マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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宿北編
6・5章 君は本当に面倒を持って来るね 上


□ 宿北サービスエリア(YADOKITA SERVICE AREA)

 

 

 

神浜市の記憶ミュージアムにおいて環いろは達に対するマギウスの講義があった次の日の夕方。

神浜市と宿北の境にある宿北サービスエリア。

建物の屋上には4人の人影があった。

制服姿のねむ、アリナ、彩月。

私服姿のナナツメ。

 

ねむ「で?何で君がいるんだい。アリナ」

 

 呆れた表情を見せるねむ。

 

アリナ「ワット?アリナがいちゃいけないワケ?」

 

 心底驚いたと言う表情を見せるアリナ。

 

ねむ「僕は3人で調査するつもりだったんだけどね」

 

 ねむはそう言ってナナツメと彩月を見た。

 

ナナツメ「・・・・・・・」

 

彩月「ウチは別に構へんで。アリナさんがいれば楽しいやろ」

 

アリナ「アリナがいると楽しいなんてどうかしてると思うんですケド・・・。アリナはみふゆから強力な魔女がいるって聞いたからワザワザ来てあげたんですケド」

 

ねむ「相手が魔女とは決まった訳じゃないよ。そもそも魔法少女が相手かも知れないんだよ?」

 

アリナ「それだったらアリナは直ぐに帰るから別に良いワケ」

 

彩月「まあええやないですか。ねむ様。いざとなったら敵のいる方へアリナさんを蹴飛ばせば」

 

 ボールを蹴飛ばす動作をワザとらしくして見せる彩月。

 

ねむ「君は時々、笑顔で物凄い事を言うね・・・」

 

アリナ「マギウスのアリナを蹴飛ばすなんて笑えないジョーク何ですケド」

 

彩月「必要とあらば・・・。やるで。ウチは」

 

 アリナに睨まれても笑顔でいる彩月は意に介さない。

 

ナナツメ「・・・・・・・」

 

ねむ「話を進めるよ。まずは彩月。黒羽根のローブは持って来たね?」

 

彩月「持っとるで」

 

ねむ「じゃあ彩月は手筈通りに黒羽根に化けて街中を歩いて見て。もし他に洗脳された羽根がいるのなら囮役である君に接触をしてくる筈だから」

 

彩月「あい分かったで。ねむ様」

 

 そう言って彩月は黒羽根のローブを身に纏った。

 

アリナ「それならアリナが黒羽根のローブを着て行けば手っ取り早いんじゃないワケ?」

 

彩月「これはアリナさんには無理やろ」

 

ねむ「無理だろうね」

 

アリナ「ホワット?どうしてアリナに黒羽根の振りが無理なワケ?アリナにだって出来ると思うんですケド?」

 

ねむ「君の場合・・・。マギウスである以上、喋り方と魔力のパターンが認識されている可能性が高いよ。だから僕もナナツメも無理だろうしね」

 

彩月「それにアリナさんは自分じゃ気付いてないみたいやけど言葉のイントネーションが独特やからそれでバレると思うで。その点、ウチなら言葉遣いも誤魔化せるしな・・・。準備は・・・。よろしいですか?」

 

アリナ「!? まあ・・・。それならアリナも反対しないんですケド」

 

 声色を抑揚の無い物に変化させて見せた彩月に少しだけアリナは驚いた様子を見せていた。

 

ねむ「彩月の位置は僕が君に施した魔法から感知する事が出来るから心配しないで」

 

彩月「なら行きます」

 

 そう言って彩月は街中に向かって跳躍した。

 

アリナ「それでアリナ達はどうするワケ?」

 

ねむ「彩月に動きがあるまではここで待機かな?」

 

アリナ「思ったより退屈なんですケド」

 

 そう言ってアリナはスマホを取り出していじり始めた。

 

ねむ「調査と言うのは基本的に待つと言う姿勢が重要だよ。アリナ。特に今回の事に関してはね」

 

アリナ「ハア・・・。出来るだけ速く結果が出て欲しいんですケド」

 

ねむ「ここではドッペルが使えない。だからこそ慎重になるべきだよ」

 

ナナツメ「・・・・・・・」

 

 退屈そうに周囲を見渡すアリナを余所にねむとナナツメは彩月の向かった方向に目を向けていた。

 

ねむ(彩月・・・。君なら出来ると思うよ・・・)

 

 

 

□ 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ 地下倉庫

 

 

 

