マギアレコード 偽書e/s memorys   作:ジャックノルテ

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10・5章 vol.8 だから自由に進むんや

□27 神浜市内 南凪区 海浜公園

 

 

 神浜市内で行われた神浜決戦から2週間が経過していた。

 その間にマギウスである里見灯花と柊ねむは今回の戦いに関する説明会を神浜決戦から2週間後に当たる今日開く事を決めていた。

 マギウスの広報である観鳥さんを初め、調整屋である八雲みたま等を通して多くの魔法少女にこの事はメールや電話、口頭によって知らされて神浜決戦やマギウスの翼に参加していたほぼ全ての魔法少女がこの説明会の事を聞いていた。

 参加しなかったのは特殊な事情を持つ入名クシュや普段は引きこもっている三輪みつね、たまたま神浜市での戦いに参加して直ぐに去った青葉ちかと言った面々に限られた。

 

(参加しなかった魔法少女達の内連絡が付く相手には、みたまが後日説明をする事にされた)

 

 

 

 南凪区の海浜公園には里見灯花、柊ねむ、天音月夜、天音月咲、鹿目まどか、美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子、暁美ほむら、環いろは、環うい、七海やちよ、由比鶴乃、深月フェリシア、二葉さな、梓みふゆ、八雲みたま、和泉十七夜、十咎ももこ、水波レナ、秋野かえでと言ったマギウスの翼及び神浜決戦において中枢的な役割を果たした魔法少女達が集合時間30分前に集まっていた。

 

ねむ「さて・・・・・。まずは話をする為の会場を作らないとね」

 

灯花「うん。それに大勢の魔法少女が集まったら人が多いと言うだけでも騒ぎになるだろうからねー」

 

環うい「ねむちゃん。灯花ちゃん。どうするの?」

 

ねむ「僕が簡易的なウワサ結界を張って会場を作り出すよ。会場がウワサ結界なら魔法少女しか出入り出来ない様にすれば無関係な人が入る事も無いだろうからね。それに一般人は無意識にウワサ結界周辺を避ける様に調整したからまず邪魔は入らないかな」

 

環いろは「この中でも外の魔女の気配は感じられるの?」

 

ねむ「一応感じられるよ。少し感じにくいかも知れないけど」

 

七海やちよ「いろは。会議の間はみふゆが手配した魔法少女達が神浜市を守るから心配無用よ。私達は会議に集中しましょう」

 

環いろは「ごめんさない。やちよさん。やっぱり少し気になってしまって」

 

梓みふゆ「大丈夫です。いろはさん。ワタシが見込んだ魔法少女に任せて下さい」

 

梓みふゆ(観鳥さん。牧野さん。友紀さん。七瀬さん。不測の事態は起こらないと思いますが会議の間は神浜市を頼みます)

 

 その頃、神浜市内では観鳥さんに率いられた3人の魔法少女が神浜市の警護の為に分散してパトロールをしていた。

 

 

 

観鳥さん(観鳥さん達はマギウス内部の事は知っているから説明は必要ないからね)

 

牧野郁美(でも大丈夫なのかな?正直言って・・・・・)

 

友紀ゆみ(魔女化だけでもかなりショックだしね・・・・・)

 

七瀬ゆきか(わたしがいなければ会場でトラブルは起きないと思いますが・・・・・)

 

 4人の魔法少女は四者四様の事を考えながら神浜市をパトロールしていた。

 なお4人の魔法少女には後日、みたまとみふゆによる説明がなされる事になっていた。

 

 

 

 海浜公園に作られた会議場であるウワサ結界の入り口前には案内役である天音姉妹を初めとした羽根だった魔法少女が待機していた。

 その中には黒羽根だった宮尾時雨と安積はぐむもいた。

 

時雨「ハア・・・・・」

 

はぐむ「どうしたの?時雨ちゃん」

 

時雨「ちょっと気が重くて・・・・・」

 

はぐむ「もしかして例の事?」

 

