マギアレコード 偽書e/s memorys 作:ジャックノルテ
今回のストーリーはマギアレコード メインストーリー及びアナザーストーリー第一部の第4章と第5章の間を想定しています。
そして美国織莉子、呉キリカ、千歳ゆまの魔法少女ストーリーの後日談として構成されています。
なお各ストーリーのネタバレ描写も含みます。
追記
マギアレコードでおりこ☆マギカイベントの開催が確定したので、このストーリーは全てボツにしたエピソード、リジェクトストーリー扱いとなります。
ですからこの話における描写は本編には反映されません。
□ 見滝原市 美国邸 客間 次の日の朝
織莉子とキリカは向かい合ってテーブルの前に置かれた椅子に座っていた。
キリカ「それで織莉子。今日は一体どうするんだい?」
織莉子「そうね。キリカ。今日も神浜へ行くわよ」
キリカ「今日もかい?別にいいけど何か進捗があったのかい?」
織莉子「新しい予知を見たわ。今日の午後、神浜市の中央区で昨日見たアレと同じ現象を起こす魔法少女がいるわ」
キリカ「そうなんだ。でも見るだけなら私だけでも大丈夫だよ?」
織莉子「今日は見るだけじゃ駄目なのよ。予知の中にアレを見て平然としている者が写ったわ」
キリカ「それって」
織莉子「そうよ。ようやく手掛かりが得られたみたいよ。だから学校は休んで今日の午後に合わせて神浜市へ向かいましょう。学校に行っていたら間に合わないわ」
キリカ「分かったよ!織莉子。別に学校へ行かなくても織莉子と一緒にいられるなら問題ないしね」
織莉子「わたしも時間を合わせる関係上、今日は学校を休まないと。でもキリカ。勉強を疎かにして良い訳じゃないから、時間までわたしと勉強をしましょう」
キリカ「えっ!?織莉子が一緒に勉強してくれるのかい?それなら私も勉強するよ!」
織莉子「勉強をサボるのは良くないわよ」
キリカの対応に少し呆れた織莉子だったが、それから丁寧に勉強を教えたのだった。
時間は経過して午後の神浜市中央区。
制服姿の美国織莉子と呉キリカは神浜市中央区にある神浜中央駅に電車に乗って辿り着いていた。
キリカ「織莉子。これから何処へ向かうんだい?」
織莉子「こっちよ。行く場所は分かっているわ」
織莉子は迷う事無く進んで行きキリカはそれに付いて行った。
やがて路地裏に辿り着くと織莉子はスマホの時計を見た。
織莉子(予知の時間まで後20分・・・)
織莉子(キリカ。聞こえる?)
織莉子はテレパシーでキリカに話しかけた。
キリカ(聞こえてるよ。織莉子)
織莉子(これから昨日と同じ・・・。アレと同じ現象が起こるわ。だから周囲に警戒して頂戴。なるべくこれからここに来る魔法少女達にわたしとキリカの存在を悟られる訳にはいかないの)
キリカ(分かったよ。織莉子。探すのは例の黒いローブを着た子だろう?)
織莉子(ええ。方角は分かっているから焦る必要は無いわ)
織莉子とキリカが周囲に警戒しながらビルの路地裏に潜んでいると魔女の魔力を感じ取った。
織莉子(魔女・・・。キリカ。わたし達はこのままここで待機よ)
キリカ(うん。分かったよ)
魔女の結界に複数の魔法少女が入り込んだ事を織莉子とキリカは気が付いた。
暫くすると魔女の結界は崩壊して4つの魔力反応から4人の魔法少女が脱出した事が二人にも感じ取れた。
するとそこへ織莉子の予知通りにツインテールの魔法少女を3人の魔法少女が連れ込んで来た。ツインテールの魔法少女のソウルジェムは濁っている。
3人の魔法少女は心配そうに呼び掛けている。
それ故に潜んで様子を窺う織莉子とキリカには気が付かなかった。
するとツインテールの少女の濁り切ったソウルジェムから穢れを帯びた蛇の様なモノが出て来た。
織莉子(きた・・・)
キリカ(アレって昨日と同じ・・・)
織莉子は直ぐに周囲を見渡した。
すると予知通りに織莉子達の向かい側の路地から黒いローブを着た何者かがツインテールの少女の方を隠れて見ていた。
織莉子(キリカ。行くわよ!)
