幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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九十八話 鬼に会うために〜lots of preparation.

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本来であればすぐにでも博麗神社へ向かおうと思った。

しかしそれは霖之助さんに止められた。

何故かと言うと、霖之助さんが鬼は危険すぎると言ったためだ。

 

 

「行くなとは言わない。ただ無策すぎるのはあんまりだ」

 

 

「また移動でもされたらたまったものではないですし急ぎたくはあるんですが……」

 

 

「そもそもだ、ただ何も考えずに言ったって話してくれるわけは無いだろう」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「……君は他の種族を知らな過ぎる」

 

 

「……確かにそうかもしれませんね」

 

 

幻想郷を歩き回っているが、まだ半分どころかどの程度なのかすら分からない程だ。

知らない種族もまだまだいるだろう。

 

 

「鬼、吸血鬼、神にドラゴン……いや幻想郷にドラゴンは今のところ居ないか」

 

 

「そこら辺の種族は危険だと……」

 

 

「当然とでも言うべきだろうね、出会ったらすぐに逃げるべきだ」

 

 

「それはそうですね……」

 

 

誇りが高い、と言うよりも独自のルールを貫き通す力を持った者達と言ったところか。

その点はレミリア達によって身に染みている

 

 

「先程も言ったが、関わるなとは言わない。だけど僕達は力が無い事を自覚して格上の存在達と付き合っていかねばならない」

 

 

「あれ?でも霖之助さんは?」

 

 

「確かに僕は半妖だが……力なんて君と相違ないよ」

 

 

「流石に勝てなそうですが……」

 

 

「所詮は例えだ。そんな物程度と思えばいい」

 

 

「分かりました」

 

 

「だったら、どうすればいいか分かるかい?」

 

 

「どうすればとは?」

 

 

「鬼や神など自分より上位の種に用がある場合だ」

 

 

「……貢物ですか?」

 

 

「惜しいが違う、何も知らぬ相手に唐突に貢がれたって怖いだけだろう?」

 

 

「確かに……それはそうですね」

 

 

「そう難しくはない……単純な事だよ」

 

 

単純な事……多分上司とかそう言った考えがダメだから……

 

 

「興味を持ってもらう、ですか?」

 

 

「その通りだ、それが難しい事なんだがね」

 

 

霖之助さんの言う通り難しい事なのは分かる。

殺された身だし、興味を持ってもらうために何をしなきゃいけないかは難しい。

 

 

「ただ、その点まだマシか」

 

 

「何がですか?」

 

 

「鬼の好きな物……分かるだろう?」

 

 

「……喧嘩?」

 

 

さとりさんも喧嘩が好きだって言ってたな。

 

 

「いや……違うだろうよ。と言うか君は喧嘩したいのかい?」

 

 

「したく無いですが……となると酒ですか?」

 

 

「それであっている。むしろすぐ出ると思ったが……」

 

 

「酒の知識無いですし。何より鬼って自前で良質な酒あると思っていましたので……こちらがって考えはなかったです」

 

 

「だから喧嘩を手土産には相当な頭だと思うが……」

 

 

「そうですね……即死んで終わりそうです」

 

 

「私は死なないし出来なくは無いけど……出来ればしたく無いな」

 

 

妹紅さんが会話に加わり始める。

いくら不死だって痛みや苦しみがあるのは分かっている。

 

 

「安心してください。浮かんだだけでする気もさせる気もないので」

 

 

「そうしてくれると助かる」

 

 

「しかし酒ですか……」

 

 

「私は少しは知ってるけど、正直鬼が満足出来るかは不安だな」

 

 

「いえ、あると無いじゃ大違いですが……」

 

 

「そもそも全部飲んで残ってなかったな!」

 

 

「……あっはい」

 

 

そうするとどうしたものか?

紅魔館ならヴィンテージワインは何本もあるだろうけど……

幾らかかるか分からない……予算超える可能性も十分にあるし。

何より鬼って日本の妖怪だろうからワインが合わなかったらどうしようなども考える。

 

 

「……仕方ないね、こちらで仕入れておこう」

 

 

「有難うございます」

 

 

「いや買うんだからね?」

 

 

「……破産しない程度の額のでお願いします」

 

 

「これで数日すれば届くだろう」

 

 

「数日……待たなければならないのが辛いですが」

 

 

「印象を悪くして、酒も受け取ってもらえなきゃ最悪だろう?」

 

 

「そうですね……」

 

 

「だから我慢したまえ」

 

 

「……その間にそれ以外の品も揃えますか。霖之助さん何を持っていけばいいと思いますか?」

 

 

「豆以外ならなんでもいいんじゃ無いか?」

 

 

「……それなら適当に……いや適当はよくないな

 

 

「僕からのオススメとしては」

 

 

「オススメあるんですか?」

 

 

「他の物を考えた方がいい」

 

 

「他の物って……なんですか?」

 

 

「簡単な話だが、君が用があったのが鬼では無かった場合だ」

 

 

「……そんな事あるんです?」

 

 

「僕はナズーリン君の能力を目の当たりにした事はないしね。それに君だってくっきり浮かべたわけじゃないし鬼に似た何かの可能性だってあるだろう?」

 

 

「確かに……」

 

 

「だからそう言った時のための物を買うといい」

 

 

「成る程……確かにそうですね」

 

 

「菓子とかがいいと思うよ。鬼には不満だろうが、鬼の場合は酒で十分だし。鬼で無くとも酒でいいなら済む話だしな」

 

 

「ああ飲めない人にはって考えるとその方がいいかもしれませんね」

 

 

「ここで売っていたならば儲けられていたが……うちの店はまあね……」

 

 

流石に香霖堂には甘味は売っていない。

むしろ売っていても怖くて買いたくないが……

 

 

「それじゃあ数日バイトしたりなんだりで時間を潰してくれ」

 

 

「了解しました」

 

 

中々スムーズには行けないなと思いつつも、着実に目標へと進んでいる。

鬼だと思われる少女はどんな妖怪で、何を知っているのか、そう思いながら出会う日を待ち続けるのであった。

 

 

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