時雨「もしかしなくてもそうだよ。はぐむん。まさかあんな事を頼まれるなんて・・・・・」

 

??「あっ。ここやなー」

 

時雨「あっ来た」

 

はぐむ「来たね・・・・・」

 

 時雨とはぐむの目の前に黒いローブで素顔を隠した黒羽根が現れた。

 

時雨「彩月さん。時間通りだね・・・・・」

 

??=彩月「悪いなあ。色々と教えてもろて」

 

 彩月は黄羽根であるにも関わらず黒羽根の姿をしていた。

 

はぐむ「まあ他の魔法少女にも知らせてましたから・・・・・」

 

時雨「それにローブで姿を隠して参加して良かったしね」

 

 時雨とはぐむは二日前の事を思い出してた。

 二日前。

 時雨とはぐむは工匠区でマギウスによる説明会に関する相談をしている所に突然、彩月が現れるとマギウスの説明会に関する事を聞き始めた。

 そして話を聞き終えた彩月は二人に説明会に内緒で参加したいから黒羽根姿で入らせてくれと頼んでいたのだった。

 

彩月「じゃあ入らせて貰うで」

 

時雨「見逃すのは良いんだけど・・・・・」

 

はぐむ「うん。魔力の方はどうするの?」

 

彩月「心配いらへん。これがあるで」

 

 そう言って彩月が取り出したのは一夜が作った魔力を溜められる宝石だった。

 以前にも保澄雫がホテルフェントホープからの逃亡にも用いた物である。

 

彩月「この宝石に色々な魔法少女の魔力を詰めたからバレへんやろ。それにウチ以外にもローブを着て来た子はおるんやろ?」

 

時雨「うん。何人かいたよ」

 

はぐむ「やっぱり素顔を見せるのは躊躇いがあるのかも」

 

彩月「じゃあ大丈夫やろ。後、話が終わったら全部みふゆさんやマギウスに白状してええで。ウチに脅されて通したと」

 

時雨「えっ?」

 

はぐむ「でもそれじゃ」

 

彩月「二人にはワガママに付きおうてもろたしな。すまんな」

 

 そう言って彩月は会場に入って行った。

 

時雨「変な人だよね」

 

はぐむ「うん。私もそう思うね」

 

 時雨とはぐむはお互いに同じ感想を抱いていた。

 

白羽根1「お二人さんー。私も入って良いかなー?」

 

時雨「あっ。はい。大丈夫です」

 

はぐむ「どうぞこちらに」

 

白羽根1「ありがとねー」

 

白羽根1=ナル(ナルは魔力調整が出来るからバレないーバレないー)

 

 

 

 説明会の壇上で待機している車椅子のねむと灯花。

 既に会場には多くの魔法少女と白羽根、黒羽根が集まっていた。

 白羽根、黒羽根姿の魔法少女は数十人に及ぶ。

 更に説明会の事を聞いてマギウスとは関わりの無かった魔法少女も参加している模様だった。

 

灯花「ねえねむ。彩月はこの場にいるの?」

 

ねむ「・・・・・。近いような気がするけど良く分からないね。たぶん白羽根か黒羽根に化けてるんじゃないかな?」

 

灯花「そうなんだ。ところでナナツメはどうしたの?」

 

ねむ「ナナツメには不測の事態に備えて欲しいって依頼をしたよ。だから近くで待機してるんじゃないかな?」

 

灯花「また鏡の中から出て来るのかにゃー?」

 

ねむ「どうだろうね。僕も細かい指示はしてないし」

 

 

 

 30分後には多くの魔法少女が集まってマギウスによる説明会が始まった。

 まずはソウルジェムの真実とグリーフシードとの相互関係。

 魔女は魔法少女の成れの果てだと言う事実を。

 自分達が環いろはを救う為に自動浄化システムを作り出す為に里見灯花、柊ねむ、環ういの3人で契約をした事。

 アクシデントによって環ういの存在が消失してその場に居合わせたアリナ・グレイと手を組み神浜市内に自動浄化システムを作り出して、マギウスの翼を結成して神浜の魔法少女達を勧誘して組織を拡大した事。

