ヱヴァンゲリヲン RE:LIVE   作:フィアネン

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しょうもない誤字をやらかしまくってて草すら生えない。毎回報告ありがとうございます。
あと最近のエヴァSSブームの影響か、妙にこちらも伸びが良くなってビビる。まぁ只のシナジーでしょうけど。


RE42:母

-渚カヲル-

 

「シンジ君、おはよう。」

「おはよう、カヲル君。あれ、今日は早く来たの?」

「うん、今日は日直だしね。」

「そっか、カヲル君は真面目だね。…このクラス、前よりも人減っちゃったね…。」

 

「仕方ないさ。この間の騒動で多くの人が巻き込まれ過ぎた。流石に親御さんも黙ってられないだろ?」

「そっか…カヲル君はまだいるの?」

「僕は便宜状の保護者に従うくらいだからね。余り何か言える訳でもないし。」

「なんだかカヲル君も大変だね。僕らと少し似てるかも。」

 

「………。」

「ど、どうしたのカヲル君。顔、ちょっと近いよ?」

「最近何かいいことでもあった?」

「え??…まあ、あったけど。藪から棒にどうしたのさ?」

「シンジ君、前より一層明るくなったなって、そう思っただけだよ。」

「は、はあ…。」

 

「それじゃ、僕は日誌取ってくる。こわーいお姉さんがこっちを睨んでるし。」

「え?あ、アスカ!!どうしたのさそんな怖い顔して。」

「シンジにはあたしのこの暖か~い視線を感じなかったの!?ひっどーい!!」

「そんな無茶な!そういう風につっかかってくるのやめてよ!」

 

シンジ君、僕が居なくても十二分に幸せそうだ。これも一重にあのイレ……いや、エイジ君のお陰かな。でも、僕は使徒として、また最期には彼に頼まなくてはならない。

 

僕を殺す事を。

 

でも、今のシンジ君はそれを受け入れてくれるのだろうか。僕は何度も世界を繰り返している内に、段々と死に慣れていってしまっている。それがとても怖い。だから、僕は毎回手首に傷をつけて、まだ生きている事を確認している。でも、これをやった後に残るのは痛みと虚しさだけだ。僕は…

トイレの洗面所にカミソリを取りだし、左手首の包帯を外す。…今まで付けてきた傷が何本も残っている。大丈夫、また今日も…

 

「うぇえ~何で今日はこんな偏頭痛がするんだ…よ……カヲルお前、何やってんだ!!」

「しま―」

 

エイジ君にカミソリを払いのけられ、左手首を捕まれる。僕の傷痕を見た彼は青ざめていた。

 

「リスカの痕がこんなに…お前、どうしたんだ?そんなことをするようには…」

「あ……、僕だって、悩みの一つや二つあるよ。この事はみんなには内緒にしておいてくれ。余り…余計な心配をしてほしくないし。」

「こいつ…わかったけど、もうこんな事はよせ。俺だって包帯は只の痛い格好だけで済んで欲しかったよ。何かあるんなら、せめて俺にくらいは話してくれ。一人で抱え込んだところで辛くなるだけだしな。」

「……ありがとう、エイジ君。」

 

君は僕に似た存在になっても、ずっと他の人の事を気に掛けるんだね。…僕にも、そんな余裕が欲しい。

 

 

 

 

 

-碇シンジ-

 

学校も午前中は何もなく、あっという間にお昼の時間になる。勉強もアスカとエイジ君のお陰で、訓練や非常召集分の遅れは取り戻せているし、大丈夫だとは思うけど…

 

「アスカ、最近どうしたの?たまに暗い顔するけど。」

「え!?あたし、そんな顔してた?」

「うん。」

 

「たぶん、あたしはシンジの事が羨ましいのよ。肉親がまだいて…。」

「え?それはどういう…。」

 

「ここじゃ話したくない。誰も居ないところでならいいわ。」

「わかった。」

 

 

お昼を食べて、僕らは屋上に出る。今日は曇っているし、この匂いは…もうすぐ、雨が降り始める。普段より少し寒いくらいの空気の中、アスカがぽつりぽつりと話し始める。

 

「あたしは試験管の中で生まれたって話は覚えてる?」

「うん。流石にアレは衝撃的過ぎたし、忘れる筈がないよ…。」

「そう。あたしが7歳くらいのとき、ママは接触実験をしたの。その後…」

 

アスカが言葉を続けようとするのを遮るように、同時に僕らの携帯が鳴る。同時にということは、考えられるのは一つしかない。

 

[非常召集]

 

その4文字を確認し、僕らは同時に正門へと駆け出した。

 

 

 

 

 

-影嶋エイジ-

 

今日は昼飯はNERVで食って、その後は参号機を使ったF型装備稼働試験を行った。

 

[エイジ君、準備はいい?]

