど・・・」
一夜「声が低いって怒られたね・・・」
神楽教官「でもちゃんと歌ったんだから及第点と言った所ね」
そこへナナツメがエントランスに戻って来た。
ナナツメ「交流会も終わりの様だな」
神楽教官「あら七部。ちょうど良いわ。あなた何か芸は出来る?」
ナナツメ「芸?」
神楽教官「場を盛り上げる様な宴会芸よ。何か無いのかしら?」
ナナツメ「・・・・・・・。ならこれはどうだ?」
少し悩んだ様子のナナツメは両手を合わせると全身から出現した7本の鎖鎌がナナツメの上空で組み合わさって行く。
その形はクリスマスツリーとなった。
時雨「凄い。あんな繊細に鎖鎌を使えるなんて・・・」
はぐむ「とても真似できない・・・」
さらに鎖鎌は☆マークへと変化した。
ナナツメ「こんなものか・・・・・・・!」
不意にナナツメが少しだけ驚いた様子を見せた。
ナナツメ「雪か」
一夜「え!?」
ナナツメの声を聞いた全員が一斉に窓の外を見ると雪が降り始めていた。
ミユリ「あれ?ここってウワサの中ですよね?どうして雪が降るんですか?ウワサの機能なんですか?なんですか?」
神楽教官「確かねむ様が言うにはウワサの中でも外と同じ天候になる様になっているって言っていたわ」
時雨「じゃあもしかして・・・」
はぐむ「フェントホープの外では雪が」
神楽教官「振っているでしょうね。みんな!そろそろお開きにするわ。帰り支度をしなさい!もしかしたら帰れなくなるかも知れないわよ!」
羽根達「はい・・・!!」
居残り組以外の羽根は出て行く準備を始める。
神楽教官「それじゃ私も帰るから。ミユリ。行くわよ」
ミユリ「はいです!」
時雨「今日は・・・。ありがとう」
はぐむ「楽しかったです」
一夜「それじゃまた・・・」
ナナツメ「気を付けて帰れ」
羽根達が帰った影響でフェントホープの中は一気に寂しくなった。
残ったのは一夜とナナツメ、居残り組の羽根だけだった。
ナナツメ「今日は皆もう休め。明日からはまた組み分け通りの行動をすればいい」
羽根達「分かりました」
それぞれ羽根達は宛がわれた部屋へ帰って行く。
ナナツメ「一夜も休め。小生も戸締りを確認したら休む」
一夜「分かりました」
部屋へ向かう一夜。
一夜(そう言えば・・・。彩月さんはどうしたんだろう?)
こういう時に顔を見せる筈の彩月が顔を見せない事に一夜は少し心配するのだった。
そこへ裏口から不機嫌そうなアリナ・グレイと梓みふゆが姿を現した。
一夜「アリナさん。みふゆさん。こんばんは・・・」
アリナ「・・・・・」
みふゆ「一夜さん。こんばんわ。アリナは見ての通り不機嫌なので気にしないで下さい」
アリナとみふゆは直ぐに自室のある方向へと向かってしまった。
一夜「何かあったのかな?」
口に出した物のそれは一夜には分からない事の様に思えた。
一夜「でも・・・・・・。今日は楽しかったな・・・」
□ 神浜市内 工匠区 メイドカフェスタッフルーム(牧野郁美のバイト先)
店長「みんなお疲れ様!」
郁美「みんな良く頑張ったね~!明日のクリスマスライブもバッチリだよ~!」
観鳥さん「まあこっちも面白い写真を撮らせて貰ったからね」
友紀ゆみ「あたしはくみちゃんのライブを見せて貰えたから満足だね」
観鳥さん「おや?みんな。外は雪だよ」
郁美「本当だ!綺麗・・・」
店長「これは積もるかしら・・・。積もる様なら雪かきも必要かもね・・・」
郁美「それも私に任せて~!それだってメイドのお仕事なんだから!」
観鳥さん「どれ・・・。雪に包まれた神浜も・・・。良い絵になりそうだね」
外の景色にカメラを向ける観鳥さん。
その時、神浜市にいる魔法少女達もそれぞれの場所で雪を見ていた。
□ 各地の魔法少女たち
神浜市で降り始めた雪は神浜市だけでなく他の街でも降り始めていた。
江利あいみ「せっかく伊勢崎君のいるカラオケパーティーなのに。あれ!?雪・・・。この雪の中で二人は・・・。キャー」
江利あいみは思い人の参加するカラオケパーティーへ向かう途中で雪を見た。
