天才漫画家の給仕係   作:斎草

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"非日常"への入口

 

屋根裏部屋へ続く階段をギシギシと踏み鳴らしていくと、その音に混じるように別の音が聞こえてくるようになった。ゴソゴソ、ジャラジャラ、と鎖の擦れるような音と何かを引っ掻き回すような音が次第にハッキリと聞き取れるようになる。

「なぁ……あんまし驚かねえでやってくれよ」

億泰が屋根裏部屋の扉の前で美晴を待っていた。その言葉にゆっくりと頷くのを見て、彼はそっとその扉を軋ませながら開ける。

「……!!」

頷いたから、声を上げるのを我慢した。だが、口を手で塞いでいなかったら息を呑む声が伝わったかもしれない。しかし驚くなと言う方が難しい事を億泰は理解していたから、美晴の反応を見なかったフリをした。

 

その部屋の隅にいたのは緑色の肌をした、イボだらけで爛れたような肉体を持つ怪物だった。四肢があり人型であるのは確かだが、それが元は自分達と同じ人間だったとは簡単には信じてもらえないだろう。

「これが、"俺達の親父"だぜ……」

だが億泰の話を聞いた今では何とか理解出来る。これは彼らの父親で、人間だったのだと。

「親父はよォ……包丁でぶっ刺しても、高いところから落ちても、俺達のスタンドで攻撃しても死なねぇんだよォ…!!」

屋根裏部屋の壁には康一を貫いた"弓と矢"が掛かっていた。形兆はあの弓と矢で父親を殺せるスタンド使いを探していたのだ。治せないならせめて、普通に死なせてやろうと。

だが岸辺露伴のスタンドは違った。広瀬康一も違った。そして弟である虹村億泰も、果ては当人である虹村形兆でさえも。元からスタンドが発現している空条承太郎、東方仗助、来宮美晴も。

誰も、"目的"のために必要なスタンド能力を発現する事はなかった。

 

億泰が眉間にシワを寄せながら目を伏せるのを気に留める事なく、父親はそばにあるガラクタ箱をひっくり返すと唸りながらその中をずっと漁っていた。

("父親に会っていくか"……そう訊かれた時から覚悟はしていたけど……予想以上の衝撃だわ。あの2人、10年もの間この父親と向き合っていたというの…!?)

まだ形兆でさえ小学生だったその時から、彼らの父親はこの姿だった。そして形兆は色々な事を調べ上げ、それと同時に"父親はもう元には戻らない"という"現実"を突き付けられたのだ。

(壮絶すぎて……私なら絶望するわ)

ジワリと背筋に汗が浮かぶようだった。美晴も両親が死に、引き取ってくれる親戚に夜逃げされた時、表にこそ出さなかったがこの世の終わりかというくらい絶望した。だが、すぐに岸辺露伴が助け舟を出してくれた。

でもこの兄弟には、それがなかった。"助けて"と声を上げたところで、誰も助けてはくれなかっただろう。それを10年、真実と向き合いながらももがいていた。

 

その時、ドンッ!と下の階で激しい破壊音が聞こえ家が揺れた。恐らく仗助と形兆だろう。彼らは今度こそ対面し、互いにスタンドをぶつけ合っていたはずだ。

「そういえば、形兆さんのスタンドって…?」

美晴はまだ彼のスタンドの正体を見抜いておらず、億泰も思い出したように顔を上げる。

「兄貴のスタンドは"バッド・カンパニー"って云ってよォ……おもちゃが動く映画知ってるか?アレに出てくる兵隊みてェなスタンドなんだよ」

形兆のスタンド能力。それはミニチュアの軍隊を指揮出来るもので、兵隊の他に軍用機やヘリまで操る事が出来、ひとつひとつの破壊力は低いが束になれば人間1人を殺す事など容易い。いくら小さいと言えど、それらはひとつひとつがプロの兵士そのものなのだから。先程の音は家の壁か何かを破壊した音だろう。

