幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百九話 更なる侵入者〜only confusion.

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「寒い……」

 

 

季節は十二月を迎え既に昼でさえも出歩きたく無い程だ。

そう言えば前世は十二月に辿り着けなかったし……前よりは先に進んだのか。

 

 

「早めに回らないと……日が暮れるまで歩き続けたく無いし」

 

 

足を早め白い吐息を漏らしながら回り続ける……っとあれは。

 

 

「帰りなさい。貴方の様な妖怪が来る場所では無いわ」

 

 

「ひぃっ!?」

 

 

脅された小さな妖怪が畑から出て行く。

最初の頃は殲滅でもするかと思ったが、そんな事はないらしい。

 

 

「全く……最近太陽の畑に侵入者が多いわね」

 

 

「ここは太陽の畑って言うんですか?」

 

 

「……関係ない話はして来るなと言ったはずだけど?」

 

 

「今居る場所は重要だと思いますが……」

 

 

名前すら知らなかったが……太陽の畑は聞いたことがある。

確か人里の南の方だった様な……

 

 

「知ってどうするの?逃げようとでも?」

 

 

「滅相もございません。即死する未来が見えていますので」

 

 

花が全て彼女の能力で動くのだから何度も言うが無理だって……

 

 

「貴方が来てもう一ヶ月は経ったわね」

 

 

「そうですね……最初に比べると体力も付いています」

 

 

流石にもう鍬に振り回されたりはしない。

雨が強くて出れなかった日を除けばずっと振ってたしな。

 

 

「一月経って何も無かったわね」

 

 

「……結構努力したつもりでしたが」

 

 

「貴方の努力はどうでもいいのよ」

 

 

「……」

 

 

酷い……と泣きたくもなるが、今話してる事自体が違うのだろう。

そうは言っても約二ヶ月前に異変が起きたばかりだしすぐ起きられても困るのだが。

 

 

「紫が落としていって、何かがあると思ったけど……見当違いかしらね?」

 

 

「それは……俺も分かりませんが……」

 

 

「……いっその事私が異変を起こしたほうがいいのかしらね?」

 

 

「……無理して起こすものでも無いと思いますが」

 

 

と言うか異変を起こして勝てる人間がいるのか?

俺も起きた異変はどうにかしたいと思っているが……彼女が相手だと無理な気がするんだが。逃げたくなる

 

 

「まあ確かに……暇潰し以外に起こす理由がないわね」

 

 

暇潰しで異変を起こすってのは流石に勘弁して欲しい。

 

 

「それに……異変が起きたら花畑がどうなるか分からないのではと思いますが」

 

 

「は?」

 

 

「いえ……ここで弾幕勝負とかになるとまずいでしょうしと」

 

 

「何が分かるって言うの?」

 

 

「いや……それで花が犠牲になったら嫌だなと」

 

 

「だから貴方に花の何が……」

 

 

「一応……咲かせるために耕していますので」

 

 

「……分かったわよ。止めればいいんでしょ?」

 

 

「え?本当に起こしたかったんです?」

 

 

「暇だし、最近暴れ足りないのよ」

 

 

「……そうですか」

 

 

確かに……彼女が見つけた妖怪は基本逃しているしなあ……妖精は無残に散って行くけど。

 

 

「貴方が戦える程強ければマシだったのに」

 

 

「即死する自信はあります」

 

 

「……つまらない」

 

 

文句を言いながら向日葵の中へと潜って行く。

流石に追い掛けると命は無いし周回を再開する。

彼女の戦える相手と言ってもなあ……無理だろう。

 

 

「霊夢さんや魔理沙さんとかなら戦えるかもだけど……」

 

 

彼女達は異変でも無いのに動くわけが無いなと……

ただこれを言うと異変を起こしそうだし本当に困ったものだ……

 

 

「どうしようもないから諦めるのが一番か」

 

 

ぎゅむっ

 

 

「うん?」

 

 

考え事をしていたせいか足元が疎かだった……

ただ花は踏んでないはず……一体何を?

