魔法剣士と異世界の姉妹 作:ニック
「パパ〜!!」
「よっと。全く何もされてないか?」
「うん!!ユエお姉ちゃんと遊んでもらっていたです」
「そっか。よかったな」
と俺は戻った途端リンが飛び込んできたので受け止めると抱っこしてやるとえへへと言いたげなとびきりの笑顔で出迎えてくれる
やっぱり戻ってこれる場所があるっていいよなとしみじみと思っていると
「むぅ。子供羨ましい」
「リンはお父さんが大好きだから」
呆れた様子のミオには少しだけ何か言いたいが俺は無視を決め込みリンを肩車する
そういやハジメだったんだな
「そういや、お前ってハジメのなんだ?」
「ハジメ?もしかしてハジメの知り合い?」
「知り合いつーか、昔から家族みたいなもんだよ。まぁ幼馴染の瀬川匠だ」
「……瀬川匠?ハジメがよく話していたタクミのこと?」
「ん?俺のこと話してたのか?」
「うん。いつも守ってくれた英雄みたいな人って」
う〜ん。俺はそうは感じないけど
「いや、俺自身ワガママばっかで色々連れ回していたからなどちらかというと子供ぽいって感じだけど」
「…?そうは見えない」
「まぁ他人がいる前では頼りがあるように見せているだけ、本質は一人が怖いんだよ……俺って両親から愛されたことなんてないしな」
「えっ?」
「俺本当の父親の顔知らないんだよ。それどころか再婚は三回しているし」
実際俺にとって父親っていうのがもはやなんかよくわからないのだ
「……だから家でも煙られたがっているからな。悪意の視線には慣れているんだよ……だからそういう苦労をさせたくないからな」
「……そう」
「まぁ、スラムにいるしうまく父親をやれているか疑問なんだよな」
俺は愛されたことがないし、家に家族もいない
だからせめてこの二人だけは寂しい思いをしているかもしれない
笑顔で大人になって、どっちの世界に住むにしろ大人になるまで育てあげたい
「……大丈夫だよ」
「ん?」
「私はお父さんがお父さんでよかったと思う。例え血が繋がってなくてってね。それに、リンがそこまで笑顔になったのってリンを初めて見た時は本当に驚いたよ。もちろん私も」
俺はぽりぽりと頭を掻いてしまう
少しだけ気を使わせてしまったかな
「ならよかった。それならハジメのところに行くか」
「行くんですか?」
「ん?」
スラムの仲間たちが俺を見る
不安そうなこと。裏で教会から追われているという立場が俺を支配している
「あぁ。ちょっくらダチを救ってくる」
「そうですか。……ありがとうございました。俺たちに知識を教えてくれて」
俺は少しだけキョトンとしてしまう。
「…俺たちのことも差別しませんでしたし、なんだかんだで飯を余裕があるときは分けてくださいましたし」
「別に。というよりも渡さなければお前俺から離さなかったじゃねーか」
「そ、そうでしたか?」
「そうだってつーかここにきたとき俺に怯えていたじゃねーか」
と軽く軽口を叩く。少し名残惜しいがここでお別れだ
「まぁ、それじゃあ行ってくる」
「はい。願わくは二度と戻らないようにな」
「あぁ」
と言い軽く小突き合う
これはスラムからでる言葉だから仕方ない
俺はここでも居場所を築けていたんだなと少しだけ胸に打たれながら俺たちは指定された場所へとむかった
「……なんで車?それもどこかキャンピングカーに似たものか?」
「そういや、お前映画は見ないんだっけ?」
「見ないな。元々ドラマとかが苦手っていうのもあるんだけど……」
「あの、ハジメさん?本当に連れて行くんですか?」
「うむ。妾も心配じゃのう。一応殺人鬼として知れ渡っているのじゃ」
俺が同行すると後ろの二人の女性が聞く
えっと?見たことがない二人だな
「誰だ?」
「シアとティオだ」
「了解。兎人族の残念な方がシアで、変態の方がティオだな」
「「「えっ?」」」
するとハジメ以外の全員が絶句している。ん?どうした?
「あの、死神さん?何でそんなこと?」
「は?ハジメ今そう言っていたじゃないか?」
「……私にはシアとティオだとしか聞こえなかったんですが?」
「そうか?シアの名前を呼んだ時どこか惜しいなって顔をしていたからシアは残念だと思って、ティオって呼んだ時はどこかSって時のハジメが出ているし、ユエさんが少しティオさんを見て残念そうに見てたから変態なんだろうなって」
「こいつ昔から両親の機嫌を損なわないようにしてきたから人間観察って分野では昔から化け物なんだよ」
まぁ、その事実はそうだけどな
もとより最初の頃は褒めてほしくて、ずっと両親の機嫌をとっていたからな
まぁいつのまにか諦めてしまったことだったけど
「……それに、俺にとっての家族に近いものだからな。奈落に落ちる前も、ずっと俺を守ろうとしてくれた。今だって姿や顔が変わっても俺って一目見ただけで俺って分かったんだ」
「分かるだろ。なんとなくだけど」
「俺がいうのもなんだけどおかしいからな。つーかお前その二人は?」
「娘。スラムで拾ったから血は繋がってないけどな。立場的にも俺の娘ってしていた方がいいし、それに……どっちにしろ俺にとって大切なものには変わりはない。俺に感情を取り戻してくれたのはミオとリンだから」
するとハジメは苦笑する。魔人族でありながら今二人は俺の腕と背で爆睡している。どうやら遊び疲れてしまったらしく二人はウトウトしていたので俺の手で寝てしまったのだ
「……迷惑かけたな」
「別に……俺のせいでハジメは奈落に落ちたって言っても過言ではないし、それに少しだけ色々なことを聞けたから別にいいさ。それよりももしかしたら嫌かもしれないけど、ちょっとだけオルクスの大迷宮によっていいか?」
「オルクスの大迷宮?何でだ?」
「……ちょっとだけ義理を果たしたいこととミオについて確かめたいことがある。白崎や八重樫にも謝らなくちゃいけないしミオの願いを叶えないといけないしな」
すると首を傾げるハジメに俺は少しだけ息を整える
「ミオが言っていることが正しければ、次魔人族が狙うのは勇者たちだからな」
俺がそう冷たく告げる……するとハジメの顔が変わる。
その一言で、次の目的地が決まるのであった
恵里をヒロインに追加するか
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する
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しない