東方仗助と虹村形兆、どちらが勝ったのか。だがどちらにせよ彼らはいずれこの部屋を訪れるだろう。

「美晴……親父という秘密をバラさねーって約束しろ。ここに来たのが兄貴でも、そうすりゃあ俺が何とか殺さねーように説得するよ。オメーの能力は別に邪魔でも何でもねえんだからよ」

美晴のスタンドは攻撃の術を持たない。彼女が静かに暮していれば、いつかは終わる事だ。果たして己にあの兄を説得出来るか億泰は不安に思ったが、美晴にはまだ借りがある。死なれては寝覚めが悪い。

そうこうしているうち屋根裏部屋へ続く階段を昇る音が聞こえ、2人は身構えた。足音は2つ。誰と誰なのか。軋む音はついに階段を昇りきり、扉がギッ…と開かれた。その隙間から覗いたのは——、

 

「美晴ちゃん!と、億泰…!」

「えっ美晴さん!?良かったぁ〜、無事だったんだ!」

「仗助くん!康一くん!」

美晴が待っていた2人だった。仗助は億泰の方へ、康一は美晴の方へ歩んでいく。

「テメー億泰ッ!あいつに何した!?」

「なっ、何もしてねぇよォ〜ッ!さっきも何もするつもりはねぇって言ったろーがッ!」

「康一くん!本当に心配したよ…!」

「ご、ごめん……でももう心配いらないよ!仗助くんに治してもらったからね!」

4人は思い思いに声を上げたが、その騒がしさに反応するように部屋の隅にいた父親が狂ったように叫びながら鎖を鳴らし、耳を塞いだ。その様子に4人はピタリと動きを止め、その姿を視界に入れる。

「なっ……なんだよォ〜ッこいつは!?」

「ヒッ!ば、化け物だよォ、仗助くん…!弓と矢はそこにあるけど、やっぱりここにあいつらの父親なんていなかったよ〜〜ッ!」

康一の怯えた声に、億泰はピクリと反応を示した。それを察した美晴も、表情を曇らせる。違う、違うのだ、康一くん。父親の事は最初に億泰が"この家は親父が買った"と言っていたので存在は知っていただろうが、目の前にいるこの怪物こそが虹村兄弟の父親なのだ——。しかしやはり、この怪物が元は人間だったなんて分からなくて当然だろう。ましてや兄弟の父親だなんて尚更。

「おい億泰……その怪物の事は分からねーが、弓と矢は破壊させてもらうぜ……これはあっちゃならないモンだ」

仗助は父親から距離を置くように部屋の隅を歩き、壁に掛かっている弓と矢を取ろうとするが後から部屋に入ってきた存在に先を越されて素早くそれらを取り上げられた。

「億泰ゥ……ここには誰も入れるなと言っただろう……!?そんな事も忘れたか、無能めッ……」

「あ、兄貴ィ…!!」

形兆だ。血塗れで息も絶え絶えな彼は弓と矢を大事そうに抱えながら、美晴をこの部屋に入れた億泰を鋭く睨みつけていた。

「広瀬康一……お前はさっき"ここに親父はいない"と言ったな……?それは間違いだ……」

しかし見られてしまったものは仕方がないのだろう。彼は緑色の怪物のすぐそばまで歩むと、再びこちらに視線を向ける。

「こいつが"俺達の親父"だよ……」

その目は何処か寂しげにも見えた。

 

形兆の口から様々な事が語られた。億泰が美晴に話した事とほぼ同じだったが、直接本人から聞くそれはやはり壮絶であり、悲愴的だった。入手経路こそ語らなかったが、形兆にはこの弓と矢が必要だった。"目的"のために。"父親を普通に死なせてやる"ために。

だが父親は我関せずといった様子でまだガラクタ箱をガリガリと漁っていた。先程から彼はずっとあんな調子だ。美晴と億泰が部屋に入ってきた時から、或いはその前から、箱をひっくり返して漁っている。

