ヱヴァンゲリヲン RE:LIVE   作:フィアネン

14 / 56
ここから段々前作から変化していきます


RE14:セカンド

新横須賀沖での対使徒戦闘記録。水中を移動する使徒に対し、真っ赤なエヴァが空母を使って見事な八艘飛びを披露し、使徒の体表をプログナイフで深く切りつける。その後、戦艦2隻がその傷目掛けて主砲の接射を行い、使徒は殲滅された。

 

「これが今日、9月23日早朝に発生したエヴァ弐号機の戦闘記録よ。」

 

「見事な八艘飛びですね。対応能力も素晴らしいです。でもこれじゃ生き残る方が逆じゃないですか?」

 

「え?どういうこと?」

 

「シンジお前、日本史の授業聞いてねぇのか?八艘飛びは源平合戦での伝説で、その合戦の勝者は白旗の源氏、敗者は紅旗の平家だ。使徒とエヴァの色を掛けた比喩だよ。」

 

「ちょうど歴史の授業の範囲よ、碇君。」

「歴史は苦手だよ…。」

 

「エイちゃん縁起でもないことサラッと言うわね~ほんと。」 

「八艘飛びを知っていれば、かなりわかりやすい比喩ね。それにしても、本当に噂以上の実力ね、セカンドは。」

 

「でも何故使徒があんなところに…?」

「確かに不自然ですね。それにアレの体型、ここに来ることを想定したつくりになってませんよね。どう見ても魚ですし。」

 

「輸送中で無防備だと思われる弐号機を狙ったとも考えられるわね。」

「その弐号機は今どうしてんの?」

「第5ケージに冷却保管中。アスカはホテルで休ませているわ。」

 

「アスカって名前なんですね。」

 

「そうよ。惣流・アスカ・ラングレー。セカンドチルドレンの名前よ。」

 

「へぇ。」

「どんな人なんですか?惣流さんて。」

 

「あら、エイちゃんとは違ってシンちゃんは気になるのね。」

 

「そりゃあ、仲間としてこれから一緒に戦うワケですし。」

 

「エイジ君に似て、とても聡明な子よ。14歳でもうドイツの大学出てるしね。」

 

「え!?大学!?」

「へぇ~、そういう天才系の子って実在してるんですね。漫画だけの世界かと思いましたよ。」

 

「あんたたちの中じゃ一番マトモかもね。」

 

何でこう地雷をいちいち踏み抜くんだアンタは…!

 

「どういう意味です?それ。」

「え……。」 

「葛城一尉、言っていいことと悪いことがある。レイ、今のはレイへの悪口じゃない。落ち着いて。」

「うん…。」

 

「ご、ごめんエイちゃん。ま、まあ明日正式に手続きが終わったら紹介するわ。楽しみにしててね。学校終わったら、すぐ本部来るのよ?」

 

「はい。」

「はい。」

「…了解。」

 

俺ら子供は外に出ようとするが、俺だけ赤木博士に引き留められる。

 

「赤木博士、どうしました?」 

「アスカ、クロッシングとジャックに強い抵抗をするかもしれないわ。くれぐれも気を付けてね。」

「ああ、もしかしてそういう…わかりました。俺も無理強いする気は無いんで。ジャック以外はね。」

「よろしく頼むわ。」

 

「エイジ君?」

「あ、ごめんレイ。終わったから向かうよ。悪ィね。」

 

 

エレベータ。

 

「ねぇ、エイジ君は気にならないの?惣流さんのこと。」 

「え?どうだかなァ。人聞きの前情報ってのは信頼に欠けるとだけ言っとくわ。」

「そ、そう…。それにしても、何かあったの?綾波、いつも以上に近くない?」

 

「そらァ…ねえ?」

「ええ。」

 

「ちょっと、二人で顔を見合わせるだけじゃわからないよ…。」

 

 

 

 

-葛城ミサト-

 

「ミサト、レイとエイジ君の仲、また進展したの?」

 

「そーなのよ。レイが下の名前で呼ぶなんてねぇ。彼、本当にレイの心を開いたのかもしれないワ。」

 

「それで済めばいいけどねぇ。」

 

「どーゆう意味よ?あ、もしかして”ソッチ”系の話ってこと~?大丈夫(だぁいじょうぶ)よ~。エイジ君は手を出したりしないわよ。」

 

「そんな保証がどこにあるのかしら。彼だってまだ中学生よ?そういう欲が強くなる時期じゃなくて?」

 

「仮にそーなったとしても、私は止めないわよ。ちゃんと自己防衛さえしてくれればね。」

 

