「な~な~ベリタスさん?」
『なんだよ』
「町ってどこにあるんですかねぇ?」
『知らねえよ……聞いてみればいいだろ。ソイツに』
「あーね」
そう言って俺はあきらめたように空を見上げた。そこには、こちらを見下ろす、赤い鎧を着て、翼が生えているという奇妙な姿の男がいた。
若いころのマクスウェルらしい人と別れた後、俺とベリタスはとりあえず近くにあるであろう町や村に立ち寄り、フェンリス及びグリムドアの情報を探すことにしたのだが………ここがどこなのかわからない俺たちは、当然、どこに町とかがあるかすらわからないわけである。さらにこのあたりはあまり人が来ないのか、いまだに道などの人工物を見掛けないのだ。
ちなみにワノクニからは適当にジャンプして脱出しました。着地地点はこの近くです。ハイ。
こんな事になるならマクスウェルさんに道でも訪ねておくんだった。
『過ぎたことを悔いても仕方ねえだろ?それより討也。そろそろ現実と向き合ってくれない?』
「えー、だってあの人こっちにめちゃくちゃ敵意向けてくんだもん」
『だから向き合えよ』
「テメェら………。いつまで無視する気だオイ!?」
とうとう空に浮かんでいた男がしびれを切らして肩に担いでいた歪なデザインの槍を構える。
「いや……無視とは少し違うんだけど……。ねえベリタス?なんであの人俺に敵意向けてくんの?」
『そりゃあ…お前から神様級の気配が出てるからだろ?」
「気配?そう言えばマクスウェルもそんなこと言ってたけど……」
『まああいつは、その気配の正体を探りに来たってとこだろうよ』
「あー。それで気配の正体が俺だから敵意向けてんの?なんで?」
『いやお前、あれ【悪鬼王】ディアブロだぜ?』
………え?
ベリタスの言葉を聞いて改めて俺は空に浮かぶそいつの姿を確認する。
金髪に浅黒い肌そして粗野な顔つき。赤い鎧に、歪な形の赤い槍。さらに背中から赤黒い翼。
「確かに、ディアブロさんだな」
『来たのがコイツでラッキーだったんじゃねえか?コイツのストーリーには「始末戦争で人間である赤い狩人と共に幾千もの竜を屠った」的なことが書いてあるだろ?』
「ああ、その赤い狩人っての、グリムドアのことかもしれねえな。よし、だったら聞いてみるか。おい、ベリタス後で気配の消し方教えろよ?」
『あー、ハイハイ。さっさと行って来い』
ベリタスの言葉を背に俺はその男のいるほうへ歩き出す。それに気付いたのかディアブロはゆっくりと降下してくる。もっとも、そもそもそんなに高い所にいたわけだもないのだが。
「テメェ何者だよ?」
槍を構えたディアブロが敵意をむき出しで聞いてくる
「神無討也だよ。さん付けか様付で呼んでくれ」
「オイオイ……ナメてんのか?」
「ま、自己紹介は置いておくとして、君がなんで俺に敵意向けてくるのかも置いておくとして」
あれ?なんか色々と後回しにしてる気が……まあいいや。
「とりあえず君、グリムドアかフェンリスがどこにいるか知らない?」
「はあ?誰だそれは?」
…………あれ?名前までは知らないのかな?
「始末戦争で、一緒にいた赤い狩人のことだよ」
「そんな事知ってどうする?」
「なんだっていいだろ?…知ってるか知ってないか聞いてんだよ」
「っ!?」
質問応答の繰り返しにめんどくさくなったので少しばかり殺意を込めて聞いてみると、ディアブロは顔をしかめた。
「今どこにいるかまでは知らねえな。知ってたとしても教えてやる義理なんてねぇよ」
成程。
「じゃあ最後にいた場所かあった場所。もしくはそいつの故郷でもいいや」
「教えてやる義理はねぇって言ってんだろ!」
つまり知っていると。よろしい。
「あ、そ。んじゃあいいや」
その言葉に少しだけ槍の角度を下げるディアブロ。が、すぐに構えなおした。
俺がコートの内側からナイフを取り出したのを見たからだろう。
「力づくで教えてもらうからさ」
ニヤリと笑って俺はそう言った。
次回討也のチート性能っぷリが発揮されます!
ちなみに作者はディアブロ持ってません。