ダンジョンにハジケを求めるのは間違ってるだろうか   作:お通しラー油

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第12話 ビバ!借金生活!!銃とナイフとときどきアフロ?!

 ボボボーボ・ボーボボの死の報告は瞬く間にオラリオ全土にまで響き渡った。

 その報せを耳にした各ファミリアの反応は様々だった。

 

「まさか、あのボーボボが亡くなるなんて!?」

 

 とあるファミリアではボーボボの死をいまだに信じられず思うように動けなかったりーーー

 

「ふん、ついにくたばったか。これでこの小説の主役の座は我が物よ」

 

 とあるファミリアではこれを幸にと下剋上を企ててたりーーー

 

「ウキ!(ロン!」

 

「またお前の一人勝ちかよ」

 

 とあるファミリアではそんな事気にもせず享楽に勤しんでいたりーーー

 

「何故こんなものをオラリオに落とす! これでは人が住めない土地になってしまうぞ!」

 

「この私がこの地を粛清しようというのだよ!」

 

「エゴだよそれは!」

 

 とあるファミリアにおいては作品を間違ってたりととにかくさまざまな反応をしていた。

 そして、そんな中僕のいるヘスティアファミリアはと言うとーーー

 

 

「さんま様〜〜」

 

「我らが神さんま様〜〜」

 

「・・・何やってんだよお前ら」

 

 なんか変なのを祀ってた。ってか、なんだよさんま様って?

 

「ふざけてないでダンジョン行くよ! 今は少しでも稼がないといけないんだから」

 

「「へ〜い」」

 

 渋々ついていく二人に怒りが込み上げてきたが、そこはぐっと我慢するのが大人の対応だと思った今日この頃。

 ロキファミリアのボーボボが亡くなったのが今から数日前。

 別に他所のファミリアなんだし問題ないよね。なんて思ってたら豊穣の女主人から賠償金の請求が送られてきた。

 その総額は驚きの【1000万ヴァリス】余りの額にその時僕は思わず頭の中が真っ白になったのを今でも覚えている。

 

 ようやくすると、前回のお話でロキファミリアのボボボーボ・ボーボボが散々暴れ回ったせいで店内が滅茶苦茶にされてしまったと言うらしい。

 それだけ聞くと支払いは本来ロキファミリアに行くべきじゃないの? 

 て、思って質問したんだけどーーー

 

「実は彼の遺書にこう書き残されていたのですよ。【支払いはヘスティアファミリアでお願いします(笑】とーーー」

 

 なんだよその遺書。支払いはヘスティアファミリアにお願いって完全になすり付けじゃないか!

 しかも語尾の(笑)が尚更腹立たしい。

 正直こんなの蹴ってしまいたかったんだけど、そんな事をして神様の威厳にケチをつけるわけにもいかない。

 なので已む無く支払いをすることになってしまった。

 マジでどうしよう。僕らのファミリアってまだ出来たてほやほやの新米ファミリアなんだよ。

 団員なんて僕と非常食しかないのにこんな大金どうやって稼げば良いんだろう。

 なんて途方に暮れてた僕に神様がそっと手を差し伸ばしてくれたんだ。

 

「それくらいなら僕が一括で払えるよ」

 

「ま、マジですか!?」

 

 正直驚きすぎて目が飛び出すかと思った。

 後になって聞いた話なんだけど、神様がバイトでやってるアフロ屋さんがオラリオの街で大盛況ならしくその売上は月に数千万にも登るんだとか。

 もう僕がダンジョンで稼いだ額じゃ追いつかないほど神様が稼いでいたそうだ。

 しかし、そこで神様に頼ったりしたら僕の男が廃る。

 ここは無理してでも僕が払うべきだ!

 

「いえ、お気持ちは嬉しいですがここは僕に任せて下さい! 必ず完済して見せますから!」

 

「格好いいよベル君! そんなベル君が僕は大好きさ!」

 

 頬を赤く染める神様の顔に思わず心の中でガッポーズを決めたくなった。

 よし! この調子で神様のハートをゲットだぜ!