「はぁー、あなた監督官としてどうなのよ。デキてからじゃ遅いのよ?」

 

「それはそうだけど…。」

 

「ミサト、あなたは楽観的過ぎるわ。もっと厳しくした方がいいわよ。」

 

「つっても、だいたいのことをエイジ君がやっちゃってるのよね。彼、なんだかパイロットたちのお父さんみたいなのよ。」

 

「お父さん、ねぇ。ミサトはあまり好きじゃない言葉でしょう。」

 

「そりゃーね。でもさ、エイジ君の普段の生活を見てると、本当の父親ってあんな感じなのかなーって、どうしても思っちゃうのよね。」

 

自然と、この間受けた傷に触れてしまう。何故か治りが遅い。ただの殴られた傷なのに…。

 

「…そう。それより、その唇の傷、どうしたの?誰かにでも殴られたような痕だけど。」

 

「……ねえ、私って、誰かの役に立ててるの?」

 

「どうしたのミサト。らしくないわよ?」

 

「ちょっち、ね…。」

 

「訊いてみればいいんじゃないの?直接彼に。」

 

「そうかしら……。」

 

 

 

 

-影嶋エイジ-

 

次の日の放課後。

 

「おーおー、お前らは相も変わらず仲良しよのォ、エイジに綾波。」

 

「お前ら、ほんっと飽きないな。もういい加減僻むのもやめたらどうだ?」

 

「誰が僻んどるんや!!!」

「いい加減にしなよトウジ。にしてもさ、この3人で一緒に住んでるなんて、パイロットって羨ましいな~。」

 

「俺らは頼れる身寄りが無いからミサトさんとこ住んでるだけだよ。」

 

「くぅ~、その事務的な態度、何か腹立つなァ~。なあ、シンジは悔しゅうないんか?」

「え?何が?」

「何がって、綾波とエイジがくっついとることや。なあエイジ、ABCどこまで進んだんや?Aまでは行ったんやろ?」

 

「これまた古い表現を…俺はどれもやってねぇよ。ふざけんな?」

 

「「え、意外。」」

 

「エイジ君、ABCって何?」

「な、レイ!?」

 

「お?ムッツリなエイジと違って綾波は興味があるんか~。よし、それなら教えたる、Aってのは~、チ タコス!!!

 

「バカ、んな事教えんな!まだレイには早い!」

 

ABCが何たるかを教えるにはレイにゃまだ早いだろ!こんな精神年齢低い子に余計なこと教えようとすんな!

 

「これじゃ『影嶋パパ』だな。ちくしょ~~~~~~!いいなー碇と影嶋は。ミサトさんや綾波のような美人と一緒に暮らしてんだからさ~~~~~~!」

 

「今の聞いたらワシまで悔しゅうなってきたわ!シンジ!何か奢れ!」

「んでそーなるんだよ!?僕に振らないでよ!」

 

「あ!おい、見ろよトウジ!」

 

ケンスケの視線の先には、俺らと同じくらいの年齢の子がゲーセンでクレーンゲームをやっている。彼女の服装は丈の短いワンピ。つまりそういうことだ。

 

「うっお~、激マブ!」

「ちょー好み!」

 

「あ、ほんとアイドルみたい。」

「碇、お前は見んな!」

「あああ、何でだよ!」

 

「けっ、あんな美形なんてどーせ作った顔だろ、しょーもねぇ。さっさと行こうぜ、レイ、シンジ。」

「ええ。」

「え?あ、うん。」 

 

歩き去る俺ら。ってあのエロガキ共、覗きなんてしようとしてんのか。いいや、関わるだけムダムダ。

だいたいさっきの倍くらい離れると、どうやら女子は景品を落としたことに悲鳴を上げ、何かの言語と共に筐体を蹴り飛ばす。あーあー、し~らね。それを見てか、覗こうとしてた二人もさすがに絶句してしまったようだ。びっくりした俺らは異口同音に言う。

 

「やべーよあいつ…。」

「ミサトさんよりヤバそう…。」

「怖い…。」

「あかん、ごっつ性格悪そーや。」

 

俺らは呆然とその光景を見ていた。ま、まあ、残念でしたということで。

 

「ああ、一度でいいからあんな子に命令されてみてぇ~~!」

 

ええ…。あ、ケンスケがんな事言うから二人が捕捉されちった。

 

「ちょっとォ、あんたたちさっきから何見てんのよ!?」

 

「「え」」

 

女子が二人に詰め寄ってくる。

 

「100円ちょーだい。」

 

「へ?100円?」

「見物料よ!あたしのパンツ見たでしょ!?」 

「まっ、まだ見てへんわい!」

 