キリカ(織莉子?分かったよ)
織莉子は予めスマホの地図アプリで周囲の道を調べていた。
入り組む路地裏を移動してツインテールの少女と3人の魔法少女に気付かれる事無く黒いローブを着た何者かの後ろ側に辿り着く事が出来た。
遠めだったがツインテールの少女と3人の魔法少女は路地を出て行くのが見えた。
黒いローブを着た何者かもそれを見て立ち去ろうとする素振りを見せた。
黒羽根5(ドッペルの反応があったから見に来ましたけど・・・。ドッペルを出したのは木崎衣美里・・・。要注意人物である都ひなのと組んでいる魔法少女・・・。他の二人は志伸あきらと綾野梨花。確かマギウスで配布されたリストによると・・・。まだ魔女化は知らないから下手な勧誘は出来ませんね・・・)
織莉子「ちょっと良いかしら?」
黒羽根5「えっ!?」
驚く黒羽根5が振り返るとそこには自信と面識のない制服姿の織莉子とキリカが立っていた。声を掛けて来たと理解するのに黒羽根5は驚きの余り時間を要した。
織莉子「あなた・・・。魔法少女でしょう?」
黒羽根5「・・・・・・」
織莉子「今、路地裏で起こったソウルジェムに起こった現象。あんな事は本来あり得ない筈でしょう?」
黒羽根5「!?」
織莉子「本当だったら・・・。魔女化する筈だった。そうでしょう?」
黒羽根5「・・・・・!」
キリカ「黙ってないで何か言ったらどうだい?」
黒羽根5「知っているんですか?」
周囲を警戒して声を落として黒羽根5は答えた。
キリカ「えっ?」
黒羽根5「魔女化の事を知っているんですね?」
織莉子「ええ。わたし達はソウルジェムが穢れ切った時、グリーフシードに変わる事を知っているわ」
黒羽根5「それなら大丈夫です。今ソウルジェムに起こった現象・・・。ドッペルについて聞きたいんですね」
織莉子「アレはドッペルと言うの?そうね。わたしはドッペルについて知りたいわ。それにドッペルについて知っているあなたの事も」
黒羽根5「え?」
織莉子「その姿を隠している様子だと・・・。あなた一人が全てを知っていると言う訳では無いんでしょう?」
黒羽根5「確かにそうです。説明をしますから場所を移しませんか?我々の拠点に案内します」
織莉子「いいわ」
黒羽根5「こっちです」
そう言いながら黒羽根9はローブ姿から制服姿に戻った。
織莉子の眼前で金髪を生やし赤いカチューシャと赤い瞳の素顔を見せる黒羽根5。
その制服姿に織莉子は見覚えがあった。
織莉子(あの制服・・・。確か水名女学園の・・・)
織莉子の通う白羽女学院と水名女学園には、女学校同士の交流関係があった為、織莉子も水名女学園の制服を見知っていた。
キリカ(織莉子。このままで良いのかい?)
織莉子(ええ。彼女から詳しい話を聞いてみましょう)
キリカ(うん。私は君に従うよ)
確認の為に織莉子にテレパシーを送ったキリカは織莉子の答えに納得した。
そして織莉子とキリカは黒羽根5の先導に従って後を付いて行った。
□ 神浜市内 中央区 廃墟
廃墟に佇む制服姿の織莉子とキリカ、それに制服姿の黒羽根5。
キリカ「まだなのかい?織莉子を待たせるなんて私のストレスに繋がるよ」
黒羽根5「すみません。もう少しで来ると思います・・・」
織莉子「焦る事は無いわ。キリカ。重要なのは話を聞く事なのだから」
織莉子とキリカは黒羽根5からドッペル等に関する説明を受ける為に廃墟に来ていた。
黒羽根5は廃墟に来ると誰かにスマホで連絡を取りここで待つように言われたとの事だった。
黒羽根5(この織莉子と言う人の着てる制服・・・。確か交流会に来た白羽女学院の制服ですよね?神浜からはかなり離れた街の学校だった気が・・・)
そこへ駆け足で足音が織莉子達のいる部屋へ近づいて来る。
???「遅くなりました」
そこへ現れたのは、織莉子よりも年上に見える銀髪の女性だった。
織莉子(この人・・・。何処かで見た様な・・・)
織莉子は銀髪の女性に見覚えがあったが誰だか直ぐに思い出せなかった。
しかし水名女学園との交流会で見た事だけは確かだった。
銀髪の女性が着て黒羽根5は直ぐにテレパシーを送った。
黒羽根5(みふゆさん!来てくれてありがとうございます。知っている白羽根の人達に連絡が付かなかったので・・・)
???=梓みふゆ(良いんですよ。これもワタシの仕事ですから。後はワタシに任せて下さい)
黒羽根5(いえ。わたしも立ち会います。わたしが招いた面倒事なので・・・)
みふゆ(そうですか。では立ち合いをお願いします)
黒羽根5(はい!)
