ゆるして
万年夏の気候だと暗くなる時間は遅いが、20時過ぎになると流石に暗い。俺らはそんな、街灯が照らす道を歩いている。
「エイジ君、手…繋がせて。」
「いいよ、レイ。」
レイは指を絡ませてくる。俺も心を吐き出し切ったら、だいぶ気持ちが軽くなった。こういう相手の存在って、大きいんだろな…。
家では、ミサトさんが俺らを待っていた。多分先回りしてきたんだろな。
「おかえり、二人とも。」
「ただいま。」
「ただいま、ミサトさん。」
「夕食できてるわよ。」
「ゆ、夕食?ミサトさんの?」
「そーよ?何か問題あるってーの?」
「いいいいや、何でも。失礼しました。」
一度にこんな災難が来るってあるのか?ミサトさん、料理壊滅的だったからなァ…。何が起こるかわからないもんだ。
「どーお?私のカレー。美味しいでしょ?」
「確かにミサトさんにしちゃあ美味いですね。」
「ええ。」
「にしてもどういう風の吹き回しで?だいたい、今はシンジとアスカの面倒見る方が先でしょう?」
「こーいう時くらい、保護者させてよね。あ、レイは先に寝ていいわよ。」
「わかりました。」
「話があるのは俺とってことですか。ま、そらそーですよね。」
「そーよー。あ、洗うのもいいわよ。今日は私が全部やるからさ。」
「え?そーですか。それじゃあ…」
俺はミサトさんに対面して座る。
「ごめんね、エイジ君。ずっと負担かけっぱなしで。」
「いーんですよ。俺が好きでやってることなんですから。それに、自分が言ってることの全部が全部嘘ってわけじゃないんですから。それはわかってるでしょう?」
「それはそうだけど…私だって、あれだけストレートに言われたら傷つくのよ?」
「はは、そいつは失礼しました。まァ、でもあの話を聞いていたのならわかるでしょう?こんな話を大真面目に言ったら、相手から貼られるレッテルは精神異常者ですよ。それは流石に面白くないんでね。」
「そらそーよねぇ…。それでも、少しは大人を信用して欲しかったナ。」
「まー、ミサトさんは普段の生活がアレですからねー…。」
「ちょっとー、なぁ~に目ェ逸らしながら言ってんのよ。ひっどーい。
…でも、久々に『ミサトさん』って呼んでくれて嬉しい。」
「そいや、久々ですかね。ふふ、幾ら意識して使い分けてるつっても、統計はしたことないですからねぇ。すみませんねミサトさん。最近は子供のような我儘に態度を続けちゃって。」
「いーのいーの。子供なんだから。」
「そうバッサリいかれると俺でも心にキますよ?ったく…。そんでも今まで通り、上手く顔は使い分けさせてもらいますよ。そっちの方が都合がいいし、やっと俺も割り切ることができたんで。」
「笑いながら言うことじゃないと思うけどナ~。ま、これで仲直りということで。これからもよろしく、エイジ君。」
「こちらこそ、ミサトさん。」
互いに握手して、改めて関係性が回復した。
-碇シンジ-
エイジ君、最近顔が暗いとは思ってたけど、あんなことを言うなんて―
余程追い詰められていたのかな…。
『誰だって相手の嘘や隠し事なんて完璧に見抜けないよ。』
完璧かそうでないか以前に、見抜けなかった。エイジ君って、本当の気持ちをあそこまで隠しきれるんだ…。多分、僕だけじゃない。他の人も、彼が本心を話さない限りずっとわからないままなんだろう。
「どーしたのよ、七光り。」
「エイジ君のことが気になってさ…」
「あんな女に冷たいバカ、ほっときなさい。余計なことを考えていたら訓練に響くわよ?」
「だけど…」
「あーもう、そんなウジウジ考えてても仕方ないでしょ?これだから日本人は…」
「…ごめん。」
惣流の言うとおりだ。僕がここで色々考えても、何も変わらない。このことは忘れて、訓練に集中しなきゃ…。
-惣流・アスカ・ラングレー-
