魔法剣士と異世界の姉妹 作:ニック
「……はぁああ。」
「っ!」
あれから二週間がたち、タクミはリリィの近衛騎士団の人と戦っていた
タクミの戦い方は少し異常であり、そして何よりもやり辛いと次期団長と噂されているクゼリー・レイルは感じていた
というよりも明らかに剣技は勇者や剣士である雫よりも劣っているのは分かる。
だからといって一番弱いと言われたらそれは異なった
それは緩急の使い方が誰よりも上手い。
一度離れたと思ったらすぐ直前まで接近されていたり、反対に攻撃をしようと仕掛けた矢先にはすでに間合いから外れていたりする。
つかみどころがないので仕掛けるにも一歩が遅れてしまう
実はこれは身体強化が影響していた
レベルが15に上がり獲得したスキルポイント魔力操作の派生身体強化と部分強化、変換効率上昇IIをあげたことがきっかけだった。
タクミ自身剣術では絶対に勝てないって分かりきっていた
だから小技で勝負をしているのだ。
相手の動きを見てそして行動する
ステータスのアドバンテージを活かした戦い方は即実践でも戦えるとメルドに報告するほどであった。
だからといって才能がないとも言い切れない。最初不真面目な生徒であると感じていた少年は真面目に取り組みそして技術を吸収していった
するとパ〜ンと鋭い両手剣用の木剣の音は聞こえる。
どうやら足を狙った攻撃が当たったらしく結果はタクミの勝利で終わった
「そこまで。」
「……って大丈夫っすか?足元狙ってしまって。」
「えっ?いや。」
と足元を見ると少し腫れてしまっているのを見てしまうタクミ
「少し強く叩きすぎました。すいません。」
「えっ。使徒様が謝らないでください。これくらいなら大丈夫ですから。」
「……少し我慢してくださいね。」
とタクミが軽くひょいっと持ち上げるタクミ。
女性騎士はあわわと顔に熱を持ちながらキョロキョロしていた
「すいません。ちょっと白崎のところに行ってきますね。怪我させてしまったらしいので。」
「あ、あぁ。」
クゼリーさんは苦笑し許可を出すとタクミが身体強化を使って香織の元へ向かう。
実はこれは始めてではない。クゼリーの部下は女性が多いこともあり何かと戸惑っていたが、少数の男性陣と盛り上がったり、休憩中は地球のことを話していたりしているので自然と仲がよくなっていた
「……騎士団にあんな参謀がいれば心強いな。」
タクミは実践では隊長よりも副官に向いているとクゼリーは微笑むと数分間休憩という合図を部下に出した
「白崎。急患。」
「また?ってなんでお姫様抱っこしているの?」
「いや。一番持ちやすいしな。身体強化の練習になるし。」
「そんな理由!!」
するとぼけ〜としている女性騎士を座らせる
「……捻挫か?」
「…う〜ん。一応回復魔法で治るけど。多分肉離れかな。」
「あっちゃ〜。まじか。手加減とか苦手なんだよなぁ。剣を握ると。特に対人は少し力が入りすぎてしまうんだよ。」
「対人戦?」
「あぁ。……ぶっちゃけ怖い。」
タクミが少し苦笑する。少し怯えたような、かすかに何かを恐れて、怯えた声で話す
「なんていうんだろうな。なんか魔物とかだったらまだ大丈夫なんだけど人間と向き合うと未だに怖いんだよなぁ。打ち合いでも相手の気迫っていうのが伝わってくるっていうか。」
「……」
「なんというか俺が立っていていい場所に思えないんだよなぁ。天職が剣関係でもあるから仕方ないんだけどさ。」
タクミが軽く自分の背丈の半分以上はある両手剣を握る。攻撃特化のそれも俊敏と力押しをするスタイルを確立しているタクミ。
誰にもできないような身体強化は基本的に無詠唱が多いので分かりづらいのだ。
タクミ自身は気づいてないが身体強化を身につけただけで身体強化できるというわけではない。
知識がないのだがなんとなくでできるタクミが少しおかしいのだ
「そういえば今日こっちに呼ばれてなかった?」
「あぁ。昼間からはそっちだな。」
「そっか。それなら一緒にいかないかな?」
「いいけど。てか治療は?」
「しているよ。……一応氷で冷やしておいた方がいいかな?」
「それなら出すわ。『氷球』」
すると小さな氷の球が出てそれを自分の手に落とす
それを赤く腫れが治るところに抑える。
「これでいいか。一応安静にしておくこと。俺からクゼリーさんには伝えておくから今日はしっかり休んでおくようにな。」
「は、はい。」
といいタクミは笑顔を向ける。すると顔を赤く染めた騎士団の一人にジト目を向ける香織。
「とりあえず報告だけして訓練いくか。」
と席を立つタクミ。するとどこか焦っているような印象を香織は気づいていた。