私達の屋上   作:: 渚 :

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初めまして、:渚:と申します。
久々に文章が書きたくなったので、新しく書き始めようとおもいます。
暇つぶしにでも、見ていただけると嬉しいです。


私の居場所

ふと、今でもあの時のことを思い出すことがある。

 

きっと他の人に話したりしたら何を言っているんだ、とかそんなことがあるはずないだろう、とか言われてしまうんだろう。

 

でも、絶対に夢なんかじゃない。私はずっと覚えている。

 

君と過ごしたあの年を、今はもう二度と入れないあの屋上を。

 

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

 

私の名前は鶴川南海(つるかわみなみ)。16歳。ただの女子高生だ。

なにか不思議な力とか、過去の記憶とか、そんなものなんて持っていない。そして別に今が不満って訳では無いが、満足している訳でもない。

 

普通に見たら、恵まれているだろう。両親も居るし、友達だっていないわけじゃない。こうやって無事高校に進めている訳だし。でも…

 

「なんか、物足りないんだよねー…」

 

そう1人呟いてため息をつく。これがないものねだりってやつなのだろうか。人間は平和過ぎるとスリルを求めるとか言うし、スマホでホラーゲームを探してみようか。

 

「…にしても、本当にここ最高だよ」

 

そう呟いて伸びをする。私が居るのは屋上だ。ここの屋上は校舎の上では無い方なのでそこまで広い訳では無いが、ひとりの時間も好きな私には大事な居場所だ。ここを発見したのは1年の秋くらいで、そこからほとんど毎日来ている気がする。

誰にも会ったことがないから、堂々と独り言を垂れ流しているわけで。

 

「…まあ鍵壊れてたからよかったんだけど」

 

何故かここは鍵が壊れていた。安全対策のためとか言って屋上は閉まってるはずなんだけれど…まあ部活も特にしていない私は暇なのだ。最近は図書室から借りてきた本をここで読むのが日課になっている。文庫本1冊読み終わって帰る。それが私の1日だ。

 

「別に図書室が静かならいいのに、最近うるさいんだもの…」

 

1年の時の図書室は静かで、私は部活帰りの友達を待つためよくそこに居た。ただ去年の秋から誰かが騒いでいて、校舎内の探索をしたついでに鍵の壊れた屋上を見つけたわけだ。ここは静かで、私の独り言か、ページをめくる音、遠くの部活の声出しだとかそれくらいしか聞こえない。ある意味これも青春だよね。彼氏?居ないよそんなもの。

 

「…よし、終わり。これ中々面白かったな」

 

読み切った満足感と共に、家に帰らないといけないという気持ちが重くのしかかってきた。

 

「んー…帰りたくない…」

 

最終下校時刻までどう過ごそうか。もう1回図書室に行くのは面倒くさい。4階から1階までなんて、運動不足の私には無理だ。いや、無理じゃなくても筋肉痛という最悪の形で帰ってくる。そんなの嫌だ。

一緒に帰る友達も居ない、家にも帰りたくない。こんなのまるでただの子供だ。別に今も大人ではないけど、小学生みたいだ。

 

「…私、このままで大丈夫なのかな」

 

そう呟いて、立ち上がる。柵から身を軽く乗り出して下を見てみると何か落ちている。一瞬光ったから鍵だろうか?

 

「…なにあれ?」

 

もう少し身を乗り出してみようか、とその時__

 

「危ないっ!!」

 

「え」

 

私はものすごい勢いと共に後ろに引っ張られて、尻餅をついた。

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