幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百二十五話 湖にて〜fairy mischief.

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「それじゃあ、有難うございました」

 

 

「構わないさ、こっちも世話になったって言ってたしな」

 

 

「それじゃあ、また人里に来た時寄りますね」

 

 

「そうしてくれ」

 

 

「でだ、蓮司」

 

 

「なんですか……?」

 

 

「あの馬鹿は何処行った?」

 

 

「馬鹿って……」

 

 

確かに文さんまだ来てないんだよな……

逃げた……では無いと信じたいけど。

 

 

「……どうします?」

 

 

「一先ず行くぞ。もうここにいるのは勘弁だ」

 

 

「そこまでですか……?」

 

 

「機械壊されても困るし、事故られても困るんだよ」

 

 

「確かにそうですね……」

 

 

「だから少なくとも、霧の湖に行こうかとは思っている」

 

 

「霧の湖ですか」

 

 

確か紅魔館の前に広がる湖だった筈だ。

あそこに何かあるかな……

 

 

「ただ、廃洋館には絶対に行かないように。文が来てからだ」

 

 

「分かりました」

 

 

そのまま、寺子屋から出て行く……

 

 

「っと……」

 

 

「あっごめん」

 

 

「いやこちらこ……」

 

 

あれ……妹紅さん?何故ここに?

 

 

「あれ?妹紅さん?」

 

 

「ん?誰だっけ?」

 

 

「いや……」

 

 

「行くぞー」

 

 

「あっ分かりました」

 

 

流石に今妹紅さんに説明する時間も無いし、にとりさんの後を追った。

 

 

「なんだったんだ……?」

 

 

「妹紅じゃないか、どうしたんだ?」

 

 

「慧音、久しぶり」

 

 

「この前竹林行ったんだが、すまなかったな」

 

 

「別にいいよ、毎回会いに来いなんて言わないしさ」

 

 

「それならいいが……」

 

 

「所でさっきのは誰?なんか河童もいた気がするんだけど」

 

 

「ん?蓮司とにとりだが」

 

 

「蓮司……?」

 

 

「どうした?」

 

 

「いや、苗字は?」

 

 

「確か小野寺だな」

 

 

「小野寺蓮司……」

 

 

「どうした?」

 

 

「何処行ったか分かるか?」

 

 

「ちょっと聞いてなかったな……」

 

 

「……残念だな。今度来た時教えてくれ」

 

 

「何かあったのか?」

 

 

「気になっただけだ、会えば分かりそうだけどな」

 

 

「そうなのか?だったら会えるといいな」

 

 

「ああ」

 

 

少し考えて、妹紅は諦めたように帰って行った。

 

 

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「ここか……」

 

 

来たのは初めてではない。ただ……あの時は通り過ぎただけだ。

 

 

「大丈夫か蓮司?」

 

 

「大丈夫です、にとりさんも大丈夫のようで良かったです」

 

 

名前に恥じない霧の量だ、レミリアに捕まって通り抜けたあの時と違う。割と迷いかけている。

 

 

「油断したら本当に見失うからなこれ……」

 

 

「そうですね、ただでさえ見にくいですから……」

 

 

誰か風でこの霧を飛ばしてくれないかとまで思う、当然そんな事はないが……

 

 

「こっから廃洋館って行けるんですか?」

 

 

「ああ、それは問題ない。私は霧の中でも見えるしな」

 

 

「離れても少しはどうにかなりそうですね……」

 

 

「だからって離れるなよ?」

 

 

「分かりました」

 

 

気を付けながら辺りを進む。

 

 

「後……廃洋館は文が来るまで行かないからな……?」

 

 

「……なんで霧の湖に来たんですか?」

 

 

「文が先に来てるかなと」

 

 

「居ませんね」

 

 

「本当に何処行ったんだよ……」

 

 

半ば呆れているようだ。ただ本当に居ないのが気になるな。

 

 

「こう言う時逃げるタイプじゃないですよね?」

 

 

「ああ、だから私もこっちとしか考えてなかったんだよ」

 

 

「何かあったんですかね……?」

 

 

「さあな……アイツの考えは私にも分からないし……」

 

 

「じゃあ一度戻りますか?」

 

 

「そうだ……な……あれ?」

 

 

「どうしました……?」

 

 

「使えなくなってる……」

 

 

「え!?何故急にそんなことが……?」

 

 

にとりさんのが使えなくなるって不味くないか……?だって霧の中が見えないんだろ?

