幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百二十八話 廃洋館の少女〜mystery girl.

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「……うん?」

 

 

頭痛がするが、それでも無事な様だ。

もしかしたら死んだのかもしれないが……

しかし明らかにここは建物内だし、目が覚めたのはベッドの中だから……死んではないだろうな。

 

 

「……誰も居ない?」

 

 

隣のベッドは空だ。文さんやにとりさんが居ない……

 

 

「探しに行かないとまずいよな……」

 

 

もしかしたら先に目覚めて探索に行ったのかもしれないけど……そしたら書き置きとかあるだろうしなあ……

 

 

「行くか……」

 

 

先程の様に扉が開かない事も警戒していたが……無事に開いたようだ。

さて……これなら良かったが……

 

 

「問題はこの先どうするかだ」

 

 

正直この場所が廃洋館なのかは疑問でしかない。

廊下を見て思ったのだが……明らかに広過ぎる……

洋館の大きさじゃないだろう……

それに……廃洋館と言うには周りが新し過ぎる……

 

 

「ポルターガイストも起きていないし……別の場所に飛ばされた可能性さえあるな……」

 

 

「それなら二人が居ないのも納得出来るが……」

 

 

だったら何処なんだって話になる。

 

 

「誰か居ればいいが……」

 

 

扉を開けて行く。色々な部屋があるな……本当に紅魔館のように西洋風だが……

 

 

「やっぱ、誰も居ないか……」

 

 

そう思っていたが……

 

 

「誰……?」

 

 

「えっとごめんなさい。ここで目を覚ましまして……」

 

 

明らかに幼い少女、ただ幻想郷において少女と言っても……凄まじい能力を持つ妖怪や人間も多いしなあ。

 

 

「なら貴方は招かれたの?」

 

 

「招かれたって……なら君も……いや貴女もですか?」

 

 

最初は諭すように話そうとしたが……違和感を感じるし流石に舐めた態度とか言われるのは嫌だしなあ……

最近三下が板について来たようで嫌だ。

 

 

「なら友達ね。嬉しいわ」

 

 

話が繋がっていない気がする……

ただ……現状話を合わせておいた方がいいか……

 

 

「友達で良いんですかね……」

 

 

「良いわよ、許してあげる」

 

 

「有難うございます……」

 

 

とりあえず、状況整理が優先か……

 

 

「俺の名前は小野寺蓮司です。人間ですので……」

 

 

「レイラ・プリズムリバー」

 

 

少女はそう答えた。

ただ……儚げさを感じる。

 

 

「それじゃあレイラさん」

 

 

「レイラで良いわ」

 

 

「……レイラちゃん」

 

 

「友達でしょう」

 

 

「……レイラ」

 

 

「それで良し」

 

 

「……」

 

 

心臓を掴まれる様な息苦しさを感じた。

場合によっては心臓を握り潰されそうなそんな重圧が……

刺激してはいけない。ただ……情報を集めないとダメか……

 

 

「レイラ……出口は何処だい?」

 

 

「出口……?」

 

 

「ああ……協力しないとって」

 

 

「どうして出る必要があるの?」

 

 

「え?」

 

 

「ここは私のお家よ。ここで皆と遊ぶの」

 

 

「……」

 

 

出来れば違ってて欲しかったが……そっちの方か。

逃げようにも逃げ場所すら無いだろうな。

 

 

「……いいよ、何しようかレイラ」

 

 

少なくとも今は無謀に出るタイミングでは無い……彼女の誘いに従うことにした……

 

 

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「次は何しようか」

 

 

「……少し休ませてくれないかな」

 

 

「人間は弱いね」

 

 

「逆にレイラは元気だね……」

 

 

「うん、だって疲れないし」

 

 

やはりと言うか人間では無いんだな。

元から特殊な力を持っていた様で人間では無いだろうなと思っていたが。

 

 

「(答えてはくれなかったが)」

 

 

先程、種族を尋ねたら答えてくれなかった。

物を動かしたりもするし、文さんの証言からポルターガイストに関わる霊かもしれないが……

 

 

「ほらじゃあ休んだでしょ」

 

 

「……二分も休んだ記憶がないんだけど」

 

 

「いいの!やるの」

 

 

そのまままたテーブルなどが飛んで移動する。

ポルターガイストの犯人は彼女なのか?

少なくともそう考えておいた方がいいか……

 

 

「それじゃあ次はこの子達と……」

 

 

そう言いながらぬいぐるみ達を取り出す。

見た目は人間っぽいが楽器を持っている様だ。

 

 

「この子達は?」

 

 

「私のお姉さん達なの」

 

 

「お姉さんですか……」

 

 

それぞれ髪色の違う姉妹達の人形がある。

妹達かと思いきや姉な意味はあるのか?

