マギアレコード 偽書e/s memorys 作:ジャックノルテ
□22 各地において
◎宝崎市
宝崎市内の各地でも戦いは終わっていた。
宝崎順心学園の近辺では里見那由他とくろはようやく長い戦いを終えて一息付いていた。
里見那由他「これでもう終わりですの・・・・・」
くろ「もうクタクタですよ・・・・・」
背中合わせに二人は地面に座り込んで最早一歩も動く事が出来なかった。
同時期に光塚の近辺では神楽教官と遊狩ミユリと黒羽根9も長い戦いを終えていた。
神楽教官「ようやく終わったわね」
ミユリ「ミユは途中から覚えて無いです・・・・・」
黒羽根9「教官。私は早速、ホテルフェントホープに向かいたいと思います」
神楽教官「そうね。マギウスやみふゆさんとも連絡が付かないし誰かが神浜市に行って状況を調べるべきね。お願い出来るかしら?」
黒羽根9「大丈夫です。もう傷は癒えてます」
神楽教官「分かったわ。まずは調整屋に向かいなさい」
黒羽根9「調整屋ですか?」
神楽教官「あそこに行けば何かしらの情報は手に入る筈よ。何せ魔法少女のたまり場の様な場所なんだから」
黒羽根9「分かりました。それでは」
そう言って黒羽根9は神浜市へ向かった。
神楽教官「ミユリ。私達も帰りましょう」
ミユリ「ハイ。燦様!」
神楽教官(マギウスの事は気がかりだけど・・・・・。火祭りは成功させないと)
内に秘めた思いを強めながら神楽教官とミユリは帰宅しようとしていた。
◎松宮市
少女(何となく早起きしたけど・・・・・)
少女は何気なく自室の窓にあるカーテンを開いた。
少女「うわあ。こんなに澄んでいる空は初めて見たかも」
同じ頃に別の場所では建物の屋上で飾利潤が同じ空を見ていた。
飾利潤「何とか終わったか。・・・・・。なあみつね。お前は今、何してんだい?」
駄菓子をかじりながら飾利潤は遠い町にいる友の事を思っていた。
◎霧峰村
七支刀の魔法少女「何とか守り切れたわね」
水晶の魔法少女「こんなに悪鬼が活発化するなんて初めてですね・・・・・」
水晶の魔法少女(どうして悪鬼が急に活発化したんでしょう?ユラユラサマは無事なようですけど・・・・・)
七支刀の魔法少女「私達も村へ帰りましょう。もうくたくたよ」
水晶の魔法少女「そうですね」
水晶の魔法少女は内に秘めた不安を隠していた。
◎二木市 東扇橋近辺
二木市に向かっていた魔女は全て魔法少女達に討伐されていた。
東扇橋近辺にはこの戦いを制した数十人の魔法少女達が疲れ切った表情を見せていた。
金棒「何とか倒せたわねぇ・・・・・」
短刀「うん。街に被害も無いからベストは尽くせたね」
火炎放射器「だあー。もう一歩も動けねえ」
UFOキャッチャー「確かにお風呂に入りたいかも」
斧「私も・・・・・」
斧テレパシー(ねえ。今なら紅晴結菜を倒せるんじゃない?)
UFOキャッチャーテレパシー(確かに。樹里。本当に動けないの?やるなら協力するけど?)
火炎放射器テレパシー(マジで動けないつーの。それに・・・・・)
斧テレパシー(それに?)
火炎放射器「流石にそんな気分になれないっつーの」
UFOキャッチャーテレパシー(馬鹿!?声に出したら)
金棒「奇遇ねぇ。私も戦う気は無いわぁ」
火炎放射器「ほらな」
金棒「と言っても私達全員そろそろ帰宅しないとマズいわねぇ」
短刀「確かに」
斧「そろそろ帰らないとヤバイかも」
火炎放射器「そう言う事だ。おい!お前ら。今日は帰るぞ。何も無しだ。つってもどうせ誰も何もする気が起きないだろ?」
火炎放射器の言葉に周囲の魔法少女達は一斉に頷いた。
バトン(こんなキツイ戦いをするのも普通なんですよね?これは普通なんですよね?)