みふゆ「まず名乗らせて貰います。ワタシは梓みふゆと言います。彼女、黒羽根の上司と思って貰って構いません」
織莉子「わたしは、見原織莉子と言います」
キリカ(えっ?苗字を偽るのかな?)
キリカは織莉子が苗字を偽った事に疑念を感じたが表情には見せなかった。
織莉子「そしてこちらは妹のキリカです」
キリカ(えっ!?私が織莉子の妹!?)
キリカの心は織莉子の爆弾発言に動揺していた。
織莉子(キリカ。合わせて)
キリカ「うん。私は織莉子の妹さ」
突然、織莉子と姉妹にされたキリカは更に驚いたが、何とかポーカーフェイスを貫いてぎこちない返事をした。
みふゆ「姉妹の方ですか?」
黒羽根5(姉妹なのに似てないですよね?それに妹なら普通は姉さんと呼ぶと思うのですが・・・)
みふゆと黒羽根5は疑問を抱いた様子だったので織莉子は予め考えていた答えを告げた。
織莉子「容姿が似てないのは当然です。両親の再婚で義理の姉妹となった間柄ですから」
みふゆ「あっ。そう言う事ですか。すみません。立ち入った事を聞いてしまい」
織莉子「良いんです。慣れていますから」
微笑を浮かべて答えた織莉子の嘘をみふゆと黒羽根9は見抜けなかった。
みふゆ「では・・・。魔女化を知っているなら、まずはドッペルに関して説明しましょう。そこから順に我々の組織についてもお話します・・・」
織莉子「お願いします・・・」
それからみふゆによってドッペルに関する説明が行われた。
神浜市においてのみ発生する魔女化を回避する現象=ドッペル。
そしてそのドッペルシステムを世界中に広げて世界中の魔法少女を救う為に魔女を集めて育成してウワサと呼ばれる物を扱う魔法少女の救済組織であるマギウスの翼の事を。
みふゆの話した内容は織莉子の予知に含まれなかった内容だった為、織莉子は驚きながらも話を聞いていた。
実際問題として話された内容は衝撃的な物だったのは確かだった。
織莉子もキリカも話の内容に驚きを隠せなかった。
織莉子(魔法少女を救済する組織マギウスの翼・・・。これは思っていたよりも大きな事だったのね・・・)
みふゆ「さて・・・。ワタシは一通り話し終えましたが・・・。織莉子さん。キリカさん。何か質問はありますか?」
織莉子「いいえ。今の説明で十分に分かりました。キリカも分かったでしょう?」
キリカ「うん。織莉子の言う通りだよ」
みふゆ「そうですか。安心しました。余り説明には慣れていないので」
織莉子「それで梓さん。ここまで色々話す事が出来ると言う事は・・・。マギウスの翼にわたしとキリカが参加した方が良いと言う事ですね?」
キリカ「!?」
みふゆ「お見通しですか・・・。確かにここまで話したんですから参加して欲しいのが本音ですね。我々の組織は来る者を拒みませんから」
織莉子「断ったらどうなるのですか?」
織莉子の言葉を聞いてキリカは無意識に身構えていた。
みふゆ「その制服から察すると・・・。神浜の魔法少女では無いですよね?だからワタシと会った事に関しては口止めをさせて貰います。それ以外に特にペナルティは無いですね。ドッペルの事を話しても構いませんし。他の人に信じて貰えるかどうかは別問題ですから・・・」
織莉子「それなら断る理由が無いですね。わたしとキリカはマギウスの翼に入ります。良いでしょう?キリカ」
キリカ「織莉子が良いと言うなら私は従うさ。織莉子の言う事が間違った事は無いんだから」
みふゆ「ありがとうございます。それでは後日、改めて組織の本部への案内と更なる説明を致しますが」
織莉子(とても待っていられないわ。せっかく得た手掛かり。ここは積極的に・・・)
織莉子「あの・・・。ご都合がよろしければわたしとキリカは今日でも大丈夫ですよ」
みふゆ「えっ?良いのですか?」
織莉子「はい。このチャンスを逃す訳にはいきませんから」
みふゆ「そうですか・・・。では本部に案内します。付いて来て下さい」
織莉子「分かりました。キリカ。良いでしょう?」
キリカ「うん。私は構わないよ」
みふゆの先導に従って黒羽根5と織莉子、キリカはマギウスの翼の本拠地へと向かった。
移動しながら黒羽根5は、みふゆにテレパシーを送った。
黒羽根5(みふゆさん。よろしいのですか?)