 ウワサを使い感情エネルギーを採取して魔女を捕獲した事。

 洗脳した羽根を使って魔法少女を殺害しようとした事。

 そしてワルプルギスの夜を神浜市におびき寄せてエンブリオ・イブに捕食させて自動浄化システムを完成させようと神浜決戦を引き起こした事。

 途中で環いろは達の活躍で環ういが帰還した事でマギウスは記憶を取り戻すもアリナ・グレイはそのまま暴走して神浜市を滅ぼそうとし行方不明に至った事。

 結果、エンブリオ・イブは倒されて自動浄化システムは神浜市内に構築され、ワルプルギスの夜は神浜市にいた魔法少女達の尽力で奇跡的に討伐された事が説明された。

 

 

 

ねむ「以上が僕達の行った事のあらましだよ」

 

灯花「大分嚙み砕いて説明したけど、神浜の街がこんなになったのはわたくし達が原因って訳だから」

 

 壇上にいる灯花とねむの発言に集まった魔法少女達はざわついていた。

 

彩月(まあそりゃそうやろ。こんな話を聞いた所で理解出来るヤツは何割いるんか分からんで)

 

ナル(まー。一部の魔法少女は自分が助ければそれで良いと思っていた筈だしねー)

 

黒羽根9「待って下さい!それじゃこれからどうなるんですか!」

 

 魔法少女達の中を掻き分けて前に出て来たのは黒羽根9だった。

 

黒羽根9「あなた達は言ったじゃないですか?今は神浜市にしか展開していない自動浄化システムを地球全体に広げるのが自分達の目標だって!私は他の街から来たんですよ!自分の故郷も救われると思って戦ったのに、これじゃ何の為に戦ったのか分からないじゃ無いですか!?」

 

 黒羽根9の言葉を聞いて周囲のざわつきの雰囲気が変わった。

 周囲で魔法少女同士の言い争いが始まっていた。

 

彩月(余計な事を・・・・・。でもないか。いずれ爆発するんなら速い方がええかもな)

 

黒羽根17「ねえあなたも不満に思わないの?こんな風に中途半端に」

 

彩月「黙れ。まだ話の途中やろ」

 

黒羽根17「あんたマギウスに味方する気?」

 

彩月「喋れない様にしたろか?」

 

 彩月が本気の殺意を黒羽根17に向けた時、

 

白羽根2「ウワァアアアアアアア!」

 

 その時、白羽根2が壇上に駆け上がり手にした鎖鎌で柊ねむを狙っていた。

 

灯花「ねむ!」

 

環いろは、うい「「ねむちゃん!」」

 

ねむ「!!」

 

彩月(ちっ。やっぱこうなったか)

 

七海やちよ「マズいわ!」

 

みふゆ「やらせません!」

 

 慌てながらも七海やちよとみふゆが武器を構えて動こうとした。

 跳躍する白羽根2の足に鎖鎌が巻き付くと同時に白羽根2は地面に叩き付けられた。

 

白羽根2「グッ」

 

 そこへ鎖の持ち主でもある黒羽根が姿を見せるがローブの色が黒から白。そして黄色へと変わって行く。黄色いローブを着る事が許された羽根は現状一人のみ。

 

ナナツメ「ねむ様。ご無事で」

 

ねむ「助かったよ。ナナツメ」

 

白羽根2「放せ!殺させろ!こいつらのせいで私の家族や友達は!」

 

ナナツメ「黙れ」

 

 ナナツメはそう言って握り締めた鎖鎌を白羽根2の顔面に振り下ろした。

 

ねむ「ナナツメ!?」

 

灯花「にゃ!?」

 

ナナツメ「・・・・・・・。ご安心を。外しています」

 

 ナナツメが振り下ろした鎖鎌は白羽根2の頭に刺さる事無く外されていた。

 