帰宅して行く魔法少女達。
それを建物の影から見つめる一人の魔法少女がいた。
魔法少女「これで役割は果たせたっすね」
◎湯国市山中
猟銃「どうやら今ので、最後のようであります」
ヨーヨー「もう疲れたんよー」
ハープ「はい・・・・・。こんなに戦ったの初めてです」
ブーメラン(何とか街への到達は避けられた。しかし・・・・・。どうしてこんなに魔女が発生したのでしょう?)
ブーメラン「街への被害は無くて良かった・・・・・」
猟銃、ヨーヨー、ハープ「!?」
ブーメラン「!?」
思わず口から出たブーメランの言葉に3人は複雑な表情を見せた。
それはブーメランも同じだった。
ブーメラン(どうせ全ては諦念に向かうだけなのに・・・・・)
◎神浜市の隣町
香春ゆうなは窓の外から風景を見ていた。
香春ゆうな「嘘みたいに澄んだ青空ですわ・・・・・」
香春ゆうな(神浜市に戻ったらほとりさんとりおんさんに連絡を取らないと・・・・・」
◎ 神浜市の隣町 浄安寺近辺
浄安寺近辺で戦いを終えた南津涼子は神浜市南凪の方向にピンク色の光を見た。
同時に黒雲が晴れて青空が広がるのも見ていた。
南津涼子「何だ!?何が起きたんだ?」
突然の出来事に驚きながらも、その青空は戦いの終わりを告げている事を感じていた。
浄安寺から離れた場所で戦っていた羽衣の魔法少女は
羽衣の魔法少女「キレイ・・・・・。でも私チャンには・・・・・」
それ以上何かを語る事無く羽衣の魔法少女は去って行く。
神浜市との境を流れる川に沿って建てられた堤防にある遊歩道。
リヴィア「何が起きたんや?」
キュウべえ「どうやらワルプルギスの夜を倒したみたいだね」
リヴィア「何やて!?」
キュウべえ「僕にもそれ以上の事は分からない。けどリヴィア。君に頼みたい事がある」
リヴィア「このタイミングで何を頼みたいんや?」
キュウべえ「僕の指示する場所を直ぐに調査して欲しいんだ」
◎某街
篠目ヨヅル「どうやら終わった様ですね」
佐和月出里「ふむ・・・・・」
篠目ヨヅルと佐和月出里はこの街に現れた魔女と使い魔を退けていた。
佐和月出里「ふむっ!」
篠目ヨヅル「先生ですか?先生は大丈夫でしょう。私達と違って状況を見誤る事は無いでしょうから」
佐和月出里「ふむぅ・・・・・」
◎赤崎村
見芝実奈「ようやく終わりましたね・・・・・」
先輩「そうだな。悪鬼は退けた」
部長「これで日ノ本も平和になるだろう」
見芝実奈(私は家族と友人が無事ならそれで・・・・・。なんで一夜ちゃんの事が気になるんだろう?)
