幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百三十九話 常識外〜don't get caught.

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「〇〇さんって本当に凄いですね」

 

 

「いえいえ、そんな事はありませんよ。皆だってやれば出来ます」

 

 

「いや、流石に厳しいですよ。それも奇跡なんですかね?」

 

 

「ふっふっふ。奇跡をこんな物で済むと思ってもらっては甘いです。本当の奇跡を後で見せましょう」

 

 

「……いいんですかね、奇跡をそんな安売りして」

 

 

「……まず第一に、信仰を集める事が大切なので」

 

 

「あぁ……やっぱり大変なんですね」

 

 

「ってわけで小野寺さんもどうですか?」

 

 

「……いや、自分は明確な一定の〇〇教とかみたいには持つのは厳しいです」

 

 

「やっぱそれが日本らしいんですよね……」

 

 

「そうですね……特定よりも信じたい時にだけ信じるケースが多いですし」

 

 

「それも八百万の神がいる影響ですかね」

 

 

「でしょうかね……」

 

 

「まあ、勧誘は諦めます……興味ない方を誘っても〇〇○様に怒られそうですし」

 

 

「……大変ですね、色々と」

 

 

「頑張りは認めてくれますので」

 

 

「それなら良かったですけど……」

 

 

「それじゃあ小野寺さん。最後に大事な事です」

 

 

「この日本と言う場所においては神様はあちこちにいるので……簡単に諦めないでください。どうしようもない時はきっと助けてくれますよ」

 

 

「……そうだと良いですね」

 

 

勧誘が続いた様に思えて、この時は若干戸惑っていた。

ただ……今の俺はどうだろうか?

〇〇さんらしい考え方だなって、とも思ったけど。

 

 

 

 

「……あれ?」

 

 

今何が起きてたんだ……?そもそも今どうなって……

 

 

「……」

 

 

目の前にはレイラがいる。

驚いた様な表情をしているが……

 

 

「何をしたの?」

 

 

「え?」

 

 

「何をしたのと聞いているの!!」

 

 

何をしたって何が起きているんだ……?

そう言えば俺の身に何が起きていたんだっけ?

 

 

「悪霊……」

 

 

身体の中に入り込んできた感触。

確かに何かがいた筈だ……

それはどうなったんだ?

 

 

「……消えた?」

 

 

だったら何処に行ったって言うんだ?

逃げたのかな……?

 

 

「貴方が消したんでしょ?」

 

 

「……」

 

 

何かがあったか……まさかとは思うがあの子が言ってた神様がなんかしてくれたと?

神様が今まで干渉して来なかったのにあの子を思い出して……とかあるのか?

 

 

「……かかれ」

 

 

多くの物、幽霊達が飛び掛かる。

物を必死に避け、霊達が近付いて来る。

終わったか……と思ったが……

 

 

「……言った通りなのか」

 

 

目の前で霊が消えた。

自分自身でも驚いたが……何があったのかは分からない。

 

 

「……それか」

 

 

身体が浮いた気がしたが、すぐに落ちた。

そしてポッケから物が浮かぶ。

 

 

「……ロザリオ」

 

 

確かに退魔的な効果はある物だが……

まさかこれも神が……?本当にあの人的に考えるとなんでもアリになってしまうな……

 

 

「……と言うか」

 

 

不味いな……不味い不味い……

ロザリオを取り上げられたって事はもう守りもない……流石に危ないよな……

 

 

「それじゃあ、お兄さん」

 

 

「失礼します!!」

 

 

色々なものに追われながらも必死に逃げた。

近くだが……勢いが激しい。スレスレで物が飛んで来る。

 

 

「……ここで終わるわけにはいかない」

 

 

死ぬかもしれない。いや死ねば良い方か。

紅魔館の様に飛んでくる物に脚が潰れて全て乗っ取られるとか言ったら勘弁だ……

 

 

「まだ……」

 

 

ふらふらになりながらもなんとかその脚で主人の部屋まで辿り着く。

だが……ここからだ……

 

 

「お父様の部屋?悪い子だね」

 

 