訓練二日目は、「昨日までのことなんて何も覚えてませーん」ってな態度であのバカップル共が出てきた。何か、また近くなってない?何なのアイツら…。
「んだよアスカ、そんなイヤそーな顔しやがって。」
「あんたらねぇ…ま、私らの邪魔さえしなきゃ何だっていいわ。」
「バカだなー、んな事するわけないだろ。」
「誰がバカですって!?」
「惣流、やめなよ…」
「ほーら、喧嘩しないの。それじゃ、昨日の続きからやって、今日は通すわよ。」
「「はーい…。」」
なんか、アイツらがずっと見てると気が散る…。
とりあえず、七光りにしては上手くなってきたわね。この次は通し練習。…あ、七光りの奴、こんな最初からズレた。あーあ、また最初からだ…。
「ダメダメ、ストップ!シンジ君、よく音楽を聴いて!」
「おいミサトさん、ここ来る前に言ったよな?こんな最初から止めるなって。」
「あ、ご、ごめんエイジ君。」
「ったくよー、頼むぜミサトさん。まー完全に止まっちゃったから、流石に最初からやり直すか。」
「何なの?予備の奴。リーダー気取っちゃってさ。」
「ここにいる大人共がしょうもねぇから俺がやってんだろ!?
こーいう通し練ってのは、一度最後までやってから、ポイントポイントでミスを見つけてそこを練習するモンなんだよ。いちいち止めちゃ最初からなんてやってたら、全体がどうなってるのか永遠にわかりゃしねぇよ…。」
なんかすごい剣幕でまくし立ててくる。おっかないわねー…。でもミサトのより筋は通ってるから、思ったよりマシな考え方してるようね。ミサトもどストレートな予備の発言に眉間を押さえてる。あーあ、これもうダメね、ミサト。
「わかったわよ。やってみなさい、バ影嶋。期待しないでるけど。」
「おう。それじゃやるぞ。」
あたしらは最初からまたやり始める。やっぱ七光りの奴は最初からズレズレね。あーやだ。それに終わりの方の七光り、なんか遅くない?終わったけど…全然ダメね。
「それじゃ講評…なんて言ったら偉そうな口ぶりだな。気になった点をいくつか。
シンジ、お前は前半の…腕高く上げて体回すとこ。そこで毎回遅れてるな。ここはアスカにでも聞いてポイント練した方がいい。昨日の終わりの方まで直ってなかったし、そこがお前の弱いポイント。
んでアスカ。後半で勝手に飛ばし始めてる。終盤からフィニッシュまでの動きで、100だったのが110くらいの速さになってる。多分無自覚だろうから、ここはこれから録画で確認しような。俺からは終わり。」
「ちょっと、それじゃ粗探しじゃないの!それにィ、七光りに合わせて自分のレベルを下げるの~?」
「あのなァ…。どうしてそういう発想に至ったか知らねぇけどよ、そんなことは一言も言ってねぇ。ただアップテンポになってるのを直せばいいだけだ。」
「このあたしに指摘しようっての!?ほんっとムカつく奴ねあんた!」
「何だ、テンポの修正すらできねぇのか?『スーパーパイロット』惣流・アスカ・ラングレーさん?」
こいつ…あたしのことまた煽っちゃって…!
「わかったわよ!やってやるわ!」
「お疲れ、二人とも。今日はこの通しで終わりにするか。この短時間でだいぶ良くなったな。」
「とーぜんよ!あんな事言われたっきりじゃあ我慢ならないしね!」
「ああ、アスカの対応能力は本当に素晴らしいな。流石だ。」
「どーせ、それも本心じゃないんでしょ。知ってるのよ。」
3時間後、あたしらは今日の練習を終えた。実際、バ影嶋の指摘ってのは鋭すぎるくらい的確で、引くくらいのレベルだった。コイツ、本当は全部ちゃんと見てる癖にワザと言ってない節があるわね?日本人らしいわ。
でも、あたしに匹敵するレベルで顔を作れるって…何か、あった―
な、何考えてるのあたし!ったく、こんなことを考えちゃダメよ!