◎宿北
ワルプルギスの夜が打倒される直前。
古びたビルの屋上にいるベル、あすみん、ナル。
ベルの瞳は神浜市の方角に向けられていた。
ベル「!!」
同時刻、神浜市の魔法少女がワルプルギスの夜を打倒した瞬間に周囲の街を覆っていた雲が一気に吹き飛ぶと同時に朝焼けの空が周囲を覆った。
あすみん「何が起きたの!?」
ナル「これはー。まさかのまさかかなー?」
ベル「ワルプルギスの夜を打倒したのか」
あすみん「嘘でしょ!?あんな強力な魔女を烏合の衆が撃破したなんて」
ナル「確率は低かったんだけどねー」
ベル「ルフフフフフ。神浜に戻ります」
ナル「はいー」
あすみん(ベルが前の喋りに戻ったって言う事は凄く驚いてるんだ)
ナル達3人は保澄雫に作らせていた転位魔法陣を使い神浜市内に戻った。
中央区に出た3人は直ぐに羽根のローブを身に纏った。
ベル「この方角だと南凪に向かってます」
ナル「はいはーい。行く前にこれ忘れちゃダメよー」
そう言ってナルは魔力を溜められる宝石を取り出した。
一夜の作ったこの魔力を溜められる宝石には白羽根であるナルが命じて他の魔法少女の魔力が4種類程、混ぜて注がれてあり魔力パターンを変化させる事が出来た。
あすみん「まあたし達は裏切り者だから魔力パターンを覚えられているしね」
ナル「そーそー。今はまだひっそりとしないとねー」
ベル「ルフフフフフ。ナルは気が利きます」
3人は羽根の姿に化けると密かに南凪の方へ向かった。
注意深く見つからない様に南凪に到着するとそこでは既に多くの魔法少女達が南凪海浜公園で海の方を向いて戦いを終えた安心感を見せていた。
3人はそっとその場に近付くと端の方で事態を見ている二人の魔法少女を見つけた。
双子らしく容姿が瓜二つだった。
ナルテレパシー(じゃあナルが話を聞いて来るよー)
ナル「二人共ちょっといいかな?」
聞き上手であり白羽根であるナルが二人に声を掛けた。
柚希りおん「えっ?何ですか?」
柚希りおん「ちょっとほとりんに何の用よ!?」
柚希ほとり「りおん!?この人は白羽根だよ!」
柚希りおん「あっ。すみません・・・・・」
ナル「気にしなくていいよー。で何が起きたんだい―?私達は別の場所にいたから何が起きたのか分からないんだよー」
柚希ほとり「はい。さっきここで凄く大きなワルプルギスの夜って言う魔女をみんなの魔力を集めて倒したんです」
柚希りおん「そうそう。何だか分からなかったけど、あんな巨大な魔女を倒すなんてマギウスの翼って凄い組織だったのね!」
ナル「成程―。そう言う事だったんだねー。流石はマギウスですよー。マギウス万歳―。ありがとねー」
そう言ってナルは二人から離れた。
ナルテレパシー(やっぱりワルプルギスの夜を倒したって言うのは本当みたいだねー)
あすみんテレパシー(どうするの?)
ベルテレパシー(ルフフフフフ。今は神浜から離れます)
3人はそっとその場を離れて行った。
□23 神浜市内 北養区 里見メディカルセンター
里見灯花と柊ねむを抱えていたナナツメは里見メディカルセンターに到着した。
病院のロビーは既に多くの人で溢れていた。
灯花「やっぱりこうなってるよね」
ナナツメ「いかがいたしますか?」
灯花「しょうがない。灯花ちゃんの部屋に連れてこー。こっちに来て」
ナナツメ「分かりました」
灯花は病院内を顔パスで通ると内部にある専用の部屋に来た。
無数のパソコンモニターとくまのぬいぐるみの置かれた部屋だった。
ソファーの一つにナナツメはねむを座らせた。
灯花「ねむ。少しの辛抱だから。後でパパ様に頼んでお医者様に来て貰うから」
ねむ「・・・・・・・・」
ナナツメ「眠っている様です」
灯花「きっと疲れているからしょうがないよね・・・・・」
ナナツメ「灯花様。小生は外でこの病院を警護します。小生の様な者がここにいるのは問題でしょう」
灯花「それは・・・・・」
いい淀む灯花の視線に移ったのは全身が傷だらけのナナツメの姿だった。
灯花「分かった。じゃあナナツメはこの病院を警護していて。ねむはわたくしが見てるから」