桐野紗枝「バイトに急がないと・・・。あれ?雪が降ってる」
桐野紗枝はバイト先へ急ぐ途中で降雪に気が付いた。
由貴真里愛「あら・・・。雪?少しくらいなら積もったら子供たちが喜ぶかしら」
由貴真里愛は学童からの帰り道で雪を見ていた。
水樹塁「よし・・・。近くに誰もいないね・・・。この白い闇は奴等がここへ降りて来る予兆だ。天門眼が疼く。フォートレス・ザ・ウィザードはここにいるぞ!」
水樹塁は公園で周囲に誰もいない事を確認して雪に向かって見開いていた。
若菜つむぎ「今日の限定スイーツのクリーム美味しかったな・・・。って雪!?何だかクリームみたいだな・・」
若菜つむぎはクリスマス限定のスイーツを食べた帰りに雪を見た。
梢麻友「雪ですよ!莉愛ちゃん。沙優希ちゃん」
史乃沙優希「本当です!まるで沙優希のライブ終了を待っていてくれたみたいですね。アミメさん!」
阿見莉愛「だから阿見莉愛だと言っているでしょう!でも・・・。たまの雪も悪く無いわね。私を祝福する為に振って下さったのかも知れませんわ!」
梢麻友と阿見莉愛は史乃沙優希のクリスマスライブ終了直後に雪に気付いた。
恵萌花「あぅ・・・。つらかったけどこの雪は私を慰めているのかな?」
恵萌花はゲテモノスイーツを無理して食べ顔をしかめていたが雪の輝きに笑顔を見せる。
相野みと「二人とも見て!雪だよ!」
伊吹れいら「本当だ。こんな良いタイミングで降るなんて初めてだね」
桑水せいか「積もるのなら・・・。雪かき手伝わないとね」
神浜大東団地の一室から雪を見つめる伊吹れいら、桑水せいか、相野みと。
木崎衣美里「みゃーこ先輩!雪だよ!」
都ひなの「お前なら雪ではしゃぐと思ったよ。けどたまの雪も悪く無いな」
相談所からの帰り道で雪を見る木崎衣美里と都ひなの。
千秋理子「マメジ!雪だよ。綺麗だねー」
マメジ「わん!」
千秋屋の店先から愛犬のマメジを雪に感動する千秋理子。
枇々木めぐる「この雪化粧がもたらす幻想的な街の風景に道いくアナタも知らないあなたも見て行かなきゃ損ですよ!って・・・。ってめぐる選手。つい実況しちゃった・・・」
枇々木めぐるは思わず雪に対して道端で実況を始めてしまう。
香春ゆうな「あら?ほとりさん!りおんさん。雪ですわ!」
柚木りおん「本当!ほとりん!雪よ!」
柚木ほとり「りおん。引っ張らないでよ。ちゃんと見てるから・・・」
香春ゆうな「仲がよろしいですね」
香春ゆうなの主催するクリスマスパーティーに参加していた柚木ほとりとりおんの姉妹も雪に気が付いた。
由良蛍「雪か・・・。寒いから寝る・・・」
真井あかり「ちょっと蛍!こんな所で寝ようとしないで!」
雪が降ろうと眠ろうとする由良蛍に驚く真井あかりに雪を楽しむ余裕は無かった。
三輪みつね「あっ・・・。雪だ。潤・・・。どうしているのかな・・・」
三輪みつねはこの雪を大切な人も見ているのかと自室の窓から雪を見ていた。
飾利潤「ん・・・。雪か。そう言えばみつねはどうしてるのかな・・・」
離れた街で同じタイミングで振ってきた雪を見つめている飾利潤。
アシュリー・テイラー「久しぶりの故郷デス。神浜の様子は・・・。Oh!神浜は雪ですか?雪の降る神浜も見たかったデスネ!」
アシュリー・テイラーは家族とクリスマスを過ごす為にカリフォルニア州の空港にいたがつい癖で神浜の天気予報をスマホで見ていた。
和泉十七夜「ん・・・。雪なら雪かきが必要か・・・。この服ではやり辛いな・・・」
店長=お姉さま「いや。雪かきは私がやるから。それにメイド服でそんな事をさせないわよ・・・」
和泉十七夜はメイド喫茶で雪を見て雪かきが必要かと考えていた。
入名クシュ「雪・・・。日本の雪は外国とは違うんだね・・・」
最後の異端審問官、入名クシュは白い輝きを見せる幻想的な神浜市に見入っていた。
黒江「雪か・・・。うん。たまには良いのかも・・・」
駅にいる黒江は久し振りに見る雪に少し心を奪われていた。