 

「いつでも。」

 

[了解。それではF型装備ver.1の稼働試験を開始します。参号機起動!]

[参号機、起動確認。S²機関、臨界!]

 

[凄い、あれだけの重装備と消費エネルギーなのに、エヴァがきちんと起動状態を保っています!このパワーなら、重装甲のF型装備でも問題なく稼働かと思われます!]

[成程…この装備はS²機関が無ければ厳しいのね。]

 

「でもそれって、つまるところ参号機しか使えない訳でしょう?それじゃあ他のエヴァとのパワーバランスがまとまりませんよ。上の人間がいいっていうなら俺がオフェンスと指揮同時にやってもいいですけど。」

 

[できるなら頼みたいけれど、自分自身へかかる負荷もきちんと考えて言ってるのよね?]

 

「9番目との戦いの時、俺はそれをやりました。指揮・継戦能力に偶然もマグレも無いと思いますが。にしてもこの装備、やっぱり重いですね…正に鎧って感じですよ。」

 

[相変わらずシンクロ率も100を越えているのね。いつも全力じゃなくて、少しは手を抜いたらどう?]

 

「一体化の手を抜くってどういうことです…。あ、そういえば例の弾って完成しましたか?アレが出来れば遠距離支援が楽になるんですけど。」

 

[ほぼ完成したところよ。数日前に匿名で送り付けられた研究データのお陰で、一気に進捗が進んだわ。]

 

「都合よすぎかァ?どーなってんだか。」

 

エヴァとの一体化って、実際どうやったら手を抜けるのだろうか。シンクロなら適当に別の事を考えてればいいだろうが、今は俺自身が参号機になっているからどうしようもない。

 

 

[総員、第一種戦闘態勢。対空迎撃戦用意!エヴァンゲリオン零号機・初号機・弐号機は緊急配置!!]

 

 

[実験中止。エイジ君、参号機はテストには使っているものの戦闘用としてはまだ凍結状態よ。システムに速やかに向かって。]

「了解。」

 

俺はプラグを排出し、一体化を解く。プラグから飛び降りると、システムルームへと走った。

 

 

「アークシステム接続。ここだと久々だな、コア。」

 

-そうだね。頑張って。-

 

「ありがとう。…全パイロットとのクロッシング開始。」

 

ん?今日は妙にアスカの調子が悪い。射出リニアへと運ばれていく三機を確認しながら、要項を伝える。

 

「今回の使徒は衛星軌道上で停滞中だ。敵の戦力は例によって未知数。その為、囮1、狙撃1、バックアップ1の編成で行く。囮役は初号機、狙撃は弐号機、バックアップは零号機で行く。文句のあるヤツは?」

 

[エイ君、狙撃役やらせて。]

 

「…ダメだ。」

 

[どうして?私の方がアスカより狙撃の腕は高いわ。]

 

「バックアップというのは戦線に関与しないっつー事じゃない。常に俺のアドリブにいち早く対応しなきゃならないって事だ。」

 

何より、それは俺が一番信頼してる奴にしか頼まない。

 

[……わかった。]

 

「シンジ、アスカ。二人もいいな?」

 

[うん。]

[………。]

 

「アスカ!大丈夫か?」

 

[ええ。平気よ…。]

 

「無理だけはするなよ。全機ケージアウト!地上へ射出と同時にケーブル接続!零号機・初号機は武装無し、弐号機はポジトロンスナイパーライフルを受領して指定ポイントに待機!」

 

[[[了解!]]]

 

 

ポジトロンライフルの電力供給を受けれるポイントはこの都市でも僅かにしかない。実質的な劣化ヤシマ作戦だ。システムを介して、全機体の準備が終わったことを確認し、宣言する。だが、この雨…切り札が弱まる可能性が極めて高い。その時は撤退だな…。

 

「作戦開始。初号機、レディー……ゴー!!」

 

掛け声と共に初号機は敵の目を引くように、目立つポイントを走り始める。光線を撃ってくるなら、僅かながら着弾までのタイムラグがある筈。コアとMAGIを信頼して、着弾の瞬間にシンクロ率を急激に引き上げてフィールドを滅茶苦茶強めればいい。

だが、敵から発せられたのは光線でなく、光の束だった。

初号機の足の速さに追い付いていないそれは、常に初号機の後方に着弾し、その個所を明るく照らしている。

 

「何だこの攻撃は!発令所、詳細をくれ!!」

 

[この光波に熱エネルギー反応無し!]