カツアゲとかだりー…。にしてもよく観察してたな、さっきまでクレーンゲームに夢中だったのに。

 

「あ~ら、だっさい格好して100円も持ってないの~?使えないわねぇ~。

それだったらそこで棒立ちしてるあんたら!あんたらは200円ずつちょうだい!」

 

「はァ!?冗談よしてくれ!」

「どーせあんたら、こいつらの仲間でしょ!?同罪よ同罪!」 

「ふざけ、俺らを巻き込むな!?」

「い い か ら、寄越しなさい!」

 

なんか予想はしてたけど、先に手が飛んできた。俺は二人の肩を押し込んで全員で拳を避けてから走りだし、腰を抜かしてる二人に声をかける。

 

「撤収するぞ!あんなヤバいのに絡まれたら命がいくつあっても足りねぇぜ!?」

「せ、せやなエイジ!撤退や撤退!」

「そんな~~!!」

 

俺らが一斉に走って逃げると、慌てて二人も追い付いてきてくる。

 

「あ、こら待てロン毛眼鏡!さっきの言葉はどういう意味よ!」

 

「勘弁してくれよマジで…。」

 

 

 

全員、息が上がりながらも何とかあのおっかねぇ女を撒くことができた。全員、顔が真っ青だ。あいや、レイはいつも通りだったけど。

 

「こ、ここまで来れば大丈夫やろ…。」

「酷い目に遭った…。」

「ああ、もう一度会ってみたい…!」

「やめとけケンスケ、殺されても知らねぇぞ。」

 

とりあえず、ケンスケとトウジはここで離脱。俺らは本部へ向かう。全員疲れきってか、一っ言も喋らない。ゲート近くに来ると、何かを足蹴りするような音が聞こえる。まさか、まさかとは思うけどさ…。

 

「何よこの機械、壊れてんじゃない!?」

 

ジーザス!!!どうしてこんなことになるんだ!!!!!

 

「おっ前、さっきのおっかない女…!」

 

「ちょっと、どうなってんのよこの機械、作ったばっかのカードなのに…って、あんたは!!!」

 

あの後レイから聞いたとこによると、俺と惣流の目線が合ってスパークをあげる幻視が見えたそうだ。もうやだ、こんなの。

 

 

 

 

-惣流・アスカ・ラングレー-

 

登庁までの間、最悪だった。ダサい格好の奴とシャツ全出しメガネと、目の前にいる3人にゲーセンでパンツ見られた。サイテー。

一発かましてやろうとしても、真ん中の「影嶋エイジ」とかいう長髪メガネ野郎。こいつに二人を庇いながら避けられた。このあたしが、こんなよくわからない予備パイロット、親の七光り、指令のお人形さんにいいようにされるなんて…!

 

「紹介するわ。惣流・アスカ・ラングレーさん。今日から弐号機で参戦してくれます。」 

「よろしく。」

 

「よろしく。」

「よ、よろしく。」

「凄まじい顔の使い分けだ…。」

 

「何だってんのよあんた!」

「よろしくお願いいたします、惣流・アスカ・ラングレーさん。」

「かーっ、ムカつく奴ねあんた!」

 

 

 

あたしら一行は食堂に向かう。

 

「何でも好きなもん頼んじゃって。」

 

あたしはジュースだけでいっかな。他は…予備と七光りはサンドイッチにジュース。ファーストはカレーを頼んでた。ふん、子供がいい気になっちゃってさ。あほらし。

 

「ミサトさん、朝ビール昼ビールですか?太りますよ?」

「一本なんて飲んだうちに入らないのヨ。」

「ったく…。」

 

あーあ、ミサトのだらしなさは結局いつも通りなのね。バ影嶋に心配されちゃってさ。あ、このバ影嶋っての語呂がいいわね。

全員が席に着くと、ミサトが話を切り出す。

 

「第六使徒との戦いぶり、録画で観させてもらったわよ。流石、噂に聞く”セカンドチルドレン”ね。新米のシンちゃんとは実力が違うわ。エイジ君より腕あるんじゃない?」

 

「そんなァ、それほどでもないですぅ。あたしなんかまだまだで~、」

 

「そうだな、特に、口より先に手が出るところとかな。」

「何なのよあんた!さっきから横槍ばっかしてきちゃって!」

「俺にグーパンしてきたの忘れないからな?こんな粗暴な奴が仲間とは思わなくてね。」

「むっかつく~!!だいたいパイロットでもないあんたがどうしてここに居んのよ!」

「アークシステム聞いてない?それに乗ってんの。」

「エヴァにすら乗ってないのによく自慢できるわねぇ!」

「俺だって『どうせ使わねぇんだから参号機寄越せ』って無限に言ってるよ。それにまるで戦いを遊びみたいな言い方しやがって。」

「そんなこと―!」

 

そうよ、エヴァにすら乗れない雑魚が何の権利があってあたしに文句が言えるのよ…!遊び?違うわ!寧ろそれはあんたらの方じゃない!生ぬるい気持ちでエヴァに関わっちゃってさ…!こーゆうのが居るから、パイロットの神聖さってのが無くなっていくのよ!

