ヱヴァンゲリヲン RE:LIVE   作:フィアネン

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今回からレイちゃん視点が中心になっていきます。


RE50:I miss you.

黒いプラグスーツを身に纏い、参号機のプラグに入る。恐らく、シンクロは問題無い。彼はもう、私を受け入れてくれているから。

 

[それじゃあ直接シンクロのテストを行うわ。用意はいい?]

 

「はい。」

 

[テスト開始。]

 

参号機は私を受け入れてくれている。当然だろう、だってこの機体の前任者は―

突然プラグ内で謎のプログラムが作動し始める。まさか、ゼーレからのシステムトラップ!?…いや、これは、もしかして…!

モニターには音声記録の文字。そして、記録者の名前は――

 

Eiji.K(影嶋エイジ)

 

震える指で再生ボタンを押す。

 

 

 

―レイ、この記録を聴いてるということは、俺は多分同化現象によっていなくなった後だろうな。今も身体から結晶が生えてきてる。俺が生きているうちに、これを残したいと思う。―

 

また、あのときを思い出してしまう。

 

―単刀直入に言おう。俺はレイのことを、最初からす……いや、やっぱ痩せ我慢を言わせてくれ。俺がいなくなっても、笑って送って欲しいなんて言わない。でも………俺みたく引きずり続けるのだけはやめて欲しい。後は…謝罪しないといけないな。どうしても君を…三人目のレイを手放しに受け入れたくなかった。そんな俺のエゴを振りかざしてしまって、本当にごめん。―

 

「そんな、私だって…。」

 

―最後に、レイはもう俺がいなくても幸せになれるよ。レイだけはどんな幸せを掴んでも、俺の事を忘れないで欲しい。俺が俺自身として生きてきて、長く接してるのは…多分レイだけだから。……今まで、支えになってくれて本当に……ありがとう。………記録、終了。―

 

[シンクロ率、80.6%。パルスも問題ありません。]

[これなら参号機も変わらず使えるわね。…レイ、どうしたの?]

 

「ばか…!ずっと、そばに居てくれるって、言ってたのに…!どうして先に逝っちゃったのよ…!」

 

こんな音声記録、泣くしかなかった。泣かなきゃ、どこにもこの気持ちをぶつけることが出来ないままだから。

ゼーレが許せない。自分達の幸せのために、誰かを踏みにじる連中を許せる筈がない。

でも私は…それ以上に、何も出来なかった私自身が許せなかった。

 

 

シンクロテストを終え、家に帰る。戦自の攻撃は局所的だったため、住宅地にはほとんど被害は出ていない。しかし、ネルフの職員以外の殆どの人は都市から退去してしまった。以前なら人に溢れている時間帯も、殆ど人がいない。寂しい街になってしまった。

 

「ただいま…。」

 

「お帰り、綾波。」

「レイ、お疲れさま。」

「お邪魔してるよ、綾波さん。」

 

「渚くん?どうしてここにいるの?」

 

「夕食を食べに。シンジ君がご馳走してくれるって言うからさ。」

「そう。部屋にいるから夕食の時は呼んで。」

 

「そうって…僕は邪魔かい?」

「別に。碇くん、お願いね。」

「う、うん。わかった。」

 

何だか、エイ君が居なくなってからみんなと愛想よく接することができない。彼の死は受け入れなければいけない筈なのに、どうしても心のどこかでそれを否定してしまう。彼はまだ生きていて、いつかあの結晶が出てきて復活してくれるんじゃないかって、そう思ってしまう。両腕を抱えて、ベッドに座る。

寂しい。

ずっと傍にいてくれるって、必ず帰ってくるって言ってくれたのに。

 

-大丈夫。俺が必ず、レイだけでも守り通すよ。-

 

「……いい、平気。私、エイ君に頼らなくてもいいくらいに強くなるから。だからエイ君も、もう…。」

 

-そうか…。頑張れよ。-

 

「うん…。」

 

(…綾波?)