「またその箱を漁りやがってッ!!」

そんな父親を形兆は勢いよく蹴り上げた。間髪入れずにもう一度足蹴にし、更にはその頭を殴りつける。発狂したようなその様を見て、仗助達は息を呑んだ。

「散らかすなっていつも言ってるだろッ!クソッ、イライラするぜ…!こいつがまだ"生きている"事に憎しみが湧くぜ…ッ!!」

そうやってまた蹴りつけようと足を振り上げる。しかしそれはガツッ!と金属のような物が当たる音を響かせて弾かれた。

「や……やめなさいよ。痛がってるじゃない…!」

美晴のガーディアンだ。大仰に振り上げていたので発動する隙を見つけられたのだ。形兆は彼女を振り向き様にギッと鋭く睨みつける。

「能力解除しなァッ…!テメーに俺の何が分かるってンだこのアマァッ!!」

彼は標的を美晴に変えると拳を振りかぶりながら踏み込んできた。

「……!!」

父親に掛けた守護を解いて美晴自身に掛け直すには時間が足りない。守備面で優れている分、ガーディアンは移動速度が遅いのだ。まるでその見た目の通り、厚く重い鎧を厳重に纏ったアーマーナイトのように。

だが、拳が空を切った音は確かに聞こえたはずなのに、殴られるはずだった美晴の頭部に衝撃は来なかった。

「仗助くん…!」

恐る恐る恐怖で閉じた目を開けてみると、仗助が形兆の拳を手で受け止めているその背中が見えた。

「美晴ちゃんの言うとーりだぜ。やめなよ。あんたの父親だろーがよォ……」

余程頭に来たらしい、呼吸を荒げる形兆は静かに声を響かせる仗助を睨んだ後に拳を下げる。

「ああ……そうだよ。実の父親さ、血の繋がりはな。だがこいつは父親であって父親じゃあないッ!DIOに魂を売った自業自得の男さッ!!」

表情は顔が俯かれていて見えなかった。だが、床に落ちていく雫は表情なんかよりもずっと彼の心情を物語っていた。

「その一方で、父親だからこそやりきれない気持ちがあるっつーのをお前らに理解出来るか?普通に死なせてやりてえって気持ちがよ……!!」

雫が落ちる量は次第に増えて、彼は学ランの袖で目元を拭う。一転して居た堪れない雰囲気に包まれた屋根裏部屋。虹村家の抱える悲しみと苦しみが綯い交ぜになった事情に、誰しもが口を閉ざしていた。

「こいつを殺した時に!やっと!俺の人生が始まるんだッ!誰も邪魔をしないでくれよッ!!」

形兆は弓と矢を抱えながら声を張り上げる。

それでも、それでもだ。美晴は父親への守護を解く事はしなかった。形兆が今の父親を受け入れられないのは理解出来る。心身共に疲弊している事も。だが、だからと言って形兆がしている事は全て何かが間違ってしまっているのだ。美晴にはその"何か"が何なのか、全ては分からなかったが、振り向いた先に見える億泰のつらそうな表情を見れば"間違っている"という事だけは分かるのだ。

 

その時、仗助の視界が何かを捉え、父親の方へ歩み寄る。釣られるようにそちらを向くと、父親があのひっくり返した箱の隅でモゾモゾと指をいじっていた。

「まだやってんのかよッ!!もうやめろ!目障りなんだよォッ!!」

形兆がまた父親を足蹴にしようとしたがガーディアンの守護はまだ解かれておらず、再び金属音を響かせて足が弾かれる。

「箱だ…!箱に何かあるッ!!」

仗助は何を見たのか。彼は父親が形兆の足が弾かれた様子をぼんやりと見ていた隙に、クレイジー・ダイヤモンドで父親がしきりにいじっていた箱をその拳で破壊した。

「!!」

何をするのかと思えば、今度はひしゃげた箱が元に戻っていく。"破壊して直す"……そういう事も出来るのかと、美晴は破壊された箱がみるみるうちに修復されていくのを眺める。その箱は完璧に修復され、更にその中にあった細切れになった紙くずも箱と一緒に元の形へ修復されていく。

