ヴェルトギリアムの牢獄の場所を確認した後、することもないので俺とベリタスは各地を延々と旅してまわっていた。どのくらいの時がたったかも正確に覚えているわけではないが、おそらく200年程度は既に過ぎている。
最初はベリタスの提案でグリムドアがいる村に戻ってみたのだが、結局一度フェンリスに襲われただけで、グリムドアとは会う事が無かった。
これまでで、神に関する情報や収穫は一切なし。
で、今までいたガザ大陸を歩いて回っていたのだが、そのうち俺が飽きてきたのでふらりとルオン大陸の方に立ち寄ってみることにしたのである。
軽く言ったが、船で来たわけではなく、空気を蹴って軽く音速を超える速度で飛んできた。
俺にとってはこの程度は軽いランニング位である。
『どういう神経してやがんだ』
ちなみにベリタスは相変わらず幽霊のままである。
『幽霊じゃねえよ。幽霊っていうのはな、もともと器の有る人間の魂が、本来の器を喪失した結果なるものであって、もともとその器が存在しない俺はn』
「ごめん、誰も聞いてないし、虚しいだけだと思うからやめろ、な?」
『………いまお前のせいで虚しさを感じたよ』
「で、ここどこだ?」
『ルオン大陸』
「の、どこか聞いてんだよ?」
『しらね』
「うっわ、使えねぇ」
『聞こえてるぞ?』
「聞こえるように言ってるぞ?」
『オイ』
さて、カーナビが機能しないので適当に村か町でも探したいと思います。まる。
『誰のせいで機能しないと思ってんだよ?お前が空中でぶっ飛びまくるから現在位置が掴めないんだろ?ワノクニから出た時もそうだったよな?少し学習しろよ、てかカーナビとか言うな!』
このクソうるさいカーナビ、シャットダウンしていいかな?それはそうと町みたいなの見つけた。
ちなみに現在進行形で俺とベリタスは空中を跳んでいる。で、建物を上空から探していたところなのだ。
『へえ、ガザ大陸ではあんな大きな規模の町は無かったな』
「で、あの町がどこかわかる?」
『ルオン大陸であの規模の町と来ると、真っ先に思い浮かぶのは王都だな、確証は持てないけどその可能性が一番高い』
「じゃあ、とりあえずあそこに行ってみるか」
そう言って俺は空中を蹴り上空から一気に地面に降り立つ。
とはいえ、いきなり町の中に降り立つほど俺も非常識ではないので、少し離れた位置にある森に降りた。
のだが。
「………いきなりこれは無いだろう」
『お前らしくていいじゃねえか』
「あ?……うーん。まあ、こうゆう展開も面白いか?」
既に俺の手にはダークマタ―製の槍が握られている。そして俺とベリタスを取り囲むようにして唸り声を上げるドラゴンが三匹。
「まさか、降りた先が竜の巣は思わねえよな」
『あー討也、一応言っとくあんまり暴れ過ぎるな、近くに結構な数の人の気配が……もう遅かった』
「?」
ベリタスがなんか言い始めたのでとりあえず戦闘を始めようとしていたのを待っていると、いきなり人の気配があらわれ、ベリタスも口をつぐむ。口ないけど。
て言うか、ベリタスの索敵範囲広すぎだろ。俺が一人目の気配に気付く前から複数って分かるとかコイツもコイツでチートだろ。
と、現れた人影が、大型の剣を構えた。もちろん俺ではなくドラゴンに対してである。
「全く、あまり森の奥深くに立ち入るなと書いてあったろう」
森の入口かなんかにか?だとしたら俺はそれを見てないだが。
「まあいい。そこで見ていろ小童!三匹程度このワシ一人で相手してやる」
………俺一応200歳…いや、やめとこう。
「つーかコイツが誰か俺わかっちゃったよ」
『俺もだ』
「行くぞ!ドラゴン共!」
気合いの声とともに、ドラゴンに向けて走り出す人影は、赤い鎧を着けている。
「勇者オーガスタス」
『神とは関連性の無いキャラだと思うんだがな』
「くははッ!暇つぶしにはちょうどいいだろ?」
ドラゴンを切り倒す火の時代の勇者を見ながら、俺はニヤリと笑みを浮かべた。
最後の一行だけ見ると討也が悪役っぽい(笑)