[解析によると、ATフィールドに近い可視波長のエネルギー波です!]

 

つまり、これもATフィールドの応用……!厄介すぎる!

 

「ライフルの状況は!!」

 

[最終段階です!強制収束機作動中!地球の自転及び動誤差修正0.05、薬室内圧力最大、全て発射位置!]

 

「アスカ!!」

 

[了解!!]

 

ライフルから放たれるビームが雲を、空を切り裂いて敵へと向かう。だが、やはりATフィールドに阻まれて効果がない。そして、それを狙っていたかの如く、敵の攻撃がアスカへと向かう。

 

[イヤぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!]

 

アスカは敵の攻撃に晒され、頭を押さえて悶え苦しむ。その様子が弐号機自身にもトレースされており、弐号機は両膝をついて、ライフルを取り落として苦しんでいる。

 

「シンジ、レイ!アスカを速やかに回収、撤退だ!まさか、最初からこれを…!?」

 

3人へのクロッシングで思考防壁を作り、敵の使徒からの攻撃を防ごうとする。しかし、アスカはこの短時間で既にかなりのダメージを負っており、こちらへの負荷も只の痛覚共有では済まされなくなってくる。

 

「く…心理攻撃たぁ大した事をする…!」

[アスカ!!]

 

初号機は膝をついた弐号機の盾になり、敵のフィールドを真正面から受ける。

 

「シンジ!?ダメだ、幾ら防壁があるからって直接長時間食らえば…っぐ!!」

[綾波、アスカをお願い!]

 

[わかったわ!]

 

だが、その要請は総司令によって止められた。

 

[レイ、そのまま行っても精神を侵食されるだけだ。…ドグマを降りて槍を使え。]

 

「な、槍を!?」

 

[急げ。アークパイロット、何としてもパイロット二名を守れ。]

 

「言われなくても!!レイ、今からはレイとのクロッシングを全面的にカットする!俺は大丈夫だ、頼む!!」

 

[わかったわ!…絶対に帰ってきてね。]

 

「たり前だ…!」

 

今、クロッシングの状態は

 

シンジ↔️俺↔️アスカ

 

という状態だ。つまるところ、アスカとシンジは真には繋がっていない。だけど、これを3人全員で同時に共有すれば、一人ひとりの負荷は格段に小さくなる。…やってみる価値はある!!

 

「シンジ、アスカ!!今から俺が二人を繋げる!お前らは互いの事を考えろ!!」

 

直後、困惑と同意の意思が二人から流れてくる。最早言葉を発せられなくなりつつある。時間が無い!!

 

「っ…!!繋がれェ!!!」

 

 

 

 

 

-碇シンジ-

 

………ん?ここは…?確か僕は初号機で、アスカを守ってた筈。でも、周囲はモノクロの空間。何なんだ、これ?

 

{アスカちゃん―私の可愛い娘―}

{あなたは特別よ。特別に作られた、特別な子なのよ。だからママの期待を裏切らないで―}

 

アスカの、母さん…?

 

{因果なモノだな。提唱した本人が実験台となり、精神崩壊とは―} 

{しかし、あんな小さな子を残して自殺とは残酷な―}

 

何だ、これ……

 

{みんなで相談して、私があなたを引き取ることになったから。}

 

何なんだよ、これ……!

 

{好き嫌いしてるとあそこのお姉さんに笑われますよ?}

{毎日あの様子なんです。人形を娘さんだと思って話しかけています。}

 

目を背けられない。こんなの、知らない。

 

{今の彼女にとってはあの人形の方が―}

{高い金で精子を買って無理矢理子供を作っても、心の穴は埋められなかったワケだ。}

 

そんな……アスカが……

 

[ママ!]