「あ……」

「こ、これはよォ……兄貴!これはよォッ…!!」

形兆と億泰が、吸い寄せられるように箱の中にある1枚の写真の方へ足を向ける。

「何か……千切れた紙のようなものを握ってたからよォ……箱を巻き込んで直してみたら……これは……」

そこにあったのは仲睦まじい4人の家族写真。直感的に分かった。

 

これは、虹村家の家族写真だ。全員が笑顔で写っている。

 

父親はその写真に手を伸ばし、まじまじとそれを見る。そして「おおぉぉぉあぁぁぁぁあっ……!!」と、ぼろぼろと涙を流しながら泣き叫んだ。その様子を見た康一はハッと気付いたように声を上げる。

「あの行動は……意味があるものだったんだ!息子達の写真を探していたんだよ!」

父親は決して形兆と億泰の事を忘れたわけではなかったのだ。思い出せなかっただけなのだ。今の兄弟の事は分からないかもしれないが、彼の心の底にはまだ家族との思い出は生きている。

彼はその写真を大切そうに胸に抱き締めていた。やっと、やっと見つけた。大切な家族を。

「"殺す"スタンド使いじゃあなくてよー……"治す"スタンド使いを探すなら……手伝ってもいいぜ」

仗助は虹村兄弟に歩み寄り、静かに問い掛ける。2人は感極まったように息を呑み、また涙をその目に溢れさせた。

「それならぼく達も協力出来るよ」

「そうね。お父さんを治して……また家族3人で仲良く出来るといいなって、私も思う」

康一と美晴もそれに続く。もう形兆も父親に暴力を振るったりはしないだろう。美晴はそっと父親への守護を解いた。

しかし、形兆はハッとするとすぐに後退りをして仗助らと距離を置く。

「今更そんな事言われたってなァ……もう手遅れなんだよッ…!!俺はもうこの弓と矢でこの町の人間を何人も殺しちまってるッ!いいか?この矢は必ずスタンド能力を発現させるわけじゃあねぇんだ!!」

だからお前達とは平和的に和解は出来ない。形兆はそう言いたいらしい。

「だからよォ、兄貴ィッ…!もうこんなのはやめにしようぜ…!親父もよォ、体は戻らなくても心は戻ってくれるかもしれねぇんだしよォ…!!」

億泰はそんな兄を追いかけて彼の持つ弓を握る。

父親は今、家族の写真を見つけて涙を流した。その瞬間、止まっていた時間が動き始めたように億泰には思えた。

これから始まるんだ。きっとこれから。仗助達も協力してくれる。もう2人ぼっちじゃない。

 

「!!」

刹那、天窓に気配を感じ仗助は上を見上げた。一瞬だが、人影を見たような気がしてその一点を見つめる。

「お前らよォ……この父親の他に、まだ身内がいるのか…?」

美晴も視界の隅で彼が天窓を見ていた事に気付いてそこを見上げた。だが、映るのは快晴の空ばかりで。

「身内?うちは3人家族だぜ、仗助…!」

彼の問い掛けには全員すぐに違和感を持ち、周囲を注意深く見回す。

だがそれは、予想外の場所から侵入してこようとしていた。

バチバチッ!と電気が弾ける音が聞こえたかと思うと、それは兄弟の背後に設置されたコンセントの中からヌルリと姿を現す。黄色く、鳥のような頭部を持つそれ。直感だが分かる。

"あれはスタンドだ!!"

