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「ちょっと!何してるのよ!!」
「何をしているって……バイトですが?」
「暇があったら来るって話だったじゃない」
「今バイト中って言ったはずなんですけどね?」
「バイト?それがどうしたのよ」
妖精は本当に気楽だなと……
確かに働く妖精は少ないだろうけど、紅魔館の妖精達は働いていたぞ?
「働いているので後にして下さい」
「えー、やだやだ」
「……どうしたものか」
自分から酒が届くまで雇って下さいと言ったのに行くわけにはいかないし。
と言うか何するかも分からんのが怖い……
「また来てるのか……」
「あっ霖之助さん、皆揃って来てるらしいですが」
「客なら大歓迎だが……彼らは本当に客か悩ましいな」
「……」
絶対に買う気はないのは分かるが……店も店で売る気がないような?
何を言うのが正しいのだろうか?
「はあ……すまないが彼女達の相手をしてくれないか?」
「え?相手って?」
「……店を荒らされても困るし森に行って対応してくれ」
「バイトは?」
「……彼女達を置いておく方が面倒だ。給料は出す」
「いや、それはそれで問題なような……」
「どうせ居たところで大して変わらないしな」
「いや、それは霖之助さんが商品を売らないからですからね???」
そう言いつつ荷物を片付けて森へと向かう。
本当にいいのか?サボりでは無いとはいえ色々と……
「ほら早くー!」
「分かりましたって」
そうやって話しながら森の中へとまた入って行った。
いい加減アリスさんの家方面も覚えて来たので無事目的地へと辿り着いた。
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魔理沙さんはまだ帰って来てないんだろうけど……前にこの子達に会って翌日な気がするんだけどなあ。
「何するんです……?」
「かくれんぼがいいな」
「……サニーさんの能力を使わないなら」
「えー、なんでー!?」
「見つけられないでしょう……」
「じゃあ私じゃ無くてルナの」
「……そもそも名前すら初めて聞きましたが嫌な予感がするんですが」
「あっそっか。私以外名乗ってなかった。ほら二人とも」
「ルナチャイルド。周りの音を消す程度の能力だから大した事ないわ」
そう名乗った妖精は。オレンジ髪のサニーさんとは違って、髪は金髪だ。
服もまるで昼を思わせるサニーさんとは正反対のような白をベースにリボンなど所々がルナの名に恥じない夜を表しているようだった。
「っと言うか……あの時霖之助さんの姿が見えないと思っていたけど、声が聞こえなかったのは君が理由か」
「そうよ、音を消したの」
「姿が見えずに音も聞こえない……行方不明になった人は探せなそうだ」
あの時声が聞こえたのは油断していたからだろうな……
「当たり前じゃ無い、絶対見つかるわけないわ」
「それはかくれんぼの趣旨に反している気がするんですが……」
場所を使って隠れるもので、能力を使って隠れるのは色々と違うだろうと。
「それで君が……」
「スターサファイア。能力は動く物の気配を探る程度の能力」
「ちょっと待て!」
「安心して、動かなくても生き物がいるかどうかは判断出来るわ」
「……かくれんぼするべきじゃないでしょうこれ」
鬼をやった瞬間一瞬で終わりそうなスターさんは黒髪に服は青色だ。
服は夜空と星の土台を強調しているのだろうか?よく分からない。
「じゃあどうするのさ」
「能力の無い俺でもどうにかなるのだと助かりますが……」
鬼をやっても隠れても貧乏くじ引かされるのが目に見えているからなあ……
「じゃあ木の実を取りましょう」
「……この森には無かったはずでは?」
「あるわよ。入り口付近には無いけど」
「色々と何故と思う事だらけですが……」
「人間達から盗み聞きした話だと、子供達が迷い込まないようにらしいわね」
「迷い込まないように……」
