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鏡の先は先程までいた世界。
正直でたいと思っていたのに、すぐに戻る事になるとは思わなかった。
ただ、今回は脱出じゃなくて、目的があるわけだが。
「まずは……探さないとな……」
レイラ・プリズムリバー。彼女が何処にいるか……
地下室から出ながら探し始める。
「んー……」
レイラが見当たらない。
隠れたとかはしなそうだが……
「……悪霊達も居ないな」
おかしい、なんで何処にも居ないんだ?
まさかまた違う世界……?
「……だったらどうする」
あちらこちらの部屋を探す……しかし居ない。
そして……あの部屋へと辿り着く。
「……ここは、流石に居そうだけど」
ここの世界で何度も蘇った隣の部屋。
悪霊達が詰まっていた部屋。
……ここも居ないならお手上げだが。
「……中には」
あれ?誰も居な……だったら何処……
「……え?」
物凄い喪失感を感じる。
身体がよろけ下を見ると、赤い液体が流れている。
それが何かすぐに自覚した。
「血……?」
その流れている場所を見ると……自分だ。
一体何が……?
「……うぇ」
下半身を見て嫌悪感が募る。
自分の胴体に穴が空いている……だからバランス取れなかったのか。
部屋に入った瞬間飛びついて来たのか?
「……隠れてる?なんで?」
何に気付いたんだコイツらは?
今まで散々出回っていたのに、なんで急に隠れ始めた?
「あ……がぁ……」
死なないって言ったのにすぐにこれはダメだろうよ……
ああ……ただダメだなこれは。
「畜生……」
何処からか聞こえるクスクスと言う笑い声。
レイラもここに居たんだろうか?
「……」
一瞬言葉を出し掛けたが、口を噤む。
やろうとしている事がバレるわけにはいかないし……
多分記憶は消えていると思うが、それでも隠れられたし気を付ける。
彼女を助ける。そうする為に欠かさない様に。
しかし……気を付けるって言ったのに悔しいな。
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何度も目覚めたベッド、過去に戻る事は無くて良かった。多分この館に縛られているんだろうな。
「……なんで警戒されてるか分からないけど」
何があったんだ?出て行ったことがバレたとかあるのか?
それなら迂闊だったかもしれないが……
「……どうすっかなあ」
また無謀にも入るわけには行かないが……
あの部屋に入らなければどうにかなるかもしれないと思って、探すのもありかもしれないな……
「霖之助さんが居ればアイテムも分かったんだろうけど……」
無いものねだりしても仕方ないが……
当主の部屋や、地下には何かありそうだな……
「行くか……」
当主の部屋や地下に潜る。
骨董品とかアイテムとか多いが……実際なんだか分からない……
適当にアイテムを使って、失敗だったらやり直しとかも無しじゃないが……後で怒られそう。
「……これは?」
ロザリオ、しかも金色だ。
純金かは分かる程知識は無いし分からないけど、重いしあり得はする。
「あー……まあでも……」
相手は幽霊であって、日本のお化け達だしなあ……
ロザリオが効くか分からないが……
「ただ他の謎のアイテム達よりは分かりやすいか……」
謎の粉ーとか投げて何が起こるか分からないし、第一とっくに消費期限とかの類は切れてるだろうから吸い込むと怖い。
壺とかはそもそも何か起きるとは思わないし……そう考えるとこれしか無いか?
「手当たり次第はしたく無いけど……」
ただ、何も試さないのも違うしなあ……腹を括るしかない。
「……一応懐中電灯も持って行くか」
準備は万端だとは到底思えない。
ただし、進まなければどうなるかも分からない。
腹は既に括ってある。大丈夫だ。
「……また、隠れていると考えながら動いた方がいいだろうな」
そのまま周囲を警戒しながら、扉へと向かった。
さて……二度も同じ手を喰らう馬鹿では無いが、それでもかなり警戒して扉を開ける。
「確認を……」
急いで周囲を懐中電灯で照らす。
霊は居た様だが、光に驚いたのか散らばって行った。
「……ここは」
霊達が、部屋から消えて行った事を確認して部屋へと入る。
この部屋はずっと溜まっていたし、見たのは初めてだが……
「……礼拝堂?」
館にこんな場所があったのかと驚きつつ、部屋の中を探索する。
何も無いし……本来ならば、空になったその場所は神聖である筈だ。
なのになんでこんな寒気がするのだろう?
「……神々しいとかとは逆で何故か悪寒が酷いな」
「それはね」
「!?」
声のする方向を見る。
レイラだ……こんな所に居たのか。
「……」
連れて行く様に、誘い込むための動きをするが、一切気にしていない。
完全にこちらを無視して口を開く。
「神様が居る場所……の筈だけど、事件が起こったの」
「事件……?」
周囲を気にしながら彼女の話に耳を傾ける。
「プリズムリバー姉妹達の両親。私の親でもあるけど、彼らはここでマジックアイテムを使って死んだわ」
「……それじゃあ」
この部屋は両親に呪われているのだろうか?
そうなると手を付けられない気もするが……
だから霊が溜まりやすく、先程レベルになっていたのか……
「だったらここから避難しないといけないね」
一歩下がる。このまま引き寄せて地下へと向かわないと……
一発じゃ無理かもしれないが……それでも……
「ねえ」
「何?」
「何する気なの?」
「何する気って……」
「分かっているわよ」
「何が……ですか?」
「貴方の不思議な力。死んでも元に戻るのね?」
「っ!?」
なんで……バレて……
「ここは私の世界だもの。貴方の動きの違和感に気付けたわ」
「違和感……そんな物は……」
「まるで既に体験したかの様に動く、この部屋だって入れない筈なのに“偶々”懐中電灯を持ってきた様だし」
「それは……偶然だよ」
死なない為に動くしか無かったが……その動きで分かるのか……
「最初は未来予知とかも考えたわ。だけど違う様だし」
「……決めつけるのは早計だと思いますが?」
「だって、未来予知があったら……この部屋に入らなかったし」
「え?」
その途端何かに捕まれる。
後ろを見ると……コイツらは逃げた筈じゃ?
「はい、お終い」
「……」
また死ぬか……仕方ないけど、これじゃあまだ何回も死にそうだな……
仕方無い……また動き方を考えて……
「逃げられると思った?」
「え?」
「また死んでも逃げられちゃうもの。逃がすわけ無いでしょ?」
「……」
「さて、新しい玩具になりなさい」
その言葉と共に、身体の中に何かがドンドン入り込んで来るのであった。
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to be continued