みふゆ(大丈夫です。それに勧誘してここまで積極的な人も珍しいですからね。組織に引き入れた方が得策でしょう。マギウスの翼は人員を求めていますから)
黒羽根5(はい・・・)
□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ入り口前
ホテルフェントホープの結界に入り込む為の入り口前にみふゆと織莉子、キリカは立っていた。
織莉子(来る途中でみふゆさんに拠点となるウワサの事は聞いたけど・・・。確かにこの結界は魔女とは違う・・・)
そこへ入り口から黒羽根5が姿を現した。
黒羽根5「ただいま戻りました」
黒羽根5の手には黒いローブが二つ持たされていた。
みふゆ「ありがとうございます。では織莉子さん。キリカさん。ここからはこの黒いローブを被って下さい。素顔で入らない方が織莉子さん達にも都合が良いので」
織莉子「分かりました。みふゆさんは被らないのですか?」
みふゆ「ワタシは幹部ですから必要無いですね。それに・・・。ワタシの場合は顔が見えている事が武器にもなるので」
織莉子「分かりました。では・・・」
躊躇う事無く織莉子は黒いローブを羽織った。
キリカ「私もこれを被るのかい?」
織莉子「キリカ。ここは従いましょう」
キリカ「分かった」
織莉子に促されてキリカも黒いローブを羽織った。
素顔の見えない二人は既に黒羽根の様に見える。
みふゆ「では行きましょう。ワタシに付いて来て下さい」
先導するみふゆに付いて黒羽根5と織莉子、キリカはホテルフェントホープの結界へと入り込んだ。
芝生に囲まれた道を暫く歩くと大きな洋館が見えて来た。
みふゆ「あれがワタシ達の拠点。ホテルフェントホープです」
織莉子「あれが・・・」
織莉子(これがウワサだと言うの?ますます気になるわ。マギウスの翼・・・)
みふゆを先頭に歩いて行くと前から白いローブの白羽根と黒羽根がやって来た。
白羽根5「みふゆさん。お疲れ様です・・・」
黒羽根6「お疲れ様です・・・」
みふゆ「二人共、ご苦労様です」
みふゆが頭を下げると白羽根5と黒羽根6も頭を下げてすれ違った。
黒羽根5と織莉子、キリカも合わせて頭を下げていた。
みふゆの先導を受けて織莉子達3人はホテルフェントホープの入り口を通ってエントランスへ入り込んだ。
みふゆ「話はワタシの部屋で行います」
そう言ってみふゆは、織莉子達3人をホテルフェントホープ内に用意されている私室へと案内した。
みふゆ「ここではもうローブを脱いでも良いですよ」
みふゆに促されて織莉子達3人はローブを脱いで近くのテーブルに置いた。
そしてみふゆと共に3人は用意されたソファーに腰を下ろした。
みふゆ「では改めて・・・。マギウスの翼について詳しく説明させて貰います」
織莉子「お願いします・・・」
キリカ「・・・・・・」
そこからみふゆは、織莉子とキリカに対してマギウスの翼の活動に関して更に詳しい説明をした。
マギウスと羽根で交わす10の約束を。
まず組織に入ると黒いローブを羽織った黒羽根と言う立場になる事。
魔女の捕獲やウワサの守護と言った組織の仕事。
仕事ぶりが認められれば指揮要員である白羽根となる事。
そしてマギウスの翼を率いるマギウスのお三方の事を。
みふゆ「今日は生憎、マギウスのお三方は留守ですが・・・。いずれ顔合わせはして貰うつもりです」
織莉子「分かりました」
みふゆ「先程も言いましたが我々の組織は基本的に魔法少女が所属しています。ですから学業に支障がある場合は遠慮なく申して下さい。実際の所、土日だけ活動している人もいますから」
織莉子「それについては大丈夫です。ただ・・・」
みふゆ「ただ・・・。何ですか?」
織莉子「わたしとキリカは風見野市から来ているので神浜市へ行くのが、時間が掛かってしまうと問題があります」