「うへェ、信用無くしたなァ。俺はそれほど器用じゃねぇよ…。はい終わり終わり!後は個人練で頼むぜ。通しをしたときは録画よろしく。帰るぞ、レイ。」
「ええ。」
ちっ、アイツ逃げやがったわね。でも、アイツの言ってた『スーパーパイロット』…悪くない響きね。
-影嶋エイジ-
訓練開始から3日目。今日も二人はだいぶ上手くなっていた。シンジのミス部分も大幅に改善され、完成度がグッと高まっていた。
実はアスカは制御しやすいのでは、というのが俺の中の通説になっている。少し煽ればすぐ乗ってくるし、その後ちゃんと褒めてやりゃその後もいい感じだ。
でも、俺が煽りに使った「スーパーパイロット」……アスカとアセムのベクトルはどこまで違うのだろうか。そもそも、俺はアスカの表層しか知らない。彼女の表層と能力…それだけを知って、作戦を立てて…それでいいのか?大人の俺が、子供らの一人だけを贔屓にして…シンジだって同居人なのに、最近は本当に構ってやれていない。いいのか、本当に…。
「どうしたの?もしかして、疲れてる?それなら、私が夕食を作るわ。」
「あ、そういうことじゃないんだ。…皆のことを考えるとさ、どうしても、ね。」
「エイジ君はどう思っているの?」
「俺はな、レイだけじゃなくて、全員を知りたい。全員の心を…少しでも知りたい。大人の傲慢だよ。」
「いいえ、そんなことはないわ。…いい方法、あるわ。」
「え?」
そう言うと、レイは携帯を取り出す。レイがこれを使っているの、初めて見たな…。
「碇君、もう夕食は食べた?……そう。それなら、一度家に戻らない?たまにはエイジ君の夕食、食べましょう?……わかった。」
「んならアスカに何食いたいか聞いてくれ。まだ早い時間だし、これから買ってくる。」
「わかった。碇君、セカンドに何を食べたいか訊いて。………」
(あたしはハンバーグがいい!)
うっわめっちゃ通る声だな。ここまで声が聞こえるなんて。レイも携帯を耳から離して、目を閉じて驚いている。
「お、俺んとこまで届いた…。それじゃ一時間後って言っといてくれ。俺は買い物に行く。
あ、そうだ。レイ、いい加減アスカのことを『セカンド』呼びはやめな。んじゃ行ってくるよ。」
「わかったわ。」
それだけ聞いて、俺は出掛けた。
-碇シンジ-
あと30分くらいで家に向かわないといけない。にしてもミサトさん、もう諦めムードだったな…。でも、そこまで信頼しているのはどういうことなんだろう?あんなことがあったばっかりなのに…。なんか、惣流とエイジ君って、何か似てる気がする。普段の顔と、隠してる顔の使い分けだとか。一昨日の夜だって、惣流は寝言で母親を呼んでいた。エイジ君も、もしかしたら―
「ねえ七光り、予備の奴って、普段はどんななの?」
「え、家で?うーん、普段とあんまり変わらないよ。家事なんかは全部やってる感じだけど。」
「あーあ、やっぱりミサト、案の定なのね…。」
「毎朝、ミサトさんなんてエイジ君に『非常召集!』って怒鳴られてるし。…でも、エイジ君自身が何かやってるっていうのはあんまり見ないなぁ。いつもパソコンに向かって家計簿入れてたり、スケジュール確認とか仕事したりで。唯一休んでる時ってのも、ピアノを弾いてるくらいなんだよね。」
「へー…変なヤツ。これじゃ本当にアイツが保護者ね。」
「そうだね…。」
苦笑するしかなかった。
「あれ、道間違えてるわよ?ミサトの家って逆じゃなかった?」
「ううん。僕ら、引っ越したんだよ。」
「引っ越し?何でよ?」
「今はミサトさんにエイジ君、僕と綾波で暮らしてるんだ。でも珍しいなぁ、あの綾波から誘ってくるなんて。」
「げ、あのお人形さんまで!?…ヤな感じ。」
「…ねえ、その『お人形さん』ってワザと言ってるでしょ?」