 

 

「なんで急に故障したんですか?」

 

 

「ちょっと調べてみる……」

 

 

了解と、にとりさんの返答を待つ。

分からないと動き辛いし……

ただ……なんかちょっと……

 

 

「にとりさん……寒くないですか?」

 

 

「寒いか?湖だし普通……いや寒いな」

 

 

まるで氷が近くにあるのではと思う違和感を感じる。

訪れてすぐと比べて凍える程だ……

 

 

「これが理由だ」

 

 

「何か分かったんですか?」

 

 

「いや、理由は分からない……ただこの寒さが機械が不調の理由だ」

 

 

「……あー」

 

 

確かに寒いと機械の調子は悪くなるな……

湖はただ冷えるだけ……で済むレベルでは無さそうだが……

 

 

「寒い……寒いって……」

 

 

震える身体を揺さぶりながら原因を探す。

霧が濃すぎて見えないんだが……

 

 

「ストーブでも用意するべきだったかな……」

 

 

「どうせ使えないですよ……」

 

 

「そうだな……」

 

 

原因が分からない冷却に辛くなってくる。

身体が動き辛い……一体何が……?

 

 

「ちょっと待ってろ蓮司……私がなんとか……」

 

 

そう言うにとりさんの声も弱々しい、これはまずい。

躓くわけには行かないのに。

 

 

「みーんな凍っちゃえ」

 

 

その言葉だけ聞こえて、最後は……

霧が吹き飛んでいた。

 

 

「え?」

 

 

「置いてくなんて酷いですよ」

 

 

「文さん……?」

 

 

空には団扇を持った文さんが居た。

 

 

「遅いぞ文……」

 

 

「にとり達が先に行ったんじゃないですか」

 

 

「お前の事だから、先に行ってると思ってたしな」

 

 

「霧の湖ですし取りに戻ってたんですよ」

 

 

霧を吹き飛ばすなんて芭蕉仙かこれ?とさえ思う。

 

 

「ふっふっふ、驚いているようですね小野寺さん。これは天狗の団扇ですよ」

 

 

「凄いですね」

 

 

「ただすぐに霧でまた曇るでしょう」

 

 

「だったらまた仰げば……」

 

 

「いえ……それ以上に……」

 

 

霧の晴れた先を見る。

そこには青髪の少女が居るが……羽的に妖精か?

 

 

「あたいが見つかったようね!!」

 

 

その妖精は腕を組んでいる。自分がやった事に自信満々そうだ。

 

 

「あのー、貴女は何がしたいんですか?」

 

 

文さんがなんだこいつみたいに尋ねている。

 

 

「よく聞いてくれたわね!あたいはチルノ、サイキョーの妖精よ!」

 

 

本当に最強なのかは分からない。

たださっきの冷気がこの子が放ったのなら確かに最強クラスがあるかもしれない……

 

 

「どっちにせよ油断はしてられないな」

 

 

逃げるか戦うかは分からないが、どちらにせよ二人の動きに合わせようとする。

 

 

「二人とも戦いますよ」

 

 

「大丈夫なんですか?」

 

 

「自称最強程度なので」

 

 

「……」

 

 

「何をぅ!あたいはサイキョーなんだからな!」

 

 

そのまま攻撃をしてこようとしたのを文さんに打ち落とされた。

 

 

「なにー!?やるなぁ……」

 

 

「残念ですが私のデータはかなりあるので」

 

 

新聞のために集めたのかは分からないが、それでも文さんが大丈夫だと言うのならば大丈夫だろう。

 

 

「にとり、やりますよ」

 

 

「あい分かった」

 

 

見ただけなら虐めにも見えるような、二対一が開始されたのであった。

 

 

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to be continued

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