地下倉庫の入り口前にある椅子に一夜は座っていた。

普段は彩月がいるが今日は彩月がいないので一人で座っていた。

 

一夜(一人だと・・・。退屈だな・・・)

 

 そこへ黒羽根9が姿を見せた。

 

黒羽根9「すみません。遅れました」

 

一夜「大丈夫。最近は余り人が来ないから」

 

黒羽根9「そうなのですか」

 

一夜「ローブは滅多に壊れないし泊まり込みになる人も少ないから」

 

黒羽根9「そうですね。ここに泊まり込むのは私や一夜さん位ですから」

 

一夜「あなたはフェントホープに泊まっているの?」

 

黒羽根9「羽根には色々な事情がありますから・・・」

 

一夜「そうだよね・・・。アタシだって事情があってここにいるんだし・・・」

 

黒羽根9「良ければ話位は聞きますよ」

 

一夜「うん。普段ここにいると彩月さんと色々な事を喋っていたから」

 

黒羽根9「どうぞ。私は私の事を話す事は出来ませんが一夜さんの話を聞く事は出来ますから」

 

一夜「ありがとう。アタシには・・・。話を聞いてくれる人が周りにはいなかったから・・・」

 

黒羽根9「えっ?」

 

一夜「アタシはね・・・。戸籍が無くてずっとひっそりと生きていたから」

 

黒羽根9「・・・。何と言ったらいいか・・・」

 

一夜「うん。普通はそうだよね。だからアタシは・・・。アタシが話したいと思うからアタシの事を話すから」

 

 

 

□ 宿北周辺 路地裏

 

 

 

宿北の路地裏を慎重に進む黒羽根姿の彩月。

目には未だに片側だけ黒いゴーグルを付けているがローブで見えにくくなっている。

 

彩月(さてさて・・・。お相手さんは何処におるんかなあ・・・)

 

 魔女や使い魔のいそうな場所に当たりを付けて路地裏をウロウロとしている彩月だったが今の所成果は無かった。

 

彩月(魔力反応を探っとるけど特に反応せえへんなあ)

 

 既に彩月は30分間、周囲を探っていたが何も感じ取る事が出来ずにおり少しだけ焦りを覚えていた。

 

彩月(出て来るならさっさと出て来て欲しいんやけどな・・・?)

 

 その時、彩月は微量な魔力を感じ取った。

 

彩月(なんや・・・)

 

 すると建物の影から黒羽根●が出て来た。

 少しだけ足元はふら付いている。

 

黒羽根●「・・・。あなた黒羽根ね・・・」

 

彩月(今はこの宿北に羽根はいない筈。つまり当たりと言う事か・・・)

 

彩月「そうです。私はこの地域で羽根の行方不明者が多いと聞いて調査を命じられました」

 

黒羽根●「そうなの・・・。1人なの?」

 

彩月「4人で来ました。他のメンバーは市内の他の場所を探っています」

 

黒羽根●「仲間が使い魔に捕まっているの。私は隙を見て逃げて来たけど、一刻を争うから救出を手伝ってくれない?」

 

彩月(分かりやすい罠やな・・・。まあええか)

 

彩月「仲間は見捨てられません。行きましょう。他のメンバーも連絡が無ければいずれ来るでしょう」

 

黒羽根●「こっちよ。この先にある廃工場の中に魔女がいるわ」

 

 そう言って黒羽根●は放棄された廃工場の中に入って行く。

 後を追う彩月。

 

彩月(さて・・・。ねむ様が来るまではウチのお楽しみタイムと言う所やな。しかし使い魔は何処や?)

 

こまちソウルジェム(使い魔よりもあの黒羽根に注意した方が良いんじゃないの?)

 

 突然、借り物のソウルジェムの持ち主であるこまちの意志が彩月に話しかけて来る。

 

彩月(おんや起きたんか。寝なくてええんか?)

 

こまちソウルジェム(質問に答えなさいよ)

 

彩月(まあ今は手掛かりが無いし罠だと分かっても行くしかないやろ)

 

こまちソウルジェム(そうね。まあ罠だと分かっているならいいわ)

 

彩月(それよりこまちさん。一つウチが懸念してる事があるで)

 

こまちソウルジェム(なによ)

 

彩月(ねむ様がいる時は何も反応しない方がええで。もしこまちさんの意識が戻ったとしったらあの人は何をするか分からへんで。なんたってこまちさんは反逆者なんやからな)

 

こまちソウルジェム(確かにそうかもね・・・。彩月と話す時は周囲に誰もいない時にするわ)

 