 

アスカの母さんがこちらを向く。そして、その両手をアスカの首に―

 

『やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!』

 

 

 

-惣流・アスカ・ラングレー-

 

何なの?敵から光が来たかと思えば、こんな何もない空間に―

 

{ほら、見てごらん。シンジ君のお勉強部屋、作ってあげたよ。今日からここで勉妙するといい。シンちゃんも来年から中学生だからねぇ。自分の部屋が欲しいと思ってね。だからわざわざお庭に作ってあげたんだよ。}

{ありがとう、おじさん、おばさん。僕、ちゃんとひとりで勉強します。}

 

何よ、これ―

 

{そこの君、止まりなさい。その自転車は君のかな?}

{いえ…。でも、橋の下に捨ててあったから…}

{嘘をついちゃいけないよ。}

{本当です、ウソじゃない!}

[…話は署で聞こうかな。]

 

何で、小さい頃のシンジが、私の前に―

 

{お名前は?}

{碇シンジ。}

{保護者の名前は?}

{………。碇ゲンドウです。}

 

でも、迎えに来るのはシンジが住んでいるところのおばさん。

 

『どうして、シンジが……』

 

{どうか、よろしくお願いします。}

 

シンジの親戚に深く頭を下げる指令。でも、親戚の夫婦の目は冷めきっている。

 

{父さん待って、どこに行くの?}

{仕事だ。しばらく会えない。}

{嫌だ、行かないで!!置いてかないでよ!!}

{わがままを言うな。伯父さんの所でいい子にしてろ。}

{嫌だ、嫌だよ父さん!!父さん!!!!!}

 

指令……

 

{お前の父ちゃん、母ちゃん殺したんだって?なんかの実験で失敗して殺したって。うちの母ちゃん言ってたぞ?}

 

激昂して親戚の子に殴りかかるシンジ。それを伯母に見つけられ、頬を殴られる。そして、シンジが聞こえる所で陰口を言う。

 

{いつまで預からなきゃいけないの?あの子。}

{しばらくっていつまでなのよ。}

{養育費はちゃんと貰ってるし、妹の子だ。放っとけないだろう、世間の目もある。}

 

『もうイヤっ!!こんなもの、私に見せないでよォ!!お願い!!!!!』

 

 

 

 

 

-影嶋エイジ-

 

しまった、二人から絶望の感情が逆流してくる!?違う、俺はこんな……!こんな事を望んで、この防壁を作ったんじゃあない!!

 

[エイジ君!シンジ君とアスカのバイタルが低下していっているわ!精神汚染も危険域になりつつある、プラグを強制排出して脱出させて!!]

 

「ダメだ!今は俺の防壁があるからいいけど、それが無くなったら直接アレに晒されるんだぞ!!それこそどうなるかわかったもんじゃねぇ!!」

 

[それでも!!]

[エイジ君のプラグスーツに異常発生!……両腕部の結晶化が始まっています!!]

[エイジ君、もう無理をしないで!!あともう少しでレイが地上に出てくるの!]

 

「だったら尚更だ!レイにこれを受けさせる訳には…っ!?があぁ!!!」

 

[エイジ君のバイタルが危険域に突入!これ以上の接触は危険です!!]

[エイジ君!!システムコア、エイジ君との接続を切って、早く!!]

 

ふざけるな……こんな、所で……俺は……

 

「俺は!!誰も犠牲にしないって、誓ったんだ!!初号機、弐号機!!お前らはパイロットが壊れそうなのに何とも思わねぇのかよ!!!お前らも人間だろ!だったら守って見せろよ!!子供をよ!!!!!」

 

 

 

その瞬間、俺は木が一本生えている海岸と、ヒマワリが咲き乱れる花畑に存在した。

 

『ここは一体…?』

 

俺は海水に浸かった砂を、花畑の地面を踏みしめて前に進む。何か、人間らしき気配はあるもののその出処がわからない。平和ボケしすぎて読めなくなったのか…?

 

-あなたは、誰?-

 

同時に二人からの声が、頭の中に響く。頭の中に響いたハズなのに、俺は自然と声が聴こえてきた方向へ走っていった。

 

『あなたは…綾波さんの次に私に会いに来た人ですね?』

『あら、あなた……たしか、アスカちゃんとのお友達でしたっけ?いつもアスカがあなたのことを考えていましたからね。今は別の子を…』

 

二人とも、俺が良く知る人間の面影がある。

 

『貴女は…』

 

『碇……ユイさんですか?』『アスカの……お母さんですか?』

 

まさか、初期に感じたエヴァの個性って…!

 

『あなたの願いは理解したわ。』

『アスカちゃんとシンジ君を助けたいのね?』

 

そう言うと二人は手を差し出してくる。

 

『『私とシンジを/アスカちゃんを、繋げて。』』

 

二人の超速理解に困惑しながらも、俺は差し出された手を握り、クロッシングでそれぞれシンジとアスカへと繋げた。

 

 

 

 

 

-碇シンジ-

 

もう、立っているだけで精一杯だ。頭の中に見せられる小さい頃のアスカのビジョンが、僕を更に弱らせていっている。でも、それでも、アスカだけは絶対に…!!

