百二十七話 廃洋館へ〜cursed place.
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……廃洋館、確かにいつ壊れるかみたいなレベルで不思議な場所だ。
正直一人なら入りたく無い。
「……さて行くしか無いか」
「いやぁ、ワクワクしますねえ」
「さっきまでやっぱ止めません?言ってた癖に都合いいね」
「嫌だなあ言ってませんよそんな事」
……廃洋館に近づく度に言ってたんだよなあ。
ホラー苦手なのかな文さん?
「言ってません、絶対に!にとりの方が怖がってるんじゃ無いですか?」
「うん、怖いよ」
「でしょうね……え?」
「だから怖く無いならまず文が入ってよ」
「何をおっしゃいますかにとりさん?」
「ごめんね文、怖いって言ってたの聞き間違いだったよ」
「いえいえ、実は怖がって居ましたなので止めましょう!はい!」
「いや、合わせなくてもいいよ。文が我慢する必要なんて無いんだから」
「……」
嘘を吐き始めた文さんも文さんだが……にとりさんがえぐいな。
「……三十六計逃げるに如かず!!」
そのまま飛び立とうとするのを、落とされる。
と言うか重い……なんだこりゃ?
「文が逃げると思ってたし対策させてもらったよ」
「だからってわざわざその機械作るの馬鹿げてませんか?」
「重力操作は元からあったもんだよ」
そう言えば幽香さんに少しだけ壊されてない機械があったな……それがこれか。
「ですが……」
「残念だけどこれは文の負けでしょ」
「……分かったわよ!やればいいんでしょすぐに帰って来るわ!」
文さんの口調が崩れている……もう退けないんだろうな……
「……ふん」
そっぽを向くように廃洋館の中へと入って行った。
「さて……ってちょっと!!」
ドンドンドンと音が鳴る。
中から音が鳴って、慌ててドアを開けようとするが開かない。
「どうなってるんだこれ……」
必死に開けようとしてもビクともしない。
扉も壊せそうなのに壊せないぞ……
「にとり!!悪戯はやめなさい!!」
「違うよ文、開けようとしてるんだけど開かないんだよ!!」
「はあ!?そんなわけ……」
ドタドタドタと大きな音がする。
何が起きているんだ?文さんは無事なのか?
「文さん!!」
その直後バタンと大きな音が鳴る。
扉が開かれて、文さんが出て来た。
「大丈夫です……え?」
大きなタンコブの出来た文さんが地面に倒れている。
本当に何があったんだ……?
「文、大丈夫か?」
「してやられたわ……」
「何が一体?」
「幽霊よ……ポルターガイストか何かで扉は閉まるわ物が浮遊するわ、勘弁して欲しいんだけど」
「ポルターガイストですか?」
「そうよ、悪質なね」
文さんはたんこぶをさすりながら答える。
確かに実害が出るなら悪質だな……
「だったらどうする文?お前の事だし探し続けるか?」
「いえ……今回は退くわ」
「意外だな。お前の事だし行くと思ってたけど」
「危険極まりないのよ。今回はこれだけで済んだけど……今度が本気だったら皆危ないわよ」
「……そうだな。用心に越した事はない」
「幽霊騒動が起きる原因は二つあるのだけど……一つは幽霊がそこを住処にしている事」
「もう一つは何でしょうか?」
「……その幽霊達が何かを隠している場合よ」
「何かとは……?」
「分からないけど、暴かれたく無い物よ。そう言うのを守護している可能性もあるの」
「……だったら文としては探したいんじゃ無いか?」
「さっき言ったでしょう?何かを守っているなら危険なのよ」
「確かにそうですね……そのためなら全力を出しそうです」
「後日……も正直考えたけど、危険なだけ。やめるか博麗の巫女を頼る事にするわ」
「霊夢さんは……引き受けるんですか?」
「呪われた館の対処だって巫女の仕事でしょう」
そうなのか……?いや分からないが。
「だから、どちらにせよ一度離れるべきね。ここに居て機嫌を悪くされるのは良く無いわ」
「……分かった。流石に今の文を信じない理由はないな」
にとりさんも了解する。
「ふむ……文の見間違いも考えたけど館の中には幽霊が居るな」
にとりさんの方を見るとラジオのようなものを使っている。あれが作っていたアイテムか……
「と言うかにとり、それあるなら貴女が行くべきだったでしょうよ」
「文が見栄を張ったのが理由だろうよ」
「うぐ……」
正直どっちが悪いのかは分からないです。
「……まあ今はそれを言い争っても仕方ないから。一先ず人里辺りまで戻って考えるわよ」
「分かりまし……」
「蓮司、どうした?」
どう言う事だ……何故一体……?
「さっき閉まった筈の扉開いてません?」
文さんを吐き出して、その直後に閉まった筈の扉がまた開いている。
確認していたから閉まっていたと断言出来る。だが今の扉は開いており中の闇が見える。
嫌な予感がする……逃げないと。
「全員急……」
文さんが話しきる前に扉の奥に広がる闇は音を立てて周りを飲み込み始めた。
逃げようとするも、その勢いに俺は飲み込まれた。
「蓮司……」
にとりさんの声は聞こえたが、どうなったか分からない。
文さんの声は聞き取れなかったが大丈夫だろうか?
こう言う時は自分の事を気にするべきなのだろうが、何が起きているのか理解していない。
何も見えず、音も遠くなり……自分どころか……一瞬で吸い込まれていったため、二人もどうなったのか分からない……
「出鱈目過ぎんだろ……」
理不尽さに悪態を吐きながら完全に館へと取り込まれていった。
その後……自分はどうなったか考える前に気を失った……
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to be continued