彩月(それがええで。ウチもこまちさんを取り上げられたら、借り物の魔法が使えなくって困るからなあ)

 

こまちソウルジェム(あたしじゃなくて魔法が使えればいいんでしょ。分かっているわよ)

 

 言いたい事だけ言ってこまちの意志は彩月に感じ取れなくなった。

 移動しながら廃工場の内部にある奥のスペースを指差す黒羽根●。

 

黒羽根●「あの奥に結界があるわ」

 

彩月「行きましょう」

 

 怪しまれない様に両手に鎖鎌を構える彩月。

黒羽根●も鎖鎌を構える。

 

黒羽根●「気を付けて。相手はかなり強いから」

 

彩月「分かりました」

 

 彩月と黒羽根●は使い魔の結界へ突入した。

 

 

 

□ 宿北サービスエリア

 

 

 

自身の施した魔法の位置を武器である本で確認を取っているねむ。

本には地図が表示されて彩月の位置を示していた。

 

ねむ「・・・・・」

 

アリナ「まだ分からないワケ?」

 

 イライラとした様子でアリナがねむに話しかける。

 

ねむ「直ぐに分からないと言っただろう?それに宿北は敵の本拠地と言ってもいいんだよ。もしかしたら僕達の存在に気が付いて見つからない様に潜んでいるのかも知れないね」

 

アリナ「じゃあ無駄足だったてワケ?」

 

ねむ「それをこれから確かめるんだよ。短気を起こした所で事態は変わらないよ。大体君は勝手に付いて来ただけなんだからワガママを言うのはどうかと思うね」

 

アリナ「チッ・・・」

 

 苛立ちを隠さずにスマホに目を戻すアリナ。

 

ナナツメ「・・・・・・・」

 

 そんなアリナを睨むナナツメ。

 その両手には鎖鎌が握られて刃はアリナの方向に向けられていた。

 

ねむ「・・・・・! 彩月の反応が消えた!」

 

アリナ「それってどう言う状況なワケ?」

 

 スマホの画面から目を離さずに語るアリナ。

 

ねむ「僕が彩月に施した魔法には彩月が何処にいても居場所を感知する事が出来る様にしてある。それが途絶えたと言う事は・・・。恐らく彩月は魔女の結界に入ったのかも知れない」

 

アリナ「つまり。どう言うワケ?」

 

ねむ「当たりかも知れないと言う事だよ。ナナツメ」

 

ナナツメ「はい。ここに」

 

 そう言ってナナツメはソウルジェム内部に収納していた黒羽根のローブを取り出した。

 

ねむ「アリナ。僕達も黒羽根に変装して彩月のいなくなった場所へ行ってみよう。恐らく魔女がいるかも知れないよ」

 

アリナ「変装は良いんですケド・・・。でもアリナは魔力を感じないんですヨネ?」

 

ねむ「もしかしたら対魔法少女戦に慣れている魔女かも知れないね。それだけ知恵があるのなら厄介な相手だよ」

 

 そう言いながらねむはナナツメから受け取った黒羽根ローブを着こんでいた。

 

ナナツメ「・・・・・・・。ローブを着ろ」

 

アリナ「・・・。分かってるんですケド」

 

 一触即発の雰囲気が出ながらもナナツメからローブを受け取り着用したアリナ。

 ねむとアリナ、ナナツメは見た目だけは黒羽根の姿をしていた。

 

ねむ「行こう。僕に付いて来て。ナナツメ。こっちだ」

 

ナナツメ「はい・・・・・・」

 

 ねむを抱き抱えたナナツメは建物の屋上を跳躍していく。

 それに付いて行くアリナ。

 

アリナ(これなら面白い事になりそうなんですケド!)

 

 心の中でこれから起こる事を期待しているアリナ。

 

 

 

□ 宿北 結界内部

 

 

 

結界の内部を進んで行く黒羽根姿の彩月と黒羽根●。

 今の所、敵は姿を見せない。

 

彩月(妙やな・・・。使い魔がまだ姿を見せへん・・・)

 

黒羽根●「この先に・・・」

 

彩月「!」

 

 黒羽根●からの言葉を聞いて彩月は武器である鎖鎌を両手に構えた。

 眼前には結界の最深部の入り口がある。

 

彩月(正念場やな)

 

 黒羽根●と顔を合わせると彩月は最深部へと入り込んだ。

 

彩月「なっ!?」

 

 最深部に広がっていたのは、四角い広い無機質な部屋の中に無数の人々がいた。

 人々は生きて座り込んで虚ろな目をしていた。

 近くに使い魔の姿は見えない。

 

彩月(おかしい・・・。なんで生きとるんや?普通の使い魔なら人間を食っとる筈・・・)

 

 ここが普通の結界と違うと言う事に彩月は気付いていた。

 

黒羽根●「見て!」

 

 黒羽根●が鎖鎌を指した方向に壁から光が照らされて来る。

 光の中には人影が見える。

 

彩月「なんや?」

 

 これまでに感じた事の無い異質な魔力に驚く彩月。

 その時、黒羽根●が鎖鎌で彩月を拘束した!