 

 

 

-影嶋エイジ-

 

ファーストコンタクト、これまで生きてて最悪のパターンだ。この子、間違いなくダルい。妙に自尊心が高いし、これがいわゆる「高飛車」って奴か、面倒(めんど)

 

「はいはい、ケンカはもうおしまいよ。もう、この後弐号機とのクロッシングとジャックのテストがあるのにいっ!?!?」

 

突如として現れ、ミサトさんに後ろから抱きつく無精髭を生やした男。

 

「なっ、誰よ、やめて!」

 

「加持さん!」

 

「え!?」

 

「相変わらず昼間っからビールか…。腹、出っ張るぜ?」

 

イケメンだ。イケボで顔が整ってて、長髪を後ろで束ねてる。その顔に生えている無精髭がちょうどいい感じに雰囲気を出してるんだよね。男の俺でも惚れるくらい格好いい。

俺も普段から束ねてみるか…?

 

「ななななな、なんであんたがここにいんのよっ!」

 

「ごあいさつだな、久しぶりに会ったのにさ。アスカの随伴だよ。」

 

「それははるばる遠くからご苦労様!用が済んだんならさっさと帰りなさいよ!」

 

「残念でした、当分帰る予定はないよ。」

 

「あっそ…」

 

なんかミサトさん、クッソ不機嫌だな。加持さんて昔の男だったり?

加持さんはシンジの方をみつめる。

 

「碇シンジ君って、君かい?」

 

「え?はい。どうして、僕の名前を?」

 

「そら知ってるさ。この世界じゃあ有名だからね。『何の訓練もなしにエヴァを実戦で動かし、これまでに3体もの使徒を倒しているサードチルドレン』てね。」

 

「へぇ~、すごいわねぇ。でも、4体目は私が倒したけどね。」

 

「そんな、僕なんてまだ…ただの、偶然ですよ。」

 

加持さんは、今度はこちらを見る。

 

「偶然も実力の内さ。君の才能なんだよ。それにその才能を引き出す、影の功労者。戦闘の現場指揮、零・初号機ともシンクロ可能で、パイロットたちのブレーキ役。いざとなれば自分の身を呈してパイロットを守る、アークシステムの搭乗者。影嶋エイジ君も、俺らの中じゃだいぶ有名だ。」

 

「それはどうも。」

 

「え、指揮ぃ!?ミサトがやってるんじゃないの!?」

 

「エイジ君の指揮、凄いわよ~?私の作戦の穴を見つけて、それを埋めてくれるもの。」

 

「たしか、こないだの八面体の使徒でやった、兵装ビルの飽和攻撃に狙撃ポイント指定なんかも、君の指揮だったな。」

 

「そうですね。あのときはそれが一番妥当だと思ったので。」

 

「へェ~…」

 

何だそのクッソ不服そうな顔は。

レイも自分だけ話に入れないのが不服なのか、少しムッとした顔をして加持さんを見ている。

 

「おっと、もちろんレイも知ってるよ。何せこの写真が有名だからね。どうせ葛城が流したんだろうけどな。」

 

そう言って一枚の写真を見せる。あ゛あ~!!ミサトさんが俺らを盗撮しやがった写真!!!!!しかもいつか俺が何故か俺がベッドで寝てた時の!!!!!何故だ!!!!!

 

「は、はァ!?!?何で加持さんまで持ってるんですかそれ!てか一番誤解を生みそうな写真だこれ!!ジーザス!!!」

「にしし、ザマみろエイちゃん。」

 

惣流は加持さんの手から写真を奪い、まじまじと見る。

 

「何ぃ?予備にファーストの写真…え!?こいつら付き合ってんの!?」

 

「最近、ほんと仲がいいのよ~?一緒に寝るのが習慣なくらいにね。」

 

「おい葛城一尉!?!?!?」

 

「へぇ、あんたやるわね~。」

 

「ところで二人とも、君は葛城と同居してるんだって?」

 

「ええ、そうですけど。」

「それがどうかしたんです?」

 

「こいつ寝相悪いだろ?」

 