白羽根2「・・・・・」

 

 白羽根2はショックで気を失っていた。

 それを見届けるとナナツメは立ち上がり声を出した。

 

ナナツメ「マギウスの話を聞け。聞く気が無いなら小生が相手をしよう。ソウルジェムが無事なら小生は出来る事をする」

 

 この場にいる羽根の殆どが護衛役でもあるナナツメの実力を知っていた為に尻込みしていた。

 

ナル(出来る訳ないよねー。ナナツメさんが相手じゃねー)

 

みふゆ「そうです。それにまだ話は終わっていません。どうしてもと言うならワタシがお相手します」

 

天音月夜「そうです。私も」

 

天音月咲「ウチも」

 

 壇上に上がるみふゆと天音姉妹。

 

白羽根8「みふゆさんの言う通りか・・・・・」

 

黒羽根17「裏切られたのに、みふゆさんまで・・・・・」

 

環いろは「そうです。話はまだ終わってません。それに私達はこれからの事を考える為にここに集った筈です。だからもし今みたいな事をするのなら私も戦います」

 

環うい「そうだよ。お姉ちゃん!」

 

七海やちよ「そうね。私もいろはに賛同するわ」

 

由比鶴乃「そうだよ。いろはちゃんの言う通りだよ」

 

二葉さな「わたしも賛同します」

 

深月フェリシア「オレも!」

 

十咎ももこ「アタシも賛成するよ」

 

秋野かえで「レナちゃん!私達も」

 

水波レナ「分かってるわよ!レナも賛同するに決まってるでしょ!」

 

和泉十七夜「そうだな。私も賛同しよう」

 

八雲みたま「わたしも賛同するわ」

 

 環いろは率いるチームみかづき荘と和泉十七夜と八雲みたまも賛同の意を示して壇上に上がった。

 

黒羽根17「西と東のリーダーが賛同するなんて・・・・・」

 

都ひなの「私も賛同するぞ。ここで争ったら鏡の魔女が現れた時の繰り返しだ」

 

由貴真里愛「ひなのさんの言う通りね」

 

常盤ななか「はい。私も同感です」

 

純美雨「ななかの言う通りね」

 

志伸あきら「僕もそう思うよ」

 

夏目かこ「はい。私も・・・・・」

 

阿見莉愛「この阿見莉愛も賛同するに決まってますわ!オーホッホッホ!」

 

胡桃まなか「大声出さなくても壇上に上がれば分かりますって」

 

保澄雫「私も賛同します」

 

鞠子あやか「だったら私も賛同します!私が賛同するから大丈夫!」

 

五十鈴れん「梨花ちゃん・・・」

 

綾野梨花「分かってるよ。れんちゃん。私も。私とれんちゃんも賛同するから!」

 

 綾野梨花は五十鈴れんの手を握ってそう叫んでいた。

 

竜城明日香「私だって賛同します!」

 

美凪ささら「明日香。少し落ち着いて!」

 

巴マミ「私も賛同するわ」

 

鹿目まどか「マミさん。私達も」

 

暁美ほむら「私も賛同します!」

 

美樹さやか「同じく。ほら。アンタもでしょ?」

 

佐倉杏子「仕方ねーな。アタシも賛同するよ」

 

黒羽根17「中央区や他の街の魔法少女達まで・・・・・。それに聖女様まで・・・・・」

 

 環いろはと共に戦った魔法少女達も話を続ける事に賛同し始めた。

 だが一部の羽根だった魔法少女は未だに不満そうな表情を見せている。

 その時、一人の白羽根と黒羽根が壇上に駆け上がった。

 

白羽根6「全員その場に整列しなさい!」

 

黒羽根13「ですです!」

 

 白羽根6の言葉を聞いた瞬間にその場にいた全ての羽根がその声を聞いて思わずその場に整列した。

 

ナル(流石は教官だなー)

 

白羽根6=神楽教官「この話を続ける事に私も賛同するわ」

 

 フードを脱いで素顔を見せる神楽教官。

 

