S.O.N.G.専属料理人   作:北ノ覇王

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皆さん遅くなり申し訳ありません。永らくおやすみさせて頂いてましたが、これからはゆっくりではありますが書いていきます。よろしくお願いします!




ツヴァイウイングのライブはチケットが販売開始と同時に売り切れる程の大人気である。手に入らなかった者は大金を出してでも求めると言われている。

 

そのチケットが俺の目の前にある

 

「あの…奏ちゃん?これ関係者席って書いてあるんだが…俺は食堂の料理人だよ?部外者じゃん」

 

「いやいや!あたし達に、いつも美味い物食べさせてくれてるんだ。感謝してもしきれないよ!それにあたし、お兄さんの料理食べてからさ。めちゃくちゃ調子良いんだぜ!」

 

「確かに奏が調子良いのは、お兄さんの料理を食べる様になってからですから…あながち間違いではないわ」

 

食堂勤務が終わった後、帰ろうとすると奏ちゃんと翼ちゃんが二人で待っていて、明日のライブのチケットを渡して来たという訳だ。

 

「そう言って貰えると嬉しいな。うん、なら君たちの勇姿を見届けさせて貰おうか!」

 

「おう!期待していいぞ♪」

「はい!最高の歌を届けます!」

 

そうは言ったものの、一応、弦十郎さんに話してみるか

_______

 

「あぁ、貰ったか。俺が渡すように頼んだんだ!聞く所によると正晃君は彼女らのファンなのだろう?ならば特等席で楽しんで来ると良い…と言いたい所なんだがなぁ」

 

「あぁ…なるほど。それで関係者用なんですね」

 

「すまん!!組織の財政難は国からの補助金だけではな…」

 

ライブ会場の屋台は全て2課の息が掛かっているらしく、総指揮を任された。

 

「ま、ライブが始まるまでで良ければですが」

「流石、俺が見込んだ漢だ!!」

_____

 

翌日、ライブ会場

 

キッチンカー、屋台などのスタッフが勢揃いしている。

 

「総指揮を任された者だ。特に語る事はない。ただ、俺を見ろ、そしてついて来い!!」

 

そう言い放ち、1番大きい屋台に入ると既に熱された鉄板に油を引く。

 

ジュワアアアと油が跳ねる瞬間に野菜を投げ込む。腰に差したベルトから2本の金属ヘラを取り、野菜を豪快に炒める。

 

金属製のヘラと鉄板がぶつかる音、選び抜かれた醤油や酒、数種の果汁やにんにくを調合した特製ソースを野菜にかけつつ豚肉を焼いていく。そう、作るのは【ソース焼きそば】だ。

 

今回俺が作る焼きそばは2種類のソースを使う。先程かけたのは下地になる甘めのソース。仕上げに合わせるのは、下地ソースを元に香辛料を加え、煮詰めた辛い仕上げソース。

 

野菜はキャベツ、人参、白菜、ネギだ。肉は豚ももとバラを使う事にして、麺は焼きそば用の安い黄色い麺だ。

 

野菜や肉が焼ける香りが周囲に漂い始める、麺を投下し、仕上げソースをかける。ふたつのソースが麺に染み込み、鉄板の上で豪快に混ぜられていく。青のりをふりかけ、紅生姜を添える。

 

「よっしゃああああ!!焼きそば上がり!!」

 

目の前で立ち止まっていた通行人達が動き出した。

 

「焼きそばくれ!」

「二つちょうだい!」

「こっちは五個だ!」

 

焼きそばを我先にと買う為に

______

 

正晃の仕事ぶりに感化された屋台、キッチンカーのスタッフも負けじと作業をこなしていく。文字通り、見せたのだ。

 

「よおおおし!焼きそば完売だ!」

「お好み焼き完売!」

「たこ焼きもだ!!」

「ベビーカステラまだでーす!」

 

まさかのライブ開始までにほぼ売り切ることに成功。

 

「よし、責務は果たしたな。席に向かうか…すまない、あとは頼むぞ!!」

 

そこに居たスタッフ全員が整列し、声を揃えて

 

「「「「ありがとうございました」」」」

 

いや、なんでよ?

 

_______

 

side change 奏

 

今回のライブはとある実験が行われるらしい。あたしと翼は現在2人しか居ない聖遺物の適応者だ。まあ、あたしは時間制限ありの展開しか出来ないが、翼は私より長く展開し続けられる。正直、悔しいけど…お兄さんの料理を食べ始めてから、展開時間が飛躍的に向上したんだ。多分、切り札も1回くらいならリスクなく撃てるくらいだぜ!