神浜市でも、それ以外の場所でも魔法少女達はクリスマスを包み込む雪に心奪われていた。
□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ エントランス 翌日の午前中
翌日もホテルフェントホープのエントランスには何故か白羽根と黒羽根達がローブ姿でたくさん集まっていた。
黒羽根15=黒江「昨日はそんな事があったんですか」
黒羽根9「うん。でも・・・」
ミユリ「まさか今日も集まるとは思わなかったです!思わなかったです!」
神楽教官「やる事が無かったから何となく来ちゃったのよね・・・」
郁美「今日のバイトは午後からだから私も来たしね」
友紀ゆみ「交流会も悪く無いしね」
観鳥さん「まあ観鳥さんは何となく凄い写真が撮れる気がするんだよね」
一夜「そうなんですか?」
観鳥さん「何となくだけど良い予感がするんだ」
ゴーン ゴーン
突然大聖堂に設置されていた鐘が鳴り響いた。
一夜「あれ?なんで鐘が鳴っているの?」
観鳥さん「おかしいね。あの鐘は普段は鳴らない筈なのにね」
神楽教官「妙ね。誰か大聖堂にいるのかしら?みんなで調べて見ましょう」
一同「はい」
神楽教官の提案を聞いてその場にいた羽根達全員が大聖堂に向かった。
大聖堂は開くこの場にいる羽根全員が入っても余裕の広さだった。
だからこそ神楽教官は全員で調べる事を提案したのだった。
郁美「特にこれと言って何もないね」
友紀ゆみ「でも・・・。なんで鐘が鳴ったんだろう?」
その時突然、大聖堂の照明が消えた。
神楽教官「えっ?何かしら?」
ミユリ「何です!?何です!?」
すると突然スポットライトが輝くと大聖堂にある祭壇の一点を照らし出した。
そこにはライトの光で反射している衣装を来た人影?がいた。
すると同時にの頭上から何かが降って来る。
黒江「これ・・・。折り紙の花?」
人影?「ああ。僕はここに来てしまった。この妖しくも美しき洋館に集う少女達との出会いを求めて」
一同「はっ!?」
突然響く妙な発言に一同は驚きを隠せなかった。
人影?「この身が焼かれようと構わない。何故ならここには全てを賭けて愛せる存在がここに集っているからだ。愛を失った僕は愛を求めてここへ来たのだから」
声を発する人影の姿が一同の目にもはっきりと見えて来る。
それはラメ入りの派手な黒スーツを着て肌が異常なまでに白く金の髪を肩まで生やした華奢な印象を見せる・・・少年?だった。
よく見ると黒スーツの胸元にはマギウスのペンダントが付けられている。
一夜「えっ!?どうして男の子がここに!?」
神楽教官「これもウワサかしら?」
観鳥さん「でも魔力反応は無いですよね?」
ミユリ「じゃあ一体何ですか?何ですか?」
郁美「くみもぉわかんなあい~!?」
友紀ゆみ「いや。ここはぶりっ子ぶらなくても」
そう言っている間に人影=少年?はこちらに近づいて来る。
少年?「やあ。美しいお嬢さん方。ローブで素顔は見えない様にしていてもあなた方の持つ美しさは隠せないですよ」
少年?は薄い笑みを浮かべながら現実味の無い台詞は普通に語った。
それこそが少年?の存在をより異質へと思わせていた。
黒江「いやいやいやいや。あなたどうやってここに入ったの?」
全員が抱いていた疑問を黒江は話していた。
少年?「欲しかったから」
黒江「え?」
少年?「僕は本当の愛が欲しかったから最後の希望を求めてここに来たんです。ここにはこんなにも希望に溢れているじゃないですか?」
そう言って少年?は黒江に手を差し出した。
少年?「僕の事を心配してくれてありがとう。あなたはきっと広い愛を持っているんですね」
黒江「っ!?」
黒江は顔を真っ赤にして顔をそむけたがその様子は周囲にバレバレだった。
観鳥さん「いや。と言うかさ君、本当に何しにここへ?」
少年?「言っているじゃないですか?本当の愛が欲しいんです!僕の両親は僕を精神的に捨てた!だから欲しいんです。あの日、十字架の元で愛を誓った恋人たちの様な燃える様な愛を求めてこの最後の希望、フェントホープへ来たんです」
