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おかしい……おかしいおかしい。
一体何が起きたんだ?
「……昨日までは何も無かったよな?」
疑問に思いながら周囲を見渡す。
ここは太陽の畑であり、花畑である……それには変わりが無い。
「明らかに……増えてるよな」
花の数が昨日に比べて増えている。
耕して何か植えようと考えた場所にビッシリと……
「幽香さん……では無いよな」
少なくとも彼女は植える時一言話す筈だ。
少しだけ認められた場所があったが、そこに植える時は話があったし……
「異変……と決め付けるのは早いか」
花がより多く咲いているだけだ、これから何か起きるのかもしれないが……害意を感じないし。
「ふあぁ……どうした蓮司、小屋の前に突っ立っているなんてらしく無いが」
「あっにとりさん……実は」
「……って何だこりゃ!?」
当然の様ににとりさんも驚く。
四季折々の花が咲き乱れているのはここでは普通だけど……昨日までは一切無かった花が急に咲いていたらそりゃ誰でも驚くよなあ。
「幽香……じゃ無いよなあ」
「何も聞いてませんし」
「酔って暴走した……も無さそうだけど」
「ですね……聞きに行った方がいいかもしれませんね……」
そのまま幽香さんの元へと向かったが……正直後悔した。
「……何?」
「どうしたんですか……?」
聞くべきでは無かったかもしれない。
しかし明らかに苛立ちが見える顔につい聞いてしまう。
「この顔で怒ってないとでも思っているの?」
「花ですか?」
「貴方達が原因?」
「違います……種もありませんし」
当然だがやる意味もないだろうって……
「……花が苦しんでいるの」
「え……?」
「これだけ好き勝手に咲かれて、本来行くはずの栄養が全部奪われているわ」
「……ああ、確かにそう言われると」
「しかもその程度だったら我慢出来たけど」
「……まだ何かあったんですか?」
「強欲なくらいに奪って行くの。向日葵が、他の花が枯れそうになろうともお構いなしに」
「そんな……」
「花が咲く事はいい事よ。でも不器用に咲いて周りを苦しめるどころか、自分自身も苦しんでいるのを見ると……やり切れないわね」
「ああ……てっきり関係ない花は枯らすとでも言うのかと思いましたが……」
「そんな事はしないわよ。咲いている花には罪が無いもの」
確かに、生き場所を選べない花にとってそこで咲く事が罪と言っても酷なだけだろう。
「ならばどうするんだい?」
ただただ殺意を当てられているのが嫌になったのか、にとりさんも口を挟み始めた。
「決まっているじゃない、元凶にこの花達の苦しみを味合わせてやるわ」
「待ちなよ幽香、闇雲に暴れまわっても仕方ないさ」
「何が言いたいわけ?」
「目標を探す道具を作るから、待ってくれよってね」
「一々そんなもの待たないといけないわけ?」
「闇雲に手当たり次第やった方が時間かかるしまずいだろう?喧嘩になるだろうし」
「別に、喧嘩はいいじゃないの」
「その元気は黒幕をボコすために残しておくといいさ」
「分かったわ、ただすぐに作りなさい」
「あいあいさ」
そのままにとりさんはこやへとかえっていった。
「蓮司」
「幽香さん、どうしました?」
「貴方は何が出来るの?」
「何がって……」
「前にあの女が言ったように異変が起きた。態々貴方を残して異変に近いものが起きて……何か貴方が出来ることあったんじゃないのかって」
「……人間に期待されても大した事は出来ませんよ」
「……使えないわね」
「……そもそもなんで自分がここに落とされたのかもイマイチですし」
「異変を解決するためじゃないの?」
「俺自身がどうにか出来る力があるわけではありませんし……」
「はぁ……足を引っ張るなとは言わないけど、死んだりしないでちょうだい。面倒だから」
「え……?」
「何よ、心配するのが不思議?」
「いや……俺も行くんですか?」
「当然に決まってるでしょう?」
「戦える力無いんですが……」
「そんなの関係無いわよ」
「えぇ……」
激戦区であろう場所に連れて行かれて、それでなおかつ死ぬなってかなり無茶振りじゃ無いか?
「それに」
「それに……?」
「貴方も自分の耕した土を荒らされて頭に来てるんじゃ無いかしら?」
「……それは」
正直自分が耕した土地に花が咲く事は悪くない。
むしろよく花が咲いてくれたと嬉しいばかりだ。
ただ……それが今ある花を苦しませると言うのなら話は別だ。
「花に罪はない……幽香さんが言った通りですね」
「ええ、分かったでしょう?」
「分かりましたけど……」
「まあ何かさせる気はないわよ」
「分かりました……」
幽香さんは俺に何を期待しているんだ?
「貴方の気持ちをぶつけてちょうだい」
「え?」
「えって……頑張って作り上げてそれを奪われて何も思わない事ないでしょうよ」
「……」
「言いたい事ぶつけてやりなさい、荒場は全部私がやるから」
「いいんですか?」
「暴れ足りないのよ」
「え?いつもにとりさんのロボットを……」
「いいでしょ?」
「はい……」
どっちも本音なんだろうな……
それなら存分に暴れてもらった方がいいが。
「おっと、持って来たけど……何かあったのかい?」
「にとりさん」
手に持つ物を見る……あれ?あれって前ダメだったレーダーじゃ?
「なんでもないわよ」
「そりゃすまなかったね」
「と言うかにとりさんそれって……」
「レーダーだけど?」
「ダメだったんじゃ……?」
「ちゃんと設定し直したっての!!」
「ああ、まあそうですよね」
「それじゃあ、さっさと使ってちょうだい」
「おや、使うかと思ったけど……使ってみるかい?」
「使い方分からないもの」
「はっは、まるでお婆ちゃんみたいじゃないか」
「何か言ったかしら?」
「いえ何も……」
何故にとりさんはこうも無鉄砲なのだろうか?
「じゃあ使うよ」
そのままレーダーが指し示す、この場所は……
「壊れてるんじゃないですか?」
「なんでだよ!!今回は変な方向を指してないじゃないか」
「いや……これ変な場所ですよ」
「へえ、何処なの?」
「……無縁塚です」
前世で訪れた場所、だからこそ覚えている。
何故ここがと思う気持ちが強いが……
「行ってみましょう」
「ここに何かあるかと思いませんけど……」
「別にいいでしょ、虱潰しも偶にはいいわ」
「分かりました」
そのまま三人は無縁塚へと目指すことになった。
何があるのか、誰が居るのかと疑問に持ちながら。
初めて解決に介入する異変に色んな事を考えたのであった。
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to be continued