ダンジョンにハジケを求めるのは間違ってるだろうか   作:お通しラー油

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ボボボーボ・ボーボボは昔から好きだった作品でした。
ちなみにこのクラス小説を書くきっかけは、なんとなくです。
笑って貰えれば幸いです。
ではどうぞ


第1話 僕と貴方と魚雷とダンサーと

 僕の住んでいる村は小さな村なので村人全員が顔見知りばかりだ。

 なので、新しい移住者の知らせが入ると誰もが一目見ようと集まるのはごく当たり前の事だった。

 

 そして、今日新しい隣人が住み着いたのを知って僕はその人の姿を見ようと家へと向かった。

 村の人たちの噂では生足がセクシーな女性なのだと言うそうだ。

 

 湧き出る期待を胸に僕はその人の下へと走った。

 どんな人なんだろう?ーーー

 

 優しいお姉さんかなぁ?

 

 それともちょっとキツめのツンデレ系の人かなぁ?

 

 様々な妄想を胸に僕はその人の住んでいる家に辿り着いた。

 そこで見たその人は一言で言い表すならーーー

 

 

 

 

「抉るようにぃ、オラァ!!!」ズドンッ!!

 

 

 

 

    ・・・【魚雷】でしたーーー

 

 

 何故彼女を見て魚雷と思ったのかはわからない。

 ただ、何となく頭の中であの人は魚雷なんだと瞬時にそう判断してしまったみたいだ。

 そもそもその魚雷がなんなのかさっぱり分からない。形からして魚なのかな?

 でもあの人の体すごく硬そうだ。多分噛んだら歯が折れるね。間違いなく。

 確かに生足はセクシーだった。ただ、生足しか見られる箇所がなかった。

 だって生足以外は全部魚雷なんだもん!

 なんだよ魚雷って?世界観考えろよ!此処ファンタジーの世界だよ?

 剣と魔法とちょっぴりエロスのある世界だよ?なのに何であんな意味不明な物体が我が家の隣に越してきたの?

 僕の期待と興奮を返してよ!カムバック!セクシーなお姉さん!

 あぁ、まだ幼少期なこの魅惑のボディを駆使して麗しきお姉さんにお近づきになってゆくゆくは一緒にあんなことやこんなことして、そんな僕の淡い希望を根こそぎ奪うなんて酷すぎる!

 訴えてやる!控訴してやる!僕のガラスのピュアなハートはボロボロになったからその修繕費を支払わせてやる!

 

 あれ、なんかその魚雷がこっちを見てる。

 何?そんなつぶらな瞳で見たって僕の心は動かないぞ!

 やめろ!それ以上近づくんじゃない!僕はノーマルなんだ!

 

 お前みたいなモンスターなんて趣味じゃないんだ!

 大体なんでお前みたいな外見モンスターなんかが隣に越してくるんだよ!

 僕の隣はモンスターハウスかぁ!!

 

「誰がモンスターハウスじゃぁぁ!!」

 

「ぶへっ!!」

 

 怒号と共に僕の体は謎のモンスターの右回し蹴りをもろに喰らい石つぶての如くきりもみしながら地面へとその体を沈めるのだった。

 痛みは後になってじわじわと伝わってきた。

 

 ってか、超いてぇ・・・

 

「先生に向かってその暴言の数々、中々の問題児みたいギョラね」

 

 突然何を言い出すんだこいつは?

 と言うか、問題児?この人先生なのか?

 だとしてもこんな見た目モンスターな人になんて教わりたくないんだけどーーー

 

「どうやら反省してないみたいね。良いわ!貴方はこの私が直々に徹底的に指導してあげる。立派な生徒になって社会に貢献するギョラよぉん♡」

 

 何言ってんだこの魚雷は?

 

 僕を生徒にするだって?冗談じゃない!美人先生とかなら良いけどあんな見た目モンスターな先生なんて絶対に嫌だ!

 あ、ちょっと待って!そのロープは何?

 なんで僕のことグルグルに縛るの?

 先生と同じ魚雷になる為の授業?

 いやいや、僕人間だよ!魚雷になんてなれないよ!