ナナツメ「分かりました」
そう言ってナナツメは灯花の部屋を出た。
看護師「ちょっと!あなたその傷大丈夫なの?」
ナナツメの傷に驚いた看護師が声を掛けて来る。
美樹さやかの治癒魔法で治らかった傷は目立つ位置にあった。
ナナツメ「動くから問題は無い」
看護師「いや。そんな傷で何を」
ナナツメ「小生より治療を求める人がいるだろう」
そう言ってナナツメは速足でその場を後にした。
追おうとした看護師だったが自身を呼び出す声を聞いて足を止めていた。
ナナツメは奇異な目で見られるも直ぐに病院を出た。
茜すみれ「あの!ナナツメさん!」
ナナツメ「?」
自身の名を呼ぶ声を聞いて振り返るとそこには私服姿の茜すみれがいた。
怪訝な表情を見せるナナツメ。
茜すみれ「この姿ですけど私もマギウスの翼です」
ナナツメ「そうか。何か用か」
茜すみれ「すみません。私はマギウスにこの病院を守る様に言われていました。今はどうなっているんですか?」
ナナツメ「今はまだ小生にも分からん。病院の警護は小生が引き継ぐ。事情が知りたいなら調整屋に行け。調整屋に多くの魔法少女がいるから事情は聞けるだろう」
茜すみれ「分かりました。ありがとうございます」
一礼して茜すみれは調整屋へと向かった。
それを見届けたナナツメは里見メディカルセンターの周辺にその姿を隠した。
ナナツメ(これから事態がどうあろうと小生はここを警護するのみ・・・・・)
□24 神浜市内 新西区 調整屋近辺
調整屋を出て行った彩月は朱奈を抱えたまま何処かに向かおうとしていた。
その足には迷いが無く既に目的を定めている事は確かだった。
彩月「うん?」
前方から魔力反応を感知して足を止める彩月。
黒羽根9「あなたは!?」
前方から黄色いマフラーをした黒羽根が現れた。
彩月「ああ。あんさんか」
彩月は魔力反応から彼女が自分と戦い一夜の護衛を任せていた黒羽根だと直ぐに分かった。
黒羽根9「彩月・・・・・さん。それに一夜さん!?」
彩月「久しぶりやなあ」
黒羽根9「行方不明だったですよね?それにどうして誘拐された一夜さんと」
彩月「まあ捕まったのを逃げ出した訳や」
黒羽根9「一夜さん・・・・・。無事で」
彩月「死んどるで」
黒羽根9「えっ?」
彩月「一夜さんは死んどる。ソウルジェムを砕かれたからな」
黒羽根9「そんな・・・・・。でもその身体は?その身体は生きてるじゃないですか!?」
彩月「一夜さんの事情は聞いとらんのか?一夜さんの本当の身体は既に失われとる。この身体は借り物や。一夜さんが死んでも借り物の身体は生きとる。ただそれだけの事や」
黒羽根9「っ・・・・・。じゃあ私は彼女を助けられなかったの・・・・・」
彩月「仕方ない事やろ。助けられる者と助けられない者がある。世の常や」
黒羽根9「・・・・・・・・・」
彩月「まあ神浜で何が起きたんか知りたいんなら調整屋へ行くんやな。事情を知っとる魔法少女もたくさんおるで」
そう言って立ち去ろうとした彩月。
黒羽根9「・・・・・・・・・。あなたは何処に行くんですか?」
彩月「何処やろな。けどやらなアカン事があるからそこに行くだけや」
黒羽根9「・・・・・・・・・」
無力感に打ちひしがれた黒羽根9を置いて彩月は朱奈を抱えたまま立ち去って行く。
黒羽根9「私は何の為に・・・・・・・・・」
だが黒羽根9は重い足取りで調整屋へと足を向けていた。
黒羽根9(それでも事情を聴いておかないと・・・・・。私を助けてくれた神楽教官達の為にも・・・・・・・・・)
□25 神浜市内 北養区 ホテルフェントホープ近辺の森林
彩月「やっぱり見つからんか」
調整屋を出て二時間後に彩月はその足でホテルフェントホープのあったキメラ綾女と戦った場所に戻っていた。
近くには朱奈も黄色いローブを布団にして寝かされていた。
朱奈「・・・・・・・・」
彩月(あの時、一緒に消滅しちまったんか・・・・・。惜しい事したなあ。身体が無いと使い道が限られるで。コレ)
思いながら彩月は手の中にある筒地綾女のソウルジェムを見た。