 

「いやぁん! べるきゅんってば大胆〜」

 

「もぉう! 私達って言ういい女がいながら他の女を口説くなんて〜。ベル君ってばケ・ダ・モ・ノ♡」

 

「黙れ珍獣ども!」

 

 腰をくねらせながら色っぽい演出をしてるようだが生憎僕は化け物相手に興奮するような性癖は持ち合わせてないのだよ。

 まぁ、同じ動きを神様がしたらきっと僕は興奮の余り卒倒するかも知れないけど。

 

「ふぅん。こんな感じで良いの?」

 

「いけるいけるぅ!」

 

「上手いぞヘスティアちゃぁん!」

 

「ごっふ!!」

 

 思った側から神様の悩殺ポージングに僕の理性はあっという間に崖っぷちまで追い込まれた。

 しかしそこを何とか凌ぎ切って見せましたよ!

 危なかった。あと少しで理性の崩壊を理由に神様を押し倒すとこだった。

 そんな事したら確実に神様に愛想尽かされる。

 ゲスい奴だと思われる。それだけは回避したい。

 僕の印象はあくまで奥手でピュアな少年なのだから。

 

 

***

 

 

 とにもかくにもまずはお金が必要になった。

 冒険者であれば金策と言えばダンジョンしかない。

 ダンジョンに潜ってモンスターを倒して魔石やレアドロップを換金しまくってお金を稼ぐ以外にはない。

 

「だけどなぁ・・・」

 

 僕はため息をついた。と、言うのも現状の階層では満足な稼ぎが望めないのが悩みの種だった。

 借金総額は一千万ヴァリス。

 明らかに大金だ。ベテランファミリアでさえそうポンとは出せない金額をよりにもよって新人の僕達が支払う羽目になるなんて。

 幸い期限は長めに取って貰えたから少しは余裕がある。

 でも今よりもっと下の階層に行ければさらに稼げる気がする。

 勿論それだけ危険も増すだろうがその分収入も上がる。

 今は多少のリスクを背負ってでもお金を稼がないと。

 その為にはギルドに行ってエイナさんに許可を貰わないといけない。

 許可なく下層まで降りるとまたエイナさんに怒られる。

 最悪鉛玉の雨を今度は僕に向けて来るかもしれない。

 それだけは避けたい。だって僕普通の冒険者なんだもん。

 

「にしてもよぉ。何だってまたギルドの許可が必要なんだ?」

 

「だよなぁ。黙って降りればバレねぇだろ?」

 

「お前ら、前にそれやってエイナさんに蜂の巣にされたの忘れたのか?」

 

 こいつらの記憶力のなさが時々羨ましくなってくる。

 まぁ、所詮ハジケリストの頭の中なんて一般人の僕には到底理解できないんだろうけどね。

 そんな訳で今僕はエイナさんの受け持っている受付前に来ていた。

 今僕は最高で5階層まで降りられることになってる。

 そこで、今度は一気に10階層まで降りられるよう許可を申請しに来たって訳だ。

 5階層でミノタウロスなんて言う凄いモンスターが出てきたんだからきっと10階層には更にやばいモンスターがウジャウジャしている事だろう。

 思わず身震いしてきた。これぞ冒険者だよね。

 間違ってもモンスター同士の下らない三文芝居を見せられるわけでもないし見るに堪えない下らない争いを見せられる訳でもない。

 己の全てを賭けて挑む命懸けのバトルがそこにはきっとある!

 あって欲しいなぁ。出来ればほんの少しで良いからあって欲しいなぁ。

 なんて思いつつとうとう僕の番が回ってきた。

 

「あら、ベル君。今日はどうしたの?」

 

「は、はい。実はーーー」

 

 思わず唾を飲み込んでいた。

 別にやましいことを言う訳でもないのにこんなにも緊張してしまうのは、単にエイナさんが美人だからとかではなく、少しでもしくじれば例の鉛玉が今度は自分に飛んでくるのではと言う恐怖によるものが大きい。

 だって、どう見たってあれ滅茶苦茶痛そうなんだもん。

 首領パッチや天の助が食らった時はあの二人ケロッとした顔をしてたけど、僕が喰らえば間違いなく即死する。

 そんな気がする。

 

「えっと・・・ダンジョンの階層なんですけど・・・」

 

「あぁ、ダンジョンの事ね。どうかしたの?」

 

「はい、実は・・・ある事情でどうしてもお金が必要になってしまって、それでその・・・」

 

「まぁ、要するに「今よりもっともっと深い階層に潜らせろこのクソビッチが!」って言いたいんだろ?」

 

「ちょっ、おまっ!!」

 