「……実は俺が主人だから君は入っちゃダメだよーって」

 

 

「面白くない」

 

 

「はい……」

 

 

階段の前まで着くが、そこでレイラがニヤって笑う。

 

 

「なんだ……?」

 

 

「お父様が隠し部屋を作ってるのは知らなかったけど……降りるのかしら?」

 

 

「……」

 

 

言いたい事は分かる。

階段を降りよう物なら無秩序な物が降り注ぎただちに直撃するだろう。

 

 

「大人しく玩具になって?」

 

 

「行かなきゃならない場所があるんだ」

 

 

「だったら、この子達にあげるわ」

 

 

先程よりもレイラの後ろに霊達の姿が見える。

その顔はまるで生者を恨んでいる様にも見えた……

 

 

「……どうする」

 

 

頭を巡らせる。どうすればこの場を切り抜けられる?

そんなの常識的に出来るわけ……

 

 

「……」

 

 

「諦めてくれました?」

 

 

「……ない」

 

 

「え?」

 

 

「常識に囚われちゃいけない……」

 

 

ここは非日常なんだ、いつまでも常識のままじゃダメだろう。

生き残る為には常識外の事を……

 

 

「それじゃ!」

 

 

そうして階段から飛び落ちた。

最悪死んでも良い。いや怒られるけど……だけど逃げるにしても死ぬにしてもこの方法が一番マシだ……

そんな予想外の行動にレイラは一瞬遅れ、ポルターガイストが届かなかった。

 

 

「追わないと……」

 

 

追おうとするがレイラの身に違和感が起きその場に蹲る。

 

 

「邪魔をするな……」

 

 

自分の中にいる何かに邪魔をされ、動けなくなる。

指示を受けていた幽霊達もオロオロしながら動かなくなる。

 

 

「既に奪われた癖に……」

 

 

身体に訴えかけるが、より一層抵抗が激しくなった。

その時間稼ぎは、階段を飛び降り気絶していた蓮司が目覚めるまでの時間稼ぎとなった。

 

 

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「常識から外れるのはいいけど……迂闊過ぎたな……」

 

 

脳死し過ぎた……結局早く降りられても気絶しちゃ意味ないだろうと。

何故か無事だった事に安堵しつつ折れた右脚を引き摺りながら鏡へと向かう。

目の前まで辿り着いた所で、レイラが下へと落ちてきた。

 

 

「……なんで、逃げるの?」

 

 

「行く場所があるって言っただろう?」

 

 

「嫌いなの?」

 

 

「少なくとも君は本人じゃ無いだろう」

 

 

今の振る舞いは子供の様に思えるが……少なくとも残虐性を含んでいる。

幼い子が悪霊化したのかもしれないが……俺じゃあ付き合いきれないし……

 

 

「ううん、私は私」

 

 

「その身体は君のものじゃ無いだろう」

 

 

「……私のだもん!!」

 

 

駄々をこね始める。

それを無視し、鏡に入ろうとする。

脚が折れてる上に、油断すれば一瞬で死ねるのだ。

 

 

「絶対に逃がさない、元の世界でも追い続けてやる……絶対に」

 

 

「いや……困るか……」

 

 

そのまま飛びついて来て鏡に叩きつけられる。

しかし鏡に衝突する事なく、身体はすり抜けていった。

一応条件は満たしたが……本当にこれは大丈夫なのか?

どう見てもダメだと思いつつ、元の世界を思い浮かべる。

紫さん、出来るならどうにかしてくれよ。

 

 

「……がぁっ」

 

 

外の世界に辿り着き、床へと叩きつけられ、そのまま首を絞められている。

やばい……窒息どころか首がねじ切れられる。

 

 

「死……n」

 

 

必死にもがいている所に音楽が流れ始めた。

その音楽に驚いたのかレイラの手が離れる。

 

 

「……げほっ」

 

 

慌てて周囲を確認する。

にとりさんや文さん、紫さんはまだしも死神までいたのは驚いたな……

そしてその周りでは三姉妹が音楽を始めていた。

 

 

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to be continued

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