「そんなことないわよ!」
あ、ワザとだ。やっぱ似てる。
「ただいま。」
「お邪魔するわよ。って、ファーストが出迎え?バ影嶋はどうしたのよ。」
「おかえり、碇君。セカ…惣流さんも入って。」
このやりとりの直後に、奥からエイジ君が顔を出してくる。
「二人とも来たか。お帰りシンジ、アスカもいらっしゃい。遠慮なんていらないからさ、入った入った。」
やっぱりエイジ君、食事というか料理が絡むと本当に楽しそうだ。リビングに入ると、もう夕食が並べられていた。ここ数日、ネルフの食堂にしか通ってなかったからか、急にお腹が空いてきた。
「へぇ、アンタ料理上手そうね。ま、見た目だけ良くてもね…」
「ボーっと突っ立ってないでさ、座って食いなよ。ね?」
「「あ、はい。」」
「「「いただきます。」」」
「い、いただきます…何これ?」
「そっちで言う『主よなんたらかんたら』ってやつに近いかな。日本の文化の一つだよ。ま、んなことより食った食った。」
エイジ君はいつも通り自分そっちのけで僕らの反応を見てくる。惣流は若干引き気味だけど、エイジ君はそれすら通じない期待の目してるけど…。
惣流はハンバーグを一口分切り出して、食べる。少し目を見開いた後、すぐしかめっ面になる。
「ま…まあまあね!安物な分味は劣るけど!」
「はぁ~、よかった。こーゆうので一番クるのは『マズい』だからねぇ。」
「ほんと毎回嬉しそうだね、エイジ君。」
「そらそーよ。料理ってのは俺の数少ない娯楽だからな。」
「アンタ、普段は何やってんの?」
「家事と金銭管理。後は同級生に勉強教えてる。全部終わって、暇な時にピアノ弾いて、寝る。充実してるいい生活だよ。」
「本気で言ってんの?それ。」
「別に不自由ないからな。それじゃ、食事しながらでもゆっくり話そうか。」
「話すゥ?予備、あんた何を話すってのよ。」
「アスカのことを知りたい。…これだと誤解されそうだな。作戦行動の上で、互いのことを知っていた方が信頼し合えるし、俺の指揮も更に良くなる。こーいう理由の方がいいかな?」
ど直球の理由の後に建前の理由って、逆じゃない?エイジ君。
「それじゃあ、あたしの輝かしい来歴でも話してあげる。」
-影嶋エイジ-
「あたしはね、選ばれた人間なの。エヴァのパイロットになるために選ばれた、特別な人間なのよ。」
「…別にそれだったら俺らもそうじゃねぇの?」
「ぜぇんぜんちーがーう!あたしは選ばれたエリートの、一流の精子と卵子が出会って生まれたの。勿論それは学歴や人格に厳しい審査をクリアしないとダメ。つまり、アンタらとは大元の次元が違うのよ!」
「へぇ~、若干ベクトルは違うけどデザインベイビーか。実在するんだな、そーゆうのって。…なあ、エヴァパイロットに選ばれたってことは競合相手がいたんだろ?そいつらはどうしたんだ?」
「知らない。あたしはちっちゃい頃からエヴァに乗るためだけに勉強をしてきたの。あんたらみたいなポッと出とは格が違うのよ。」
「ポッと出はポッと出の意地で、戦闘は勉強したんだけどなァ。…でも、あの戦闘の動きでわかる。アレは才能だけじゃない、努力の賜物だろ?…やっぱ、『スーパーパイロット』だな、アスカって。」
「ねえ、こないだから気になってるんだけどさ。エイジ君がよく言う『スーパーパイロット』って、何なの?」
「ああ、それはな、とある創作の話なんだ。
エースパイロットがある軍にいた。彼は子供を授かり、その子供もまた、同じ軍に所属した。…でも、その子供は専用機があるのにも関わらず、父親のような戦績を出せずにいた。」
「へぇ、その子供は親と違って才能がなかったのね。」