 

部屋をノックする音にハッとする。涙を拭って立ち上がり、ドアを開けると碇くんが立っていた。

 

「碇くん、どうしたの?」

「あ、えっと。ミサトさんも帰ってきたことだし、夕食にしよ。」

「わかったわ。ありがとう。」

 

礼を言って部屋を出ようとすると、碇くんに呼び止められる。

 

「ねえ、さっき誰と話してたの?それとも独り言?」

「え?…わからないわ。」

 

私が、誰かと話を?よくわからない。何か言っていたのかしら。

 

 

 

 

 

-葛城ミサト-

 

「さて、お堅い話の前に…お夕飯を食べましょ。」

 

「「「「「いただきます。」」」」」

 

 

夕食を食べ終わった頃、私は今後の動向を皆に伝える。

 

「さて、今後の話だけど…。」

 

テレビの電源をつけると、どのチャンネルでもゼーレの話題で持ちきりになっている。

 

『先日全世界に向けた宗教団体「ゼーレ」の人類滅亡宣言を受け、国連軍はエルサレムに総攻撃をかけましたが、一向に効果は得られていないようです。』

『12体の「執行者」の存在ですが、これは先日特務機関ネルフが公表したヱヴァンゲリヲンという兵器に限りなく近い形状です。』

『国連はこの事態を受け、ネルフに協力を仰ぐ予定との情報が―』

 

テレビを消す。

 

「ま、大体言ってることは正しいわ。明日国連は正式にネルフに協力を要請する予定らしいわよ。」

「でも、父さんはもう指令じゃないんでしょ?誰がここの指令をやるんですか?」

「それは松代の狩谷指令が、ここの総司令を引き継ぐ予定よ。」

「狩谷指令?…えーっと、面識あったっけ。」

 

その質問に対してはアスカが回答をする。

 

「面識はないわ。でも、参号機が乗っ取られた時にあんたのパパと言い合ってた女の人知ってるでしょ?その人よ。」

「えーと…ああ、あの声の人か。」

 

シンジ君も納得がいったようだったため、私はまた話を進める。

 

「これからの予定としては、エヴァ全機を改F型へと換装、エヴァ00-1(ゼロゼロワン)、00-2、00-3の建造が終わり、パイロットの習熟が終わったら即攻撃を開始するわ。」

 

「パイロットはどうするんですか?素人がこんな大役を勤められるとは思えないな。」

「それに関しても問題ないわ。パイロットはマナちゃん、ムサシ君、ケイタ君の3人が自分から申し出てきたわ。後は00タイプが建造できたらシンクロテストと実践訓練をするわ。相手はカヲル君達がやるのよ。」

「なるほど、了解です。」

 

「でも、これを12月31日までに仕上げないといけないんでしょ?エヴァの建造もそうだけど、本当に間に合うのかしら。」

「それに関しても大丈夫らしいわ。

現在ネルフが所有しているエヴァは全てS2機関を搭載している。量産機をベースにして肩部ラックと頭部の換装をすれば問題ないってリツコが言ってたわ。それだけなら1ヶ月もあれば済むし、バックアップパーツもあるわ。ロンギヌスの槍の回収も終了したし、後は出撃の時を待つだけね。」

 

「そっか…。そういえばミチヨは?あの後からずっとあの部屋に籠ってるの?」

「ええ。私も何度も呼び掛けたけれど、全てのIDを認証してくれないの。」

「そういえば、ミチヨちゃんはエイジ君…だった、結晶を持ったままなんだよね。どうしてなんだろう?」

「シンジ、そんな事あたしらが考えてもどうしようもないわよ。それに…エイジはもう、いないのよ。」

 

「………そうよ。エイ君はもういないんだから。」

 

レイはそれだけ言うと、テーブルから離れていってしまった。

 

「レイ…あの日からずっとこんな感じよね。あの感じ、エイジ君の時に似てる…。」

「でも、あたしらがどうこうできる問題じゃないわよ。レイもエイジ程じゃないけど、互いがいなくなるのに過剰に反応するから。」

「それは私もわかっているわ。あの子もずっと塞ぎ込んでたしね。」

 

「僕は本部に帰ります。こういうところでは何もできなくてすみません。」

 

「いいのよ、カヲル君。また気軽に来てちょうだい。」

 

やっぱり、私はみんなと一緒にいることはできても、みんなの心の傷を癒すことはできないのね。やはり、そこはどうしても…。

 

 

 

 

 

-綾波レイ-

 

今日も私たちはクロスドッグの訓練をしている。もうこのメンバーでの動きも慣れてきた。

 

