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地図を再び確認して地下の場所を探る。
当主の部屋にあるのか……如何にも感が出てきたな。
倉庫にも曰く付きに見えるアイテムがあったし……地下はもっと怖いが。
「ただ……そこにあるんだろうな」
不思議な鏡……流石に何も無いとは思わない……
行ってみて何も無かったら……どうしよう……
「って後ろ向きになっても仕方ないな」
当主の部屋は……鍵が開いているな。
少しだけ探しながらクローゼットをどかすと言うテンプレな行動で地下への階段を見つける。
「流石に化け物とか飼ってないよな……?」
そんなものいないと思いつつも不安になる。
ただ止まるわけには行かず進み続ける。
「暗いが……手元にあって助かった」
明かりはまだ見える位置に置いてあり、手に取って使う。
真っ暗って程ではないが……家の中でここまで暗い場所があると不気味だな。
「ここ……かな?」
扉を見つけ中へと入る。
嫌な空気だ……
「骨董品とかが好きそうなのは分かったけど……」
壺とか怪し過ぎて俺は買う気が出ないんだよなあ……良い物だったって気付いたら残念がるだろうけど……
「……魔法陣まであるのはマジかよってなるなあ」
正直ここの主人は何がしたかったんだ?
こんなのおまじないで済むレベルじゃないだろ……全員が呪われてもおかしくないレベルだし……
「……ここには来てないと思ったんだが、流石にここにもか」
また皆の姿が浮かび上がる。
しかしそこに映るレイラは……この館にいるくらいのレイラにまで成長している様だ……
「……」
しかし皆の様子がおかしい……何が?
「お姉様……」
「……レイラ、ごめん」
「いえ、お姉様達が悪いわけではありませんもの」
「しかし……不運なんだけど唐突過ぎて何も言えないや……ははっ」
「リリカ、笑い事じゃないよ」
「だったらどうしろって言うのさ姉さん!!」
「父さんも母さんも死んだ……それは事実だ。だからって立ち止まるわけには行かない」
「もう……どうしようもないでしょう?」
「……一先ず頼れる人を頼ろう」
「……いるの?」
「私は先輩に話してみる」
「だったら私は友達に……」
話し合って行く場所を決めているようだ……
しかしさっきまでの記憶は皆が楽しかったり喧嘩したりとか姉妹らしい記憶だったが……今のこれは本当に何が起きているんだ?
親が死んだのだろうけど……唐突らしいし、こちらも理解が足りていない。
「レイラは?」
「私も皆を頼りますよ」
「了解、離れ離れになっちゃうけど。また会おうね」
そこで話は終わった……かの様に思えた。
地下でレイラが蹲っている。
「……あれ?もうこの館には誰も居ないんじゃ?」
レイラがまだ残っている事に疑問を思いつつ近付いた……だいぶ痩せている。
「お腹が……減りましたね」
館の中には既に食糧が残ってないのか、空腹で弱っている。
当然だが俺には何も出来ない。
「ごめんなさい、お姉様……レイラはもうダメそうです」
何があったのだろうか?彼女だけが一体……
「皆は新しい道を歩めましたが……私は皆が一緒に居たこの館から出る勇気が出ませんでした」
鏡に向かって話しかけている。
自分は弱いと貶す様に。
「……本当に、皆で幸せに居たかっただけなのに」
……ふとした出来事で崩壊した日常は耐えがたい物だろう。
俺だってそうだ……今は全部が壊された非日常だ……
「幸せが溢れていってばかりで……」
「……」
これが彼女の死んだ理由か。
苦しんで苦しんで、悔いが残って幽霊になるのも分かるかもしれない。
だからって他者の命を奪うのは良くないが……
「なんだか皆の声が聞こえてきた気がします……お迎えなんですかね?」
「お迎えじゃ無いわよ」
「!?」
鏡の方を慌てて見る。そこには八雲紫の姿がある。……流石に記憶の様だが。
「ひっ……妖怪……!?」
「合ってはいるのよね……スキマ妖怪だし」
「スキマ妖怪……?それが何の用ですか?」
「ああごめんなさい、率直に言うと本気で死ぬ気?とね」
「自殺防止でもさせる気ですか?」
「そこまではしないけど……単純に、幻想郷に来ないかしら?とね」
「幻想郷……?」
「ええ、幻想郷」
「すみませんが……この館を出る気は無いです」
「構わないわよ。思い出があるんでしょう?この館ごと連れて行ってあげるわ」
「え……?」
「だからどうかしらと?」
「……何故関わろうとするのですか?」
「そりゃ、困ってる人は助けないとね……」
「……嘘な気がしますが」
「あらバレちゃった」
「……」
「気になる事があったからよ」
「気になる事?」
「そのマジックアイテムよ。今貴女の周りを姉と名乗る幽霊達が浮いているしね」
「え?お姉様達は……?」
「死んではないと思うわ。多分この子達は貴女が生み出したのよ」
「でも……」
「そのうち見える様になると思うわ」
「はぁ……」
「その子達も貴女と話したいと言っているし、今回手伝う事にしたのよ」
「そうなんですね……」
「だから貴女は幻想郷に来るかしら?」
「……行きます」
「いいのね?」
「はい、幽霊だとしても……また皆と暮らせるなら」
「なら……ようこそ、幻想郷へ」
そのまま館は全てが、吸い込まれて行った。
そこで記録が終わる。
予想以上の出来事がひたすらに続いていた。
「これで……大体が分かったのか?」
浴室の件はそりゃなしだ。
あれは見れない……
「さて……最後に鏡だ……」
鏡を確認する。叩いても何の変化もないが……にとりさんがまたここでも映っている。
「どうせ声が届かな……」
「蓮司!?」
「え?」
にとりさんの声が聞こえて慌てて振り返る。やはり鏡の奥か」
「蓮司いるか!」
「居ます……!!」
相手の方も驚いた顔をしている。
やはり鏡の世界だったか。
「今待ってろよ」
にとりさんが準備を始める。
流石に大丈夫だろう。
「問題はどう行けば……」
疑問に思っていたが、消えるだろうな……
「……え?」
今鏡に何か映らなっか?
いや映った。八雲紫だ。
彼女が何かするか、これからどうなってしまうのか。
「……」
疑問に思いつつ、この状況をどうにか出来るかなど言いたいことは山ほどあるが、それを飲み込んで……
「中に飛び込めばいいんだよな……」
「蓮司!手を!」
「え?」
「鏡に」
鏡に手を触れるが、入る事が出来ない。
「あれ……?これでも無い」
そう思っていると鏡の中から手が出てくる。
「……なっ」
よく見ればにとりさんのマジックハンドか……でも何故……?
目を凝らすとスキマの中を通ってきた様だった。
「蓮司いいいいいいい!」
その手に捕まれ、鏡の中に潜って行った……やっと戻れたのか?疑問に思いながら。
聞きたい事を聞く事を決めつつ、ホッと一息つくのであった。
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to be continued