黒羽根13=遊狩ミユリ「燦様の言う通りです!」

 

神楽教官「これ以上邪魔をするのなら私が直々にあなた達の性根を鍛え直してあげようかしら?」

 

黒江「!?」

 

柚希ほとり「!?」

 

白羽根8(冗談じゃない。マギウスの3強を相手に何か出来るか)

 

神楽教官「ねむ様。灯花様。これで話は続けられるかと」

 

みふゆテレパシー(感謝します。神楽教官)

 

神楽教官テレパシー(いえ。マギウスの3強が揃っていれば歯向かう羽根はいないでしょう)

 

みふゆテレパシー(そうですね。余り好きな言い方ではありませんが・・・・・)

 

 壇上の様子を冷めた目で見る白羽根1。

 

ナル(幻惑魔法の使い手でベテラン魔法少女の梓みふゆ。攻防に優れて指揮者でもある神楽教官。それに接近戦最強の護衛役でもあるナナツメ。マギウスの3強である3人がいる時点で普通の羽根なら委縮して戦える訳がないよねー)

 

灯花「じゃあ話を続けるよー」

 

ねむ「そうだね。これからの事を話し合わないといけないからね」

 

 

 それからマギウスによるこれからの事に対する提案がなされた。

 神浜市に自動浄化システムがある以上、神浜市に東と西、中央区と言う区分を無くして神浜市に一つの魔法少女組織を作る事を提案。

 

 

 それに伴いマギウスの翼はこの場で正式に解散すると言う事だった。

 

 

 組織の一本化の理由は自動浄化システムを外に広げると言う目標の為に全員の協力が必要との結論からだった。

 

 

ねむ「現時点で僕達が伝えたかった必要だろうと思う情報は伝えたよ」

 

灯花「これからどうするかはみんなで決めると良いよ。わたくし達が一方的に決めるのは良くないからにゃー」

 

環いろは「うん。だからこれからどうしていくのかを話し合って決めましょう。今すぐに結論は出ないと思うけど・・・・・。けど必ずやり遂げましょう」

 

 

 この環いろはの言葉によってそれぞれの魔法少女達はこれからの事を自らの意志で考える事にした。

 それがどんな結果になろうとも。

 説明会は終わり解散となった時、足早に会場を去ろうとする黒羽根9。

 

 

黒羽根9(私の街が救われると思ったからマギウスとして戦ったのに!?これじゃあ何の為に私は戦ったの!?許せない。許せない。許せない)

 

 夢中で歩いていて黒羽根9は前を歩いていた人物とぶつかった。

 

黒羽根9「うっ」

 

彩月「うん?なんや。あんさん随分と酷い顔をしとるな」

 

黒羽根9「菖蒲彩月!?」

 

 黒羽根姿の彩月はフードから少しだけ顔を見せていたが黒羽根9には直ぐに判別出来た。

 

彩月「どうせマギウスの話が思う通りやなくて癇癪起こした口やろ」

 

黒羽根9「アンタに何が分かる!?」

 

彩月「分かるか。大体物事言うんは上手く行かないのが普通やろ」

 

黒羽根9「何を悟った様に!」

 

彩月「なら敢えて聞くんやけど、あんさんは出来る事をしたんか?自分の思う通りの結果を出したいんやったら出来る事全てしたと言い切れるんか?」

 

黒羽根9「っ・・・・・」

 

彩月「まっそれはウチも同じやな。だからこれからは好きにするで」

 

黒羽根9「・・・・・。何を?」

 

彩月「自動浄化システムが果たして本当に必要な物なのか・・・・・。試させて貰うで」

 

黒羽根9(なんだ?今までと雰囲気が違う・・・・・)

 

 去ろうとした彩月は途中で足を止めた。

 

彩月「そうや。一つだけ伝えとく。一夜さんが死んだのはウチとナナツメさんが助けられなかったからや。だからあんさんは気にする必要はないで。ウチが殺した様なモノや」

 

