幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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〜太陽の畑編〜
百六話 向日葵畑と妖怪〜danger apparition.


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ここに戻って来たのは本当に久々だな。

肌寒い感触に冬を思わせるが……時は進んだのか?

 

 

「今から春雪異変とか言わないよな……」

 

 

気にした所で仕方ないか、行くべき場所に行こう。

 

 

「……続きは異変をもっと解決してから」

 

 

これから異変が起きる事を知っているのか?

或いは異変が俺に何か関わって来るのか、どっちみち分からないな。

 

 

「……独自で探るのは目を向けられてるのか?」

 

 

そんなんだったらいっそ教えて欲しいが……そうも行かないか。

 

 

「まずは萃香さんのもとへ……」

 

 

歩き出そうとするも、地面に穴が開く。

 

 

「え?」

 

 

気づくのが遅れ、踏み込む筈だった脚は踏み外し態勢を崩したまま穴へと落ちて行く。

 

 

「え?これは……」

 

 

色や形状を見るにスキマだろうけど……何が目的だろう?

結局態勢を戻す事が出来ずにスキマの中へと落ちて行った。

 

 

「なにが……目的なんだ?」

 

 

しかし誰も答えるまでもなく、地上へと落とされる。

一体ここは何処なんだ?

 

 

「連れて来たんなら何処かくらい言って欲しいが……」

 

 

当然だが既にスキマは無くて話を聞いていないと分かる。

……ひっそりといるかもしれないが。分からないし仕方ない。

 

 

「何処だここは?」

 

 

改めて確認するが何処かも分からない。

広大な大地が広がっている事だけは分かる。

 

 

「これじゃあ戻れすらしない。現状は詰みに近いか」

 

 

本当に何もないな。人里からも離れてそうだが

 

 

「なんだこれ?」

 

 

最初は黄色に目をとられていて何だか理解をしていなかった。

ただ……少し落ち着いて周りを見ると違和感に気付く。

 

 

「っと……え?」

 

 

なんだこれ?向日葵……記憶が正しいならもうすぐ11月だよな?

唐突な向日葵に目を奪われながら色々と考えていると、近くから足音と殺気が感じられた。

 

 

「花畑に何か用かしら?」

 

 

「ああごめんなさい。何かするつもりではありませんでしたが」

 

 

「私にそれを信じろとでも?」

 

 

「……」

 

 

一目見た時は人間かと思ったが……明らかにオーラのようなものが人間ではないな……流石に妖怪だろう。

俺へと注意して来た妖怪は、視線が向日葵畑の方へと向いている。

この妖怪が管理人なんだろうか?

ここに送り込まれたとは言え急にいた相手側も驚くよな……

 

 

「どっちみち侵入者は始末しないと」

 

 

「待ってください!?」

 

 

明らかに上位の妖怪だ……レミリア……それ以上かもしれない。

このままだと無条件で殺されると不安しかないが……どうしたものか……

 

 

「事情があるんです」

 

 

「事情ねえ」

 

 

少しだけ落ち着く。話を聞いてくれるだけマシかもしれない。

 

 

「でも……一々命乞いしてくる人間の話を聞くのも面倒ね」

 

 

「ちょっと待ってください」

 

 

どうすればいいか分からず両手を上げる。

しかし額に傘を向けられる。

 

 

「送られたんです!!」

 

 

「へぇ、誰から?」

 

 

「八雲紫……大妖怪からです」

 

 

確信は無いけど絶対に彼女だよな……

違ってたら……謝りはしない。

 

 

「へぇ、あの妖怪が肥料でも用意したのかしら?」

 

 

「肥料じゃ無いです……」

 

 

「しかし面倒ね……」

 

 

「口が過ぎるかもしれませんが……何がでしょうか?」

 

 

「……言う必要もないのだけど。あの妖怪が関わる以上貴方を送り込んだ意味があるのよね」

 

 

「……」

 

 

正直何も話されていないし意味があるとも思えない。

ただそう言えはあっさり殺される気がする……ならば言う事はできない。

 

 

「……生かしていただけるなら人里の場所を教えていただけますでしょうか?」

 

 

少し震える声で彼女に尋ねる。

少なくとも面倒って話だし、追っ払えるなら互いにそれでいいと思うが……

 

 

「ダメに決まっているでしょう?」

 

 

「え?」

 

 

「本当に面倒だけど……あの妖怪が何か企んでいるならそれを利用させてもらうわ」

 

 

「つまりは……?」

 

 

「死ぬか手伝うか選びなさい?」

 

 

「……」

 

 

もしかしたら一度死んだほうがいいかもしれないが、ただ……また次回も送られそうな気がする。

 

 

「何を手伝うんですか?」

 

 

「花畑の管理よ。冬だから一人よりはマシだわ」

 

 

「冬なのに咲いている方が驚きなんですが……」

 

 

「気にする必要はないわ」

 

 

「……分かりました」

 

 

改めて一面を見るが明らかに広い。

見るだけでも大変なことになりそうだ……

 

 

「逃げ出そうとしたら……分かるわね?」

 

 

「……はい」

 

 

幻想郷で速い妖怪達は見て来たが……流石に脚が速いとは思わない。

ただ……平時から威圧されているようだし、逃げるとなると脚が震えて無理だろうなこれ……

ただ……ある意味これ奴隷になるんじゃないか?

 

 

「……よろしくお願いします。小野寺」

 

 

「いらないわ」

 

 

「え?」

 

 

「貴方の名前なんてどうでもいいもの。花が枯れないように見ていればいいわ」

 

 

「……分かりました」

 

 

今更なんだが神だったりしないか?

神だから高圧的とかだったり……分からないし答えないだろうなあ。

 

 

「花には勝手に触れないでちょうだい。正直そこまで信用してないから」

 

 

「花が大事なんですね」

 

 

「見て分からない?」

 

 

「よく分かります」

 

 

これだけの花を咲かせ続けているし花が大事なんだろうなって。

花の妖怪や神だとしても本気で大事にしているのだろうと思う。

 

 

「あの……」

 

 

「まだ何か?」

 

 

「……住む場所や食事はどうすればいいでしょうか?」

 

 

正直必要なものはそれ以外にも存在するが、生きて行くのに最低限必要なものだけをまず尋ねる。

 

 

「ああ……そう言えばそうね。人間は面倒だわ」

 

 

「すみません……」

 

 

正直俺も被害者なんだが……そんな事は彼女にはどうでもいいだろうし。

ただ冬間近で外で寝ろとか言われても凍死するし……何より急に妖怪に襲われたりするかもしれない。

 

 

「小屋があるから勝手に使いなさい。食材は用意しておくわ。料理が出来ないとか言われても知らないけど」

 

 

「少しなら……出来ますので」

 

 

「ああ、火を使ったら殺すから」

 

 

「……」

 

 

花畑に近いのは分かる。ただ冬間近で火気厳禁は本当に辛いんだが。

 

 

「他の妖怪とか出たら?」

 

 

「そんな命知らずがいるなら花の肥料にしていいわよ」

 

 

「……」

 

 

本当に強いんだなって……これなら妖怪達も近寄れないのかもしれない。

 

 

「……何かあったら言いなさい」

 

 

「分かりました」

 

 

怖いけど……少しは話の分かる人で良かった……

 

 

「それが巫山戯た事だったら覚悟してもらうけど」

 

 

「……分かりました」

 

 

話が分かる気がするけど……それ以上に不安も感じるのであった。

 

 

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to be continued

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