幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百十七話 弾幕勝負を見る者達〜spectators standing.

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「マスタースパーク」

 

 

先程の光線がまた襲い掛かる。

傘から放たれてるが……本当にこれスペルカードの域なのか?

 

 

「魔理沙さんが同じようなスペルカードを持っていた気がするけど」

 

 

「あまり乗り出すな!危険だぞ」

 

 

「すみません……」

 

 

確かに今の幽香さんの表情を見ると手当たり次第に見える。

いつものにとりさんのロボットを潰すレベルではない……憎悪も紛れているだろう。

 

 

「ただしまあ……」

 

 

「なんだ?」

 

 

「いつ飛んでくるかと考えると怖いですが……綺麗だなとも思います」

 

 

まるで花火を見ているようか、そんな感覚に陥る。

 

 

「スペカ勝負を見るのは初めてか?」

 

 

「少しだけありますけど……間近で見た事はないですしね」

 

 

「まあ……第三者がマジマジと見ることも無いだろうしな」

 

 

お互いがスペカを見せ合うと聞いたが……確かにスペカでさえこれなら……制度が無ければマジで死人だらけだっただろうなと。

 

 

「……にとりさん少しいいですか?」

 

 

「まあ……構わないが」

 

 

「今回の異変ってどう思いますか?」

 

 

「今回の異変か……そうだなあ」

 

 

閻魔様曰く元凶のいない異変。

何故花が咲いているのかは不思議だが……

 

 

「とてつもなく歪だね」

 

 

「歪ですか?」

 

 

「むしろ異変と呼べるか怪しいまであるよ」

 

 

「そこまで言う程なんですか?」

 

 

正直歪なのは俺自身も思っていたが、それは黒幕がいないと聞いたからだし……にとりさんは何も知らない筈で断言出来たのが驚いた。

 

 

「何もかもがおかしいんだよ」

 

 

「おかしいと思いますが、何処がかと言われると難しいですが……」

 

 

「まずは異変の内容だ、四季折々の花が咲く……異変ではあるが解決が本当に必要か?」

 

 

「異変なら解決が必要なのでは?」

 

 

「四季の花が咲いているだけだ、むしろ面白がって花見をすればいいと思うがな」

 

 

「確かに……そう言われるとそうですが……」

 

 

紅霧や春雪のような平穏を壊す異変。

紅霧の異変もあったが春が来ない春雪異変は相当だっただろう。

永夜や萃夢のような一部の人間や妖怪達が多大な迷惑を受ける異変だってあった……

 

 

「今回の異変は花粉症の人はまだしも、被害よりかは皆喜んでいる程ですし……」

 

 

「そう、だから歪だ」

 

 

皆の笑顔が見たいとかではないだろうしな……本当に理解不能だ。

 

 

「他には……?」

 

 

「……黒幕が出てこない」

 

 

「……一向に姿を出してきませんもんね」

 

 

「出てこないはまずないしな」

 

 

異変を起こしてこそこそするは本気で分からない。ただ……聞いた話だと。

 

 

「今回の異変は……黒幕がいないと聞きましたが」

 

 

「は……?いやいや黒幕が居ないって無いだろう」

 

 

「ですが……そっちの方がしっくりきますし」

 

 

「……まあ分からなくもないな、だったら何が理由だ?」

 

 

「それを聞くはずだったんですが……」

 

 

幽香さんの方を見る。

それを見てにとりさんの方も察する。

 

 

「あぁ……言っても止まらなかったしなあ」

 

 

「ですよね……」

 

 

「しかし……それも含めて歪なんだよな」

 

 

「え?」

 

 

「知らないか、異変について」

 

 

「あ……」

 

 

そう言われると理解する。今回の件は仕方ないかもしれないとは言え疑問しかない。

異変の原因は分からないが……解決するのは幽香さん。つまりは妖怪が解決に向かっている。

話では妖怪が異変を起こし、人間が解決するって事だったが……

 

 

「今回はでも……」

 

 

「元から宿命みたいなものだしな、妖怪が起こして人間が解決するのは」

 

 

「それ程なんですか?」

 

 

「特例があるとは思うけどね、全体的に合っている」

 

 

「確か……鬼が起こした異変は……」

 

 

「ああ、博麗神社で起きた奴だっけ?」

 

 

「そうです……確かあの時はアリスさんが……」

 

 

「え?あの異変は博麗の巫女が解決した筈だけど……」

 

 

「……え?」

 

 

いや……よく考えたらそうか、アリスさんの記憶もあの時は消えていた筈だし解決しにはいかないか?分からないが。

 

 

「だから……正直私にはお手上げだ」

 

 

「俺もですね……」

 

 

力も足りないし、根本が分からない……

二人の戦いが終わるのを見るしか無いのか。

 

 

「どっちが優勢とかも分からないんですが」

 

 

「途中からだし私も分からない」

 

 

ただただ、綺麗だと思うことしか出来ない。

 

 

「……正直分からない以上、放置してこの後のことを考えたらどうだ?」

 

 

「この後ですか?」

 

 

放置していいのかとも思いつつ、安全な場所に離れたなとも考える。

集中したくもあるが、見ても分からないしな……

 

 

「ああ、どうせこれが終わり次第用済みになるんだろ?」

 

 

「確かに……異変が終わると言う事は当初の予定ではそうですが……」

 

 

「だったらどうするんだ?文には会うんだろうけど」

 

 

「会いますね、その話はしましたし」

 

 

「だったらどうする?妖怪の山にでもくるか?」

 

 

「出禁なんです……」

 

 

「えっ……ああそうなんだ」

 

 

「なので……文さん次第ではありそうですが……」

 

 

「うーん、私も正直山で色々と作りたいが……」

 

 

「今まで抑圧されてた分が一気に爆発しそうですね……」

 

 

「でもさー……蓮司に着いて行っていいかい?」

 

 

「え?なんでですか……?」

 

 

「いや……今私山追い出された身だし、作る物が制限されそうだなと」

 

 

「どうでしょうね……」

 

 

「だから……いっそ私も着いて行こうかなって」

 

 

「それは構いませんが……結局大した物作れないと思いますよ?」

 

 

「えっなんで!?」

 

 

「何処に行くとしても巨大ロボは流石に……ですし」

 

 

「まあそれはそうか……作りたかったが流石に諦めるとして」

 

 

「まあ……何処でも作れなそうですしね」

 

 

「ただ……絶対認めさせるものを作るさ!人間を驚かせてやればいい」

 

 

「にとりさんなら出来そうですね……」

 

 

里などを見てもにとりさんの機械の方が凄いし……

 

 

「だから頼むぞ蓮……」

 

 

その言葉を言い切る前に近くで巨大な爆発音がする。

その爆発に紛れ岩の残骸などにぶつかる……ほぼ粉々だから怪我はないが。

慣れ過ぎたのか目を向けていなかったのが悪かった……何が起きている?

 

 

「……蓮司、あれだ」

 

 

「あれって……は?」

 

 

現場を見て唖然とする。

何が起きているんだ?あり得ない筈だろう?

 

 

「幽香さんが二人いる!?」

 

 

俺達の目の前には二人の幽香さんが向かい合っていた。

 

 

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to be continued

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