 

彩月「なっ!?」

 

 流石に驚き反応が臆された彩月は拘束されてしまう。

 

彩月「何を・・・」

 

黒羽根●「さあ見て。あなたにどんな風に見える?」

 

彩月(最初からそれが目的やったんか・・・。洗脳されてるんか?まあ・・・。ねむ様達も控えているし大人しく捕まるかあ・・・)

 

こまちソウルジェム(そんなんで大丈夫なの?)

 

彩月(まあ直ぐには死なんやろ)

 

 彩月に近づいて来る光の中にある人影。

 

黒羽根●「これはあなたの理想が見える筈よ」

 

彩月「理想?」

 

 彩月の眼前に光に包まれた人影が近づく。

 その姿が彩月の眼前で明確な姿が見えて来る。

 

彩月「なんや?」

 

 ガスマスクを付けて黒いコートを着た相手に少しばかり驚く彩月。

 彩月の眼前に来た相手はガスマスクを外した。

 その下にあった顔は筒地綾女の顔だった。

 

彩月「!?」

 

筒地綾女?「・・・・」

 

 

 

□ 宿北 路地裏 廃工場へ続く道

 

 

 

廃工場へ続く道を進む黒羽根姿の3人。

それは黒羽根に変装したねむとアリナ、ナナツメの3人だった。

 

ねむ「こっちだ」

 

ナナツメ「ねむ様!」

 

 ナナツメが警告をした瞬間に廃工場の前に突如として結界の入り口が出現した。

 避ける間もなく3人は結界に囚われてしまった。

 

アリナ「眼前で結界に囚われるなんて出来過ぎなんですケド」

 

ナナツメ「罠か」

 

ねむ「だろうね。タイミングが良すぎるよ」

 

 そこへ次々とガスマスクを模した姿をした使い魔が姿を見せて来る。

 

ねむ「全く・・・。物語的には出来過ぎて余り出来は良くないかな」

 

アリナ「さっさと倒して魔女の元へ行きたいんですケド」

 

ナナツメ「・・・・・・・」

 

 3人の魔法少女は意味の無くなった黒羽根ローブを脱ぎ捨てるとガスマスク使い魔に向かってそれぞれの武器を向けた。

 

 

 

 その時、ねむ達3人が結界に飲み込まれた場所を見つめる人影があった。

 どうやら巧妙に魔力を隠していたらしく3人はその存在に気付けなかった。

 

人影「あの魔力反応・・・。まさかと思ったが・・・。厄介なのが来たな・・・」

 

 

 

□ 宿北 廃工場の結界最深部

 

 

 

彩月の眼前に現れた筒地綾女?

 

筒地綾女?「・・・・」

 

彩月「なんでや・・・。あんたはフェントホープの中に」

 

黒羽根●「さあ。理想の死者に心を開きなさい。決して再会出来なかったと言う理想は叶ったのだから」

 

彩月「ししゃ? 何言っとる!?」

 

 彩月には相手の言う死者の意味が通じなかった。

 

彩月(魔力は・・・。なんや?この魔力?初めて感じるなあ。けど・・・。どっちかと言うと魔女の様に思える・・・)

 

 彩月は目の前にいる筒地綾女?が誰かに化ける事が出来る魔女ではないかと思い始めていた。

 

こまちソウルジェム(彩月・・・。動けないならあたしが動こうか?)

 

 彩月が持つソウルジェムその物であるこまちが話しかけてくる。

 

彩月(それはごめん被るで・・・。出来るんか?)

