バ美肉パパは駄弁りたい   作:675465

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お菓子について話しましょう

 

『皆さん、こんティアー。マネッティア・ブルースターです』

 

こんばんわー

どうもこんばんわー

 

コメント欄に挨拶のコメントが書かれている。まだ配信を始めて短いが、こうやってコメントを貰うのは嬉しいものだ。

 

『はい、皆さんコメントありがとうございます。まあ二回目何ですけれども、皆さんと一緒に楽しく放送していきましょう。』

 

はーい、

初見です

 

あ、初見さんだ。興味を持って見に来てくれたのであろうか。

 

『あ、初見さんですね…こちらの放送を見ていただきありがとうございます。それでは、今回の会話デッキの内容について考えていきましょう』

 

一度言葉を切り、改めて言葉を発する。

 

『今回のテーマはこちら!「おしゃべりにおススメのおやつ」です!』

 

おやつ?

なんでおやつなんです?

会話のテーマとしてはおかしくないか?

 

コメント欄に少し困惑のコメントがある。まぁ、きちんと説明を入れておこう

 

『まぁこれを選んだのは理由があるんですよ…皆さんは友人や家族と会話するときってどのような時ですか?』

 

まぁ、友達なら友達の家とかかなぁ

自分はファミレスでご飯食べたりだとかしているかなぁ

家族とは基本家で会話するだろうしなぁ

 

『そうですよね…皆さんは友達や家族とおしゃべりするときはそのような場所で会話しますよね。で、皆さんはその時にお菓子や飲み物を用意しますよね?』

 

あー、確かにね、

友達の家に行くときはお菓子とかジュースを買っていくわ

 

『そうですよね?お話をするだけでは口が寂しいですし、のどが渇いたりして気分が少し沈んだりしますよね。私自身も、何もなしにずっと会話できるわけではありませんし』

 

少なくとも私の場合ではあるが、最低でも飲み物の一つは用意している。

 

流石に何か飲み物の一つは無いと厳しいわな

会話の楽しみのアクセントにもなるからな、お菓子は

 

あ、このコメント良いな

 

『お、良いコメントありがとうございます。そうです、ただおしゃべりをするためだけにお菓子を食べるのではなくて、お菓子から会話をつなげるためにも、皆さんにはおススメのお菓子を選んで、決めていきたいというわけです』

 

了解

一応聞くけどどんなのがいいか指名はある?

 

『そうですね…あまり凝ったようなものは避けたいですね。準備などに手間取ってしまうとおしゃべりをする時間そのものが少なくなってしまいます。なので、多くても二つくらいにしましょうか』

 

大掛かりなものを用意してしまえば、その分片づけなどに時間がかかってしまうだろう。それは出来るだけ避けたいと思う

 

分かったよ

そうだね、だったらアイスとかどうよ

 

『なるほど…アイスクリームですね、アイスにも種類がありますし、色々な味とか選択出来てよさそうですね。何味のアイスクリームがいいでしょうか』

 

定番だとバニラかチョコレート

いや待て、ここはチョコミントを押すべきでして…

いやいや、ここはストロベリーをだな

 

しまった。コメント欄で会話が始まってしまった…とにかくこの場を抑えないと

 

『あー…コメントがすごい勢いで流れていきますね…とりあえず、ここは定番の味であるバニラとチョコレートで良いでしょうか』

 

ストロベリーは?

だからここはチョコミントを使うべきであってな

 

ここは強引に感じるであろうが切らせていただこう

 

『いや、皆さんが押している味もとても良いものだと思っています。しかし、あまり数を用意しても食べきれるわけではありませんし、私自身もちょっと食べきる事が難しいと思います』

 

分かった、確かに多く準備するのは難しいわな

ここは配信者が決めたことに従うまでだな。

 

『皆さん、私のわがままに合わせていただきありがとうございます…もちろん、これ以外にあげていただいた意見については、また別の日に参考にさせていただきます』

 

ええよ

また別の日に使ってくれるならいいよ

 

『はい、ありがとうございます…うーん、アイスだけじゃ少し物足りないですね…あと一つ追加して、飲み物も考えていきましょうか』

 

オッケー

あと一つね

 

『そうですね…一つはアイスクリームで決定しているので、これにトッピング出来そうなお菓子がいいですかね』

 

これに合うお菓子かぁ

 

やはり種類が多いから難しいだろうか…

 

個人的にはビスケットがいいぞ

 

あ、良かった…意見が出てきた

 

『ビスケット、ビスケットですね…これはバニラとかに添えて一緒に食えるといった感じで良さそうですかね』

 

一緒に食べてもいいし、砕いて混ぜて食べてもいいぞ

 

『分かりました。二つ目のお菓子についてはビスケットで良いですね。あとは…これに合う飲み物ですね』

 

これに合う飲み物か

二つとも甘いものだからね

 

『そうですよね、これについてはビスケットが候補に入っているので、炭酸系はちょっとキツイかもしれませんね』

 

一度やってしまったことがあるが、あれはすさまじく喉が痛くなってしまった。

 

ビスケットはまぁパサパサするからね、喉にはあまりよろしくない

これには牛乳とか、カフェオレとかが良いのでは?

