いつもより、早く目が覚めた。
早く目が覚めたからといって、別に何かがあるって訳じゃない。
いつものように起き、ご飯を食べ学校に行く。
それが少しだけ早くなるだけだ。
ただ、少し変な夢を見た。
『比企谷が、屋上から飛び降りて死んだ』
という、何とも変な夢だった。
そういえば、彼は屋上から飛び降りる寸前に何かいっていたような気がする。
あれは、何と言っていたのだろうか。
陽乃さんならば、読唇術何かを使って読み取りそうなものだけれど。
俺は、そんなことはできっこない。
何を言っていたのか少し疑問に思いはしたが、所詮夢は夢だ。
現実になるはずもない。
そういえば、誰かが昔。
夢には、三種類あるみたいなことをいっていた気がする。
どんな種類だっただろうか?
まぁ、そのうち忘れることに時間を使うのももったいないか。
などと、考えていると携帯が鳴った。
また、優美子だろうか。
俺のことを好きなのはわかっているが、断るにもグループの中の空気を壊したくはない。
比企谷に守ってもらったものだ。
こんな自分勝手なーー雪乃ちゃんを好きだというーー気持ちだけで壊すのも彼に悪い。
そうこう考えているうちに、携帯の表示を見た。
姫菜と戸部からのメールだった。
書いてある中身は『比企谷の死ぬ夢を見た』というものだった。
嫌な予感がした。
背中を冷や汗が通っていくのがはっきりとわかった。
すぐ二人に、学校に行って確認しようとメールを送った。
いや、送ろうとした。
すぐに思いとどまり、戸部には『俺と姫菜で見に行くから、戸部はいつものようにしててくれ。どうせ何もないさ』とだけ返信を返した。
戸部は、お調子者だ。
いつも周りを楽しくさせてくれる。
たまに、バカをやるけど俺には大切な友達だ。
そんなやつほど、こういう人が死んだというものを目撃した場合の反応が読めない。
戸部には悪いが、ここは遠慮してもらった方がいいと思った。
そして、姫菜に『今すぐ学校にこれるか?』とメールを送り登校の支度を始めた。
『わかった、校門の前で待ってる』
俺は、急いで学校へ向かった。
少し時間がたち、校門の前にいる姫菜の姿を見つけた。
「悪い、遅れたかな」
「今来たところだから、大丈夫」
などと、カップルであったならば逆じゃないかと思うような会話を交わし
「じゃあ、学校の周りを見ていこうか。」
「うん、わかった。」
二人の間に緊張だけが走っていた。
こういう時、グループのなかで姫菜が一番冷静だと思う。
俺は、嫌な予感を噛み殺しながら学校の周りを見て回った。
どうせ、ただの気のせいだと思いながら。
しばらく歩き、いるはずがないと思いながら彼の姿を探した。
「ねぇ、隼人くん。」
「なんだい?」
「あれ」
姫菜が、指を指したところにはからすが集まっていた。
俺は、あれは、ただ生ゴミが転がっていたりするだけ。
そう信じながら、姫菜に冗談を言おうとした。
「いこう」
しかし、口からでたのはそんな言葉だった。
口内が乾いて乾いて仕方がなかった。
姫菜の指は震えていた。
からすが集まっていた場所は、夢の中で彼が落ちたところだった。
カラスを追い払うとそこには、彼がいた。
「な、なぁ、ひきたに、くん。こんな、ところで、寝ていたら、風邪、引くよ?」
うまく言葉がでなかった。
それでも、信じたくはなかった。
彼が死んだなんて。
彼のからだに触れると、とても冷たく、そしてかたかった。
俺はその場で崩れ落ちた。
姫菜は、嗚咽を漏らしながら泣いていた。
いや、まだ、まだ、彼は死んでいない。
俺の知っている彼はこんな簡単に死ぬはずがない!
俺は即座に陽乃さんに、電話を掛けこの場に来てもらった。
陽乃さんには、簡単に。
しかし、内容は伝えずに急いでいることだけを伝えた。
「比企谷のことなんだ。時間がない。急いで学校に来てくれないか」
「わかった、そこで待ってて」
それから、少ししたあと陽乃さんが来た。
「で、隼人。話ってなに」
「比企谷が、動かないんだ」
「何をいって、、、そこにいるのは比企谷くん?隼人、邪魔!比企谷くん?比企谷くん?!」
久々に陽乃さんが仮面をはずしたところを見たかもしれない。
それほどまでに彼女も焦っていた。
そして、膝から崩れ落ちた。
「ダメ、、、死後硬直から時間がたちすぎてる。彼は、、、比企谷くんは、、、もう、生き返らない。」
そう言葉を発したあと泣き崩れてしまった。
そんな彼女を見てとうとう、彼が死んでしまいもう生き返ることはないということを自覚した。
自覚してしまった。
その後、陽乃さんは、彼の妹に電話を掛け彼が死んだことを伝えたりしていた。
その後のことは、都築さんがやってくれたようみたいだが、俺は呆然としていてその事を知ったのはしばらく時間がたってからのことだった。
教室での話は、もう思い出したくもない。
『彼に守ってもらったもので、彼が死んだ』という、馬鹿げた事実を信じなければならないという現実に吐き気がした。
結衣は、行方がわからなくなってしまったし。
雪乃ちゃんは、陽乃さんと共に同じ部屋から出られなくなってしまった。
俺はというと、どうしても、あの二人のことが許せなかった。
二人は絶望のなかに捕らわれてしまっていたが、俺が捕らわれたのは狂気のなかだった。
あの二人を殺しても彼が帰ってくることはないと知っている。
ただ、彼に守ってもらったもので彼を殺したことが俺には許せなかった。
『彼を殺したものを俺が殺す』
この事が俺にできる唯一のことだと思っているから。
この世界から彼が消えてから
雪ノ下雪乃は、部屋のなかに隠れた。
由比ヶ浜結衣は、この世界から姿を隠した。
そして、しばらくたってから葉山隼人の姿も消えた。
彼の部屋には、こんな手紙がおいてあった。
『あいつらを殺して、俺も死ぬ』
あいつらというのが誰かわかりはしなかったが、彼が消えてから二人の少年の遺体が発見された。
それが、今回の比企谷八幡を殺す原因になった者達と知るものは極一部の人たちだった。
そして、その二人の少年が死んだことが新聞に載った翌日。
比企谷八幡が飛び降りた所と同じところで、葉山隼人が死んでいるのが発見された。
あれ?なんか、毎回葉山の文面多い気が、、、。
嫌いじゃないもん!
アンチも読むけどね!
それだけさー。
姫兎でしたーーー