 渋ってたら横から首領パッチが口を挟んできた。

 しかも一言余計な言葉も添えて。

 急いで首領パッチの口を塞ごうとしたが、その時既に僕の背後ではエイナさんが何やら取り出してる音がした。

 振り返ると、其処にはいつもの受付嬢スマイルのエイナさんがいた。

 それだけならまだ良かった。

 

 その手に小型のマシンピストルさえなければーーー

 

 僕の体は僕が命じるよりも早くその場から飛び退いた。

 そのすぐ後に、マシンピストルの引き金は引かれ、銃口から鉛の弾丸がそれこそ雨のように放たれた。

 

「「ぎゃぁぁぁぁーーーー!!」」

 

 射線上にいた首領パッチと天の助の二人は見事に蜂の巣になってしまった。

 因みに天の助はだたのとばっちりだ。

 

「ひ、ひえぇ〜」

 

 口は災いの元。昔の人はいい言葉を残したものだと、僕は思った。

 

「それで、つまりベル君はどうしてもお金を稼がないといけないからさらに下の階層に行きたいと?」

 

「はい、そうなんです!」

 

「・・・・・・」

 

 途端に黙り込んでしまったエイナさん。

 もしかして、ダメだっただろうか? それとも先の首領パッチの言葉の怒りがまだ収まってなくて今度は僕の眉間にあの鉛玉をぶち込むつもりなんじゃ?

 

「本来なら冒険者になってまだ日の浅いベル君にはまだ早いと思うんだけれど、状況が状況だもんね」

 

「お願いしますエイナさん! このままだと僕、神様にお金を借りなきゃならなくなるんです! でも、それだけはしたくないんです!」

 

「それって、神様の、つまりヘスティア様の前で格好つけたいから?」

 

「えぇっと・・・は、はい・・・そんなとこ・・・です」

 

 まるで公開処刑を受けてる気分だ。

 だってしょうがないじゃないか!

 今僕のとこのファミリアの稼ぎでは冒険者の僕よりもアフロ屋さんをしてる神様の方が遥かに稼いでいるみたいなんだもん。

 だけど、男として憧れの女性の脛をかじるのはなんとも情けない気がしてならない。

 ここは出来る男として自分のまいた種は自分で刈り取るべきだ!

 

「なるほどねぇ。てっきりベル君はアイズ・ヴァレンシュタインにお熱かと思ってたけど、実際はヘスティア様に夢中だったって訳だ」

 

「あはは。おかしいですよね」

 

「そんな事ないよ。ベル君くらいの年頃ならきっと皆そんな感じだから。誰しも好きな子の前では格好良くありたいと思うものだからね」

 

「エイナさん・・・そ、それじゃーーー」

 

「でも、それはそれ。これはこれ。まだベル君には下の階層は早過ぎるよ」

 

「あうぅ」

 

 上げて落とされた気分だった。

 がっくりと肩を落とす僕にエイナさんの手がそっと肩に乗せられた。

 

「焦らないでベル君。君ならきっと凄い冒険者になれるよ。だから今は自分自身のレベルアップに励みなさい。大丈夫! 私もベル君のためにお金になりそうな仕事とか探しておくから」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 あぁ、なんて良い人なんだろう。少し怖いとこもあるけどこうして冒険者一人一人に親身になって接してくれるエイナさんに僕はさっきまでの絶望感が嘘のように消え去って行く感覚を覚えた。

 今ならミノタウロスだって倒せそう。倒す前にぶっ飛ばされたけど、今度は行けそうな気がする。

 

「ん?」

 

 ふと、耳元で小さな羽音が聞こえた。

 見ると僕の横で小蝿が飛び回ってたみたいだ。

 鬱陶しいなぁと手で払い除けようとしたその瞬間、目の前から小蝿は消え失せていた。

 

 

 壁の後方に何かが突き刺さる音が響く。

 頬に手を当てると僅かに湿っていた。

 見ると、赤い鮮血が指先にくっ付いている。

 振り返って壁の方を見ると、壁には一本のサバイバルナイフが壁に刺さっていて、その先端にはさっきの小蝿が絶命していた。

 

「この時期って小蝿が鬱陶しいんだよね」

 

 なんて事を笑顔で言ってるエイナさんだったが、その手には大振りのナイフが持たれていた。

 

(今後、エイナさんの言う事に逆らう事はしないようにしよう)

 

 そう固く誓う僕であった。

 

