ロードトゥドラゴン(ロードラ)の世界に転生   作:錯也

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探索開始

 

 【監獄王】ヴェル、本名ヴェルトギリアムのストーリーには彼女が「咎人」であることなどが記されている。

 

 彼女の役割はすべての「咎人」を処することにあるはずだ。そしてもう一つ、【処刑王】クロノともかかわりがあるようなスートリーが書かれている。

 

『まあ、監獄王のストーリーをみる限りクロノが「咎人」をとらえてる牢獄に殴りこみかけたようにも受け取れるな。けどクロノのストーリーから考えるに、クロノが生まれたのは水の時代になってからだと思うんだが?』

 と、これはベリタスの意見、だが、どちらにしてもやることがあるわけではないので、とりあえず監獄王が管理している、或る海域にあるという牢獄の場所だけでも、確認しておこうということになった。

 

 ちなみに俺たちはすでにワノクニを出ている。ここがどこかは知らない。迷子である。

 

 監獄王のストーリーから察するに、黒と白のグリムドアは彼女が管理しているかなんかしているはずだ。どちらにせよ牢獄に行くことになるのは明らかだ。

 なので今グリムドアとフェンリスに関する情報を集めているのだ。

 

「にしても、全然見つからねえな」

 狩り倒したバハムートンという、イノシシのような姿をした竜族の一種を、覚えたスキルで焼いて食べながら俺はつぶやいた。

『あーそうだな、手がかりは何一つつかめてないよな。ところで…それうまいの?』

 隣に浮かんでいる紫色の光体、ベリタスが興味を持ったのか暗によこせと言っているのかそんな事を聞いてきた。

 ………どうせ一人で食いきれる量でもないんだよなあ。

「お前も食う?」

『それはあれか?嫌味か?ケンカ売ってんのか?」

 ………なんかご立腹のご様子ですねベリタスさん。なんでだろ?

「えーと……いらないのか?まあいいけど」

『昨日話しただろう!オレは魂だけの存在だから物理世界に干渉はできないの!だから物食ったりはできないンだよ!分かったか!?』

「分かったよ、悪かった忘れてたんだっつーの。あーそういやこの「ロードラ」の世界って魂が物質に宿ったりする事ってあるのかな?」

 とりあえず話題をそらしておく。…ん?物質に干渉できないってことは…戦闘ではコイツのサポートは期待しないほうがいいって事だな。

 まあもともと期待してないけど。この世界じゃオレはチートだろうし。

『あーどうだろうなでも魂だけの存在である【悪食王】クトゥールが人の体乗っ取ったりしてるくらいだから………オイ…お前……今話逸らしただろ!?』

 ……チッばれたか…。

 

 そんな風に俺とベリタスがこの「ロードラ」世界に似合わないほほえましいやり取りをしていると…。

「おや?旅人か…?こんなところで何をしているんだ?」

 と、後ろから声が掛けられた。

 

「ん?」

 俺が振り返るとそこにはいかにも旅人のような姿をした青年がいた。

 全体的には藍色に近い服を着てフードをかぶっている。手には歪な形をした木製の杖。背中に鳥の巣を背負っている。巣の上には何のかは分からないがタマゴが乗っかっている。

 何の卵だろ?この世界ならドラゴンのタマゴってこともあり得るのかな?

 ちなみに今俺とベリタスがいるのは林の近くにある小川のほとりだ。飯を食うんだから落ち着いた場所でということでここに来たのである。

 

「あーっと、まあ食事を取ってるんだよ、うん。………あんたも食うか?一人で食いきれる量じゃあ無いからよ」

 あまり黙っているのも悪いのでとりあえず青年の質問に答えることにした。

「……ああ、バハムートンか。成程、ならば君の言葉に甘えさせてもらおうかな?」

 そう言って青年は俺のそばに腰を下ろす。とりあえず火の通っている肉を渡してやった。

「あんたも旅人だよな?一体どこから来たんだ?」

「たぶん言っても分からないと思うよ。まあもう生まれた場所に戻る気はないけれどね」

 青年は食べながら答えた。………ふーん?なんか分けありなのかな?もともとロードラのキャラのストーリーって鬱になるものとか多いからな。大半がバッドエンドだし。

「あー、アテのない一人旅ってやつか」

「いいや、目的はあるよ」

 俺のつぶやきが聞こえたのか、青年が答えた。

「「或る者」を操る存在を探してるのさ」

 ……?「或る者」?一体何のことだろう。

 

「ごちそうさま。ありがとうね、私はもう行くよ」

 俺が青年の言葉の意味を考えているといつの間にか青年は立ち上がっていた。

「え?ああっ…その目的のもの、見つかるといいな」

 去っていくその背に向かって声をかける。すると青年は振り返った。

「うん。そうだね、私も早く見つけたいと思ってるよ。ありがとう。…それじゃあね」

「おう。じゃあな」

 今度こそ、と言わんばかりに彼は背を向け立ち去って行こうとして…もう一度振り返って言った。

「ああ、そうだ、言うべきか迷ったけど。忠告。君の気配は濃過ぎるよ。気をつけたほうがいい。いらない者まで招いてしまうかもしれないからね」

「………ああ………。そりゃあどうも……」

 俺の返事を最後まで聞かず青年は去って行った。

 ………気配が濃過ぎるねぇ………。どういう意味だろ?

 

『オイ討也。良かったのか?』

 俺が青年の言葉の意味を考えているとベリタスが話しかけてきた。

「あ?いや、一人じゃ食いきれないくらいあったんだから…」

『その事じゃあない。さっきの男のほうだよ』

 あの青年がどうかしたのだろうか?俺は肉を食べながら返事の代わりに首をかしげた。

『おい……まさか気付かなかったのかよ?アイツ若いころのマクスウェルだろ』

 …………………………おや?

「マジ?」

『あーあ、いきなりこの世界の核心、神に迫るチャンスだったかもしれないのに…』

 バッ!と、俺は慌てて振り返るが、もちろんそこに青年の姿はない。

 ……しまった…。

「……………まぁあれだ、また会うこともあるだろう」

 あきらめることにしました。

『しょうがねえ。とりあえず今はフェンリスとグリムドアの情報収集に集中しますか…』

 とりあえずベリタスも納得してくれたようだ。俺は手をつけていた分を食べ終え立ち上がる。

「じゃ、とりあえずこの近くに町なり村なりで情報収集と行きますかー」

『なんか手がかりが見つかるといいんだがな』

「全くだ」

 

 そんなたあいもない話をしながら、一人と一体は歩き出す。




まさかの原作から最初に登場するキャラはマクスウェル。
分からない人にはすみません。

そして討也、まさかの痛恨のミス!
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