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魔法の森、その奥を抜ける。
二人は飛んでいるが俺は飛べないし……
「あれ?」
ここら辺で妖精達が出ると思ったが出ないな。
何かあったか……
「ああ、あるな」
空から明らかにプレッシャーが放たれている。
これ出たら死ぬって思ってもおかしくないレベルだしな……
「アリスさんも居ないみたいだけど……」
探すわけにはいかないが……どうしたんだろうな?
「今は急がないと……」
森を駆け抜けて、再思の道へと辿り着く。
秋の頃は彼岸花が咲いていたが、今の時期は他の花もごっちゃになっているとはいえ、桜が咲き乱れているのか。
二人が居ないのは驚きだが……誰かがいる。
「おや、
「稀人……?」
赤い髪のツインテール。
背は明らかに高い……空さんくらいあるかもしれない……
何より驚いたのが……
「鎌……?」
「ん?どうかしたかい?」
どうかしたかって……普通に道で鎌を持ってる人が居たら驚くだろう……
なんでおかしいんだ?みたいな雰囲気なんですか?
レミリア達ですら持ってないぞ?
「いや、不審者ですら鎌を持ち歩いたりしませんが」
「不審者ってねえ……あたいは小野塚小町ってんだ」
「小野寺蓮司です」
不審者相手に自己紹介して大丈夫なのだろうかと思ったが……今更手遅れだし仕方ない。
「それで……鎌持ち歩いてるって言われてもなあ……私も仕事だし」
「仕事って……暗殺者でもやってるんです」
「あははは、暗殺者がこんな目に見える武器持っているわけ無いだろう?」
「それはそうですが……笑わなくても」
「いやあ、確かに暗殺者では無いけど似てるなって」
「似てるですか……?」
「死神って聞いた事ないかい?」
「!?」
あれ……?何処かで?
会ったことがあるようには思えないが……
ーーやれやれ、三途の川に迷子だなんて面白い人間だねえ
ーーあたいが誰かって?
ーー死神って聞いたことないかい?
「三途の川?」
「ん?あたいの仕事場所だけどどうした?」
「いや、そこに……でもなあ」
「……少なくとも人間が来る場所じゃないよ。偶に迷い込むけど」
「俺が行った可能性ってあるのでしょうか?」
「無くは無いだろうけど……兄さん生きて」
「どうしました?」
「いやでもこれ……どう言うことだい?」
「え?何が……」
「兄さんの魂……死んでるのと大差ないけど」
「……え?」
成美さんに言われた事をまた言われる。
あれから死んだと言うのにまだ生命力が薄いのか?
それとも……いくら変わろうとも俺は……?
だったら何が理由だって言うんだ……それが思い出せない。
「まあ流石に幽霊には見えないから狩りはしないけど……」
「それ以上に俺が死んでいるも同然と言われて何がどうやらと……」
「んな事言われても、あたいには分からないからねえ」
「……」
「まっ深く考えたって暗くなるだけさ、軽く考えればいいよ」
「そう言える問題ではない気が……と言うか言った割に軽いですね」
「多くの死者を送り出してるしねえ、そこまで気にしてないのさ」
「それは……どうなんでしょうね?」
「少なくとも今兄さんは死人では無いし、生きている事には違いないんだ。だから僅かな灯火が消えないように生きるといいよ」
「難しそうですね……」
「死んだら終わりなんだから、必死に生きるとするだろうよ」
「それは……確かにそうか」
死に戻りなんて普通はあり得ないし、死にそうだと告げられても他の人は普通に生きようとはするか。
「さて……堅苦しい話はこのくらいにしておこうかな、あたいもいい加減飽きたし」
「飽きたで済まされていいんですか俺の人生……」
「まあ易者とでも考えて、信じ過ぎずにってね」
易者……確か占い師の事か。
「それよりも、気になった事が他にもあるんだよねえ」
「気になった事ですか?」
「兄さん、再思の道に何の用だい?まさかあれだけ言って死にに来た……は無いだろうし」
「死にに来たわけじゃ無いですが……」
「だろうねえ、だからって道を尋ねないところを見ると迷子でも無い……本当に何が目的か分からないのさ」
「無縁塚に行きます」
「それこそ謎なんだよ、死んでるから墓に戻りまーすじゃ無いだろうし」
「今異変が起きているのは知っていますか?」
「あー確かに起きてるって聞いたね……あたい達もそれで面倒を被ってるんだけど」
「花が咲く事が迷惑なんですか?」
幽香さん達のように大量の花を咲かせているならまだしも、他でも面倒事が起きているのか。
「えっ花が……ああいや、そう言う事かあ」
「どうしました……?」
「いや、こっちの話さ。でも無縁塚に行ったって花見なんざ出来ないよ?」
「いえ、違います。無縁塚にその元凶がいると言う事なので」
「元凶が……?でもあの人は元凶では無いだろう……?」
小町さんは何かを考えているようだ。
「だから無縁塚に行って原因を探しに行きます」
「ああでもそうか……間違っては無いのか」
「さっきから何を……?」
「いやあ、ちょっと言えないかなあ。あたいも面倒事に巻き込まれたく無いし」
「はあ……」
面倒事に巻き込まれるような感じなのだろうか?
「多分求めてる答えは出ないかもしれない。でも止める気はないしご自由にって感じ」
「なら好きにさせてもらいますが……」
「そうかい、じゃあ好きにするといい」
しかし……意外だったな。
「どうしたんだい?その表情は」
「いや、死神って怖いイメージあったんですが、小町さんを見る限りそうでも無いのかと」
鎌は持っているが、あまり恐怖を感じない。
「へえ……それじゃあこうしてもかい?」
小町さんがそう言うと首元に鎌が近付く。
と言うか……向こうに小町さんが居たはずなのに何故目の前に?
「驚いた顔だね、あたいの能力だよ」
「能力ですか……?」
「そうさ、だから優しそうに見えても油断するなって事さ」
「分かりました」
「うんうんいい子だねえ、油断した奴等とは大違いだ」
「……それはどう言う?」
「それじゃあまた死んだ時にでも会うとしよう」
「ちょっと小町さん!?」
追おうとしたが一瞬で消えてしまった。
それと同時ににとりさんと幽香さんが現れる。
「畜生何が……って出れたか」
「にとりさんどうしました?」
「いや、今まで再思の道に近付けなくてね。急に近付けたわけさ」
近付こうとも近付こうとも離れていったらしい。
「なんででしょうか?」
「さあね、誰かの能力かもしれないし」
「……」
さっきの言動的に小町さんもあり得るのだろうか?
「それより、幽香の機嫌が今ので悪くなり過ぎたし行こうか」
「……そうですね」
確かに悪そうだ、一刻も早く向かった方がいい。
小町さんが言っていたが、無縁塚には誰かがいる。
それは誰なのか注意しながら……無縁塚へと足を踏み入れた。
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to be continued