確かに、入り口付近に木の実などが生えていなければ子供達はそれ目当てに森に入ったりはしないか……
そうなると可能性を潰せる上では強いな。
ただ……そのせいであの時空腹で困ったんだけどさ……
「ってわけで木の実の場所へ案内するわね」
「……と言うかさりげなく自分達の必要なもの取らせようとしてません?」
「だってしょうがないじゃん、人間は森のもの食べられないし」
「そうなんですか?」
「と言うか一月前は胞子が酷くて人間じゃ森に入れない程だったからね?」
「……大丈夫ですが、今はなんですねこれ」
「もうキノコの季節も終わったし、お兄さんでも大丈夫でしょう。大丈夫だし手伝ってって」
「……分かりました」
あの約束をしていなければ断ったかもしれないが約束したしな……
そのまま森へと潜り木の実を取り続けた。
「このくらいでいいかしら」
「本当に遠慮無く行きましたね……」
「どうせ私達以外は食べないしね。いいでしょう」
「確かにアリスさん達も木の実は食べてなかったですが……」
「だから今日一気に取っておくの」
「その理由は?」
「私達だけだと大して持てないからよ」
ルナさんが自慢げに答える。
ああ俺が荷物持ちなんですね……
渋々とそのまま目的の大樹まで運ぶことになった。
「有難う。これで暫くは取りに行かずに済むわ」
「確かに……木の実なら保存ききますでしょうし、これだけあっても大丈夫そうですね」
「それじゃあお礼代わりに木の実を持って行ってください」
「……食べられないのでは?」
「……」
「ちょっとどうするの」
「これ渡しちゃダメでしょサニー」
「だって他には……」
何やら三妖精が騒ぎ出した。給料は出るとはいえタダ働きでしたは嫌だが……
「ちょっと待ってなさい!!」
「あっああ……」
そのまま三匹は家へと帰って行った。
取り残されて暇だと辺りを見渡すとお地蔵さんがある。
「そう言えばここに来る前にも見かけたな……」
人間が通る場所ではあるまいし、それでもあるんだなと。
「徳か……」
徳をお地蔵さんに祈るものでは無いだろう。だからそうでは無くて、鬼と言う存在に会うわけだし少し安全祈願をと。
「お供物は……明日持ってこよう」
明日には霖之助さんも届くと言っていたし、博麗神社に行く前に改めてお参りだけして行くとしよう。人里で甘味も多めに買ったわけだし。
「生きて帰れますように……」
散々無謀な事をやっておいて今更な気がするが……それでも無事を願って。
「何してるの?」
「お祈りを」
それから少ししてお祈り中に三匹は帰って来た。
手には瓶を抱えている。
「それは……?」
「果実酒よ。本当は皆でこっそり飲んでたんだけど……これくらいしか渡すもの無くて」
こっそりってどうやって入手したんだ?
もしかしたら作ったまであるのだろうか?
「そうは言っても俺は未成年で……」
「ミセイネン?」
三匹が困惑した姿をする。
そう言えば未成年って概念は無いのか……そうだよな。
「大丈夫これは飲みやすいから。ダメならあげてもいいし霖之助さんも喜ぶと思うわ」
「分かりました……」
皆には悪いけど……俺は流石に飲むわけには行かないし、持ったままなのも外の世界での認識な以上あまり良く無い。
仕方ないから霖之助さんに……
「あっ」
「どうしたの?」
「いえ、有難うございますって」
「……そう」
果実酒は喜ぶかは分からないけど、お酒の種類を霖之助さんが仕入れた一種類だけで考えるのは良く無いと。
もしかしたらこう言うのが好きかもしれないって……選択肢が多い方がいい。
「これも安全祈願なのか?」
「安全祈願?」
「ちょっとお祈りしたんですよ」
「なるほどねえ」
もしかしたら、さっき安心を願ったからこそ……こうやって高いアイテムが手に入ったのかもしれない。
違ったとしてもそう思うことにしようと、お地蔵さんに向けて礼をするのであった。
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to be continued