黒羽根9「・・・・・・・・・」

 

 語り終えると手を振りながらその場を去る彩月。

 黒羽根9は冷や汗をかいている事に気が付いた。

 

黒羽根9(もしかしてアイツは思った以上に危険な奴だったの・・・・・)

 

神楽教官「どうやら本性を見せて来たようね」

 

ミユリ「ミユはドン引きです・・・・・」

 

 気付くと黒羽根9の近くに神楽教官とミユリが来ていた。

 

黒羽根9「聞いてたんですか?」

 

神楽教官「ええ。菖蒲を捕まえようと思ったけど危険過ぎるわ」

 

ミユリ「たぶんですけどミユ達にも気付いていた気がします・・・・・」

 

黒羽根9「神楽教官。遊狩さん。今日の説明会までお世話になりました」

 

神楽教官「行くのね」

 

黒羽根9「はい。私は私の街へ帰ります。もうここに居ても意味はありませんから。それと・・・・・」

 

黒羽根9「神楽教官はこの戦いの結果に納得いっているんですか?」

 

神楽教官「いいえ。でも私が目指す場所に必要だったのは確かね。それに」

 

 神楽教官は一呼吸おいて話を続ける。

 

神楽教官「あなたが何をしようとしているのかは予想が付くけど止める気は無いわ。好きにすると良いわ」

 

黒羽根9「その時はあなた達と敵対しない事を祈ります」

 

神楽教官「お互いにね」

 

 黒羽根9はそのまま立ち去って行く。

 

ミユリ「燦様。良いんですか?」

 

神楽教官「良いのよ。公民館に匿うのも限界だったし。それに彼女の様な魔法少女がこれから神浜に殺到するでしょうね」

 

ミユリ「じゃあ・・・・・」

 

神楽教官「これかから神浜市は混沌の渦に飲まれるでしょうね。そしてそれは私が火祭りを守る神になるチャンスとも言えるわ」

 

ミユリ「ではミユ達は・・・・・」

 

神楽教官「暫くは静観しましょう。いずれ誰かが私の力を必要とする筈だから」

 

ミユリ「ハイです!」

 

 

 

御園かりん「嘘なの・・・・・。アリナ先輩が神浜を滅ぼそうとしたなんて嘘なの・・・・・」

 

アシュリー「かりん・・・・・。でもあの人たちはウソを言っていると思えませんでした・・・・・」

 

御園かりん「そんなの絶対に嘘なの・・・・・」

 

千秋理子「かりんさん。元気出して下さい」

 

 

 

 暗い様子で会場を出て行く御園かりんとアシュリー、千秋理子の背後で会話を聞き耳していた白羽根姿のナルは足を止めた。

 

ナル(成程―。アリナ・グレイが行方不明と言うのは事実みたいだねー。まあナル達でも探せない訳だけど、これで確証が取れたかなー)

 

ナル「これで必要な事は聞けたかなー」

 

彩月「なんや。あんさんもいたんか」

 

ナル「!?」

 

 ナルが脇を見ると脇にある木陰に黒羽根姿で素顔を僅かに見せている彩月の姿があった。

 

彩月「その声、あんたはナルやろ」

 

ナル「なんだー。その声は彩月ちゃんー。生きてたんだねー」

 

彩月「ウチがそう簡単に死ぬ訳無いやろ」

 

 不敵な笑みを見せる彩月。

 

ナル「どうしてナルの事が分かったのかなー?」

 

彩月「今の声で気付いたで。お互いに魔力パターンは誤魔化しとるからなあ」

 

ナル「そっかー。呟いたのは失敗だったなー」

 

 口を押えながらもナルが笑みを浮かべているのは確かだった。

 

ナル「それでー。ナルと戦うのかいー?殺気が出てるよー」

 

 言いながらナルも彩月もローブに搭載されていた鎖鎌を出していた。

 睨み合う二人。

 周囲を歩いていた白羽根、黒羽根も騒ぎに気付いてざわつき始める。

 

