ダンジョンにハジケを求めるのは間違ってるだろうか 作:お通しラー油
僕に声をかけてきた女の人はどうやら神様だったらしく、名を【ヘスティア】と言うそうだ。
そんな神様の誘いを受けて神様の名をつけたファミリアへと入団した僕は今現在・・・
「・・・・・・」
いかつい顔をしたモンスター二体に睨まれまくってます。
原因はどうやら挨拶する前に逃げ出したからだそうで、そのせいなのか先輩と自称するこのモンスター二体は酷くご立腹でした。
「おいごらてめぇ、先輩に挨拶する前にエスケープ決め込むとか何考えたんだぁ?」
「す、すみません」
「謝れば良いって問題じゃねぇんだよ!俺らの顔に泥塗りやがって!ぶっ殺されても文句言えねぇぞオラァ!」
僕の目の前に立ってるオレンジ色のモンスターがそう言って木の枝を振り回して威嚇してくる。
正直言ってめっさ怖いんですけど。
なんとなくあの魚雷先生と同じ匂いがして過去の古傷が疼いてくるんですけど。
今すぐ逃げ出したい。それで出来ればもっとまともなファミリアに入りたい。
「まぁまぁ、そこまでにしておこうじゃないか首領パッチ君」
そう言って止めてくれたのはなんか高そうな椅子に座り全身「ぬ」と書かれた趣味の悪いスーツを着てサングラスを掛けた天の助が葉巻をくわえながら余裕たっぷりに言ってきた。
それを受けてか首領パッチも渋々その場を後にする。
「済まなかったね若いの。うちの若い奴らは皆血の気が多い奴ばかりでねぇ。こうして度々揉め事を起こしたりするんだよ」
「は、はぁ・・・」
「ここは私の顔に免じて許してはくれんかね? 勿論タダでとは言わないよ。お詫びの印にこれをあげよう」
そう言って懐から何かを出した天の助。
黙って僕はそれを受け取ると、出されたのは「ところてんギフトセット」と書かれた箱詰めだった。
正直要らないーーー
「是非とも【主食】で食べてくれたまえ」
「は、はぁ・・・分かりました。【副菜】でいただきます」
「てめぇ舐めてんのかゴラァァォァ!!!」
急にキレ出したよこのゼラチン質のモンスター。
さっきまで妙に紳士的だったのにいきなり「や」のつく人みたいに絡んできたよ。
ってか、人の胸ぐら掴んでガクンガクンと前後に揺らさないで欲しいんだけど。酔いそうーーー
「ほら、良い加減どきな!」
「「ぎゃっ!!」」
そう言うなり神様がどこから持ってきたのか巨大な大槌のフルスイングで二体を壁際へと吹き飛ばしてくれた。
助かったんだけど、今後僕もアレを食らうのかと思うと身震いがしてきた。
「ごめんね。アレでも一応使い道があるからこうして置いてるだけなんだ」
「つ、使い道・・・ですか?」
ぶっちゃけ全くなさそうなんだけど。
「さてと、それじゃ早速君と契約したいんだけどいいかな?」
「あ、はい!大丈夫です!」
もうこうなれば腹を括るしかない。
そんな思いで僕は目の前の神様と契約を結ぶことにした。
正直あのモンスター二匹が居なければ快適なんだけどなぁ。
神様美人だしーーー
「えっと、僕と君が契約すると君に神の恩恵を授けることができて【ステイタス】の表示ができるようになるんだよ」
「へぇ、そうなんですか」
「因みにだけど・・・あそこの二匹も契約してるんだよね」
「ふぉぁ!?」
余りのショックに変な声が出てしまった。
それを聞いていたのかさっきの二匹がとても嫌味ったらしい顔でこっちにやってきた。ってか、また僕に絡んできた。
「よぅよぅ後輩君よぉ〜。俺らのステイタス知りたいんだろ〜?」
「教えてやっても良いんだゼィ〜」
うざい。マジで凄くうざい!!
ぶっちゃけこいつらのステイタスなんて全く興味ない。だけど確認しないとどいてくれないみたいだしそれだと一向に僕の契約が進みそうにない。
「み、見てみたい・・・なぁ?」
「「はぁ?」」
「ど、首領パッチ先輩と・・・ところ天の助先輩のステイタスが・・・見てみたいなぁ・・・」
思いっきり作り笑顔で言ってみたが内心はらわたが煮え繰り返る思いだった。
これでゴミみたいなステイタスだったら生ゴミで出してやる!