「そんなんじゃないよ。その父親は、うーん…第六感を持っていて、実力もそうだけど、その能力の恩恵も大きかったんだ。子は父に追い付きたくて、敵が使っていた第六感を強制的に引き出す装置を身に付けるんだけど、それのせいで倒れてしまう。」
「その子、第六感が無かったの?」
「そうだよ、レイ。
その子は、自分が第六感を持ってないことに負い目を感じてたんだ。それだから、まあ便宜上この言い方をさせてもらうけど、エスパーになりたかったんだよ。
その後、子は親に怒られるんだけど、その時に子の上司がこう言ったんだよ。
『エスパーになれないのなら、お前はスーパーパイロットになれ』ってさ。
その後、その子は必死に訓練して、その後の戦闘で一度負けたエスパーをボコボコにして圧勝した。
…そんな話があるんだよ。」
「それなら、あたしの方がよっぽど優秀ね。あたしは誰の手も借りず、一人でやってきたのよ。」
「だったら尚更だ。アスカはただの
「何よ、
「俺?そうだなァ…まあ、一つの笑い話ってことで、適当に聞き流してくれ。
俺は何でここに来たのかが一向にわからないんだよね。いつの間にかモノレールに乗って、第3新東京市って初めて聞く都市に足を運んだ。セカンドインパクトってのやその後の世界情勢なんて、俺はどれも初めて聞いたものだった。」
「アンタ、それ本気で言ってる?セカンドインパクトなんて知らない人間はこの世に赤ん坊しか居ないのよ?」
「それじゃあ、ここにいる全員に訊くよ。
『911』 『アフガン侵攻』 『311』
…どれか欠片でも聞いたことはあるか?」
「聞いたことないわね…。」
「3つの数字って、なにかの日付?」
「知らないわ。」
「2001年9月11日、アメリカの貿易センタービルにハイジャックされた航空機が激突、そのビルが崩壊したテロ事件。同年10月7日、アメリカがアフガニスタンに侵攻。時間は飛んで2011年3月11日、東日本沖でマグニチュード9.0の大地震が発生。…これでもか?」
大真面目に話してるからか、全員が絶句している。やっぱり、ここは俺が知ってる時間軸とは全く違うってのがよくわかる。
「アンタ、気でも狂ったの?2000年代なんてそんな生易しいものじゃないわよ。知ってるでしょ?『ヴァレンタイン条約』のことは。」
「俺も俺なりに調べたから知ってる。本来の東京が潰されたのもね。でも、この記憶は俺が25年間生きてて知っている、確実なものなんだよ。」
「え?25年って…」
「俺は本来、95年生まれで、今年で26になるはずだった。でも、俺の生年月日は2001年10月14日。誕生年だけがズレてる。…なんか、全てが狂ってるのよね。不思議だろ?」
「「「………」」」
「ま、信じるか信じないかはあなたたち次第ってことで。でも、これは関係者以外には他言無用だ。無用な騒ぎは起こされたくないしね。どう?面白かったろ?」
-惣流・アスカ・ラングレー
「ねえ七光り、アイツ、いつもあんな感じなの?」
「え?ううん、僕も初めて聞いた。でも、なんだか妙に説得力があったような…」
「そんなことないわよ。あんなの気が触れた奴が言うことよ。あたしはあんたらのような子供じゃないんだから…!」
「どういう意味だよそれ…。」
だいたい、あんな妄言であたしらの気を紛らわそうってのが間違ってるのよ。あたしらはアイツらと違って、ガキじゃないのよ!それなのに…あの予備の奴って言ったら、
『ねえ、最後に聞かせて。経歴はともかく、アンタはどうしてエヴァに乗ってるのよ。』
『俺?皆が帰る場所…俺はそれを守りたい。手のかかる子供を3人も持っちゃったしね。』
『ふーん……って、どういう意味よそれ!!』
『はは、気に障った?ならごめん。』
自分は大人でーすみたいなこと言っちゃって!
「あーもうムカつくわねあいつ!思い出すだけでヤな感じ!」