「億泰く、」

「億泰ッ!!ボーッとしてんじゃねぇぇッ!!」

黄色いスタンドは素早く億泰に近付き彼の持つ弓に手を伸ばしていた。それを見た美晴が咄嗟に億泰にガーディアンの能力を使おうとしたが、それより先に形兆が億泰の体を突き飛ばし弓を引ったくる。

瞬間、黄色いスタンドの腕が形兆の胸部を貫いた。まるでスローモーションのように見えたが、たった一瞬の出来事だった。がふっ、と吐血する彼を黄色いスタンドは抱えるように包む。

「この弓と矢は俺がいただくぜ…!虹村形兆!お前にこの矢で貫かれてスタンド使いになったこの俺がなァァ〜ッ!!」

言葉を話すスタンドもいるのか、と感心する暇もなかった。

「スタンドは精神力と言ったな……俺は成長したんだ!お前を殺せるほどになッ!それとも、俺のスタンドである"レッド・ホット・チリ・ペッパー"が成長するなんて想像もしてなかったか?」

そのスタンドは不気味に笑っていた。その様子を見てゾッとしていた美晴の肩を億泰は揺らす。

「美晴!!兄貴を守ってくれッ!!出来るだろォッ!?」

彼は目に涙を溜めながら美晴に懇願していた。だけど、ああ、そう出来るならとっくに私はそうしているはずだ。

「だめ……攻撃が深すぎて私にはもう、どうにも出来ないッ…!!」

そうしている間にも形兆はついに自身のスタンドが操れないほどの攻撃を受け、黄色いスタンドと同化するように彼の体は電気に覆われていった。それは弓と矢をも巻き込み、コンセントの中へ引きずり込まれようとしている。

「兄貴ィーッ!!」

「触るんじゃあねぇ!!億泰ッ!!テメーも一緒に呑み込まれる、ぜ…ッ!!」

駆け寄って助けようと手を伸ばす弟の手を、兄が握る事はなかった。兄の言葉に弟は立ちすくむ。

「億泰…!!テメーは最後まで……俺の足手纏いだったぜ……ッ」

その言葉を最後に、電源の切れたテレビのように形兆はコンセントの中に黄色いスタンドと共に消えていってしまった。

 

仗助達は形兆の行方を追って先程人影が見えた天窓から屋上に登った。それに黄色いスタンドの本体はあの人影で間違いないはず。まだ遠くまでは行ってないはずだ。なのに屋上には仗助達以外に誰もおらず、道路を見ようと踵を返した、時だった。

「仗助……あ、あれ……はッ……」

億泰の震えたか細い声が耳を掠め、彼のいる方向、更にその彼が指差しているものに他の3人の視線が向く。

「……ッ!!」

そこにあったのは、変わり果てた姿をした虹村形兆の遺体だった。焦げて真っ黒になった体は感電したどころではなく、電線に引っかかって無惨な姿を晒している。

 

「兄貴は……兄貴は、ああなって当然の奴だった……ああなる運命だったんだ……」

億泰はぶるぶると傍目から見ても震えながら、視線を形兆の遺体から逸らせないでいた。だって、ついさっきまで、あの兄は俺の隣にいたんだ。俺の隣で生きて、喋っていたんだ。

 

信じられないんだ。

受け入れられないんだ。

 

それでも、これだけは真実だ。

「けど…兄貴はッ…!最後の最後によォッ!俺を庇ってくれたよなァァ!?見てただろ、お前らァッ…!!」

俺が受けたこの感情だけは真実なはずなのだ。

億泰の後ろにいた3人もまた、形兆の遺体から目を逸さなかった。彼の死を、受け入れなければならなかったから。

「ああ……見てたよ」

仗助が彼の隣に立ち、何をするでもなくそこで佇む。

「お前の兄貴は……お前を庇ったよ」

 

ただの学校からの帰り道だったはずだ。

だが、彼らの"日常"は少しずつ変わり始めている。

4人は形兆の遺体を見つめながら、それを確かに感じていた。

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