 お願い!お願いだからやめて!誰が、誰が助けてえええええーーーーー

 

***

 

 こうして、幼き日の夢見る少年【ベル・クラネル】(当時8歳)は、後に魚雷先生と呼ばれる彼女【魚雷ガール】(年齢不詳)に無理やり生徒にされ一人前の魚雷になるべく授業(拷問)を強制的に受けさせられるのであったそうな。

 

 その授業と書いて拷問の数々はそれはもう過酷の一言だったそうで、あまりにも過酷故に今この場では語らないで置くことにする。

 その内本人の口から語られることだろうしーーー

 

 

そんなこんなであっという間に数年の月日が流れーーー

 

 

 

 立派に成長したベルは村の入り口にて魚雷先生と何故かサンバな格好をした祖父に見送られることになった。

 

「先生、今まで有難うございました!」

 

「立派に成長したギョラねぇ。先生はとても嬉しいわぁ!!」

 

 ハンカチを目に押し当てて魚雷先生は号泣していた。

 その横で何故かサンバの格好をした祖父が数匹のくまと共に激しいダンスを踊っている。

 

「僕は今からオラリオの街に行って、夢だった冒険者になります!」

 

「頑張りなさい!きっと今の貴方なら夢を叶えられる筈よ!」

 

「はい、有難うございます!先生!!」

 

「誰が先生じゃああああ!!」

 

「ぶべらはぁっ!!」

 

 怒号と共に猛烈な勢いの突撃を喰らい、ベルは大地に倒れ伏す。

 その横で、サンバ姿の祖父はいまだに激しいダンスを踊っておりーーー

 

「いつまでも踊ってんじゃねぇクソジジイ!!」

 

「ぐばはぁ!!」

 

 流石に目障りだったのか魚雷先生の突撃を喰らいこの祖父もまた大地に倒れ伏すのであった。

 

「い、いきなり何するんだこの魚雷野郎!」

 

「ガキの癖に生意気な口聞きやがって!てめぇら纏めてぶちのめしてやんよぉ!!」

 

「上等だこのモンスター!今こそ討伐してやるぁぁ!!」

 

「ーーーー♬」

 

 教師と生徒の別れの日、互いが激しくぶつかり合う。その横で一層激しく躍り狂う祖父。

 辺りに響き渡る拳と拳のぶつかる音。金属に思い切り手を叩きつけたときになる音。

 突撃する魚雷。ぶっ飛ぶベル。さらに追撃と空中で何度も突撃を喰らい舞い散る木の葉の如くひらひらと宙を舞う。

 祖父のダンスが更にヒートアップしていく。

 止めとばかりに空中を漂っていたベルに真上から魚雷が突進し、そのまま大地に激突し凄まじい衝撃があたりに響き渡る。

 それと同時に祖父のダンスが終わり、華麗なポーズを決める。

 観客のクマたちから拍手が大量に浴びせられる。

 

 

 恋愛劇場【僕と貴方と魚雷とダンサーと】公演終了

 

 

***

 

 思えば、この数年間はまさに地獄のような日々だった。

 突然隣に越してきた魚雷と名乗るモンスターにいきなり生徒任命され、その後は思い出すのも嫌になるような数々の授業と称した拷問をさせられる事になった。

 

 今、こうして僕が生きているのはまさに奇跡としか言いようがない。

 そんなこんなで僕は今日生まれ育った村を離れて晴れて独立し、夢だった冒険者になることになった。

 その昔、祖父が僕に教えてくれた事。

 

【冒険者とは、冒険と美女との出会いとそしてチョッピリのエロスの元成り立つものなのだ!】

 

 この言葉を胸に僕は冒険者になる事を決めた。

 そして、旅立ちの日ーーー

 

 僕は街行きの馬車に乗り込みオラリオの街に向かうことにーーー

 

「何してるのベル。貴方が乗る馬車はこっちよー

 

「へ?!」

 

 そう言って魚雷先生が指差す方にあったのはーーー

 

 

 

    ・・・【ロケット】だったーーー

 

 

 

 

「あの、先生・・・あれは一体なんですか?」

 

「見ればわかるでしょ?馬車よ」

 

「あれの何処が馬車なんですか?!第一馬は何処?車輪は何処?御者さんは何処ぉぉ!?」

 

「細かいことは気にしないギョラよ。貴方はもう立派な男の子なんだから」

 

「いやいや、そんなレベルの話じゃないから!大体どうやってアレに乗れって言うの?」

 

「勿論・・・こうやってーーー」

 

 そう言って魚雷が取り出したのは、過去に僕をグルグルに縛り上げた忌まわしきロープだった。

 そのロープで僕の体をロケットに固定して、即座に打ち上げるとの事だったそうな。

 

「発射5秒前ギョラ〜」

 

「離せ!降ろせ!僕はこんなので行きたくなんかない!僕は普通の馬車で街に行きたいのなんでこんなのでぇーー」

 

「発射!!」

 

 僕の言い分を完全に無視して発射のボタンを押す魚雷。

 さして、僕が括り付けられたロケットはそのまま青い大空へと向かい真っ直ぐに飛翔していく。

 

「うごごごごごごごおおおおおおおーーー!!」

 

 その日、僕は思った。

 

【もし、無事にオラリオの街に着けたら、その時は冒険者になろう。そして、いつかあの魚雷に復讐してやろう】

 

 

 そう、心に強く誓うのであった。




ただの冒頭なのに疲れました。
次回はいよいよベル君が冒険者になる・・・のかならないのか?
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