少年?は目に涙をも浮かべている。
観鳥さん「いや。愛ね・・・。ここはそう言う場じゃ無いと思うけど・・・」
少年?「いいえ。そんな事はありません!だってあなたは僕を心配して声を掛けてくれたじゃないですか!」
観鳥さん「えっいや!?」
涙を潤ませた目で見て来る少年?にたじろぐ観鳥さん。
観鳥さん(観鳥さんはゴシップ専門だからこういうのは慣れてないんだよ)
郁美「ちょっと!令ちゃんを困らせちゃめっ!だよ~!」
少年?「ああ。本当にすみません。また悲しませてしまった。僕はあの時の様に人を悲しませる事しかできないのか・・・」
両目から涙を流してその場に座り込み両手を組み祈る仕草を見せる少年?。
郁美「え?いや別にくみは責めている訳じゃ」
友紀ゆみ「そうだよ。それにこれじゃくみちゃんが泣かしたみたいじゃない」
少年?「これは失礼。僕は涙もろくて・・・。うれし泣きです。ではお詫びに」
そう言って少年?が右手をひねるとそこには赤いバラが握られていた。
少年?「この赤いバラはあなたへのお詫びです」
郁美「あっありがとう・・・」
郁美は顔を赤らめてバラを受け取った。
神楽教官「ここにいる子達は確かに希望を求めてここにいるけど・・・。あなたの言う愛を求めている訳じゃ無いと思うわ」
ミユリ「そうです!燦様の言う通りです!です!」
少年?「それなら僕が希望になりましょう!」
神楽教官「えっ!?」
ミユリ「です!?」
少年?「人の持つ愛は無限の可能性があります。だったら僕が希望になりましょう。たとえこの身が朽ちても僕の心に生まれた愛が必ず希望になりますから!」
大袈裟なポーズで神に祈る仕草を見せる少年?
神楽教官「あなたの愛がどう希望になると言うの?」
少年?「愛は全てを壊し作り出す、人が持つ究極の感情じゃないですか。これが希望じゃなくてなんだと言うのですか?お姉様」
神楽教官「お姉様!?いや。私・・・。そういう風に言われるのは慣れていないから・・・」
神楽教官ですら少年?の言動に振り回されて顔を背けた。
ミユリ「待つです!待つです!燦様をお姉様って呼ぶなんて!ミユでも様付けなのに!」
少年?「ああ。また人を傷付けてしまった。僕の悪い癖だ。可愛い年下の女の子がいるとつい少しイジワルしたくなるんです。僕の妹になってくれませんか?」
ミユリ「!?・・・・・・・・・」
少年?「僕を君のお兄様にして下さい」
ダメ押しの一言でミユリは完全に沈黙してしまった。
神楽教官「ミユリ・・・。飛んじゃってるわね・・・」
観鳥さん「しかし・・・。本当にどうします?観鳥さんの手には負えませんよ」
神楽教官「せめてみふゆさんでも来てくれたら・・・」
すると大聖堂の扉が開く音がした。
みふゆ「皆さん。どうしたんですか?大聖堂に集まって」
全員「みふゆさん!?」
タイミング良く現れた私服姿のみふゆに驚く羽根達。
少年?「ああ。また美しい人が僕の元へ現れた。僕が花ならあなた達はきっと綺麗な蝶なんだろう。美しい心の羽根があなたにもありますよ」
みふゆ「えっと・・・。あなたは誰ですか?」
観鳥さん「実は・・・」
観鳥さん達は少年?の事をみふゆに説明した。
神楽教官「と言う訳なんですが・・・。これウワサですか?」
みふゆ「こんなウワサがいるなんて聞いていませんが・・・」
少年?「あなたも僕のお姉ちゃんになってくれるんですか?お姉ちゃん」
屈託のない笑顔で語る少年?にみふゆもたじろぐ。
みふゆ「いえいえ。ワタシ一人っ子ですよ!?」
少年?「じゃあ僕を弟に出来るじゃ無いですか?それとも・・・姉さん。姉さんを好きだというのは決して変えられないですよ!」
みふゆ「いや。ですからワタシは・・・」
みふゆまでも狼狽してしまい誰もこの状況を押さえられそうになかった。
すると再び大聖堂のドアが開く音がした。
ねむ「みふゆ。見に行ったまま帰って来ないけど、どうしたんだい?」
