味音ショユの短編集   作:味音ショユ

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ペニーワイズがイセスマSSを書くことをオススメするようです

 雨の中、1人の少年が紙で出来た船を追いかけている。

 彼の名前はジョージ。

 SSを書くのが趣味のごく普通の少年だ。

 彼は先日1つの作品を完結させたが、新しいネタが思いつかなかった。

 そこで気分を変えて、外でスマホをいじりながらネタを考える事にした。

 しかし、手を滑らせてスマホを落としてしまった。

 すると、なぜかスマホがいきなり紙の船に変化し流されてしまう。

 彼は慌てて追いかけるものの、頑張りもむなしく側溝に落ちてしまう。

 

「僕の(スマホ)が!」

 

 しゃがんで側溝を覗き込むジョージ。しかしスマホは見つからない。

 彼は帰って家族に新しいスマホ買ってもらわなきゃ、と思いながら立ち上がろうとする。

 

「はい、ジョージ!」

 

 そんなジョージに側溝の中からピエロが声をかけてきた。

 ピエロの名はペニーワイズ。

 ペニーワイズは変な奴だ。いつも側溝に居て、ジョージが物を側溝に落とすと拾ってくれる。

 それはジョージとしては有難い。

 たった一つ、ある事を除けば。

 

「SS書いてる?」

 

 ペニーワイズの問いにジョージは首を横に振る。

 何か書きたいけど、書きたいネタが無い。今のジョージはそんな状態だ。

 SS書きの皆様なら経験があるかもしれない。

 

「えーっ、君の新作楽しみにしているのに。.待ってるんだぜ?」

「新しいネタが思いつかんのや。しゃあないやろ」

「それなら異世界はスマートフォンとともに。なんてどうだい? アニメ分だけでもいいし、設定や話もシンプルだし、キャラも癖が無い。おまけにキャラの性格をいくらいじっても叩かれないんだぜ?

 ―――書きたくなっただろ?」

「面白そう!.」

 

 ペニーワイズの話に頷くジョージ。

 確かに言葉通りにとれば書きやすそうではあるし、やってみたくはある。

 だがジョージは知っている。

 異世界はスマートフォンとともに。通称イセスマ、又は異世界スマホという作品の悪評を。

 ネットで見てきた罵倒の限りを。

 ジョージはイセスマ本編を見たことは無いが、これだけ叩かれている作品を見たいとは思わない。

 

「IS書くわ」

「色々待てやっ!?」

 

 なので拒否した。

 一方のペニーワイズは慌てた。

 別に拒絶されるのは初めてじゃない。

 だけどいくらISが独自設定を足すほど設定が補強される作品などと言われていても、イセスマとISを同列にするのはは拙くないか?

 というか今このご時世にその略し方はヤバくないか? など色々考えてしまう。

 そこでペニーワイズは最終兵器を取り出す。

 

「いいから……これを……」

 

 それを見たジョージは驚いた。

 なぜならそれは――

 

「僕のスマホ!」

「その通り、君のスマホさ! 返してやるからイセスマSSを書け」

 

 スマホを返す気が無いようにしか見えないペニーワイズ。

 ジョージとしては側溝に落ちたスマホが戻ってくるのはありがたいが、イセスマは正直見たくない。

 だからジョージは凄く嫌だった。

 その思いが顔にも出ていた。

 

「おぅ……、そこまで嫌な顔しなくてもいいだろ?」

 

 ペニーワイズはそう語りかけてくるが、ジョージは嫌な物は嫌だった。

 

「俺はイセスマアニメ分をなろうで何度も読み返したし、漫画版も読んでいる。その上で言うけどそんなに嫌な顔するほどじゃないぞ」

「未見だけど把握きつくない?」

「えっ。いやどうだろう……」

 

 ジョージの問いに思わず曖昧な返事をしてしまうペニーワイズ。

 その失態に気付いたペニーワイズは、勢いで誤魔化す事にした。

 

「イセスマはいいぞ、ジョージィ。深いぞ」

 

 一方、ジョージはペニーワイズからスマホを取ろうとしていた。

 イセスマSS書くのはこの際いいとしても、いつまでも自分の手元にスマホが無いのは不安だった。

 このジョージ、現代っ子である。

 

「だからお前も俺と一緒に―――

 

 

 

 

 

 

 

 イセスマアニメ見ようぜ!!」

 

「KYAAAAAAAAAAA!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジョージは死んだ。イセスマをアニメで把握するのは結構きつかったのだ。

 アニメ版は改良もあるが基本改悪されているので、イセスマ未見の方は漫画版から入ろう。

 漫画版が受け入れられるなら原作小説も読める、大丈夫。

 アニメ? 知らんな。

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