環いろはの治癒魔法によって綺麗に修復されている。
そしてキメラ綾女に接続されていた影響か穢れは無い。
彩月「どうしたもんやろなあ・・・・・・・・。誰や!?」
魔力を感じたと同時に魔法少女に変身した彩月。
道なりに近付いて来る魔力の持ち主である魔法少女。
彩月(何者や)
彩月の目には何かを持った相手の姿が現れようとした瞬間。
彩月「!?」
相手魔法少女「!?」
彩月と相手が予想だにしなかった新たな魔力反応がこの場から一気に離れた。
彩月「なんや?今の」
相手の姿は見えなかった。
しかしハッキリとした事はある。
それは魔女でもウワサでも無いと言う事だ。
彩月「成程。まだまだ色々と起こる言う事か」
苦笑する彩月は相手に視線を移す。
彩月「あんさんもそれが目的なんやろ?」
彩月の言葉を聞いて何かを持った相手魔法少女が再び彩月に近付いてきた。
□26 神浜市内 北養区 里見メディカルセンター内の病室 三日後
灯花「ねむー!経過はどう?」
ねむ「やあ灯花。経過は順調だよ」
ベッドの上からねむはそう答えた。
灯花「・・・・・。足はどうなの?」
ねむ「動かないね。相変わらず医師が見ても原因は不明だよ」
灯花「でも原因は」
ねむ「まあドッペルの使い過ぎにウワサの作り過ぎが原因だろうね」
灯花「だよねー。ドッペルの効果はまだ分からない事が多すぎるしねー」
ねむ「それで外にいるお客は誰かな?」
ねむは魔力反応で部屋の外に魔法少女がいる事に気が付いていた。
灯花「そうだよー。入って来て良いよー」
灯花が促すと魔法少女が一人入って来た。
観鳥さん「ねむ様。お加減はどうですか?」
ねむ「君か。まあ普通だよ。足が動かない事以外は」
観鳥さん「まあ元気そうで安心しました。これでも元は白羽根ですから」
ねむ「君は僕を恨んで無いのかい?」
観鳥さん「そうでも無いですね。元々マギウスの翼を利用するつもりでいましたから。利用する前に観鳥さんが切り捨てられただけですから」
ねむ「その言葉を聞いて少し気が楽になったよ」
観鳥さん「今日は伝言を頼まれたので灯花様に無理を言ってここに来させて貰いました」
ねむ「そうだったのか。伝言って?」
観鳥さん「それが彩月さんからです」
ねむ「彩月の・・・・・!? そう言えば彩月は?」
灯花「実は行方不明なんだにゃー」
観鳥さん「調整屋からいなくなる前に観鳥さんにねむ様への伝言を頼まれたんですよね」
ねむ「そうか・・・・・。内容は」
観鳥さん「これです。このメールです」
観鳥さんが差し出したスマホをねむは受け取り画面に表示されたメールを読む。
ねむ「どれどれ・・・・・・。ふむ」
灯花「ねむ!?」
灯花が思わず叫ぶほどにねむの様子は誰の目にも変化していた。
呆れとも怒りとも取れる表情を見せていた。
ねむ「彩月らしいね。けどまあ・・・・・。呆れているかな」
灯花「何て書いてあるの?」
ねむ「読めば分かるよ」
ねむは灯花から観鳥さんのスマホを受け取ると画面に表示されたメールを見た。
彩月からのメール
朱奈さんと駆け落ちしまーす。べろべろべー(笑)
もうマギウスの翼じゃ無いから言う事、聞きませーん(笑)
これから色々ちょっかい出しますから楽しみにしてて下さーい(笑)
朱奈さんの事をウチが何とかしてあげまーす(笑)
やーいやーい
灯花「えー。これ本当に彩月が送って来たのかにゃー?」
観鳥さん「残念ながら事実ですね」
苦い表情を見せる観鳥さん。
ねむ「・・・・。うん。良く分かったよ。彩月には首輪を付けているつもりだったけど首輪だけじゃ不足みたいだね」
灯花、観鳥さん「!?」
ねむの顔は笑っていたが目は笑っていないのがその場にいる全員は直ぐに悟った。
ねむ「捕らえてマミみたいにウワサで拘束した方が本人の為にも良いみたいだね」
観鳥さん「けど居場所は・・・・・」
灯花「分からないんだけどにゃー」
ねむ「大丈夫だよ。ちょっかい出すと言うのなら待っていても来るだろう。でも手は打っておくに越した事はないね」
ねむテレパシー(ナナツメ。聞こえるかい?)