加持さんの笑顔から発せられる爆弾発言。レイはわからなかったようで無反応だったが、俺はもう笑うしかなかった。他の女二人は真っ青だったけどね。

 

「ええ、毎朝エイジ君が起こしてんですけどそりゃもう…。」

「ぶっははははははははははは!!!!!!!!ザマぁみろミサトさん!!!!」

 

「なななな何言ってんのよ~~~~~!!!!!子供の前でェ~~~!!!!!」

 

「え?どうして子供の前だとダメなんですか?それで、いつもエイジ君が大声で…」

「やめなさい、命令よ!!!!!!」 

 

シンジのナチュラルな問答にミサトさんの顔がさらに険しくなる。面白すぎる。

 

「もう、あっちへ行きやがれ!」

「じゃ、またな。」

 

「エイジ君、今の…面白かった。」

「あ、レイもそう思う?」

 

「おいお前ら!あぁあ~、悪夢だわ~…」

 

ダメだ、面白すぎる…あはははは!

 

 

 

 

-惣流・アスカ・ラングレー-

 

あたしにはこの実験がイヤで仕方なかった。ただでさえ神聖さが欠けるシステムに、私の弐号機をリンクさせるだなんて…!

 

[ちょっと~、何でこいつにあたしの弐号機を明け渡さないといけないのよ~。あたし一人が居れば十分よ~?]

 

[いや、3人での作戦行動ってのは重要だよ、惣流。それだけで被害も減らせるし、時間短縮にもなる。敵のスペック予測ができない以上、敵の能力を割るためにもこれはマジで重要だ。]

 

「だーかーらー、そんなことしなくたってあたしがいればいいのよ!それに今のは”あたしの弐号機を使わせたくない”ってことよ、バ影嶋!加持さん真似して髪を束ねちゃってさ!」

 

[ひっでぇ、なんだそりゃ。それに俺は少し前からこうしてるぞ?]

 

[そう言わないの、アスカ。エイジ君が髪を束ね始めたのも、正八面体の後。これも作戦行動に必要なことよ。アーク、弐号機とのクロッシング開始!]

 

クロッシングの理論は聞いてるけど、特に不快感もなにもない。本当にやってるのかしら?

 

[どう?エイジ君。]

 

[何か、幾らなんでもエヴァ側の抵抗が無さすぎるように感じるんですよね。それがとても違和感に感じます。動作に問題は感じません。]

 

[アスカはどう?]

 

「特に何も感じないわ。」

 

エヴァ側の抵抗って何よ?まるでエヴァに意思があるような言い方しちゃってさ。

 

[わかったわ。次はコントロールジャックね。接続実験開始!]

 

今度はシンクロをカットされた。…しばらく経っても何も言ってこない。ちょっと、予備の奴、まさか別のところで座ってるだけで―

 

[あ゛あっ!ダメだ、弐号機が俺を拒絶する!!]

 

[実験中止、アスカのシンクロを復活させてちょうだい。]

 

弐号機とのシンクロが回復した。何だ、噂に聞くほどの奴じゃないわね、予備って。

 

「ふんっ、何が有能な前線指揮官よ。弐号機とはシンクロできないじゃない。」

 

[いや、たぶん弐号機が受け入れてくれんのは惣流だけって話だと思うよこれ。俺めっちゃ抵抗されたし。]

 

「はァ?あんた何言ってんの?弐号機が受け入れる?バカねぇ、エヴァに心なんてないわよ。」

 

[じゃあ何で惣流は弐号機とシンクロできてんだ?それが不思議でしょうがないけど。]

 

「そりゃあ、私がこの弐号機に選ばれたエヴァパイロットだからよ!」

 

[それだと俺が零号機と初号機にシンクロできる理由がわからない。本当にどうなってんだ?このシンクロってシステムは…。]

 

[エイジ君大丈夫?落ち着いた?]

 

[ええ、もう大丈夫です。クロッシングは抵抗されないのにどういうことなんですかね。]

 

[こちらでも調べてみるわ。今日はお疲れさま。]

 

「待って、リツコ。あたしと予備で戦闘訓練させて。」

 

[いいわよ、対使徒のでいいかしら?]

 

「いいえ、エヴァ同士の戦闘訓練よ。もちろんやるわよねェ?有能な全線指揮官様?」

 

[はァ~、仕方ねぇなァ。ステージは第3新東京市(ここ)でいい?]

 

「どこでもいいわ。」

 

[それじゃ、俺は零号機で。こいつとが一番シンクロ率高いからね。ちっと待ってちょうだい。]

 

「逃げないだけ偉いわねぇ。」

 

[ったく…。]

 

上等よ、ボッコボコにしてやるわ!!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。