幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百十話 河童、革命をする〜musou -tensoku.

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「なあ蓮司……ちょっといいか」

 

 

「なんでしょうかにとりさん」

 

 

小屋の中でにとりさんに声を掛けられる。

部屋が一緒ではまずい事を最初伝えたが、あの人に黙殺された……

 

 

「これ……奴隷みたいなものじゃないか?」

 

 

「……」

 

 

否定は出来ないしやってる事はそうなのかもしれない……

暖房一つ無いし環境が最悪だしな。

ただし逃げられな……否定出来ないどころかそれが本質な気がして来たな。

 

 

「これは幾ら何でも無いだろうよ……」

 

 

「慣れて来たら問題無いかなと」

 

 

「……私は慣れてないし慣れるつもりもないんだが」

 

 

「確かに……その前に帰るって話ですしね」

 

 

「だからどうにかしないかって話だけど」

 

 

「……彼女に何か言えるならいいと思いますが」

 

 

「なっ!?それは卑怯だろ?」

 

 

「いや、そうしなければならないですよね?」

 

 

「何をしろって言うんだ!!」

 

 

にとりさんがだいぶ荒れている……

無理もないと言えば無いのだが……

機械弄りが好きな彼女が一切作るなと言われたら……

 

 

「……機械は便利なんだぞ?何故それを分ろうとはしないんだ!!」

 

 

当然だが大妖怪様には却下されたと……

機械は絶対に使うタイプじゃ無いだろうしなあ……

 

 

「何より……何よりだ!!」

 

 

「まだ何かあったんです……?」

 

 

「胡瓜が……胡瓜が作れない……!!」

 

 

「えぇ……本気で花畑の近くで胡瓜作ろうとしたんです?」

 

 

「当たり前だろう?私をなんだと思っているんだ」

 

 

「……河童ですけど」

 

 

逆に言えば胡瓜があればなんでもいいのだろうか?

どっちみち俺では叶えられそうには無いんだが……

 

 

「いい加減私の我慢も限界だよ……」

 

 

わなわなと震えているが、まだ二、三日だけの気がするのだが……

 

 

「ふふふ、蓮司。産業よろしく発展には革命が必要だと思わないか?」

 

 

「立ち向かう力が足りないのでは……?」

 

 

「私に秘策ありってね!」

 

 

そのままスカートの中から何かを漁る。

 

 

「ちょっと、はしたないですよ……」

 

 

「よし、これを……」

 

 

モーターやら基盤やら何処に隠していたんだ……

と言うか、何かを作るのか……?

 

 

「私は思ったんだ……相手がどれだけ強大だろうと……それに勝てるロボットを作ればいいんだって!!」

 

 

「……出来れば巻き込まないで欲しいんですがね」

 

 

「そうなるかどうかはこれからの質問にかかっている」

 

 

「……なんでしょう?」

 

 

「蓮司、ロボットの知識はないか?」

 

 

「……ありますけど」

 

 

「本当か!?だったら知識を貸して欲しい」

 

 

「……」

 

 

「蓮司、お願いだ」

 

 

「……分かりました」

 

 

正直な話をすると、あの人は悪い妖怪だとは思っていない。

だから敵対するのは違う気がするが……

それでも相変わらず熱心なにとりさんを見て手伝いたいと思ってしまった。

 

 

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「蓮司、聞きたいことがあるんだけど」

 

 

「にとりさんどうしました?」

 

 

「どっかでこう言う物作った事あるのか?」

 

 

「……なんでそう思うんです?」

 

 

「慣れているって思ったし、何よりロボットの知識を人間が持っているのが驚きだしな」

 

 

「まあ色々とありましてね……」

 

 

「後で聞かせてくれ。今は集中しようか」

 

 

「分かりました」

 

 

あの時の偽想天則は完全に置物だったけど戦闘用となるのか……

ただ……流石にそこまで酷いのはにとりさんでも作らないだろう。

 

 

「本当はもっと大きなロボットが良かったんだけどなあ……」

 

 

「太陽の畑をどうする気ですか……」

 

 

「だからしないってば」

 

 

……出来たらする気だったとしか思えないんだが。

まあ言ったところでか……

 

 

「よし、完成したぞ」

 

 

「ああ……もう後戻りが出来ない……」

 

 

「しっかりしなよ蓮司。君とは盟友で君も共犯者だ」

 

 

「盟友……?」

 

 

「共犯者だしな、ここから先私達の革命の為の大切な人間だ」

 

 

「……分かりました」

 

 

正直また盟友と呼ばれる日が来るとはと思ったが……また君は呼んでくれるんだなと。

驚いたが、前の縁が関係しているのか?

