『さっきのあの神は[水神]ヴィーラか………よくヴェルブラッド家に関わりがあるって分かったな。……けどよ、あれを倒したらまずいんじゃねえの?姉妹は仲よさそうだったし』
誰一人寄り付かない森の中に、討也とベリタスは居た。
これからの事を確認するためである。
「倒すのはヴィーラじゃ無いぞ?」
『………は?他の神なんてあの場所にはいなかったぞ、姿が見えなくたって気配で分かる』
ベリタスはとてつもない索敵能力を持っている。故に、他の神が隠れていれば、彼にはすぐに分かるのだ。
「彼はゆっくりと私に向かってくる。
「お前は禁忌を犯した」
違う。
「人に対して情を持った」
そう。
「最早、お前は神では無い」
そうかもしれない
槍は、ヴィーラの胸を貫いた」
『は?』
急に討也が言ったセリフに、ベリタスは意味が分からないという風に聞き返した。
「進化後のヴィーラのストーリーだ」
『………それがどうかしたのか?』
「…はぁ…………」
まだわからかないのかこいつは、という風に、討也は深いため息をついた。
「まず、このストーリーにある「彼」というのは、神のひとりだ」
『根拠は?』
「このストリーは、ヴィーラがその神に人間に情を持ったことを罰せられてた。そういうストーリーだ。けどヴィーラは「神」なら、それを裁くのは彼女より高位の「神」じゃあなくちゃいけない」
『ああ…そういう事か』
他にもこのストーリーから分かることが有る。と、討也は続けた。
「まず第一に、「彼」と言われている神について。こいつはストーリーの中で槍を持っていることが明確に示されている」
『確かに、ってことは槍の「神」のユニット……それも「彼」だから当然男……』
ヴィーラのストーリーから考察できるのはここまで。
だが。
「ヴィーラに槍を突き立てた「神」が誰かについては、別のキャラのストーリーから判断できる」
『誰だ?』
「…………お前?ノータイムで聞き返してきたけどちゃんと考えた?もちろんヴェルブラッド家の人間だよ」
氷竜王レヴィア。
「レヴィアのストーリーに「レヴィアには、今は亡き先代、即ち母により託されたものが三つある」とある。一つは「泣き虫で弱虫なレヴィアの双子の妹」。つまり[海竜王]リヴァイアの事だ」
『ああ、あとは「姉妹が互いの幸せを願う唄」だな』
そして最後が。
「生前、母が従えた翠色の鱗を持つ竜」。
『成程。で?どれから神の事が分かるんだ』
やっぱりコイツ何にも考えてないな。と、討也は思った。
「はぁ「翠色の鱗を持つ竜」だよ」
『………それって……四竜の一角の竜だと思ったんだけど?』
「だとしたらお前の考察は的外れもいいところだな」
『なんだと!?大体なんでその竜の事からヴィーラを殺した神の事が分かるんだよ!?』
まず、こいつこのセリフ自体が間違いなのだ。
「おい?どこにヴィーラが死んだって書いてある?」
『いや死ぬだろ?胸を槍で貫かれたらふつう死ぬだろ!?』
「ああ、メンドイけど、とりあえずヴィーラは死んでないぞ」
『は?じゃあどうなったんだよ?』
まず一つ、「最早、お前は神ではない」というセリフ。これは、殺すという意味ではなく、神としての資格を剥奪するという意味ではないだろうか?
そしてもう一つ。
「俺はヴィーラ=翠色の鱗を持つ竜、だと考えてる」
『いや、意味が分かんねえ。なんで神様が竜になってんだよ?』
もちろん「彼」と呼ばれる神が、ヴィーラをドラゴンに変えてしまったのだ。
そして、実はそれを可能とする神がいるのである。しかも男。さらに槍を持っているというところまで一致する。
『!?ああ!…そうゆうことか!』
ようやく、ベリタスも理解したようである。
そう、槍を持ち、男で、さらにヴィーラをドラゴンに変えてしまえる「神」。
該当するのは、一人だけ。
対象を竜に変えるアクティブスキル、「ドラゴン・インジェクション」使用する神。
「『[龍神]デウス』」
二人の声が重なった。
ちなみに、進化後の、ヴィーラの〇〇神の文字が、それぞれレヴィア、リヴァイアの姉妹の武器名に入っています。