魔法剣士と異世界の姉妹 作:ニック
「……ん」
「あっ!瀬川君!!」
目覚めるとそこは見覚えのある天井の他に白崎の顔ががまず視界に入った
「……白崎?」
「瀬川君?」
俺はぼんやりだけど白崎の他に八重樫がいたらしい
「八重樫も……」
「瀬川くん体はどう? 違和感はない?」
「一応大丈夫かな……ちょっと体が重いくらいか」
「そりゃ二週間も眠っていたらそうなるよ。それに全身骨折に一度は心肺停止したんだよ?」
完全に死にかけていたのか
そういえば、俺はオルクスの迷宮にいった後確か
『じゃあね。タクミ。お母さんとお父さんによろしくね』
奈落に落ちた光景がフラッシュバックする
……そうか。そういえばそうだったな。
もうハジメは居ないのか……
「……瀬川君?大丈夫?もしかしてまだ」
「いや。大丈夫」
俺は安心させようと軽く微笑もうとしたらうまく笑えない。
それどころか体が熱くなり目に雫が溜まっていく
……なんで俺じゃなかったんだろうか?
「……あれ?」
「瀬川君?」
「……ごめん。ちょっと無理だ。……少しだけ待って」
すると嗚咽と共に涙が溢れ始める。俺が生きていても意味がないのに
溢れていく涙とともにどこか自分の感情が消えさっていく
そして暫くたって少しだけ落ち着いたところだった
「……ん。悪い。取り乱した」
「その様子じゃ……」
「あぁ。全部思い出したよ……」
二人は苦い顔をしている。俺の気持ちを察してだろうか
「……大丈夫なの?」
「わからん。とりあえず回復魔法で治るか?」
俺は魔力を循環させるとすると純白の魔力が俺の周囲を包み込む
「……ヒール」
俺はそうやって自身に回復魔法をかける。
詠唱も全て無視した魔力操作の技能に二人の目が変わる
「あなた、それって」
「魔力操作。俺がリリィにステータス開示を止められた理由だよ。まぁ、実力をずっと隠してきたからな。まぁベヒモスと戦った時に自重はできないくらいに出したから…切り札も切ったし」
「切り札の結果があの惨状ってこと?流石に笑えないだけど」
「……まぁな。……死んでもいいって思っていたし」
「どういうこと?」
少し怒ったような白崎。でも俺とハジメでは大きな差がある
あのバカ。俺みたいな奴よりもお前が生きた方がいいだろうに
暫く緊迫した雰囲気が流れるが誰も話すことはなかった
「……」
こんなに1日がつまらないと思ったのはいつぶらいだろうか
目が覚めた翌日。俺は愛ちゃんの元に報告に行くなど、多くの人に心配の声や安堵の声がかけられたが俺は既にあったのは空虚感だけであった
もう何度か分からないため息つく
本当にいないんだな
俺は夜間の散歩に出ると冷たい風が当たる
……少しだけ剣を握ってみたりしたがトラウマはない。
強くなろうとのする理由もない
俺はどうすればいいのかよく分からない
正直戦う意味だってないと少しだけ苦痛に思っていたところだった
「瀬川という少年の体調は?」
「体調はいいらしいです。ただ復帰させるとなると」
と俺のことをどうやら話している。
確か教会の司教だったはずだけど
気配隠蔽を使いつつ俺は耳を済ます
「ベヒモスをほぼ一人で撃退する力がある……ただ私たちに協力する可能性はとても低いか」
「……唯一と言っていいほど我らを警戒しておりますからな。今回の件で完全にひびが入ったといってもいいでしょう」
「あの無能を残しておく価値なんてないのにな。最後まで我らに面倒ごとを作りよって」
……へぇ〜。
なるほど。やっぱりそうか
やっぱり俺らのことを駒としてしか扱ってなかったのか
その後も息を潜めながら話を聞きその間も自分のことやハジメの陰口を聞いていた
かすかに暗い表情を浮かべていると自分でも気づかずに