S.O.N.G.専属料理人   作:北ノ覇王

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シンフォギア好きの方々、申し訳ない
それだけ言っておく!




なにかの始まりってのは

大抵、自分の意思とは無関係に進む物だ

高校までは柔道をやっていた

それと趣味でもあった料理

 

家政科の高校だったのもあるが

卒業後には調理師免許も

流れで合格した

 

それというのも実家が飯屋だからだ

代々リサイクルショップを経営していた

祖父と親父が壮絶な親子喧嘩の末に…以下略

母さんと親父で飯屋を始めるに至った

 

元々、素人料理しか出来なかった父

元水商売の経験を持つ母

そんな二人が飯屋を切り盛りするとは

喧嘩別れした祖父も周囲も思わなかったろう

 

俺と年の離れた弟は店を手伝った

弟は母と給仕、俺は親父と厨房に立った

そんな事を数年続けていると

 

そこそこ繁盛するようになっていた

元々のリサイクルショップ時代のお客様が

店に来るようになり、口コミや紹介で客足が増えた

 

愛想の良い母と器用で無邪気な弟

無愛想だが、聞き上手で話し上手な親父

そして、指を傷だらけにしながら

包丁を扱う不器用な俺と四人家族だった

 

そして俺は高校を推薦で受かった家政科へ

頭の良かった弟は地元の進学校へ

 

卒業後は俺は地元へ帰り

弟は海外へ留学したらしい

 

飯屋とだけ書かれたのれんをくぐる

 

「いらっしゃい!ってお前か…よく帰ったな」

「おう、親父も元気そうだな。母さんは?」

 

仕込みの手を止めて、俺を向かえた親父

今年で56になるが…少し痩せたみたいだ

 

「あぁ…店が終わったら話すよ、お前も手伝え」

「了解。俺の腕を見せてやんよ」

 

知っていた

母さんはこの頃

店を手伝わず、出かける事が多くなり

地元の友人からも中年の男と一緒の所を見たと

写真付きの連絡を貰っている

━━━━━━━━━━━━

 

ガラガラッ

 

「よお!また来たぞ大将、大盛りな」

「弦十郎か、いつものだな。すぐ作る」

 

やたら体が大きいこの人は風鳴弦十郎さん

警察官らしいのだが親父とは昔からの友人らしい

水と冷やしたおしぼりを持っていく

 

「おっ、君は正晃君だったかな?おじさんを覚えてるか?大きくなったなぁ」

 

「覚えてますよ弦十郎さん、常連さんっすから」

「お待ちどうさん!スタミナ定食大盛りな」

 

親父が出したのは

 

豚肉、キャベツ、玉葱、人参、もやしなどを醤油ベースの甘辛いタレで炒めた物に大盛りご飯と味噌汁。付け合わせに、生卵とカブの漬け物を添えた定食だ

 

「うむ!仕事終わりにはコレを食わねばな!」

「後はビールだろ?正晃、持ってこい」

「あいよ」

 

 

うちの営業時間は朝10時から夜の8時まで

区切ってはいるが、最後の客が帰るまでだ

弦十郎さんと親父が酒を飲んでいる

追加の酒を持っていくと座るように言われ

 

「正晃、母さんは死んだんだ。数年前にな」

「えっ?」

 

 

唐突に母の死を告げられた

 

「正晃、君は認定特異災害ノイズというのを知っているかな?君の母さんは…その…いいか?」

 

「構わねぇ、元から話そうと思ってたしな」

 

親父は酒を飲みながら俯いている

弦十郎さんは続きを話し始めた

 

数年前、浮気相手と密会していた母は

突如発生したノイズに襲われ

浮気相手共々、炭になったらしい

ノイズに触れられた人間や物は

骨すら残さずに炭化してしまうとのこと

 

「それで仏壇もないわけか。弟は知ってるのか」

「いや、言ってない。あいつは中国に居るしな」

「じゃあ言わなくて良い。男と蒸発した事にしとけ」

「おほん、話しを続けて良いか?」

 

弦十郎さんは警察を辞めて

特異災害対策機動部二課という所の

司令をやっているらしい

そこは出来たばかりで

食堂の料理人が居ないらしい

 

「それでな正晃君、君に来て貰いたいんだ。こいつから聞いているよ。調理師免許もあるらしいな、どうだろう?」

 

「いやいや、俺まだ20の若輩っすよ」

「おめぇ向こうでの誘い全部蹴ってきたんだろ?家にまで電話来てたぞ。こんな場末の飯屋なんて、きにすんな。元々将来は店を持たせてやりたかったんだ」

 

そこまで言われちゃ仕方ないな。

やってみるかね

 

「弦十郎さん、宜しくお願いします」

「そうか!うむ…支度が出来たら此処に来てくれ!」

「よし、息子の門出だ。付き合え弦!」

 

その日は朝まで飲んだらしい

俺は当然、ほったらかして寝たぜ

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