「え?あたしとポジションを代わって欲しいの?」

「そう。私が先頭の方が、アスカも指揮がしやすいと思うわ。」

「うーん…確かにそれもアリかもね。わかった、次からそれでやってみましょう。でも、絶対に無茶はダメよ。少しでも死にに行きそうな動きをしたら即外すわ。それでいいわね?」

「わかってるわ。」

 

アスカは苦笑いをした後、振り返って自分のプラグへと歩いていく。

 

「わかっちゃないわよ。」

 

いいえ、私は責任を果たすまでは死なないわ。アスカが小声で言った事には言葉では返さなかった。

訓練用のプラグに入ると、目の前にはバーチャル空間が広がっていき、あっという間に広大な空間が姿を現す。今回のシミュレーションは砂漠での活動のようだ。

その空間へと、次々と初号機、弐号機、四号機が出力されていく。

 

[クロッシング開始。今回はレイの要望でレイが前衛の動きをやるわよ。二人はいつも通りのポジションだから特に問題は無いわね。]

[うん。]

[こっちも問題無いよ。]

[オッケー、それじゃ武器を出して。降下から始めるわよ。]

 

アスカの号令と共に、私は目の前に出力された大鎌を持つ。私が持った武器にみんなは驚いていた。

 

[綾波、どうしたのその武器。]

「赤木博士に製作依頼したものよ。」

[なんだか綾波のイメージと違うなぁ。やっぱりスナイパーとかが似合うような気がする。]

「そう。いい加減にしておかないとアスカからどやされるわよ。」

[え?]

[こらシンジ、さっさと持ち場につく!]

[あぁ、ごめんアスカ!すぐ行くから!]

 

……二人が羨ましい。あの二人は私たちと違って、何も奪われていない。与えられる事はあっても、まだ奪われる事は…。

 

それに比べて、私は、私たちはどうだったろう。与えられても、すぐに失ってばかり。どうして私たちだけなのだろう。どうして、彼らは何も奪われていないのだろう。

エイ君なら、こんな感情は無理矢理にでも飲み込んで普段通りに接することができる。何なら暗い感情を完璧に圧し殺す事も。でも私はそうしなければならない事を理解していても、実践はできない。そういう経験がエイ君に比べて浅すぎる。やっぱり私は―

 

そんな暗い感情を奥に押しやり、私は降下・進撃訓練をした。

 

 

集団戦訓練を終えても、私は残って単独訓練を続けた。仮想敵に向かって、延々と鎌を振るう。もう、昔の私はいない。弱かった私を奥に追いやって、自らは戦う為の道具になる。

 

「前はいたけれど、今はもういないわ。」

 

そうやって次々と迫り来る仮想敵をなぎ倒していると、強制的にシステムが切られ、プラグのハッチが開かれる。左側を見ると、アスカが厳しい顔をして立っていた。

 

「レイ、訓練も程々にしておきなさい。倒れたら元も子もないわよ。エイジもそんなこと望まないわ。」

「いいえ、エイ君は私を認めてくれるわ。例え、どんな私になっても。」

 

アスカは私の胸ぐらを掴み、ビンタをする。私の知っている痛みの中で、一番痛くないものだった。エイ君が今まで背負ってきてくれた痛みに比べれば、こんなもの痛くも何ともない。

 

「アンタ達ね…ずっと思ってたのよ。どうしてアンタらは何も喋らない癖にそんなに相手を盲信するのよ!意味わからない!どうしてそこまで―」

「クロッシングよ。」

「…何言ってるのよ。クロッシングはミチヨちゃんはできてもあなた達はできない筈よ。」

「いいえ、私とエイ君、ミチヨちゃんと渚くんは単独でクロッシングできるの。碇くんから聞いていない?エイ君が碇くんにクロッシングをしようとして、拒絶されたって事を。」

「え…!?待って、その時レイは意識がなかった筈よね!?どうしてそれを…まさか。」

 

「そう。私たちはクロッシングで深くまで繋がったの。だから、エイ君は私の事を全て知っているし、私も彼の事を完璧に理解しているわ。だから、言いきれるの。」

 

「そんな事が…」

 

「私を殴るのも、罵倒するのもアスカの勝手よ。でもクロッシングを、エイ君を侮辱するのは許さないわ。」

 

私はアスカの手をむしり取り、部屋を後にしようとしたその時、激しい振動が本部を襲う。

 

[総員、第一種戦闘配置!稼働できるエヴァは全機緊急発進!]