「やれやれ、しょうがねぇなぁ〜」
「そんなに見たいんならしょうがねぇから見せてやるよ〜」
きぃぃぃぃーーー!
何こいつら?マジで人をイラつかせる事しか出来ないの?
イライラをどうにか抑え込んで、二人が持ってきたステイタスの写しを手に取り見てみた。
首領パッチ
トゲレベル :やばい
トゲの鋭さ :マジやばい
トゲの艶 :きらめき
トゲの本数 :あるんじゃね?
トゲの美味しさ:美味いんじゃね?
トゲの魅力 :意外とセクシー
なんっっっっだこれ?
余りの数値?に言葉が出なかった。
ってか、トゲの事しか書いてないし。しかも途中から投げやりになってるし。
次に天の助の方を見てみた。
ところ天の助
ぬぬぬぬぬぬぬ
ぬぬぬぬぬぬぬ
ぬぬぬぬねぬぬ
ぬぬぬぬぬぬぬ
ぬぬぬぬぬぬぬ
ぬぬぬぬぬぬぬ
「ぬ、しかねぇぇぇーーーー!!」
天の助のステイタスはさらに酷かった。最早「ぬ」しか書いてないからだ。(しかも一部 ね が混じってたし)
こんなステイタスで何を理解しろと言いたいのだろうか?
正直目の前で勝ち誇っているこいつらの心理が理解できなかった。
ステイタスがこんな具合だったのでもしやスキルの方もなんではと思いそちらにも視線を向けてみた。
首領パッチのスキル
『ハジケリスト』
・ハジケた奴らの総称
・ハジケた行動をするたびにステイタスが上昇する(上昇幅はハジケ具合により変動する)
・HPが0にならない(要するに死ななくなる)
・思考が常にハジケた思考になる(本人は至って真面目にしてるつもり)
・とあるレアスキルが弱点
・比較的誰でも取得可能(一部例外あり)
『ヒロイン補正』
・物語のヒロイン的存在になり切る(自称)
・それ以外特に意味のないスキル。ぶっちゃけ取るだけ無駄なスキル
『主人公補正』
・物語の主人公的存在になり切る(自称)
・ヒロイン補正と同じく取るだけ無駄なスキル
『トゲ補正』
・身体に生えたトゲの質、鋭さ、艶等のステイタスにボーナスが発生する
・トゲの本数によりその効果は倍増する
『変態(メタモルフォーゼ)』
・様々な姿に変態が可能になるスキル
・何に変態するかはその日の気分で決まる
『非常食』
・食べると美味しい
・ただそれだけ
OHーーー
正直ステイタスが意味不明ならスキルも意味不明なのばっかりだった。
なんだよこのハジケリストのぶっ壊れ具合は。
要するにこのスキルを持ってれば死なないって事なのか?
もしかしてどのファミリアでも入団拒否を食らったのってこのスキルを持ってなかったから?
そんな馬鹿な?!
そんで、このヒロイン補正と主人公補正のゴミ具合がまたなんとも言えない。
何だよこれ。取るだけ無駄なスキルをなんでこいつは二つも持ってんだよ?
何だよトゲ補正って?
トゲのステイタス上げたって意味無いじゃん?
それで、一番ツッコミたいのがこの非常食って言うスキルだった。
え?何?こいつってまさか食べれるの?
まぁ食べないけどーーー
首領パッチでこれだったのだから天の助のスキルなんてまともじゃないんだろうなぁーーー
そう思いながらも結局目を通したのだがーーー
天の助のスキル
『ハジケリスト』
以下同文故省略
『主食補正』
・主食として食されるとステイタスにボーナスが掛かる
・主食以外で食されると効果は発生しない
『ゼラチン質』
・体がゼラチン質でできている事
・だから何だと言いたくなるスキル
・触り心地はわりと良い
『ぬ 補正』
・ぬを崇拝する事でステイタスにボーナスが発生する
・ねが混ざると効果は発生しない
『変態(メタモルフォーゼ)』
・以下同文故省略
『非常食』
・以下略
『ぷるぷる真拳』
・ぷるぷる真拳が使える
こいつもかーーー
予想はしてたけど天の助のもひどい。
まず主食補正ってのが意味わからない。
そもそもところてんを主食になんて食べない。
そこは普通パンとかライスだろ?
あと ぬ 補正も意味わからない。
なんだよぬを崇拝するって?