 

 

「どうした蓮司?」

 

 

「いえ、色々と驚いていただけです」

 

 

「しっかりしろよ、今からが大事なんだから」

 

 

「面白い事をしたいみたいね」

 

 

「あっ……」

 

 

速攻でバレた……幾ら何でも早過ぎやしないか?

 

 

「幾ら待っても来ないと思ったら……何を遊んでいるの?」

 

 

「……すみません」

 

 

「何を謝っているんだ蓮司、革命は始まるのだろう!!」

 

 

「にとりさん……怪我はさせませんように」

 

 

「革命に犠牲は付き物だろう!!」

 

 

「ちょっと!?」

 

 

「あら……ガラクタを持ち込むなと言ったはずなんだけど」

 

 

「ガラクタじゃない!私の努力の結晶だ!!」

 

 

そう叫びロボットを動か……え?自動で動いてないか?

 

 

「はぁ……」

 

 

溜息を吐きながらロボットを殴る。

しかし殴られた程度じゃ平気なようで動き続ける。

 

 

「はっはっは、私の夢想天則を舐めるなよ!!」

 

 

新作の名前は夢想天則らしい……ただ本当に何が起きるか分からないし恐怖しかない。

夢想天則の一撃が額を掠め頭から血を流しているようだ。

 

 

「へえ」

 

 

しかし取り乱す所か笑顔が見える……何故喜んでいるんだ?

 

 

「久し振りに……暴れられそうね」

 

 

「え?」

 

 

彼女がそう言った瞬間、つい恐怖で目を閉じてしまった。

見ておけば良かったかもしれないが……見続ける事は正直厳しかった。

 

 

「なっなんだと!?」

 

 

その後にとりさんの驚く声が聞こえた。

慌てて目を開くと、ロボットが押されている。

 

 

「にとりさんのロボって相当完成度高かった筈ですが……」

 

 

それすらも優位に戦えるのかと思うと……本当に相手にしてはならない妖怪だなと思った。

 

 

「馬鹿な……このままじゃ……」

 

 

そのまま殴られ続けて、残念なことに叩き潰される。

確かに一日の出来だったが……それでもかなり出来が良かったのもありにとりさんがショックを受けている。

俺もショックを受けたくなるし分かるな。

 

 

「中々楽しめたかしら」

 

 

「……参りました」

 

 

そのままにとりさんは土下座する。流石に敵わないと感じたか。

 

 

「……」

 

 

「俺も同罪ですのでにとりさんだけをどうか責めずに……」

 

 

許されるとは思っていないがそれでも謝罪する。

ここで見捨てたりは流石にしない。

 

 

「ああ、貴方達二人なのね」

 

 

「はい……」

 

 

その言葉にゾクっとする。

俺達の処罰はどうなるかと。

 

 

「久々に楽しめたわ。ガラクタだと思ったけどそうでも無かったようね……サボったのは許すわ」

 

 

「……え?」

 

 

「……何?」

 

 

「いえ……なんでもないです」

 

 

「そう、あまりそのガラクタで好き勝手されても困るけど、偶には暇潰しにもなるし許すわ」

 

 

「いいの!?」

 

 

にとりさんが喜びの目で見ている。

 

 

「それで埋め尽くされても困るから偶にだけどね」

 

 

「了解した!!」

 

 

これは……結果的に良かったのだろうか?

にとりさんにもプラスになったし良かったんだろうなうん……

 

 

「そうだ、もう一つあるんだけど」

 

 

「好き勝手させる気はないけど?」

 

 

「胡瓜を植えたいんだけど」

 

 

「花畑に植える物じゃないでしょうが」

 

 

「うぐ……じゃあ今度買って来て」

 

 

「……分かったわよ」

 

 

「よっ、流石姉御!!」

 

 

そのままにとりさんに煽てられつつ戻っていく。

てっきり大変なことになると思ったが、むしろ褒められると思わなかった。

 

 

「世の中分からない物だな……」

 

 

「それでもいいじゃないか蓮司」

 

 

「そうですね」

 

 

正直この先異変が起きると言うならにとりさんのロボットは間違いなく役に立つだろう。

だから許可が出ただけでも有難い。

 

 

「ただ……問題があるけど」

 

 

全部壊されてしまったら意味が無いと。

作ったロボット全部を彼女に壊されないようにと祈るばかりだった。

 

 

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to be continued

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