ナナツメ「・・・・・・・」
そこへナナツメを伴ってねむが入って来た。
みふゆ「ねむ?実は・・・。変な少年がフェントホープに。と言うよりこれウワサですか?」
ねむ「えっ?・・・・・・・・・」
ねむは少年の方を見ている。
少年?「ああ。美しく今にも折れそうな枝の様にはかない文学少女に仕事以外関心が無いと言うお姉さんが僕に会いに来てくれたなんて・・・。僕は幸せ者だ」
少年?は既に自分の世界に入っている様だった。
ねむ「・・・・・・・・・」
何かを堪えているねむだったが物凄く話辛そうにしていた。
ねむ「ナナツメ。君はあれが誰か分かるよね?」
ナナツメ「小生には分かります。そんな恰好で何をしている?彩月」
少年?=彩月「フッ。な~んや。ねむ様やナナツメさんの目は誤魔化せないなあ」
一同「えー!?」
彩月「よっと。もうこのウイッグはええやろ」
そう言って金髪のウイッグを取るとそこにはいつも通りの紫色の髪があった。
彩月「みんな気付くの遅いで」
ねむ「ふふ。とてもよく似合っているよ」
笑いながらねむは愉快そうに語っていた。
一夜「全然気が付かなかった・・・」
彩月「一夜さんは気付くと思ったんやけどな。だから少し距離を取っていたんやけどな」
一夜「ごめん。全く分からなかった・・・」
みふゆ「ええ。ワタシも分かりませんでした」
神楽教官「ええ。私も」
観鳥さん「観鳥さんも分からなかったよ」
ねむ「で、なんでこんなことをしているのかな?」
彩月「せっかくのクリスマスやし少しカッコつけようと思うてな~。前々から仕込みはしていた訳やしな」
ねむ「それで大聖堂の仕組みを聞いたんだね。まあ別に構わないよ。今は休みだし。ところで誰がスポットライトの操作をしているんだい?」
彩月「あっ!?そうやった。もうええでー。お二人共ご苦労さーん!」
彩月がスポットライトの照らされる方向に向かって声を掛けた。
時雨「もう良いみたいだね。はぐむん」
はぐむ「うん。急に手伝ってって言われてびっくりしちゃったよね」
彩月に協力していたローブ姿の時雨とはぐむはスポットライトを消して大聖堂に降りて来た。
彩月「二人にはえらい手伝うともろたな。お礼をせんとな」
そう言って再び金髪のウイッグを付ける彩月。
時雨「えっ!?」
はぐむ「お礼って・・・」
困惑する二人に対して彩月はいきなりローブ越しにはぐむの両肩を掴んだ。
はぐむ「えっ!?」
彩月「美しいお嬢さん。僕と一曲踊ってくれませんか?」
はぐむ「えっえっ!?」
困惑して顔を真っ赤にするはぐむはその場にへたり込んでしまった。
時雨「はぐむん!?」
彩月「おや。やり過ぎたか?お次は・・・。ちょいとこっちに」
時雨「えっ?」
彩月を時雨の手を引っ張って壁際に連れて行った。
ドン!!
そして思いっ切り時雨の顔の脇へ壁を叩いた。
郁美(壁ドン!?乙女の憧れの!?)
彩月「なあ。俺の心の渇きを・・・。その柔らかい唇で癒してくれ」
時雨「!?」
時雨は顔を真っ赤にしてその場に崩れ落ちた。
観鳥さん(うわぁ・・・。凄いカッコいい声で言ったよ)
神楽教官(宮尾と安積。完全に沈黙しちゃったわね・・・)
彩月「さて。ねむ様にも。後5年経ったら僕の花嫁になってくれるかい?」
ねむ「遠慮しておくよ。君みたいな旦那はお断りだね。むふ」
彩月「残念やな~。ウチ。ノリノリやのに」
ナナツメ「悪ふざけはそれ位にしておけ。皆困惑してるぞ」
実際、何人も彩月の行動に困惑して固まっていた。
彩月「数ヵ月も頑張って仕込んだ甲斐があったなあ」
観鳥さん「そんなに前から準備していたのかい?」
彩月「そうやで。大聖堂があると知ってからずっと考えとったんや」
神楽教官「その衣装はどうしたの?随分と高そうだけど」
彩月「ああ。これなら神浜にあるコスプレ専門店で安売りされてたのを、このウイッグと一緒に買っただけやで」
郁美「そのお化粧も自分で・・・」
彩月「色白のが似合うと思うておしろい沢山使こうたからな」