勝手に崇拝してろよ!後、ステイタスの中に ね が混じってたからどの道このスキルも意味無いものになってるし。
ゼラチン質って、そもそもスキルにする必要ないんじゃないの?
だってただプルプルしてるだけじゃん!
後、こいつも食べれるんだ。食べないけど。
と、こいつも意味不明かつ意味ないスキルばっか持ってたのだが、一つだけ気になるスキルがあった。
「ぷるぷる真拳?」
何かの技なのだろうけど、まぁどうせ使えないんだろうから無視してもいっか。
一通りステイタスに目を通したお陰かそれに満足したのか二匹は引き下がってこちらに向かい嫌みったらしい笑みを浮かべていた。
多分、この後公表される僕のステイタスを見てボロクソに行ってくる気だ。
まぁ、あんな意味不明なステイタスを持ってるあいつらに何言われても気にしないつもりだけだーーー
「さぁ、ちゃっちゃと済ませちゃおうか」
「あ、はい!お願いします」
神様に言われるままに上着を脱いで素肌を晒す僕。
注意しておくけど、上半身だけだからね。間違っても下まで脱いでないから!
下はちゃんとズボン履いてるから。
そうして横になり、その上に神様がまたがる形をとる
あ、魅惑の太ももの感触がーーー
思わず意識してしまいそうになり必死に平静を装うことに集中する事にした。
頭の中で必死に素数とかを数えて邪な事を考えないように努める。
123456789・・・太腿、生足、ボイン・・・
ダメだぁぁぁーーー!!
なんか素数数えようそしてただ適当に数字数えただけだし、そもそも僕素数なんて分からないし、結局頭の中は神様の魅惑のボディ一色に染まってしまい頭から煙が出る勢いだった。
やばい、今の僕の顔を見たらきっと神様ドン引きする筈。
早く元の顔に戻すんだ。その為には深呼吸して気持ちを落ち着かせてそれからそれからーーー
「終わったよぉ。写しもしておいたから確認してね」
なんてこったい!!
僕が落ち着くよりも前に終わってしまいその場から動けずにいた。
やばい!今動いたら確実にやばい!
顔が真っ赤なままだし、何よりーーー
「へぇ、ベルのステイタスか。どんなステイタスになってんだ?」
「先輩の俺らが確認してやんよぉ」
動けない僕を横目に首領パッチと天の助が僕のステイタスの写しを奪い取りそれを見た。
すると、さっきまで余裕の表情を浮かべていたこいつらの顔がみるみる青ざめ出していった。
「「ひ、ひいいいいいーーー」」
変な叫びをあげながら壁の隅に逃げてカタカタと震えだす二匹。
一体僕のステイタスの何を見てあんなに怖がったんだ?
どうにか落ち着かせて動けるようになった僕はその足で床に落ちた僕のステイタスの写しを拾い、それを見た。
ベル・クラネル
LV:魚雷
力:ぎょらい
耐久:ギョライ
器用:gyorai
俊敏:GYORAI
魔力:対空ミサイル
ベル・クラネルのスキル
『頑強』
・数々の困難(拷問)に耐え抜いた鋼の精神と肉体を持つスキル
・耐久力がめちゃくちゃあがる
『ツッコミ』
・ボケに対してツッコミを入れるスキル
『不屈』
・絶望的状況から生還できるスキル
・状態異常に高い耐性を持つ
『封印』
・一部能力を封じられてる状態
・解除する事で秘められた能力を使用可能
『魚雷の教え子』
・魚雷の気持ちになる事でステイタスにボーナスが発生する
・対空ミサイルがあると更に倍増する
『???』
・まだ発現していないスキル
・あるアイテムを所持する事で開眼する
『???』
・まだ発現していないスキル
・あるスキルを極めると開眼する
『融合』
・変態スキルを待つ者と融合出来る
・融合時間はおよそ1分間(一部例外あり)
・・・・・・
言葉がなかった。
さっきまで首領パッチや天の助のステイタスが意味不明だと言ったが、まさか自分のステイタスまでもが意味不明だったとは。
結構、と言うかかなりショックだった。
んで、なんでこれを見てあいつらはあんなにビビったんだろうか?
まぁ、別にどうでもいいか。
そりゃあの魚雷から仕込まれればこんなスキルになりますよね
『???』のスキルはきっとボーボボファンならわかるやつかも?
ネタバレ禁止ですよww