 

「何?どうして今になって?」

 

急いで参号機ケージへと向かった。

 

 

ジオフロントに出ると、目の前にはエヴァより頭一つ分ほど大きい、黒い装甲を纏ったエヴァらしき人型が目の前にいる。右手には拘束されていた碇元指令が握られている。

テレビでも出ていた「執行者」という存在が、目の前にいた。

 

[全エヴァは何としても碇を取り戻せ!アダムを敵に奪われるな!]

 

「…返してよ。」

 

右手のロンギヌスの槍を握りしめる。

 

「エイ君を返して!!!!!」

 

槍を執行者に突き出すが、何度攻撃しても最小限の動きで全てをかわされてしまう。

執行者は飛び上がり破壊した窓からまた逃げようとするけれど、私はそれをフィールド跳躍で追い付き、尚も槍を突き出す。

執行者は目を光らせ使徒と同じ光線を放つが、私はフィールドでそれを防御する。

 

「返して!エイ君を返してよ!!返せぇええええええええ!!!!!!」

 

二又の槍を胸に突き刺すけれど、それに無反応なままの執行者は左手を前に突き出す。掌には円状の模様があり、そこが光って…

 

「まさか、これって!?」

 

何とか身を翻すと、掌からはパイルバンカーが射出される。この攻撃、2番目の使徒と同じ…!執行者は胸のコアに指令を取り込むと、異常な速さでジオフロントから脱出していった。

レバーを殴りつけ、私は奥歯を噛み締める。数を減らせなかった。復讐の一回目を果たせる筈だったのに。落下していた参号機は勝手に体勢を直し、ゆっくりと地面に降り立った。

 

[綾波、父さんは…?]

 

「ごめん、逃げられた。」

 

私は、その場から動くことができなかった。私の心は、ずっと………

 

 

 

 

 

-司城衛-

 

「…そうか。ネルフの方も、そこまで戦力増強は進んでいるのだな、狩谷指令。」

「ええ、こちらも更にパイロット三名とエヴァ3体の確保を急ピッチで進めています。後は戦自との協力で、長距離輸送用の航空機と改F型とのマッチングテストを行えば、いつでも攻撃は可能です。…ところで、ヴィレの方からはパイロットは出さないのですか?確かあなたたちもパイロットは一名確保してある筈ですが。」

 

「真希波君はこの世界のエヴァとはシンクロできないのだよ。彼女には8号機があるが、今はそれを稼働させられない。本当に申し訳ないが、今は技術支援のみだ。」

 

「成程、それは理解しました。葛城二佐、作戦はどうなってるか?」

 

「現在考えているプランとしては、長距離輸送機から直接降下、そのまま敵の本拠地へ直接侵攻。12体の執行者全ての撃破と、碇元指令の奪還を予定しています。」

 

「簡潔かつ大胆な計画ね。赤木博士、エヴァや武装の状況はどうなっている?」

 

「各部パーツの換装や武装の製作は順調に進んでいます。このまま後一ヶ月もあれば完成します。」

「了解、順調そうね。訓練の様子に関してはこちらでも確認している、後は00タイプのエヴァンゲリオンを待つのみだ。急ピッチでの建造を頼む。」

「WILLEからも、可能な限りの技術支援をしよう。国連も合流すれば、山岸主任も正式に協力をしてくれるだろう。」

「了解。」

 

「それでは、私はこれから国連との会議に出席しなければならない。ここで失礼させていただく。」

 

狩谷指令は会議室を離れる。私が長い息を吐くと、葛城二佐が口を開く。

 

「司城大佐、大佐はその、彼の…エイジ君のお父さん、なんですよね。」

 

「ああ、過去のだがな。」

 

「申し訳ありません。私らがついていながら、あんな事に……なってしまって…。」

 

光也が砕け散ったという話か。

 

「それなら話は聞いている。光也らしいと言えば、らしい最期だ。最後まで誰かの為に戦って散ったというところが、本当に…。」

 

視線が自然と下に落ちていく。

 