……正直、彼女の考えが読めない。

 

 

「大好きで大切なお姉様達だったの」

 

 

「だった……?」

 

 

「みーんな分かれちゃった」

 

 

「それは……辛いね」

 

 

四姉妹がバラバラになったならそれは辛いな……

何があったのか……流石にそこまで聞く度胸はないが……

 

 

「こうやって……皆、皆」

 

 

そう言いながらレイラは人形を引き裂いた。

全身がバラバラになる。

 

 

「え……?」

 

 

「みーんなこうやって……」

 

 

次々に姉妹と呼ばれた人形達が引き千切られて行く。

その光景に唖然とする。

 

 

「皆、みんな、ミンナ……」

 

 

「姉達は……」

 

 

死んでしまったのか?

だったらこの子は一体……

するとレイラは笑い出す。

 

 

「冗談よ。姉さん達は死んでは無いわ」

 

 

「ビックリした……驚かせないで欲しいで……いや、欲しいな」

 

 

つい敬語が出そうになってぐっと飲み込む。

嘘だったのか……良かった。

ただ笑っている筈なのに……狂気を感じる。

 

 

「でもいいのかい?人形をボロボロにしちゃって……」

 

 

「いいのよ。壊れる時は壊れるわ」

 

 

「それはそうだけど……ですが姉達なんじゃ?」

 

 

「いいのよ」

 

 

「なら深くは言わないけど……」

 

 

「それに、人形じゃ無くてお友達ができたもの」

 

 

「それはまた別かなって思うけど……」

 

 

「でもお友達だし……」

 

 

言葉が途中で止まり、レイラは何か考え事をし始める。

物騒な事を考え始めなければいいが……

 

 

「違ったわ」

 

 

「何が……?」

 

 

「貴方と私はまだお友達じゃ無かったって」

 

 

「違ったのか……?どうしてだか分からないけど……」

 

 

何か相手に不都合があったのだろうか?

どうしろって言う話だけど。

 

 

「だって私と貴方はまだ違うもの」

 

 

「何が違うのか理解しかねるけど……性別とか言うなら諦めてくれ」

 

 

こちらにレイラが向かって来る。一瞬身構えたが遅かった。

腹部に何かが突き刺さっている。

 

 

「……は?」

 

 

さっきまで手には人形を持っていただろう?

なんで今はナイフになっているんだ?

血塗れのナイフを持ちながらレイラは笑う。

 

 

「貴方も幽霊になれば同じでしょ?これから仲良くしようね」

 

 

幽霊……その割には身体がくっきりしているし意外だった。

と言うか血を止めないと……

 

 

「ダメだよ」

 

 

うずくまりながら腹を抑えていると背中にもう一刺しされる。のたうち回りながら何度も何度も……

 

 

「流石に……霊夢さんに伝えないと……」

 

 

そのまま俺は動かなくなった。

 

 

 

 

いつもの野原、そこで目を覚まして……大結界異変は終わったのだろうか?

花はだんだん減っていたが、終わってないと少し面倒だな……

とりあえず霊夢さんに……

 

 

「……なんで」

 

 

ここは野原ではない……館だ……しかも

 

 

「さっきの館……」

 

 

何故?いつも通り戻らないのだ?

どうしてここなんだ?外は何処だ?

色々と疑問に思っていると扉が開く。

 

 

「お兄さん……誰?」

 

 

先ほど殺された相手……レイラが姿を現した。

 

 

「うわっ……!?」

 

 

「いきなりどうしたの……?」

 

 

「いっいやなんでもないで……いやなんでもない」

 

 

この調子ならやはり他と同じで、覚えていないのだろうか?

それなら隙を見て。

 

 

「その怯え様……何の能力か知らないけどレイラの事知っちゃったんだ」

 

 

「……」

 

 

汗が流れる。なんだこの殺気は……

 

 

「それじゃあお兄さん、お友達になろうよ」

 

 

部屋中の物が宙に浮かび、飛びかかって来た。

必死に避けるがまた飛んで来る。残念だが今回も死ぬだろう。

どうすればいいんだ?死んでも恐らくはまた此処だろう……なんとか出口を探さないといけないだろうか?

飛んで来たピアノに押し潰されながら、逃げ方を考えた。

ここで永遠なんて過ごしてたまるか。

 

 

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to be continued




レイラの公式絵は存在せず、姿描写が出来ません。ご了承下さい。
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