 

 

「……え?」

 

 

そこには見知った姿があった。と言うか……踏んでしまった……

 

 

「すみませんにとりさん!!」

 

 

そもそもなんで妖怪の山から降りて来てるんだ?だったり何故太陽の畑にいるんだと疑問に思う事が多いのだが……流石にこの姿で別人って事はないよな?

 

 

「痛いなあ……」

 

 

「申し訳ありません」

 

 

「倒れてた私も悪いけどいきなり踏むのもあんまりだからな!!」

 

 

「足元不注意でした……」

 

 

「……あれ?」

 

 

「え?どうしました?」

 

 

一体何かあったのだろうか?

 

 

「何故私の名前を知っているのかってのもあるし……何より自分自身が話せるのも違和感あるなと」

 

 

「……あー」

 

 

そういえばにとりさんは人見知りだったな……あの時ロボットだヒャッハーってノリだったせいで忘れていた……

 

 

「色々とあったんです」

 

 

「いや、記憶に無いが……それで納得しろって言われても無理だからな?」

 

 

「それ以前にこちらからも疑問があるんですが……」

 

 

「まあ答え辛いなら先にこちらが答えるよ。ただし言ってくれよ?」

 

 

「分かりました。納得出来るか分かりませんが後で……」

 

 

そうだ、一番の疑問点が彼女にはある。

 

 

「何故……妖怪の山から降りてるんです?」

 

 

「あー……」

 

 

凄いバツが悪そうな顔をしている。

聞くのは不味かったか?

 

 

「……追い出された」

 

 

「え?」

 

 

「冬の間だけだけどね」

 

 

「一体何があれば山に住む妖怪までもを……」

 

 

「いや……人里などにはストーブがあるじゃ無いか?」

 

 

「ありますね」

 

 

最初ストーブがあるのは驚いたが、流石に幻想郷でもあるらしい。

 

 

「それは鴉天狗の新聞で聞いたんだが……作れるかなと」

 

 

「作れるかなと……」

 

 

嫌な予感がして来たぞ?

 

 

「作ったんだが……山が燃える可能性あるだろと」

 

 

「そうですね……」

 

 

「前に作った建造物の件含めて火事が怖いし山を降りて反省しろと……」

 

 

「あー巨大ロボ……」

 

 

俺だけが追い出される事になったと思ったが……あの時の件も含めてと言ったところか。

 

 

「本当になんでお前は知っているんだ?設計図はいつ書いたか覚えてないが、一人で作り上げたんだぞ?」

 

 

「……あー」

 

 

あの時は萃香さんが起こした異変の時、ロボットは製造はせずに設計だけしていた時期だったな。だから設計図だけ残っていたのか。

 

 

「って事で今度はそちらが」

 

 

「いや誠に申し訳無いと思いますが……」

 

 

「なんだよ、勿体ぶって」

 

 

「今すぐ逃げる事をオススメします」

 

 

「どう言う事だよ。こっちは空腹だし動きたくも無いんだけど」

 

 

「今……巡回中の管理人がいまして……」

 

 

「そんな事より今はそっちの話の方が重要だろう!」

 

 

「つまり忍び込んだ事は反省していないのね?」

 

 

「……」

 

 

危惧はしていた。しかしもう来るとは思わなかった……

 

 

「ははは、そんなわけ無いですよ」

 

 

若干命乞い気味に目の前の大妖怪と話す。

確かに雰囲気だけで勝てないと思うわ……

 

 

「さて……どうしようかね」

 

 

「助けてくれー!!助けてくれ盟友!!」

 

 

「!?」

 

 

思い出したのか?いや、でも一体なんで?

 

 

「だいとうりょー、殿様ー、キングー」

 

 

あ、これ全く思い出せていないし煽ててるだけだ……

ただ行かないのもダメだよなあ。

 

 

「あの……少しは手心を……」

 

 

「そう言えば貴方も庇ってたわね」

 

 

「ちょっと待ってください!?」

 

 

抵抗虚しく二人で畑の餌になりかけた、なんとか生き延びはしたものの……やっぱり逆らっちゃダメだろうと。

にとりさんと大事な話をする前なのにだいぶ大変な目にあってばかりなのであった。

 

 

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to be continued

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