「メリルが行方不明になった?」
「はい、神無さんがここに来てから一週間くらい後の事です」
『………まあ、急にいなくなったのは、どうかと思うが……メリルの兄…ファウストは死んじまったんだろ?』
メリルは、兄であるファウストを愛したことを罪と考え修道女となったはずである。ファウストが死んだからもう罪はないとでも考えたのだろうか?
「ええと………既に亡くなられています。…が…死んでしまったと言うより……」
何者かに殺害された。
修道女はそう言った。
『は?』
「それがメリルが居なくなる前の事か?」
「同時でした。ファウストさんが殺害されたような亡くなり方をしたのをここの修道女が発見して……その時にはメリルさんはいませんでした」
タイミング的にはメリルがファウストを殺してそのあとに逃げ出したという流れが一番つじつまが合う。
が、メリルがファウストを殺害する理由などあるのだろうか?
何より………。
「クトゥールが居なくなってんのと関係してるのかねぇ?」
『可能性は高そうだな。2代目クトゥールはレヴィアじゃなくてメリルだったのか』
「くとぅーる?」
「ああ、気にするな。ベリタス、お前気配探って居場所とか探れないのか?」
ベリタスの索敵能力は、討也とは比較にならないほど強力だ。
が、ベリタスは無理だと告げた。
『やってみたけどこの当たりには居ない。そりゃあ何年か前の話なんだからこの近くにまだ居る方がおかしいけどよ』
「仕方ない。あれには聞きたいことが有るし……禁書館に行ってから探しに行くか」
そう言って討也が修道院を後にしようとするが、ベリタスは黙ったまま動かない。
「どうした?」
『………禁書館で仮に「器」を作る方法が分かっても、とりあえずクトゥールは探したほうが良いと思うぞ?ただでさえ俺たちがかかわったから起こりもしないことが起きて、起こるはずだったことが起きてない可能性もあるんだ』
実際火の時代ではオーガスタスは生き残ったしな。とベリタスは続ける。
「…そうだな。ここらで狂ってる所は修正するか」
とりあえず。討也とベリタスは禁書館へ向かうことにした。
結果から言うと、禁書館にも依り代の作り方が書いてある書は無かった。と言うより、禁書館の書はすべて既に過去に死んでしまっている存在だけだった。
そういえば禁書館の司書もいなかったがまだ居ないだけだろうか?
『で?どこから探す?』
「とりあえず……最近壊滅した町や村が無いか聞いてみようぜ。もしかしたらその近くに居るかもしれないからな」
あと、ドラゴンが大量に狩られてたりしたらそこも注意した方が良いかもしれない。
とりあえず、討也とベリタスは、クトゥールを探すことにした。