「____して、身体や物の強化ってどうやればいいんですか? 」
「原理は単純よ。対象に霊力を流し込んで凝固させたり流動的にすることで物のあり方に自分の意志を与えるの。」
「なるほどわからん。」
「とにかくまずは基本から始めるわよ。霊力を用いた身体強化、これがあなたの最初の課題ね。」
今スルーされたよね。うん。
「分かりやした!」
「それと身体強化について分かりやすく説明するわ。」
〜少女?説明中〜
「と、言うわけなのよ。」
「なるほど!やってみます。」
心臓から全身へ。霊力を血に乗せて流していくイメージ。
始めてからすぐに体が軽くなったように感じる。
「さすが、綿月家の長男ね。予想以上に筋がいいわ。」
珍しくえーりん先生が褒めてくれた。素直に嬉しい。
「まじっすか!続けてみます!」
「言っていなかったけど加減を間違えると霊力が臨海して体が爆発するわよ。」
「ええええええええええくぁwせdrftgyふじこlp!!!!!」
「…冗談よ。」
普通に冗談に聞こえないんだが…てかちょっとニヤニヤしてるじゃねーか!!!!!!
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それからの2年間は身体強化の練度を高めていき、なんと体術のみならえーりん先生に勝てるようになった。
それから取り組んだ物の強化も難なく仕上がり、えーりん先生に習うことはあと能力の制御のみになった。
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恋太郎に霊力操作を教えてやって欲しい。
そう頼まれてから今まで恋太郎に技術を教えて来たけど、よくここまで強くなれたものだな、と思う。有り余る武術センスと身体能力、無尽蔵、とまでは行かないが申し分のない霊力。これらを併せ持つ恋太郎だが、彼には成長を妨げる要素が多すぎた。特異体質による霊力行使の制限、能力の実質使用不能。にもかかわらず、ここまでここまで強くなったものだと思う。
私は少し心配だ。この都市の住人として永く生きた中で力ある者達が潰れていく様を幾度も見てきていたからだ。
恋太郎なら心配無用なのかもしれない。彼のまっすぐさは少し危なげだが、一旦立ち止まって冷静に考える賢さも持ち合わせているのも確かだ。
それに、彼がいなくなれば姫は悲しむだろうし、幼少期からずっと面倒を見ている恋太郎には誤魔化せない程の情が移っている。
などと考えながら、これまた彼の父に依頼されていた刀を取り出し彼に手渡した。
私の現行の技術の粋を結集して製作された刀。性能や機能的に相手を滅する為、というより人を守る為の刀と言えるだろう。
恋太郎には守りたい人がいるようだし、彼の戦闘スタイルにも合うだろう。
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ところ変わってここはえーりん先生の研究室。
どうやら能力の制御に関しては修行、というよりは授業のようなものらしい。
「それじゃあ、えーりん先生の授業を始めるわよ?」
「先生、キャラ崩壊してますよ」
「「………………………………………………」」
「…こほん。それじゃあ能力の制御について解説するわ。」
「まず、あなたの体内に特別な器官のような物があると思って頂戴。」
「いえっさー」
「実際にはそんなもの存在はしないのだけどね。それでもって、その器官に燃料となる命が流れることで燃焼反応が起き莫大な霊力が生成されるわ。」
「この一連の流れ、一見制御は無理そうに見えるわ。そこであなたに渡したその刀が役に立つの。それがかくかくしかじかな方法で器官にエネルギーが流れ込むのを制御している、というわけね。」
「かくかくしかじかな方法ですか…」
「ええ。あなたの能力は主に感情で左右されているから細かく制御するには外部部品が必要ってわけ。」
「なるほど。確かに感情を全てコントロールできるようならそれは人に非ず、ってもんですよね。」
先程受け取った刀を持ち、全体を軽く観察した。外面は特に変わった点が無い。強いて言えば俺の体質の攻撃範囲を限界まで使うために刀身が長くなっているくらいか。
「気になるかしら?急がなくても刀は逃げないわ。使い方は普通の刀と変わらないわ。能力の制御については柄の下部に付いているダイヤルを使って調整すればいいわ。尤も、その能力を使いすぎたら死ぬのは目に見えてるのだけどね。」
怖いよ、先生、怖いよ…
「ここからはもう私が教えられることは無いわ。この3年間、よく頑張ったわね。」
「ありがとうございます…先生。ここからは俺の独力で頑張ります。」
そう言うと、先生は俺を笑顔で見送ってくれた。
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それから数ヶ月後、俺は月の防衛軍の入隊試験の合格通知が家に届き遂に明日から入隊することができるという緊張感からあまり落ち着くことができていなかった。
「ん?」
急に携帯のバイブ機能が作動した。どうやら輝夜からのメールのようだ。端的に言えば待ってるから外に出て来いとのことだった。素直に指示に従って外に出ると、そこには2、3年経って小さくなった輝夜がいた。
「恋太郎、身長伸びたわね。」
「輝夜が縮んだんじゃないのか?」
「失礼ね!!私だって少しは背が高くなってるんはずよ!」
どうやら身長は伸びても可愛さは変わらないらしい。
「…で、用ってのはなんなんだ?」
「別に…そんな大それたことじゃないわよ。ちょっと中腰になりなさい。」
どうして中腰?
「あぁ分かった……………………って、なっ、なっな」
突然のキスにお互い頬が真っ赤に染め上がる。唇が離れると同時に目を逸らして頬に手を当てる輝夜を直視することがいつもの3倍難しい。
「う、うっさいわね!ほっぺにキスしたくらいで騒ぐんじゃないわよ。」
と言いつつも顔は真っ赤になっている輝夜。かわいい。
「これは餞別よ、恋太郎。心配かけるんじゃないわよ。」
「そうだな…ここまでしてくれたなら一生くたばる訳にはいかないな。」
「その意気よ。私だって勉強していつかあなたに追いつくんだからね。」
「望むところだ。輝夜ならすぐできるさ。」
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それから2人で夜が更けるまで思い出話に花を咲かせ、解散した。
いよいよ明日だ。明日から俺はこの都を守る兵になる。もっと力を付けて輝夜を、みんなを守るんだ。そう胸に刻み込み、騒ぐ心臓を必死に宥めて就寝した。
主人公が遂に軍に入隊しました。ここから話が加速度的に進んで行く!!!…はずです。
ちなみに私の中で永琳先生の声のイメージはメタルギアソリッド3のパラメディックの人です。