 

こまちソウルジェム(出来るかもよ)

 

彩月(身体乗っ取られるのはイヤやなあ・・・。そろそろやるか)

 

 黒羽根姿の彩月は手に薙刀を出現させると自身を拘束する鎖鎌を切り裂いた。

 魔力を切っ先に集中させれば容易な事でもあった。

 

黒羽根●「なっ!?」

 

 拘束を逃れて距離を取った彩月は黒羽根のローブを脱ぎ捨てて一番慣れた黄色いローブを羽織った魔法少女としての姿を見せた。

 

彩月「何が理想のししゃや。意味が分からん」

 

黒羽根●「あなた!黄羽根だったの・・・」

 

彩月「あれだけ行方不明になったんやからウチらが出てもおかしく無いやろ。それに白羽根操って灯花様を襲わせたんやからな」

 

黒羽根●「そうか・・・。あなたには再会したいという死んだ者がいない。だからこの姿を目にしても動じないのね」

 

 黒羽根●は彩月の疑問には答えず筒地綾女?をの方を見てそう言う事かと納得した様子を見せていた。

 

彩月「ああ・・・。そう言う死者なあ。生憎と綾女さんは死んどないで」

 

??「だったらあなたはあてし達の敵だって事だよね」

 

 その声と共に炎を纏った回転する物が彩月に向かって飛んで来た。

 

彩月「!?」

 

 彩月は薙刀で受け止めようとしたが、受け止めきれず壁に向かって吹き飛ばされた。

 

彩月「痛いなあ・・・。新手かあ」

 

 彩月の声に促されたかの様に暗がりから一人の人影が姿を見せた。

 レッドとオレンジに染められて胸元のリボンが特徴的な衣装を着て激しい魔力で威圧して来る魔法少女だった。

 炎を纏ったくの字型の武器を彩月に向けている。

 それを見て彩月は付けていたゴーグルを外した。

 

彩月(これは手加減しとる場合やないなあ)

 

彩月「魔法少女か・・・。何者や?」

 

??「・・・。サンシャイン」

 

彩月「サンシャイン?」

 

彩月(太陽の光?)

 

サンシャイン「あなたもあてしから奪おうとするんだね・・・」

 

彩月「知らんで。まあ・・・。アンタはウチの敵と言う事やろ」

 

サンシャイン「そうだよ・・・」

 

黒羽根●「ここは任せる」

 

 黒羽根●はその場から去って行った。

 

サンシャイン「あなたみたいに理想が無い人には死んで貰う」

 

彩月「生憎とウチはしぶといで」

 

サンシャイン「お願い」

 

筒地綾女?「・・・・」

 

 ガスマスクを付けた筒地綾女?が頷くとその場に蹲った人々が突如として立ち上がる。

 目は虚ろだが次々とその姿をカマキリの様な姿へと変異して行った。

 その数は数十体。

 

彩月「なっ!?」

 

彩月(どうなっとるんや?さっきまでは確かに魔力の無い人間やった筈!?)

 

 だが彩月には何が起こったのか既に察していた。

 それは自身にも起きている事だからだ。

 

彩月(もしかして・・・。魔法で作り替えたんか?こいつら人間ベースの使い魔と言う事なんか)

 

サンシャイン「あなたに人間を殺せるの?」

 

彩月「けど殺すつもりでやらなウチが死ぬって事やろ。卑怯やなあ・・・。それなら殺すしか無いやろ。無駄な質問やな」

 

サンシャイン「どうせあなた達・・・。マギウスの翼とは敵対するんだから」

 

彩月「一つだけ教えてくれへん?あの筒地綾女はなんや?」

 

サンシャイン「筒地・・・綾女!?そう。あなたにはそう見えているのね」

 

 筒地綾女と言う単語を聞いた瞬間にサンシャインの顔が憎悪に歪んだ。

 

サンシャイン「あてしにはあてしの理想の死者が見えている」

 

 そう言ってサンシャインは筒地綾女?の横に移動した瞬間に筒地綾女?の顔と衣装は変化して行く。

 その姿は緑色の髪とマントを身に纏って腰にレイピアを下げた少女の姿に。

 厳密に言うならば魔法少女とも取れる姿へと。

 

サンシャイン「ここは使い魔に任せよう。ウインドピア」

 

ウインドピア「うん。行こう」

 

 そう言ってウインドピアとサンシャインはその階層から去って行く。

 

彩月(まっ追える訳が無いやろなあ・・・)

 

 目の前にいる無数の人間を素材としたカマキリ使い魔が彩月に襲い掛かって来た。

 

 

 

 




宿北サービスエリアと言う場所はオリジナルの場所ではなくてマギアレコードのアニメ版において、とあるマスケット銃使いの魔法少女が初登場した場所の地名です。
見滝原方面から神浜市へ行く場合に通る場所の様だったので今回の舞台にしました。
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