 

***

 

 

 その頃、オラリオ内においても1、2を争うと言われている強豪ファミリアと名高いロキファミリア内ではとんでもない事態が起こっていた。

 

「んななぁ! どうしたんやぁぁアイズたぁぁん!」

 

 響き渡る主神ロキの悲鳴。

 その悲鳴を聞いて駆けつけたベートらが見たのは、変わり果てたアイズの姿だった。

 どう変わり果てたかと言うと、なんと言うかやる気が全く感じられないと言うか萎れちゃってると言うか、とにかく全くハジけの欠片も感じられない状態になってしまっていた。

 

「ど、どうしたんだよこりゃぁ?」

 

「そうか! これはアイズたんの持ってるスキルのせいや!」

 

「はぁ? スキルのせいだってぇ?!」

 

 にわかには信じられないと言った顔のベートに、ロキは懐からアイズのステイタスの写しを手渡した。

 其処には、彼女のステイタスが事細かに記されていた。

 

 

 

 

あいず・ゔあれんしゆたいん

 

 

 

 

れべる:いち

 

 

 

 

「はぁ!?」

 

 これにはベートも思わず声を出した。

 そりゃそうだろう。彼女のレベルは皆が把握してる限り5だった筈。それが今見せられてるステイタスには何故か1と表記されている。

 しかも表記の文字のやる気がまるで感じられない。

 文字もグニャグニャだしところどころひらがなになってるし。しかも小文字のところが大文字のままなので読み辛い事この上ない。

 

「何だよ、これ?」

 

「今朝測ったアイズたんのステイタスや」

 

「いやいや、おかしいだろ! なんで下がってんだよ! しかも何だよこの文字のやる気の無さは?」

 

「詳しい事はさらに下の方を見てからにしてや」

 

 言われるがままにベートは他のステイタスにも目を通してみた。

 

 

 

 

ちから:たぶんあるよ〜

 

 

まもり:たぶんかたいよ〜

 

 

きよう:たぶんあるよ〜

 

 

はやさ:たぶんはやいよ〜

 

 

まりょく:たぶんすこしはあるよ〜

 

 

 

 

「なんっっっっっだ! これはぁ!?」

 

 盛大に叫びだすベート。ステイタスの時点でやる気が全く感じられない。

 って言うかこれは強いのか弱いのか全く分からない。

 ロキに理由を問い質したかったが、その前にスキルの方にも目を通す事にした。

 もしかしたらスキルが原因かもしれないし。

 

 

 

 

【アフロ依存症】

・定期的にアフロ成分を摂取する事で症状を抑えられる

・発動すると全てのステイタスが最低値にまで下がる。かつ、やる気がなくなる。

 

 

 

 

「・・・・・・何、これ?」

 

 原因は分かった。だが、こんなスキル見た事がない。

 スキルと言うか最早バッドステータスみたいなものだし。

 

「アフロ依存症って・・・そうか、今まではボーボボがそばに居たからこの症状にならなかったのか」

 

「そうみたいやな。せやけど今うちにはボーボボがおらへん。そのせいでアイズたんはアフロ依存症に陥ってしまったんや」

 

「うん、事情は分かったけどやっぱ理解出来ねぇ」

 

「もうこの際や! ベート、今すぐアフロにしてきぃや!」

 

「はぁぁぁ!? ふ、ふざけんなよ! 何でわざわざアフロにしねぇといけねぇんだよ!」

 

「お願いやぁ! 私のアイズたんを助ける為やと思って頼むわぁぁ!」

 

「ふっざけんじゃねぇよ! だからってアフロになんて出来るか! あんなただ髪がモジャモジャしてるだけの奴になんてなれる訳ねぇだろ! 恥ずかしくて街も歩けねぇよ!」

 

「せやかて工○〜」

 

「誰だよ○藤って?」

 

 ギャーギャー喚き散らすロキとベートの二人。

 果たしてアイズ・ヴァレンシュタインは無事にアフロ依存症から抜け出すことができるのだろうか?

 そして、ベート・ローガは無事にアフロヘアーにのれるのだろうか?

 

「俺がアフロになる前提で話進めるんじゃねぇ!!」

 

 




 ボーボボがいなくなった事でアイズさんのステイタスが滅茶苦茶下がる羽目に。どうなるロキファミリア?
 そして借金返済に向けてどう動く?我らがベル君
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