 

「ん~?翼ぁ、緊張してるのか?」

「う…だ、だって…」

 

ったく、あたしが居なきゃこの子は駄目だなぁ

 

「だいじょーぶ。双翼の揃ったあたしらは天下無敵ってね!」

 

翼を抱き締めてやる。少しばかりあった、あたし自身の不安を散らすように

 

「そうね!行きましょう!!」

「あいよ!」

 

side out

_____

 

ド派手な舞台効果と二人の迫力のある歌、当然の事だがCDよりも何倍も素晴らしかった。なんというか魂を揺さぶるような力強さがあった

 

招かれざる異形の者を呼び込むほどに

 

認定特異災害 ノイズ

 

その姿は千差満別、異形の化け物で人間が奴らに触れられると即座に炭化してしまう俺の母の仇だ。

 

俺は周囲の観客を誘導し、逃がしていく。散らばったスタッフも迅速に避難誘導を行っている。

 

【Croitzal ronzell Gungnir zizzl】

【Imyuteus amenohabakiri tron】

 

奏ちゃんと翼ちゃんが、何やら鎧の様な物を身に纏った。巨大な槍と刀を武器に、ノイズを切り裂いていく。奏ちゃんが槍を振る度、竜巻を起こしたりしてる。

 

「凄いな…あれが特異災害対策機動部2課の切り札って奴か…ん?逃げ遅れた人が!?」

 

崩れたステージの下に女の子が逃げ遅れていた。一番近いのは奏ちゃんだ。俺はすぐに飛び降りた

_____

 

side change 奏

 

FG式回天特機装束、通称【シンフォギア】櫻井了子さんの理論に基づいて聖遺物の欠片から作られた物、人により適応率が違い、あたしが与えられたのは第三号聖遺物ガングニールらしい。適応率は薬に頼らなければ、起動もままならない程低い。しかし最近は薬を飲まなくても起動も出来る様になった

 

観客は犠牲者も出てしまったが避難出来たようだ

 

「翼!奴らに対抗出来るのはあたしらだけだ。」

「ん…今なら大丈夫ね。」

 

【Croitzal ronzell Gungnir zizzl】

【Imyuteus amenohabakiri tron】

 

シンフォギアを纏い、ノイズを蹴散らしていく。ガングニールで薙ぎ払い、竜巻を起こす。うん、調子良い…ってあれ?逃げ遅れた人がいる。

 

「逃げろぉお!!」

 

人型ノイズを切り裂くも女の子は足を負傷しているみたいだ。守らなきゃ!

 

「っ!奏、危ない!!」

「しまっ…うぐっ!?」

 

大型ノイズの力任せな攻撃を無理な体勢で受けてしまい槍の一部が破損してしまった。

 

「あ…」

「!!」

 

目の前にほとばしる赤い液体。人間の、血液だ。それも大量の…あたしの不注意で、ガングニールの欠片が彼女の胸に突き刺さったんだ

 

大型ノイズを瞬時に切り裂き、女の子を抱き起こす。

 

「ねえ!君、しっかりしろ!諦めるな!生きる事を諦めるな!!」

 

すぐに手当してあげたいが、未だにノイズがたくさんいる。手っ取り早く片付けるにはアレしかない!

 

「あたし、思い切り歌ってみたかったんだよな…ま、これから何度も歌ってみせるけどな!!」

 

「奏…?あなた、まさか!!歌ってはだめぇぇ!!」

 

【Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl】

 

絶唱、シンフォギアを纏った者が歌う事により爆発的な力を生み出す必殺技。しかし、絶大な力には副作用がある。命にも関わる…ね

_____

 

side out

 

「奏ちゃん!」

 

全速で走るが間に合わない。女の子が負傷し、奏ちゃんが長い歌を歌うと凄まじいエネルギーが周囲のノイズがまとめて消え去った。

 

「奏!だ、大丈夫なの?」

「あ…ははは…なんとかね。エネルギー使い果たしちゃったけどね」

 

「よく頑張った!奏ちゃん、翼ちゃん」

 

救護班が合流し、女の子が搬送されていく。俺は奏ちゃんに話しかけた

 

「…疲れてるだろうし、手短に、見せて貰ったよ。魂の輝きって奴を。ありがとう!」

 

「…へへっ、やった♪あーあ、お腹すいたな。お兄さんの料理が…食べたい…や」

 

「奏!?」

 

気を失っただけだから、そんなに慌てるな翼ちゃん。そのまま抱き上げて救護車に連れていく。翼ちゃんは慌てながら着いてきた。

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