幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百十六話 白と黒、罪と罪〜I judge.

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無縁塚、実際に来たのは半年ぶりくらいになっているか?

よっぽどの用が無ければ来る場所では無いが……その割にはすぐにも思える。

 

 

「ここね……何も無いじゃない」

 

 

花は咲いているものの、それだけだ。

明らかにここが現場と言う雰囲気は無い。

 

 

「にとり?」

 

 

「いや、レーダーはここだって示してるぞ!?」

 

 

「だったら壊れているんじゃ無い?」

 

 

「壊れてないやい!今でも明確にここを指しているんだから」

 

 

「そう言われてもねえ……」

 

 

「まだ何も探していないだろう!!だから探してからだ!!」

 

 

「なら行ってきなさい」

 

 

「私が!?」

 

 

「当たり前でしょう、後蓮司もよ」

 

 

「幽香さんは……?」

 

 

「彼岸桜を見ているわ」

 

 

「……まあいいですけど」

 

 

にとりさんが周囲を探す中、自分は奥へと進む。

前にあの人に会った場所に……何かあるかもしれないし。

 

 

「春になってもここら辺は霧だらけなんだな……」

 

 

しかし、あの頃と違うのは足元に花が咲き誇っている。

踏まないようにするのが大変なレベルだ……

 

 

「ここら辺もか……本当に狂い咲いているな」

 

 

多種多様過ぎる匂いにくらつきながらも奥へと進む。

にとりさんのミスだとは思いたく無いが……流石に何も無いか?

 

 

「四季折々で綺麗だと言いたいけど……ここまで身勝手に咲かれると悪意を感じるな……」

 

 

「概ねその認識で合っていると思いますよ」

 

 

「!?」

 

 

この声は……前にも聞いた……

 

 

「悪意ある花、確かにそうでしょう。六十年で一回りする罪の輪廻ですから」

 

 

「閻魔様……それは一体?」

 

 

「……私の事を知っているのですか?」

 

 

「はい、分かっております」

 

 

「……貴方という人間を見るべきな気もしますが、今はそれどころでは無いのでいいでしょう」

 

 

「この異変ですか?」

 

 

「ええ、貴方はこの異変をどう思っていますか?」

 

 

どう思うかか……花が咲いている以外に何かあるのか?分からないな……

 

 

「……花が咲き乱れているってくらいですかね」

 

 

「確かにそれは事実ですね。現に幻想郷中に四季を無視した花が咲いております」

 

 

「狂い咲き……さしずめ狂花異変とでも言わんばかりに」

 

 

「狂花異変……面白いですね」

 

 

褒められた……何故そこを褒めたんだ?

普通に考えるとおかしいがまさか……

 

 

「閻魔様が元凶ですか?」

 

 

「いいえ違います」

 

 

「でしたら元凶は?」

 

 

「元凶などいません」

 

 

「……え?」

 

 

元凶がいない?何を言っているんだ?

元凶がいなければ異変なんて起きるわけ無いだろう?

騙されているのか?それとも理解していない……は無さそうなんだが。

 

 

「貴方はそもそも勘違いをしています」

 

 

「勘違いですか……?」

 

 

「この異変は貴方が言うような花が咲く異変では無い」

 

 

「……だったら何故ですか?」

 

 

狂花異変と言うのは俺の中でだけだったらしい。

まあ……悔しくは無いけど。

 

 

「先ほど言った通り六十年の周期が、悪意を引き寄せました」

 

 

「六十年周期……何を言って?」

 

 

「……六十年毎にこの幻想郷では博麗大結界が緩むのですよ」

 

 

「緩むって……大変な事では!?」

 

 

そんな、花が咲いたとかのんびり考えていてはならない物では無いかと思う。

 

 

「それにより、幻想郷に多くのものが流れ込むようになります」

 

 

「……それは?どうすれば」

 

 

「何もしなくてもいいですよ。花が咲き乱れますが、そのうち収束しますので」

 

 

「そんな……適当な気がしますが……」

 

 

「ですがどうしようもないのですよ」

 

 

「……それはそうですね」

 

 

結界をどうしろとか言われても俺は理解出来ない。

博麗大結界と言うからには霊夢さんが関係している可能性はあるが……実際何をどう言えばいいのか分からないのもある。

ならば……収束を待つしかないか。

 

 

「結局悪意とは言われましたが……原因は何なのですか?結界が緩んだだけでは花は咲き乱れませんし……」

 

 

「ああ、簡単に言いますとそれは……」

 

 

「見つけたわぁ」

 

 

その言葉と共に霧の中から光線のようなものが飛んで来る。

元から狙ってなかったのか当たらなかったが、直撃してたらそれはもう無残だっただろう……

 

 

「野蛮な……」

 

 

「野蛮なのはそちらの方でしょう?」

 

 

そして光線の飛んできた方から幽香さんが現れる。

 

 

「幽香さん、動いてたんですね」

 

 

「気配がしたからねえ、それでウチの花達を穢した元凶がいるじゃない」

 

 

「元凶って……」

 

 

彼女の話では元凶ではないと言っていたが……

 

 

「にとりが居るって言ったから合ってるでしょう?」

 

 

「……愚かな」

 

 

「アンタに言われたくないわね、喧嘩ならいつでも受けてあげたのに」

 

 

「全く……妖怪は人の話を聞かないで困る」

 

 

「自分の罪を贖ってもらってからにするわ」

 

 

「罪深いのは貴女の方ですよ」

 

 

「……へぇ」

 

 

どうしよう、この場から凄く逃げたい。

絶対に俺が居るのは場違いなんだが……

 

 

「人間であろうと、妖怪であろうと生き続ける事は罪なのです。貴女は長生きし過ぎたせいで罪深く残虐に生きる化物となった」

 

 

「好き勝手言ってくれるじゃない、自分のした事は棚に上げた癖に」

 

 

「私は裁く側の立場です。だから戯言に惑わされずに、一方的に裁かなければならない」

 

 

「自分が選ばれた立場だと勘違いしているようね……面白い」

 

 

……どうすりゃいいんだこれ、止めるったって無理だよな?

 

 

「蓮司蓮司」

 

 

「……にとりさん?」

 

 

小声でにとりさんが声を掛けてくる。

 

 

「これを着ろ!」

 

 

「これは……?」

 

 

「迷彩パックだ、少しでも巻き込まれないようにだ……」

 

 

着たら尚更危ない気がするが……

ただ幽香さんが見境無くなってしまった場合隠れていた方がいいか。

急いでパックを付ける。

 

 

「私達じゃどうにもならないから見るに留めるぞ」

 

 

「ですが、彼女は元凶じゃないみたいで……」

 

 

「どちらにせよ幽香を挑発したのは事実だ、止まらないだろう」

 

 

「それは……確かにそうですが……」

 

 

「だから余計な事は考えず今は生きるのに集中しろ!!」

 

 

「分かりました……」

 

 

確かに、命の危険の方が高いな。

今死ぬわけにはいかないだろうし……

少しだけ離れながら二人を見る。

 

 

「ちゃあんと虐めてあげるから覚悟なさい」

 

 

「貴女は、あらゆる生物を片端から攻撃し続けた。大した理由もなく」

 

 

「それがどうしたのかしら?」

 

 

「相応に罰を与えなければならない」

 

 

「本当……言っても分からないわねえ」

 

 

二人はスペカを構え出す。

今までのお遊びとは違い本気か……

どうなるか分からないが、互いの無事を願うだけだった。

 

 

「「白黒はっきり付ける」」

 

 

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to be continued

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