魔法剣士と異世界の姉妹 作:ニック
翌日俺たちクラスメイトは王宮の謁見室に呼び出されていた
しかし、喧騒の声は休まらない。何故ならば俺が完全武装をしていたからである
両手剣を背中に担ぎ俺はただ無言で睨みつけていた
「……」
「た、匠どの?その後ろの物騒なものを」
「ん?何か?」
俺は剣に触れる。すると王も少し黙りこんでしまう
……もはや裏を隠すつもりはない
何か張り詰めたものがぷつりと切れたような気がした
「……」
不気味な雰囲気はクラスメイトも感じているのか一触即発の空気に全員の息が潜める
それは当然愛ちゃんもそうだし白崎や八重樫だってそうだ
俺に怯え、誰も話せない
自分でも自分がどうしたいのか分からない
ただそこにあるのは怒りと無力感だけだった
「まぁ先に言っとくけど俺は今後戦争に参加しない。というよりも王宮から出て行くから」
「えっ?」
開口一番に俺の話した言葉に全員が口をポカンと開ける
「ど、どういうことですかな?」
「いや。言葉の意味のままだけど?根本的なことで王宮にしろ教会も不信感があったんだ。今まで俺が戦ってきたのはハジメがいたからだし、非戦闘職のハジメの安全を保証してくれることを前提にしているからな。正直ハジメをいや、俺を狙った殺人でハジメが殺されたのにあんたらは殺人の容疑者を探さないって言っていたしな」
「えっ?」
全員が絶句している
「どういう事ですか?」
「元々俺に悪意がある奴の犯行だったんだよ。というよりも俺がハジメを絶対に庇うって確信していたからハジメを狙ったんだろ?つーか俺犯人見ているし、そいつの悪意をずっとひたすら無視してきた俺にも原因があるしな」
「……っ!」
「まぁ、殺す価値がそいつにはないからほっとくだけだけど。まぁ俺がいたら今度は俺以外の奴に被害が加わる可能性があるしな。まぁ別に俺がどうこうすることじゃないしな。安心させることを言うならば、火属性の魔法をメインに使っている奴は除外していい。というよりも火属性魔法をメインのやつが火球とか使うはずがない。俺が覚えているのはそいつは魔法は風をメインに、それも前衛職なのに後衛に混じって魔法を使ったくらいだからな」
その一言に少しだけ安心した人が何人かいる。
火属性をメインに使っていたのは後衛のサポーターにも多かったからな
「まぁ、俺はそいつ以外にも恨みを買っている奴が何人かいるから俺は出ていった方がいいってこと。ここには狂信者も多いみたいだし」
「……貴様」
「事実だろ?だって錬成師をダンジョンに出すくらいに頭がいかれた奴が何人もいるようだしな」
俺の言葉に殺意を向けられるが関係ない。ズバズバと正論を突き立てる
「正直俺は神とかどうだっていいし戦争も勝手にやってろって思っているからな。それに面倒事はさっさと去ってもらった方がいいんだろ?教皇?」
「……」
「まぁ答えられないよな?ただの戦争の都合のいいコマと見てないあんたらなら。まぁだからやりやすいんだけど」
俺は軽く魔力を循環し始める。白い靄が全身を包むと俺は魔法を形成し始める
「なっ!これは」
「んじゃ。これは置き土産ってことで」
俺は背後にある神の絵を狙い軽く魔法を放つ
「ペイント」
俺はそういうと思いっきり背後にある絵を赤字でバツマークを付ける。
それは教会とは決別するという意思表示であり、そして
正式に教会と敵対するということだ
「…貴様どういうことか分かっているんだろうな」
「ん?殺すなら殺せよ。俺を殺したところで募るのは国民からの不信感だけだろうけどな」
すると教皇も黙りこむ。
神の使者という立場が俺を完全に邪魔していることはすぐに分かっていた
「んじゃそういうことで」
俺はそうやって王宮の謁見室を立ち去る。
……数人の視線が刺さるが俺には関係ない
もう俺は止まれないんだと