黒江「さっき上から降って来たこの折り紙の花も・・・」
彩月「一枚一枚ウチの手作りやで。愛情も入っとるで」
黒江「はあ・・・」
彩月「それじゃあウチのショーも楽しんでくれたかなあ?さっきの言葉は本気かも知れへんで」
そう言って彩月はウインクをして見せた。
一同「うっ!?」
羽根の一同に動揺が広がる。
ねむ「これ以上は混乱が広がるのは困るからショーは終わりにしてくれるかな?」
ナナツメ「・・・・・・・」
彩月「ナナツメさんの目が怖いで。これで終いや。終い」
そう言って彩月はウイッグを取った。
観鳥さん「ウイッグが無ければおしろい以外はいつも通りだから良いんだけど・・・」
郁美「それでも妙な迫力があるよね・・・」
彩月「けどなあ・・・・」
そう言って彩月は一夜の傍に向かった。
彩月「一夜さんには何時でもやってあげるで」
一夜「!?」
一夜も顔を真っ赤にしてへたり込んでしまった。
ねむ「彩月・・・。君が・・・。責任を持って一夜を部屋に送ってあげてね」
誰の目にもねむが笑いを堪えているのは明らかだった。
彩月「はい。一夜さんをちゃーんと部屋まで送ります」
ピシッと背を伸ばして姿勢を正した彩月はへたり込んだ一夜を立たせて肩を貸した。
彩月「ちょっと待てよ・・・。こうのがええか」
言いながら彩月は再びウイッグを付けると一夜の事をお姫様抱っこして見せた。
彩月「この方が一夜さんは楽やろ」
その姿はまさしくドラマ的でもあった。
お姫様を抱える王子様ともと言う。(同性同士だが)
神楽教官「悔しいけど様になってるわね」
観鳥さん「はい。写真は撮ったけど・・・。似合い過ぎですね」
郁美「やっぱり令ちゃん写真撮ったんだ」
友紀ゆみ「あれだけ似合うと何も言えないよね」
黒江「そう言えばみふゆさん達はどうして今日はフェントホープに?」
みふゆ「はい。ちょっとねむと打ち合わせる事がありまして・・・」
ねむ「うん。ウワサの状態をチェックする必要があるからね。君達だって急にフェントホープが消滅したら困るだろう?」
黒羽根9「それは確かに・・・。困ります」
ねむ「まあ特に何も無いと思うから安心して。行こう。みふゆ。ナナツメ」
みふゆ「はい。では皆さん。交流会の方は続けて下さい」
ナナツメ「片づけは気にするな。後で彩月にやらせる」
そう言ってねむとみふゆ、ナナツメは去って行った。
神楽教官「まあせっかくだし交流会を続けましょうか。エントランスに戻りましょう」
観鳥さん「じゃあ動けない子はみんなで手分けしてエントランスのソファーに連れて行くから手伝って」
郁美「うん。くみはもう動けるから」
友紀ゆみ「私も平気だし」
黒羽根9「はあ・・・。変な騒ぎ・・・」
神楽教官「ミユリ。行くわよ」
ミユリ「・・・・・・・」
神楽教官「飛んだままね。まあ良いわ。みんな出ましょう」
神楽教官に促されて全員は大聖堂を出て行った。
そしてエントランスで再び交流会が始まった。
郁美「ねえ。令ちゃん。さっきの彩月ちゃんを写真に撮ったみたいだけど見れるの?」
観鳥さん「ああ。見れるよ。ほら」
観鳥さんはデジカメの画面から直接写真を見せた。
郁美「やっぱりよく似合っているよね。王子様みたい・・・」
観鳥さん「そんなに気になるのかい?」
郁美「うん。やっぱりメイクの仕方とか凄いなって」
神楽教官「確かに菖蒲のアレは見事だったわね。私も騙された位だもの」
友紀ゆみ「やっぱり凄いんですね。黄羽根の人って」
観鳥さん「ナナツメさんは護衛として優秀だし。一夜さんは道具作りに秀でている。そして彩月さんは見事な演技力を持っているしね」
郁美「うん。くみも負けてられないよぅ!」
称賛される彩月の話を聞いて顔を歪める一人の羽根がいた。
黒羽根9(下らない・・・。あんな魔法少女として半端者の何が良いって言うの・・・)
だが黒羽根9は歪めた表情を直ぐに正した。
周囲に自信の感情を悟られない様に。
黒羽根9(私が背負っている物はあんなヤツとは違うんだから・・・)
□ ホテルフェントホープ ねむの私室