 

『なるほど…ここは後者の意見を採用させていただきましょうか。と、言うわけでして今回用意する飲み物はカフェオレで決まりですね』

 

了解

今回は良い感じにまとまったのでは?

 

『ええ、皆さんのおかげで大体の内容が決まりましたよ!それでは早速ですが、こちらの案で準備の方を進めさせていただきます』

 

配信を終える準備をする。さっさと買い物に行ってこよう

 

え、もう準備するの?

早くない?てっきり後日にするのかと思っていたんだけど

 

『ええ、そうですよ?善は急げ、こういうのは出来るだけ早めに行動に移さないとですよ?なので申し訳ありませんが配信はここまで、すぐに準備に移りたいと思います』

 

コレで配信を終わらせようとするのは草

 

そのようなことを言われたとしても、今日の配信を続けるようなことはしない。

 

『なんと言おうとここで配信は終わらせていただきます。それではみなさん、お疲れ様です。さようならー』

 

さようならー

お疲れさまでした

本当に終わってしまった…

 

 

「…さて、と」

 

配信を終え、パソコンの電源を落とし時計の時間を確認する、時計の針は午後二時を指していた。このくらいの時間なら、買い物に行って帰ってくるだけの時間は取れるだろう。

 

「…いつものスーパーに行きますか…」

 

家の玄関を閉め、普段の生活から使う自転車に乗り最寄りのスーパーに向かう、季節は三月。少し寒い風が吹いてはいるが日は照っており、穏やかな温かさを感じる。

 

「…あの娘も、もう高校二年生か…」

 

娘の今宵は今年で高校二年生になる。学校では何をしているのだろうか、何度か聞いてみたのだが、帰ってくる言葉は学業の話や授業で何を学んだのだといったものである。

 

「…友達と仲良くしていてくれたらいいんだけどね」

 

人生の中でも最も心の成長が大きいであろう思春期、その中でも最も多くの経験を得るのは高校での生活であろう。その高校で得た経験はその後の人生において、きっと宝物になることであろう

 

「…今日は友達の事、話してくれると嬉しいな」

 

そう思いながら自転車を漕ぐ足に力を籠める、背中のほうから暖かい追い風が吹いているように感じ、少し漕ぐのが楽になるような気がした。

 

 

「ただいまー」

「…ああ、お帰り、今宵」

 

玄関から帰ってきた娘に声を掛ける、ちょうどいいタイミングで帰ってきてくれたようだ。

 

「今宵?いまちょっと時間ある?」

「んぇ?時間?、まぁ一応あるけれども」

「…だったらさ、少し、お茶でもしない?」

「うん、いーよ」

 

台所から、コップとスプーンをそれぞれ二人分ずつ用意する。そしてテーブルの真ん中にお皿を置き、その中に買ってきたビスケットを入れる

 

「ん?これ、アイスクリームを買ってきたの?」

「…うん、そうだよ。あと、アイスだけじゃ寂しいかなって思ってビスケットとカフェオレも買ってきたんだ」

「ホント?早く早く!出して出して!」

「…はいはい、今コップに注ぐから待ってね」

 

コップにカフェオレを注ぎ、娘に渡す。受け取った娘はすぐに席に着き、早速アイスクリームを食べ始めたようだ

 

「…アイスは美味しい?」

「いや、なに言ってんの?アイスは美味しいのは当たり前では?」

「…そう言う事ではないんだけどね、うん…美味しいのならよかったよ」

 

何を言ってんだろう…というような表情を向けられた後、アイスクリームを食べ始める。ゆっくりと味わっているのであろう。一口一口ゆっくりとスプーンで運んでいる。その時の様子といえば、ほっぺたを膨らませてもぐもぐとしている。

はぇぇぇぇ…すっっっごくかわいい…

「…今宵」

「ふぁい、はんへひょうか」

「…学校はどう?もうすぐ二年生だし、何か面白いことはあった?」

「んくっ…別に、何も変わってないよ、勉強は大丈夫だし」

「…そう」

 

学校のことを尋ねると、いつもこのように返される。友達と何を話したのか、どんなことが流行っているのかはあまり教えてもらえない。

ちょっと話が変わるが、アイスの話に持っていこう

 

「…まあいいや、それよりもアイスは美味しい?」

「うん!、凄くおいしいよ」

「…今宵はどっちのアイスが好き?」

「私が好きな方?そりゃぁもちろんチョコアイスでしょ!」

「そうなんだね…私はバニラのほうが好きだよ」

「いや、バニラよりもチョコのほうがいいだろ!最強なんだぞ!」

「…いや、チョコだけだと飽きてくるからバニラも好きになってあげて?」

「はい?元から好きなんだが?」

「…どういたしまして」

 

何を言っているんだろう…という表情を再度向けられる。この場合には素直に引き下がるのが大人と言うモノであろう。

その後、少し言葉を挟みつつゆっくりとした時間が過ぎてゆくのであった。


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