 

『シンジ…。』

 

「っ!誰!?」

 

『もう大丈夫よ。ずっと、私がついているから。これまでも、これからも。』

 

綾波に似た、白衣を来た大人の女性が、自身の両手で僕の右手を取り上げ、強く握りしめる。

この感覚、この温かさ…

 

「母さん!!」

 

 

 

-惣流・アスカ・ラングレー-

 

シンジが、使徒からの攻撃からあたしを守ってくれている。でも、攻撃に晒されているシンジの記憶があたしの中に入ってきて、頭の中をかき乱す。

 

「もう、やめて…。お願い…。」

 

『アスカちゃん。』

 

「その声、もしかして……」

 

『泣かないで、アスカちゃん。私はずっと、ここから見守ってあげるから。』

 

ワンピース姿の女性が、あたしを後ろから優しく抱いてくる。ああ、この、懐かしい感じ……

 

「ママ……やっと会えた…!」

 

 

 

 

 

-影嶋エイジ-

 

[初号機、弐号機活動再開!シンクロ率が急激に…!80、90…100を超えます!]

 

「完璧に…繋がった!!シンジ、アスカ!行けるな!!」

 

[もちろん!!]

[ええ、仕返ししてやるわ!!]

 

尚も使徒からの光に晒されながら、シンジとアスカは立ち上がる。ポジトロンライフルを構えるアスカに、シンジはそれを支えるようにアスカの腰と右手に手を添える。

 

「二人のATフィールドを同調、増幅させる。引き金はアスカ、お前が引け。」

 

[わかった!]

[了解よ!]

 

アスカとシンジは敵に銃口を向ける。銃口の先にはATフィールドによる三角形、八角形の枠が交互に5枚、その先端部周囲を3つの正方形が等間隔に円運動をしている。

 

[ポジトロンライフルはチャージされていないのに、膨大なエネルギーの塊が…!]

[この出力、まさかあの二機も!!]

 

「照準、誤差修正。チャンスは一度キリだ。それにすべてを賭けろ。零号機は!」

 

[零号機、投擲体勢!目標確認、誤差修正よし!カウントスタート!]

[10、9、8、7、6、5、4、3、2、1!]

 

 

[ゼロ!]

「撃て!」

 

 

アスカとシンジはフィールドを変形させた弾丸を使徒へ撃つ。同時に投擲されたハズの槍すら追い越し、先に着弾して使徒のATフィールドを砕く。

それと同時に零号機は助走をつけ、二又から直槍へと変化したロンギヌスの槍を敵に向けて投擲する。成層圏まで届いたソレは、一瞬は再展開されたATフィールドによって防がれるが、槍はそれを突破し使徒を貫いた。

 

[目標、消失!]

[初号機、弐号機活動停止!機体回収は2番ケイジへ!]

 

[ロンギヌスの槍は!?]

[第一宇宙速度を突破。現在、月軌道に移行しています。]

[回収は、不可能というわけだな。]

 

「状況終了…。」

 

終わった…。両腕を見ると、青い結晶体がスーツを突き破って生えてきている。その光景に恐怖しながらも、綺麗だと思ってしまった。これを見ると、最早俺の身体は人間じゃないというのを冷淡に突きつけられているように感じる。少し経つとその結晶体は砕け、破けていたはずのスーツも元通りになった。

 

「クロッシング解除。初号機、弐号機コントロールジャック頼む。」

 

-お疲れ様。回収が始まるまで少し休んでて。-

 

「ああ、そうさせて―」

 

[零号機、初号機と弐号機の回収を…え!?パイロットの容態が急変!]

 

「な!?レイ?レイ!!」

 

レイとクロッシングをし…うっ!?こ、こんな激しい痛みが!?

 

「零号機コントロールジャック!直近の射出口に向かう、急いで回収してくれ!ミッちゃん後は頼んだ!!」

 

-わかったわ!-

 

俺はいち早く付近の射出口に向かい。拘束具に身を預ける。そうした後は全ての接続を切り、システムから飛び降りて急いでレイの元へと向かう。まさか、そんな、あり得ない!!ずっと穏やかな状態だったのに、何故!!

 

「何でなんだ、レイ!!」

 




カヲル君とリスカの関連性を知りたい人は「準カヲ」で検索してください。
今回の初号機と弐号機の狙撃はファフナー1期26話のザイン・ジーベンの共同狙撃のオマージュです。BGM[マークザイン]後半部分とセットのイメージ。
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