織莉子(本当は電車代の問題もあるのだけれど・・・)
織莉子は資金の事以外を包み隠す事無く問題をみふゆに話した。
みふゆ「成程。そう言う事ですか。確かに住んでいる場所によっては神浜市と往復するのは大変ですからね。でも大丈夫ですよ。既に組織には解決策がありますから」
織莉子「えっ?そうなのですか?」
自信のあるみふゆの返事に織莉子の方が驚いてしまった。
みふゆ「はい。風見野市なら組織の方で既に転移魔法陣が用意されているので、それを活用すれば風見野市との移動時間は短縮できますよ」
織莉子「そんな事が出来るなんて・・・」
みふゆ「同時に電車代の問題も解決出来ますね」
織莉子「!?・・・。分かっていましたか・・・」
みふゆ「はい。マギウスには他にも遠くの街から組織に参加している人がいますから。毎日使えば電車代もかなりの額になってしまいますからね」
織莉子「お気遣いありがとうございます」
織莉子はみふゆの心遣いに感心すると同時に注意しなければならないとも思っていた。
みふゆ「今日はもう遅いからここまでにしましょう。早ければ明日からでも黒羽根としての仕事をお教えしたいのですが、ご都合の方はよろしいですか?」
織莉子「はい。大丈夫です。キリカも大丈夫でしょう?」
キリカ「うん。私も大丈夫だよ」
みふゆ「では風見野市までの転移魔法陣まで案内致します。ローブを着て付いて来て下さい」
織莉子「分かりました」
織莉子とキリカ、黒羽根5は再び黒いローブを羽織るとみふゆの私室を出た。
みふゆ(そうだ。ゆきかさん。後は大丈夫ですからもう帰っても大丈夫ですよ。長々と突き合わせてすみません)
黒羽根5(いえ。そんな事は。でも・・・。確かにそろそろ帰らないとマズいのでお先に失礼させて貰います)
黒羽根5「では失礼します」
黒羽根5=七瀬ゆきかは一礼してみふゆ達とは反対方向に去って行った。
みふゆ「そうだ。言い忘れていましたがそのローブは差し上げます。マギウスでの制服の様な物なので」
織莉子「はい。常に持ち歩けば良いのですか?」
みふゆ「大丈夫ですよ。そのローブは魔法少女の武器と同じ様にソウルジェムに収められる様に魔法少女が作った物ですから、荷物になる心配はありません」
織莉子「そうなのですか?」
織莉子は試しに変身を解いてみた。確かにローブはソウルジェムの中に収納された。
織莉子「凄い物ですね・・・」
そう言いながら織莉子は変身して黒いローブ再び身に纏っていた。
みふゆ「これもマギウスの仕事に必要な物ですから。そう言えば織莉子さん達と同じ様に風見野市からマギウスの翼に参加している魔法少女がいるので転移魔法陣には彼女にも来て貰いましょうか」
織莉子「風見野から参加している魔法少女がいるのですか?」
織莉子の脳裏に佐倉杏子と千歳ゆまの姿が浮かんだ。
しかしあの二人がこの組織に入っているとは織莉子にはとても思えなかった。
みふゆ「はい。と言っても彼女はマギウスでも特別な立場にいますから」
織莉子「特別な立場ですか?」
みふゆ「彼女は黄羽根。マギウス直属の魔法少女ですから」
織莉子「先程説明された白羽根と黒羽根とは違う特別な羽根の事ですね」
みふゆは織莉子とキリカを連れて地下倉庫へと向かった。
地下倉庫の入り口前に置かれた椅子に黄色いローブを着た少女が面白そうにスマホを操作しているのが3人から見えた。
黄色いローブを着た少女は他の羽根と違って素顔を晒している。
みふゆ「彩月さん!少しよろしいですか?」
彩月「なんや?みふゆさんやないか。こんな辛気臭い場所に珍しい」
彩月はスマホをしまうとみふゆに向き直った。
彩月「なんや。見ない魔力やな。その様子じゃ新入りかいな?」