彩月「・・・・・。そうやな。やめとこか」

 

 彩月はそう言って鎖鎌を収めた。

 

ナル「そうだねー。お互いにもめ事はマズいからねー」

 

 そう言ってナルも鎖鎌を収めた。

 

彩月「ウチは行くで。アンタも行くんやろ?」

 

ナル「そうだねー。次に会う時は敵同士だねー」

 

 ナルも彩月は互いに宣戦布告をして去って行った。

 

 

 

 その二人の様子を見ていて二人の魔法少女が安堵した様子を見せていた。

 

柚希ほとり「騒ぎにならなくて良かった・・・・・。戦闘になったら止められる自身が無かったし・・・・・」

 

柚希りおん「何よ!ほとりんに止められる訳無いでしょ!」

 

柚希ほとり「そんな訳には行かないよ。ボクも羽根の一人なんだから」

 

柚希りおん「ほとりんに近付くヤツがいたらあたしが許さないわよ!」

 

柚希ほとり「だけどそれじゃ騒ぎが広がるよ!」

 

柚希りおん「だったらほとりんが近付かなきゃいいでしょ!」

 

柚希ほとり「だからそんな訳には・・・・・」

 

 

 

□28 神浜市内 南凪区 海浜公園 説明会場 簡易型ウワサ結界

 

 

 

 説明会が終わり壇上に残っているのは、里見灯花、車いすの柊ねむ、環うい。

 その傍には環いろは、七海やちよ、由比鶴乃、二葉さな、深月フェリシア、八雲みたま、和泉十七夜。

 巴マミ、佐倉杏子、鹿目まどか、暁美ほむら、美樹さやかと言った面々だけだった。

 

巴マミ「じゃあやっぱりこれからは・・・・・」

 

灯花「うん。神浜に魔女を誘導する電波発信装置は無くなったから魔女や使い魔は他の街でも前と同じ様に出て来るよ」

 

佐倉杏子「それじゃあもう神浜まで遠征せずに済む訳だな。助かったよ」

 

ねむ「魔女が集中する事で魔女や使い魔同士の共食いで神浜市にいる魔女の力も強まったけど、それも少しは和らぐんじゃないのかな?」

 

七海やちよ「それは助かるわ・・・・・」

 

美樹さやか「私達も自分の街を守るのに集中出来るって事ですね」

 

鹿目まどか「でも・・・・・。いろはちゃん達の事を手伝うのは・・・・・」

 

暁美ほむら「難しいと思います。私達も魔女がいなかったから神浜市まで遠征が出来てたんですから」

 

巴マミ「そうなるわね・・・・・」

 

灯花「マミ。気にしている事があるのかにゃー?」

 

ねむ「灯花。マミはマギウスの聖女だった事を気にしているんだよ」

 

灯花「それは・・・・・。わたくしも分かっているにゃー」

 

巴マミ「私がマギウスの聖女として神浜でして来たことの償いは神浜市ですべきだと思うわ・・・・・。環さんを初めとする魔法少女に酷い事をしてしまったわ」

 

七海やちよ「巴さん。その事に関する償いなら神浜市じゃなくても見滝原市でも出来る事があるわ」

 

巴マミ「え?」

 

七海やちよ「魔女を倒す事よ。人々を守る為に。それが償いになるわ」

 

巴マミ「でもそれは・・・・・」

 

和泉十七夜「我々魔法少女にとって当たり前の使命でもある。確かにそうだ。だがその当たり前に人々を助ける事が巴君の行った事に対する償いになるのではないか?」

 

ねむ「そうだね。僕も自分の街で出来る範囲から償いをすべきだと思うよ」

 

灯花「うん。わたくしが言えた義理じゃ無いのは分かっているけど、出来る範囲で罪を償うのが地に足が付いたやり方だと思うよー」

 

巴マミ「・・・・・・・・・・・」

 

 考え込む様子を見せる巴マミ。

 

鹿目まどか「マミさん・・・・・」

 

