理解が追い付かない。
彼の言葉は耳から頭から抜けないように染み込ませるようにしているのだけれど。
それでも今の言葉だけは理解が追い付かなかった。
彼はなんといった?
「ね、ねぇ、八幡。今なんといったの?」
嘘であってほしい。
私の唯一の友、いえ。
親友と言っても良いほど仲良くなれた彼女がいないだなんて。
「はぁ、耳でも遠くなったのか?」
「バカなこといってると八幡の八幡をもぐわよ」
「ごめんなさい」
まったく、こんなときにまで減らず口を聞くなんて。
「あなたはさっき、由比ヶ浜って誰だといったの?」
「あぁ、俺はそのゆ、由比ヶ浜?だかってやつのことを知らないのだが。雪乃の知り合いか?」
うそ、うそだ。
彼女のことを彼が知らないだなんて。
いやでも、もしかしたら、彼女が来る前なのかもしれない。
「あなたは入学式の日に事故に遭ったわよね?」
「あ?何いってんの?事故なんてあってないんだが、。え、なに。彼女になった瞬間に事故にあえというのか?!」
、、、確認をしたはずなのだけど、変な空気になってしまったわね。
「いえ、そうではないの。ただ、確認したかっただけなの。それに、八幡が事故に遭ったら起こした人を殺さなくてはいけないじゃないの?」
「あ、あははー。なんだか、変なことを聞いた気がするなー。って、雪乃?!」
突然、私の周囲から光が走った。
「は、八幡?!やだ、せっかく、八幡と付き合えたのに。まだ死にたくない」
「雪乃!!!」
そして、私はその場所から消えた。
気がつくとまたあの場所にいた。
ただただ、広い白しかない部屋。
「ここは、、。どうして私はここにいるの?」
またもや、理解が追い付かない。
クールビューティーな私でもさすがに落ち着くことはできなかった。
「ゆきのん!?」
「ゆきのちゃん!?」
聞きたかった声と二度と聞きたくなかった声が聞こえてきた。
「どうして、あなたがここに、、、」
「それがね、
「あなたの事なんてどうでも良いわ」
あ、あはは」
何か葉虫が私に話しかけようとしていたみたいなのだけれど。
とりあえず、そんなことよりも由比ヶ浜さんのことだわ。
「由比ヶ浜さんは、どうしてここに?」
「んーとね、
やっと幸せを手に入れられた。
これからは、ゆきのんとヒッキーと三人で仲良くやっていくんだ!
「ね?ゆきのん?、、、ゆきのん?」
目の前にいるはずのゆきのんに何度か話しかけてみたが返事がない。
嫌な予感がした。
この三人での幸せが崩れてしまうような、そんな予感が。
ありえない。
ゆっくりとゆきのんに近づく、きっと何か考え事をしているのだ、と。
ゆきのんをいつものように抱き締めようと飛び掛かった私は、
椅子を抱き締めていた。
いたはずのゆきのんがいない。
抱きつこうとした瞬間に立ったのかもしれない。
そうだ、そうにきまってる。
そしてゆきのんを探そうと顔をあげたら
「なぁ、結衣。何いきなり椅子に飛びかかってんの?」
「、、、え?何をいってるの?ここにはゆきのんが、、、」
「ゆきのん?、、、そんなやついたか?もしかして結衣の知り合いか?」
私の背中を嫌な汗が流れる。
なんだこれは、と。
「は、ははは。何言ってるのヒッキー?ゆきのんだよ?」
「嫌だからだれだよ、そいつ。まったく、俺に関わりあるやつがそんなに多いわけないのしってんだろ?」
ヒッキーの冗談もだんだんと遠く聞こえる。
うそ、うそだ。
手を顔に持っていき何も見えないようにする。
せめて、泣き顔だけでも隠そうと。
そして、目を開けたらここにいたの。ちなみに、隼人くんはわかんない」
「俺はね
「あなたの事なんてどうでも良いわ」
、、、はい」
彼女がここにいる理由も私とにているようなものだろう。
でも、奉仕部に関連するとしたらあの男がいるのはわからない。
?
いや、待ちなさい。
由比ヶ浜さんは、あの時行方不明になったはず。
なぜ、八幡とわたしと同じところにいたの。
もしかして、由比ヶ浜さんも二度目を、、、?
ということはあの男もか。
「やぁやぁやぁ、三人とも元気かな?」
「お、お前は?!」
「あ、あなたは?!」
「その声、もしかして、、、!?」
「「だれ?!」」
「あのときの過去に戻してくれた人?!」
その場に冷たい風が流れた。
「うんそうだよー!でもあの二人は僕の声まで覚えてはいてくれなかったみたいだけどねー」
「それは、いまはいいわ。何で私たちはここに呼ばれたのかしら?」
話がそれようとしていた。
でも、今大切なのはそこじゃない。
どうして戻った私たちがここに集められたのか、それが今一番大切なことよ。
「あれれー?きづいてないの?ナンで呼ばれたのかー?」
「もしかして、代償かい?」
あの男が恐る恐る聞いた。
いや、まさか。
もしかして。
願いを叶えたから叶えられなかった人たちは消えた?
そうだとしたら、私は私だけ。
由比ヶ浜さんも、今ここにいる由比ヶ浜さんだけ。
これなら、理屈は通る。
「願いを叶えられなかった私たち以外の私たちは消える。それがこの願いを叶える代償だったのね」
「な?!なんだって?!!」
「、、、うそ。」
「いいえ、これなら理屈は通るわ。そうよね?」
一瞬、静かになる。
何も音がなく、聞こえるのは私たちだけの呼吸音だけ。
「あは」
「あははは」
「あははははははははははははははははは!!!!!!」
笑い声が響く。
そして、真実を語り始めた。
聞かなければよかったと思う、真実を。
「何言ってるの?二度目の人生がそんな簡単に手にはいると思った?まぁ、でも半分は正解だよー?」
「半分?なら、残り半分は何を代償として持っていったの?!」
「君たちは知っていると思うんだけどなぁ」
「早く教えなさい!」
「彼だよ。彼の死が二度目の対価なのさ」
私たちは息が止まるような感覚だった。
二度目を手にいれるために彼が自殺してしまったなんて。
いや、でもそれはおかしい。
彼が死んだあとに私たちは二度目を求めた。
矛盾している。
「そんなのありえないわ!だって私たちは
「彼が死んだあとに二度目を求めた?」
そ、そうよ!!だから、そんなことはあり得ないわ!」
目の前にいた人は、ゆっくりと息を吐き私たちの方を見た。
その顔は、ひどく歪んでいた。
はーい、予想できた人はいたかなー?
歪んだ顔はまぁ、気持ち悪い顔って思ってくれてイーよ!
こっから先は結ですよーーー!
たーのしんでいってね?
では、姫兎でしたー!