みふゆ「はい。この二人は新しくマギウスに参加した黒羽根の二人です。風見野市から神浜市へ来たと言う事なので転位魔法陣へ案内して貰おうかと」
彩月「ええで。どうせそろそろ帰ろうと思うたところや。ウチが案内したるで」
そう言って彩月は立ち上がった。
みふゆ「では頼みます」
彩月「じゃあ早速行くで」
そう言って彩月を先頭にみふゆと織莉子、キリカは付いて行った。
道中、彩月は意味のないお喋りをしまくり、みふゆはそのフォローを行い、織莉子は適当に相槌を打っていた。その間、キリカは周囲を警戒する様に黙っていた。
フェントホープの結界を出て林道に出ると15分位で廃墟へと辿り着いた。
ここへ来るまでに一般道を通る必要があった為に4人は魔法少女の変身を解いていた。
織莉子とキリカの素顔を見ても彩月は特に気にする様子を見せなかった。
彩月「ここが風見野市への転位魔法陣やな。使い方は簡単やで。変身して入り込めばええんや。見れば分かるで」
そう言って魔法少女姿に変身した彩月は目の前で転移魔法陣をくぐって見せた。
キリカ「織莉子。ここは私が先に入るよ」
織莉子「ええ。頼むわ」
意を決した様子のキリカが変身して転移魔法陣に入り込んだ。
直ぐにキリカは転移魔法陣に戻って来た。
キリカ「織莉子。確かに風見野市に戻っているよ。これは凄い魔法だね」
珍しくキリカは驚いた様子を素直に見せていた。
織莉子「すみません。みふゆさん。少しわたしはあなたを試していました」
みふゆ「いえ。謝る事はありませんよ。いきなり転位魔法陣を使う様に言われても警戒するのが普通ですからね。キリカさんが警戒するのも無理はありません」
織莉子の真意を見抜いていたみふゆの観察力に改めてみふゆへの警戒心を抱いていた。
織莉子(見抜かれていた・・・。でもそれ程、警戒している訳じゃ無い・・・。組織に入った新人の当然の反応と言った所かしら・・・)
織莉子「みふゆさん。今日はありがとうございます」
みふゆ「いえ。ワタシは当然の事をしたまでですから」
織莉子「ではまた・・・。明日にでも」
みふゆ「はい。明日から早速羽根の仕事を教えますから指導する羽根にも話を付けておきます」
織莉子「よろしくお願いします。それでは」
そう言って変身した織莉子は転移魔法陣に入り込んだ。
みふゆ(さて・・・。ワタシはマギウスと他の羽根への報告をしなければいけませんね・・・。しかし・・・。あの見原織莉子さん・・・。前に白羽女学院との交流会で見た様な気がします・・・。けど、気にする事はありませんね。あそこまで積極的な人材を逃す事はありませんから・・・)
みふゆはこれからすべき事を整理して廃墟を出て行った。
□ 風見野市内 転位魔法陣のある人気のない公園
織莉子が転位魔法陣から出て見るとそこは確かに風見野市にある公園だった。
ここは夜になると余り人通りの少ない公園で織莉子も見知った場所だった。
転位魔法陣の入り口となった木の傍には制服姿のキリカと制服姿の彩月が立っていた。
彩月「無事に風見野へ辿り着いたやろ?」
織莉子「ええ。驚きだわ。こんな便利な魔法があるなんて」
そう言って織莉子は魔法少女姿から制服姿に戻った。
織莉子(素顔が見られたけど・・・。これは仕方ないわね・・・)
彩月「この転移魔法陣は別にウチの物って訳や無いからフェントホープへ行く時には自由に使うとええで」
織莉子「ありがとう。それでその・・・。わたし達、名乗った方がよろしいかしら?」
彩月「別に名乗らんでええで。みふゆさんから羽根の事は聞いとるんやろ?」
織莉子「ええ。なるべく互いの素性は知らないままでいるのが組織の方針だと・・・」
彩月「今はそれでええやろ。けどウチの事は覚えといてええで。ウチは黄羽根の菖蒲彩月や。護衛と地下倉庫を担当しとる。ほなまた!」