ナナツメテレパシー(聞こえます)
ねむテレパシー(もし彩月を見つけたら捕まえて貰っていいかな?)
ナナツメテレパシー(承知しました。護衛の方は?)
ねむテレパシー(灯花達がいる時は彩月を捕らえるのを優先して構わないよ)
ナナツメテレパシー(分かりました。護衛に戻ります)
ナナツメは何の反応も見せずに淡々と返事を返した。
ねむ「ふう・・・。ナナツメに彩月を捕らえる様に命令したからこれで安心だね」
ねむが見せた満面の笑みにドン引きする灯花と観鳥さん。
灯花「ねむ・・・。その笑顔は怖いにゃー」
観鳥さん「えーと。じゃあ観鳥さんの方でも彩月さんの捜索は続けて置きます。後、今日は一つ相談があって来ました」
ねむ「相談って?」
観鳥さん「灯花様も知っていると思いますがマギウスの翼や他の魔法少女から今回の戦いの説明を求められています。観鳥さんはマギウスの広報ですから」
灯花「確かにいずれしないといけないにゃー。お姉様にも言われているし」
ねむ「成程。僕は入院していたからそれは知らなかったね」
灯花「けど神浜の街がこんな状態だから少し時間を置いた方が良いと思うんだにゃー」
ねむ「そうだね。他の魔法少女達の自宅にも被害はあるだろうしね」
観鳥さん「まあ観鳥さんとしては一週間から二週間程は間を開けて何らかの形で発表と言うのが良いと思いますね」
灯花「うん。それが良いと思うにゃー。じゃあ発表会の事はこれからねむと打ち合わせて時間と場所が決まったら知らせるから、広報として連絡して貰っていいかにゃー?」
観鳥さん「構いませんよ。それが観鳥さんの仕事ですから。では連絡をお待ちしてます」
そう言って観鳥さんは病室を出て行った。
灯花「ねえねむ。どうして彩月を捕まえようとするの?」
ねむ「彩月自身にどうこうと言う訳じゃ無いんだ。僕は朱奈に用がある」
灯花「朱奈に何の用があるのかにゃー?」
ねむ「今だから話すけど・・・。朱奈に施した一夜のソウルジェムとの繋げた魔法が完全に解けてないんだ」
灯花「えっ?それって」
ねむ「僕にも原因は分からないけど、魔法が僅かに残っていると言う事は一夜はまだ死んで無いのかも知れない。理由は分からないけど」
灯花「けどソウルジェムが砕かれたのなら・・・・・」
ねむ「生きているとも言えないかも知れないね」
灯花「何にしても問題が山積みだにゃー」
ねむ「そうだね。でも一つずつ解決していくしか無いよ。お姉様とういの為にも」
灯花「そうだにゃー」
灯花とねむは自分達の前にある問題を再認識していた。