「随分とあっさりしていらっしゃいますのね。」

「リツコ!」

「いや、そんな評価で当然だろう。だが、私らはまだ泣くときではない。全てが終わったら、その時に光也の死を嘆くさ。だから、その時まで私たちは泣いてはいけない。大人の悲しみは子供には強く伝わる。だから、今は耐えるんだ。」

 

「そう、ですか…。」

 

葛城二佐の方を見て言う。

 

「私を薄情者だと思うかね?」

 

「いいえ。でも、やっぱりエイジ君のお父さんなんだとは、思いました。」

 

「そうか…。私も仕事に戻るよ。綾波レイ君を、どうか…見守ってやってくれ。光也が気に入っていたようだからな。」

 

二人は意外そうな目をしていたが、それらを無視して会議室を出た。出口には真希波君が立っていた。

 

「あーゆう言い方、エコヒイキって言うんじゃにゃいかな?大佐。」

「私なりの気遣いだよ。それより8号機はどうだ?」

「相変わらず反応してくれない。この世界自体が私らを異物として認識しちゃってるのかもねー、中佐と私らはこの世界に来た方法が全く違うし。」

「今後も技術支援を続けながらも8号機の起動実験は続けるぞ。君が一番こういう戦いには慣れているからな。」

「もちのろん。」

 

 

 

 

 

-碇シンジ-

 

最近、みんなが変わっていっている気がする。いや、もしかしたら自分だけが取り残されているのかもしれない。

人と戦って、量産機と戦って、エイジ君を、父さんを失って…感情が追い付かない。でも、エイジ君が居なくなったのは、まだ家に帰れる僕らにとってはどうしても大きすぎる変化だった。あの日から、みんなの笑顔が減ったような気がする。特に綾波は殆ど笑わなくなった。まるで、ここに来て転校したすぐの日くらいな頃に逆戻りしたようだ。

 

部屋の電気を消してベッドに横になる。父さんが連れ去られたっていうのに、何も感じない。余りにも話が大きくなりすぎて、現実味が無い。僕らが世界を救う?使徒との戦いだけでいっぱいいっぱいだったのに、改めてそう言われても余り何も思わなかった。いや、実際僕らがやっていたのは使徒を倒してサードインパクト、つまり人類滅亡を防いではいた。そんな事を余裕をもって考える暇がなかっただけだろう。

 

僕は…どうしたらいいんだろう。皆が変わる中、取り残されて―

 

「シンジ、今いいわよね。」

「え、ちょ、アスカ!?」

「しっ!声がでかいわよ。」

 

僕に有無を言わせずにアスカは僕のベッドに入ってきて、僕に抱きついてくる。

 

「ねぇシンジ、ぎゅ~ってして。」

「う、うん。」

 

彼女を軽く抱き締めると、もっと強くと催促される。少し強くしてあげると、アスカも満足してくれたようだ。

 

「あたしね、怖いの。また誰かを喪うんじゃないかって。」

「それをしないために訓練を続けてるんじゃないか。大丈夫だよ。」

「そんな事を言って起きたのがレイの自爆よ。あたし、あの時ほど自分って何もできないんだって思った時は無かったわ。あの後も、あたしが一番経験があるからって指揮を続けてたけど、本当は降りたい。あたしには責任が重すぎるの。」

「アスカ…。」

 

「ごめんね、こんな弱音吐いちゃって。でも、こうでもしないとあたし…潰れちゃいそうだから。だから…」

「大丈夫。アスカは僕が守るよ、絶対に。」

「ありがとう、シンジ…。」

 

アスカは僕の胸に頭を埋めて、すすり泣いていた。

 




今回の補足

新しいレイのプラグスーツ:エヴァQの黒波スーツがデザインベース。

EVA-00-Xシリーズ:量産機の頭部と肩部を換装し、零号機に近い形状に改装したエヴァ。頭部はガンダムシリーズのジムやジェガンのように、バイザーの下にモノアイがある構造になっている。戦自所有のものになるため、IFFではNERVではなくJSSDF(戦略自衛隊)の表記が出る。
00-1にはムサシ、00-2にはマナ、00-3にはケイタが搭乗。

「執行者」:エヴァンゲリオンANIMAのアルマロス第二形態のような見た目をしている、エヴァのような何か。12体全てがそれぞれ使徒由来の能力を持っている。

エヴァ改F型:量産機のS²機関を外装に装備し、更なる火力強化、重装甲化を追求したモデル。
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