そう言って彩月は手を振って織莉子とキリカの前から去って行ったと思ったが直ぐに戻って来た。
彩月「安心しとき。別に見張れとは言われてないからなあ」
そう言いながら笑顔でウインクして去って行く彩月に織莉子とキリカは少し呆れた様子を見せていた。
織莉子「ふう。色々あり過ぎて疲れたわ。キリカ。お疲れ様」
キリカ「そうだね。私も今日は凄く疲れたよ。まさかあんな組織があるなんて思いもしなかったからね」
織莉子「今日はもう帰りましょう。キリカはどうするの?」
キリカ「もう疲れたし織莉子の家に泊まろうかな・・・」
織莉子「わたしは構わないわ。じゃあ帰りましょう」
キリカ「うん・・・」
織莉子とキリカは揃って織莉子の家に向かおうと歩き出した時。
織莉子(何!?これは・・・予知!)
織莉子の脳裏に浮かぶ風景・・・。
それは神浜市の街並みなのは確かだった。
遠目に見えるビルの屋上にあるヘリポート。
そこには・・・。
数人の魔法少女とマギウスの翼の羽根が対峙していた。
見覚えのない魔法少女が数人いるがその中には、羽根と共にみふゆの姿もあった。
そして・・・。
織莉子が命を狙う鹿目まどかと眼鏡を掛けた守護者が立っていた。
状況からして織莉子は離れたビルからこの光景を目撃している様だった。
いつの事は分からないが近い将来の事を予知したのは確かだった。
キリカ「織莉子!?織莉子!?」
織莉子「はっ!?キリカ?」
キリカ「どうしたんだい?急にぼんやりとして・・・。また予知かい?」
織莉子「ええ。神浜に関する予知よ」
キリカ「どんな予知なんだい?」
織莉子「近い将来、鹿目まどかも神浜市に来るわ」
キリカ「何だって?じゃあ・・・。やっぱり神浜が・・・」
織莉子「ええ。わたしの予知を歪ませた元凶だと言う事ね」
神浜市への警戒心を新たにして織莉子とキリカのマギウスの翼としての戦いが始まろうとしていた。
今回のエピソードは原作マギアレコードのイベント等も組み合わせて構成しています。
おりこマギカにおける織莉子契約からキリカとの出会い及び風見野魔法少女との戦い
↓
マギアレコード第一部 メインストーリー及びアナザーストーリー4章までのストーリー
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おりこマギカにおける佐倉杏子と千歳ゆまの出会いと契約
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クラックストーリー4・3章 何だか懐かしくなってしまって
↓
美国織莉子、呉キリカ、千歳ゆま3名の魔法少女ストーリー
↓
本章 クラックストーリー4・5章 重要なのは話を聞く事なのだから
内部に組み込んだストーリーとして深月フェリシア及び木崎衣美里のドッペル解放エピソード。
と言う順で構成されています。
織莉子を登場させるに当たって彼女の持つ未来予知をどう塞ぐかが問題でしたが、本話で書かれていた様に神浜市の異変が原因で織莉子の予知は自分でも気付かない内に並行世界の事を予知していたと言う形にしました。
そうしないとまどかと織莉子が同時に魔法少女になっている事に説明が付かないからです。
織莉子がドッペルを目撃したのが初めはフェリシアなのは、いろはもやちよもフェリシアの救助を優先して織莉子達に気が付かない可能性が高いと踏んだからです。
みたまと織莉子を会わせなかったのは、調整によって織莉子達の本心が悟られない様にする為です。織莉子の本心を知ってもみたまが放置するかは微妙なラインがある。
なお織莉子とキリカを義理の姉妹にしたのは二人が組んで行動する事を誤魔化す一面もあります。
次回は6月18日にゆま、杏子編がアップされます。
今回のストーリーの直截な続編であるため織莉子とキリカは登場します。