ねむとナナツメ、それにみふゆは3人でねむの私室に来ていた。
しかし3人はねむの部屋の壁際に立っている。
ねむ「さて・・・」
ねむが魔法少女に変身して壁に手を当てると壁が開いて隠し通路が現れた。
みふゆ「こんな隠し部屋があるんですか・・・」
ねむ「そうだね。こう言う古風な建物に隠し部屋があるなんて小説の様だろう?」
みふゆ「確かにそうかもしれません」
ナナツメ「・・・・・・・」
みふゆ「この奥に彼女はいるのですか?」
ねむ「うん。いるよ」
みふゆ「ところで・・・。他にも隠し部屋はあるのですか?」
ねむ「あると言えばあるね。今はこれだけだけど増やそうと思えば増やせるしね。着いたよ」
ねむ達の眼前にはベッドで眠っている少女がいる。
制服姿で特徴的な金色の髪を生やしている。
みふゆ「やはり彼女が原因なのですか?」
ねむ「ちょっと違うね。神浜市で起こった神浜聖女の起こした奇跡とアリナの使った毛皮神のウワサの暴走。両者を引き起こしたのはやっぱりハッピースタンプのウワサみたいだね」
みふゆ「アリナの方は聞いていましたけど彼女の方もですか?」
ねむ「うん。彼女に取りていていた神浜聖女のウワサとハッピースタンプのウワサが共鳴してクリスマス限定で活動したみたいだね」
みふゆ「そう言う事だったんですか・・・。それで彼女の状態は?」
ねむ「特に変わりはないみたいだね。ウワサも良く馴染んで来ているよ」
みふゆ「・・・・・。彼女の事はこれで良かったんでしょうか?」
ねむ「まあ・・・。アリナの提案だからね。でも必要な事だったとは思うよ。彩月に施した魔法を転用する事が出来たからね」
みふゆ「じゃあ予定通りに?」
ねむ「うん。年始にでも彼女にも僕達と一緒に活動して貰おうか」
みふゆ(もうこんな事が繰り返されなければいいのですが・・・)
みふゆはベッドで眠る彼女との出会いを思い出していた。
彼女の存在を知ったみふゆの用意したヒントを解いて彼女はみふゆと出会った。
だがその出会いでみふゆの話を聞いた結果、彼女はこうなっているのだ。
みふゆ(これ以上・・・。マギウスが暴走しない様にワタシがしっかりとしなければいけませんね・・・)
これからの事を思いみふゆは気を引き締めていた。
□ ホテルフェントホープ 一夜の部屋
ベッドの上で横になる一夜。
その脇にいる男装姿の彩月。
一夜「・・・・・・・・」
彩月「よう眠っとるなあ。刺激が強すぎたかあ?」
一夜「・・・・・・・・」
彩月「悪い事したなあ。ごめんな。一夜さん。お詫びはいつかするさかい勘弁してな~」
そう言って彩月は一夜の部屋を出た。
ベッドで横になっている一夜は彩月が部屋を出ると手で顔を覆った。
一夜「彩月さんの・・・イジワル」
一夜の顔は真っ赤だった。
一夜の部屋を出た彩月は自室で私服に着替えておしろいを落とすと再びエントランスに顔を出した。
彩月(さて・・・。私服に着替えたしウチも交流会に参加させて貰いますか)
彩月「皆さん。おまたせやでー」
エントランスに彩月が顔を見せると周囲は見て分かる様にドキッとした反応を見せる羽根もいた。
彩月「なんや。もう私服なんやから驚く事ないやろ」
観鳥さん「まあ・・・。さっきの男装のインパクトが強すぎたからね」
彩月「そんなに好評ならもう一度やってもええで」
神楽教官「菖蒲の男装は刺激が強すぎるからやめておきなさい。まだ横になっている羽根もいるんだから」
彩月「おや。意外やなー。まあ一夜さんもやし仕方ないなあ」
観鳥さん「ところで彩月さん。一つ相談があるんだけど」
彩月「なんや?観鳥さんが相談何て珍しいな」
観鳥さん「まあ簡単な話だよ。今度配信するマギウスのメルマガであの男装した写真を使っても良いかな?」
彩月「なんや。やっぱ撮っとったのか。ええで。その代わり出だしはこうや。フェントホープに現れた幻の王子様とな」
観鳥さん「うん。じゃあ出だしはそれを頂くよ」
郁美(あの彩月ちゃんの姿がメルマガで配信!?)
