ロードトゥドラゴン(ロードラ)の世界に転生   作:錯也

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騎士団

 向かいに座るオーガスタスはどう声をかけたかいいかわからない様子で、ただこちらを眺めていた。

 ここは王都にある騎士団の詰所、その中でも隊長格の騎士に割り当てられている部屋である。

 で今、赤い鎧を身に付けた火の時代の勇者オーガスタスとテーブルをはさんで向かいの椅子に俺がいる。

 ちなみに、今この部屋にいるのは4人。俺とオーガスタス、そしてドミニクとヨハンという二人の騎士である。

 あれ?この二人どっかで聞いた事がある名前だな。まあいいや。

 俺以外の3人が全員鎧に身を包んでいる中で、一人だけが黒いコート着用というのはなかなか奇妙な光景なのか、たまにここを通る他の騎士が、俺の事を不審そうな眼で見てくる。まあ、別に気にならないけどね。

 

「お主………昨日会ったよな?」

 こちらを眺めていたオーガスタスが、部屋の異質な空気に耐えられなくなったのか、あくびをしながら頬杖をついていた俺に話しかけてくる。

 ドミニクとヨハンもぼーっとするふりをしながらも俺とオーガスタスのやり取りに全力で意識を傾けている。気配で分かるんだよね、そうゆうの。

「森で?」

「うむ、森で」

「ああ、そういや会ったね」

「え?その程度のリアクションで済む事だったか?」

「……昨日って何かあったっけ?」

 そんなやり取りをしていると、ドミニクとヨハンが。

(おい、森で会ったってどういう事だ?)

(昨日確か付近の森でドラゴンの目撃情報があってその調査に行かれたそうだが……そこであったという事か?)

 ヨハン君大当たり~

(それが何故騎士団に?というか試験もなしに入団するとはどういう事だ?何者なのだこの男は?)

(さあ、だが聞いた話だと一人でドラゴン十数体を倒したとか。今朝)

(Σ(゚д゚;) は!?オーガスタスさんだって一人で同時に相手できるのは、十体程度だったはずだが?)

(まあ、それも相当なのだがな、とにかくかなり怪しい人物ではあるが腕は確かなようだ)

 かなり怪しいとまで言うかヨハン君?まあ、俺も我がことながらかなり怪しいと思うけどね。

「ところでアレはどうしたのだ?」

「あれ?って?」

 オーガスタスが少しだけ声をひそめて聞いてくるが、「アレ」がさすものが何なのかいまいちよくわからない。

「ほら、紫色の火の球みたいな」

「ああ、ベリタスの事か」

「名前までは聞いていなかったが…そう多分それだ」

「あー、アレならどっかその辺にいんじゃね?」

『テーブルの下!!!』

「」

「」

「」

「」

「あー、そういやなんかする事も無くぼーっとしてるけどさ、いつもこんな感じなの?」

「うーむ、明確にドラゴンの目撃情報が有ったりするわけではない限りあまり上のものが動くことは少ないのだ。まあ、ドラゴンが現れたときには率先して動くがな」

「成程」

「もう少ししたら日ごろの訓練も始まるから少し待っておれ」

「ああ、分かった」

『なあお前ら?オレ無視するのやめてくれない?なんか段々俺の存在感が無くなって行ってる気がするんだよね。マジでやめてくれない?あと5話もしたら「ベリタス?誰それ」みたいなことになりそうなんだけど?』

 あまりにも騒ぐのでうんざりした表情を浮かべながらテーブルの下をのぞくと、紫色の鬼火っぽいものがフワフワ浮かんでいる。

「お前、あんまり自己アピールするとウザがられるし、作者に消されるよ?」

『メタな発言してんじゃねえよ!』

 そう言いながら、ベリタスがテーブルの上に壁抜けっぽい事して出てくる。

「「ッな!?」」

 ドミニクとヨハンがそれぞれの武器をつかんで構えた。

「あーこれは敵じゃ無い」

 オーガスタスがいまにも襲いかかりそうな二人を宥める。

「そ、俺のペットだ」

「ぬ?そうだったのか」

『違ぇよ』

「あ、便利ツールか。悪いな」

『悪いと思ってないだろお前!?』

「うん」

「「「『認めんなよ』」」」

「まあ良いだろ。それよりお前どうやってここに入ってこれたんだ?」

 ベリタスの姿は、この世界のほとんどの人間が見る事が出来る。たまに視えない人がいたりしたけど。

『普通にお前のコートの中に潜んでただけだ』

「うわ」

『何だよその反応!?』

「いや別に」

 全然気付かなかった。いつの間にか消えてるからどこ行ったんだろうなぁ?とか思ってたけど。

「あの~何なんですかそれは?」

 剣をおさめたヨハンが若干ベリタスとの距離を置きながらひきつった顔で聞いてくる。

「うーん一言で言うなら幽霊の親戚だな」

 魂だけの存在なんだし。

「ほう、変わっておるのぉ」

 珍しいものを見るようにじーっとオーガスタスがベリタスを見る。

 まあ、実際珍しいだろうね。

「で?コイツはお主の仲間なのか?」

『その通りおれh』

「まあ、ペットかな」

『だから違うよ!』

 言いかけたのを無視して発した俺の言葉に、ベリタスが抗議の声を上げる。

 ……と。

「えっと…何やら取り込んでいる様子ですが…」

 そんな、声をかけるのと、この状況に関わる事の両方にためらっていそうな声で、いつの間にか部屋の入口に来ていた一人の騎士が、先程オーガスタスが言っていた訓練を始めるために、ドミニクとヨハンを呼びに来たのだった。

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