美樹さやか「マミさん!」

 

暁美ほむら「マミさん」

 

佐倉杏子「マミ。結論は出たんだろ?」

 

巴マミ「ええ。里見さん。柊さん。それに七海さん。それに和泉さん。私は見滝原でみんなと一緒に魔女と戦い続けるわ」

 

ねむ「僕もそれが良いと思うよ」

 

灯花「わたくしもそれで良いと思うよ」

 

八雲みたま「それじゃあこれでお開きと言う事なら調整屋で打ち上げをしな~い?わたしの特製料理を食べさせてあげるわ~」

 

佐倉杏子、深月フェリシア((うっ!?))

 

水波レナ「ゲッ!?そんなの天国から地獄に行く様なもんじゃない!?」

 

秋野かえで「レナちゃん!?幾ら本当だからって失礼だよ!?」

 

十咎ももこ「馬鹿!?二人共余計な事を言うな!?」

 

八雲みたま「酷いわ~。調整屋さんは傷付いたわ~。こんなに傷付いた調整屋さんを誰か慰めてくれないかしら~。ね~。十七夜。ももこ。レナちゃん。かえでちゃん」

 

 泣き真似をしながらもみたまは笑顔を浮かべていた。

 

和泉十七夜「・・・・・。分かった。付き合おう。十咎。それとそこの二人。お前達3人も指名だから付き合え」

 

十咎ももこ「えっ!?十七夜さん・・・・・。それは」

 

和泉十七夜「諦めろ。八雲が拗ねると慰めるのは一人では無理だ」

 

水波レナ「十七夜さんがそう言うなら・・・・・」

 

秋野かえで「レナちゃん。次からは人に物を言う時は優しくしようよ」

 

水波レナ「・・・・・。考えとくわ」

 

八雲みたま「それじゃわたし達5人は先に帰らせて貰うわねー」

 

 八雲みたまに連れられて沈んだ表情をした4人の魔法少女は去って行った。

 

佐倉杏子、深月フェリシア((たっ助かったー))

 

ねむ「さて。そろそろこのウワサ結界を解除しようと思うけどやり残した事は無いのかな?あるなら今の内、済ませて置く事をお勧めするよ」

 

深月フェリシア「赤いねーちゃん。一緒に戦ってくれてありがとな」

 

佐倉杏子「まあ行きがかりだよ。キンパツ」

 

美樹さやか「七海さん。マミさんを助けてくれてありがとうございます」

 

七海やちよ「良いのよ。私も彼女を助けたかったから」

 

由比鶴乃「そうそう。魔法少女の先輩同士なんだから」

 

二葉さな「暁美さん。アイちゃんとの事はありがとうございます」

 

暁美ほむら「いえ。いいんです。あの・・・・・。環・・ういさん」

 

環うい「えっ?」

 

暁美ほむら「私はあなたのお陰で神浜市に来る事が出来ました。ありがとうございます」

 

環うい「でもわたし・・・・・。ねむちゃんと灯花ちゃんにも聞いたけど何も・・・・・」

 

暁美ほむら「それでも・・・・・。わたしは超えられない壁をようやく超えられたから」

 

環うい「?」

 

鹿目まどか「いろはちゃん。これからは神浜市に頻繁に来る事は出来ないかも知れないけど私に出来る事があったら何でも言ってね」

 

環いろは「ありがとう。まどかちゃん。もし何かあったら必ず連絡するから!」

 

巴マミ「里見さん。柊さん。あんな事があったけど・・・・・。私はマギウスの翼に会えて良かったわ」

 

灯花、ねむ「「!?」」

 

巴マミ「だってこんなにも同じ気持ちでいる魔法少女と出会えたから」

 

ねむ「そう言って貰えて僥倖だよ」

 

灯花「わたくし達の罪は消えないけど、そう言って貰えるのは少し嬉しいかにゃー」

 

 魔法少女達はお互いに別れを惜しんでいた。

 

 

 

 

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