神楽教官(これは・・・)
友紀ゆみ(配信されたら画像だけ保存しようかな)
黒江(一枚ぐらいは・・・)
はぐむ(・・・。少し欲しいかも)
時雨(あの人の画像・・・。保存しとこう)
そこへ現れたねむとナナツメ、みふゆ。
ねむ「何だか盛り上がっているみたいだね」
ナナツメ「小生もそう思います」
みふゆ「そうですね。ワタシ達も参加して行きますか?」
ねむ「みふゆは参加すると良いよ。僕は私用があるから失礼するよ」
ナナツメ「小生が送ります」
みふゆ「ナナツメさん。頼みます。それじゃねむ。また今度」
ねむ「うん。また今度」
ねむはナナツメを伴ってフェントホープを出て行った。
みふゆ「皆さん。何を話しているんですか?」
彩月「ああ。みふゆさん。今度、マギウスのメルマガでウチの特集をしてくれるって観鳥さんが言うてな」
みふゆ「えっ?それってもしかしてさっきの姿の?」
観鳥さん「はい。何枚か写真はありますからね」
みふゆ「それは・・・」
観鳥さん(もしかしてマズかった?)
みふゆ「楽しみですね。今日来れなかった人たちにも見せてあげたい位ですから」
満面の笑みを見せて答えたみふゆに観鳥さんは安堵していた。
観鳥さん「では今夜にも記事を仕上げます」
彩月「楽しみにしとるでー」
みふゆ「ワタシも楽しみです」
□ 翌日の神浜市
翌朝にマギウスの翼に所属する魔法少女達のスマートフォンに観鳥さんからのメルマガが配信された。
七瀬ゆきか「あれ?今日はメルマガの配信日では無かったですよね?」
自宅でメルマガを受け取った七瀬ゆきかは予定外に配信されたメルマガに少し驚いていた。
七瀬ゆきか「えっ?これって・・・」
その頃、神浜市の各地では。
柚木ほとり「こっこれって・・・」
自宅でスマホが受信したメルマガを見て驚くほとり。
天音月夜「これは・・・」
自宅でメルマガを見て驚く月夜。
そこへ月咲から電話がかかって来る。
天音月咲「月夜ちゃん!あのメルマガ見た?」
天音月夜「はい・・・。正直驚いたでございます」
天音月咲「うん。まさかこんな事をするなんて・・・」
二人の見たメルマガに写っていたのは昨日披露された男装した彩月の姿だった。
それも「フェントホープに現れた幻の王子」と言う見出し付きで。
天音月夜「それにしても・・・」
天音月咲「良く似合っているよね・・・」
そして一方では・・・。
里見灯花「うん?いつのものメルマガかにゃー?えっ!?これって」
メルマガを読んだ灯花はねむに連絡を取った。
灯花「ねむー!?メルマガの事なんだけど」
ねむ「何だい。灯花。騒々しいね。その件なら知っているよ」
灯花「じゃあやっぱりあれは本当に彩月なのー!?」
ねむ「うん。良く似合っているよね」
灯花「にわかには信じられないにゃー!?」
ねむ「全く同意見だよ」
そしてまた一方では。
みふゆ「アリナ。今朝のメルマガは見ましたか?」
アリナ「別に興味が無いから見てないですケド」
みふゆ「見た方が良いですよ。今日の記事は面白いんですから」
そう言ってみふゆはアリナに自身のスマホから記事を見せた。
アリナ「・・・。やっぱり別に興味無いんですケド」
みふゆ「面白い記事だと思うんですが・・・」
アリナ「ハア・・・。まあ自分と言う素体を見事に活かしているとは思うワケ。けどアリナのやろうとしている事とは違うから評価は出来ないワケ」
みふゆ「アリナらしい感想ですね」
アリナ「でも・・・。これがOKならみふゆの身体を使った芸術はまだ諦めてないワケ」
みふゆ「えっ!?」
アリナ「アリナの芸術にはみふゆのパーフェクトボディが必要なんだカラ」
みふゆ(これは・・・。余計な事を言ったかも知れません・・・)
それぞれの感想が述べられている時、張本人である彩月は。
彩月「とまあ昨日はそう言う仕込みをしとったんや」
彩月は誰かに話しかけている。
彩月「さて。まあ数ヵ月は準備した訳やしやらな勿体ないからな。まあ満足やったわ」
彩月「だから次はウチが約束を果たす番やな」
彩月「大丈夫や。ウチは約束を守るで」
あとがき
この話はマギアレコードにおける、みかづき荘のメリークリスマスとアリナが街にやって来ると同時期に起こったマギウスの翼クリスマス話です。
彩月が男装するのとマギウスメンバー交流会の部分だけは決まっていました。
日記に書かれている恋愛成就のウワサとなっているのは2021年の海に関する3連続イベントと同じ場所です。
あの日記はあからさまな伏線です。
雪のシーンで多くの魔法少女が雪を見た感想を書くのが大変でした。
ネタバレにならない範囲でこの時期、確実に契約していたキャラクターだけを書きました。