幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百二十四話 人間と妖怪〜thoughts half apparition.

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にとりさんの製作が徐々に進んでいくたびに慧音さんが塞ぎ込むんだがどうすればいいのだろうか?

 

 

「まあ、もうすぐ出来るしな」

 

 

「だからって放置でいいんですかね?」

 

 

「どうしようもないだろう?」

 

 

「それはそうですが……」

 

 

「それよりもだ、聞きたい事があるんだが」

 

 

「どうしました?」

 

 

「絶縁体……手に入らないか?」

 

 

「絶縁体ですか……?」

 

 

「ああ、放電されるとまずい場所があってな」

 

 

ガラスはともかく……ゴムだっけ?

ゴムは売ってるかな……?

 

 

「里の事は慧音さんに聞いた方がいいか……」

 

 

そのまま慧音さんの元へと訪れる。

 

 

「ん?どうした?」

 

 

良かった……流石に塞いで無かった。

 

 

「慧音さん、絶縁体って何処で売っているか分かりますか?」

 

 

「絶縁体……あー、電気を通さない奴か」

 

 

ストーブとかがあった以上流石に幻想郷にも電気はあるだろうし分かってもらえて良かった……

 

 

「何処かで売っていませんかねと……」

 

 

「流石に人里の何処で何が売っているかまでは分かっていないな……」

 

 

「そうですよね……」

 

 

「ただ……そうだな、諦めるのはまだ早い」

 

 

「え?」

 

 

「着いて来てくれ」

 

 

そのまま慧音さんに着いて行くと人里を抜ける。

 

 

「あの……大丈夫なんですか?」

 

 

「ん?ああ寺子屋は休みだし問題ないぞ」

 

 

「そうでは無くて……人里の外に出て何処かにあるのかなって」

 

 

「行けば分かるさ」

 

 

そのまま後に続くと……

 

 

「ここは……」

 

 

迷いの竹林……何故ここに?」

 

 

「よし、着いたぞ!」

 

 

「もしかして恨んでらっしゃいますか?」

 

 

「何故そうなる?」

 

 

「いや……迷いの竹林ですし迷わせる気なのかなって」

 

 

「そんな事はないぞ」

 

 

「では何故」

 

 

「絶縁体と言われたからなんだが……」

 

 

「え?」

 

 

「え?って竹は違うのか?」

 

 

「……すみません、知識不足だったようです」

 

 

 

竹って電気を通さないのか……ちゃんと覚えておかないとダメだな。

 

 

「勉強不足は仕方ないとは言え、私を酷い扱いしてないか?」

 

 

「いえ、生徒達が取られたとかで何かありそうかなと……」

 

 

「逆だ逆、その点は感謝しているよ」

 

 

「え?」

 

 

「え?って何でだ……」

 

 

「いや、申し訳ないのですが、正直いつもの行動がそうは思えなかったので……」

 

 

「……生徒達に笑顔が増えたのは事実だ、感謝している。それとは別に私のプライドが邪魔したわけだが」

 

 

「……」

 

 

もしかしてプライドが理由で日頃からメンヘラってるのか……?

 

 

「二人が悪いことではないのは分かっているんだけどな」

 

 

「それなら良かったですが」

 

 

とりあえず、恨まれて無いと分かっただけでも良かったのだろう、うん。

 

 

「それじゃあ竹を持ち帰るぞ」

 

 

「大丈夫ですかね?伐採しても……怒られるような?」

 

 

「あの子は問題無いって言ってたし大丈夫だろう」

 

 

「あの子……?」

 

 

「こちらの話だ」

 

 

気になるが今は先にこっちか。

第一、聞いた所で分からないだろうし。

 

 

「量は聞いてなかったが……一本あれば十分だよな?」

 

 

「流石に大きいものは作らないと思いますし」

 

 

楽々と育ちきった竹を、バランスを崩さずに持つ姿に驚きつつもそのまま人里へと帰って行った。

一本丸々だし、入る前に何か言われると思ったが……慧音さんの人望が理由か素通しされた。正直凄い。

 

 

「蓮司、戻って来た……うわ」

 

 

「うわは無いでしょううわは……」

 

 

「いや……これは誰だって言うだろう」

 

 

「お望みの絶縁体だし文句は無いだろう?」

 

 

「文句は言えないんだけどさ……」

 

 

「何かあるのか?」

 

 

「……親子丼を頼んで、鮭といくらの親子丼だったような感じ?」

 

 

「……何となく分かりますが」

 

 

合ってはいるが、何かが違うようなって感じで……使えるし問題がなさそうに見えるが。

 

 

「感謝はする……使えなくは無いしな」

 

 

「それなら良かったですが……」

 

 

「後数日で仕上がる予定だ」

 

 

「分かりました」

 

 

そのまま、邪魔にならないように慧音さんと部屋を出て行った。

 

 

「本当ににとりは凄いな」

 

 

「凄いですよね」

 

 

「私だとチンプンカンプンだしな。分からない知識を持つ者は本当に尊敬するよ」

 

 

「慧音さんも授業を見ていると、あらゆる知識を持っているようで尊敬しますけどね」

 

 

「経験の差さ」

 

 

「それでもですよ」

 

 

「有難う」

 

 

教師って大変だなと思ったし、だからこそ纏める力のある慧音さんとかはより凄いなと。

 

 

「だけど、私はお前だって凄いと思うぞ?」

 

 

「俺ですか……?」

 

 

寺子屋に来て、何かした記憶は無いんだが……

 

 

「人間と妖怪ってどうしても受け入れ難いしな。半妖の私だって昔は苦労したさ」

 

 

「まあ……分からなくも無いです」

 

 

種族が違うとどうしても溝が出てしまう。

俺だって最初の頃はだいぶ妖怪に敵意を持っていた。

 

 

「なのに、妖怪と仲良くしている人間を見つけたんだ。こりゃ尊敬するさ」

 

 

「皆が優しい妖怪だからですよ」

 

 

出会った妖怪達は友好的な妖怪が多かったのも多い。

だからこそ、警戒心が薄れているのかもしれないが。

 

 

「友好的かなんて人間には分からないさ。出会えば石を投げるようなものだから」

 

 

「何故……」

 

 

「危険だから。その妖怪は優しくても、人間は弱いから自分を守らなきゃ簡単に妖怪に殺される」

 

 

「……」

 

 

「だが力に差があるとは言え人間も妖怪もそう変わらんよ。仲良く出来るならそれに越した事はない」

 

 

「……そうですね」

 

 

「これからも続けてくれよ」

 

 

「勿論です」

 

 

その後も少しだけ話して解散した。

翌日からは昨日までの近寄り難い雰囲気は無くなっていき、少しずつ話す時間を増やして行った。

正直な話をすると、まだまだ話したい事は色々とあったが、遂に待ちに待ったにとりさんの作品が完成したのであった。

 

 

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to be continued

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