幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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〜紅魔館編②〜
百四十二話 紅魔館にて〜reunited girls.


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「おい文」

 

 

「なんですかにとり」

 

 

「分かっているだろう?」

 

 

「申し訳ないけど……あれは仕方が無いのよ」

 

 

「その後助けに行かないのにか?」

 

 

「私が行ったら尚更大変な事になるわよ、普段が悪いのだけど」

 

 

「だったら見捨てると……お前は……」

 

 

「少なくとも小野寺さんは利用価値があると思ってるし、どうこうはしないと思うのだけどね」

 

 

「それは文の決め付けだろう」

 

 

「でも、だったらどうするだし」

 

 

「今から助けに……」

 

 

「ダメよ」

 

 

「文!!」

 

 

「いい加減山に帰るわよ。引き延ばしすぎたけど、いい加減天魔様が機嫌を損ねているわ」

 

 

「くっ……」

 

 

「一応使い魔達は置いておくわ。何かあったらにとりに伝える。それでいいでしょう?」

 

 

小鴉達を飛ばす。紅魔館の中へは行けそうに無い気がするが、何もしないよりはマシだ。

 

 

「……何かあったら恨むからな」

 

 

「ええ、元はと言えば私のせいだもの。それで何かあったら恨まれて当然よ」

 

 

「……分かった」

 

 

納得出来ない自分を抑え込んで無理やり納得した。

盟友の協力を出来ない事に心から悔やみながら。

 

 

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「……つまりアンタじゃあの天狗は止められないってこと?」

 

 

「……ただの一般人ですし、何より誰でも止まらない気がします」

 

 

命の危機かと思いきや、いきなり聞かれたのは文さんについてだ。

青筋が見える気がするし、相当手を焼いていたのだろう。

 

 

「ほんと、あの天狗爆ぜてくれないかしらね」

 

 

「……凄い嫌われっぷりですね」

 

 

「当然でしょ、正直不快だわ」

 

 

……俺自身は恩人だし、そんな気持ちはないが、プライベートもなんもない彼女は敵を作りやすいんだろうなと。

 

 

「下がっていいわ。脚ももう動くでしょ?」

 

 

「有難いことに動きますね」

 

 

正直折れたままだと思っていたが、パチュリーさんの賢者の石で折れたくらいなら治るらしかった。

対価は……払った記憶は無いが大丈夫なのだろうか?

 

 

「それじゃあ去りなさい、今日だけは部屋を貸してあげるわ」

 

 

「……あの」

 

 

「何?」

 

 

「てっきり食事の為に捕まったと思ってたんですが、違うんですか?」

 

 

「食べられたいの?」

 

 

「全く」

 

 

「……最初はその気だったのよ」

 

 

どうやら命拾いしたのかもしれない。

 

 

「だけど自然と貴方は食糧にする気が出なかったの」

 

 

訂正、していたらしい。

 

 

「それなら良かったですが……」

 

 

「後……」

 

 

「どうされました?」

 

 

「その敬語も不快」

 

 

「え?」

 

 

「やめなさい」

 

 

「……分かった」

 

 

レミリア、実は前世の記憶があるんじゃ無いだろうか?

いや、振る舞い的にないのは分かっているが……一体……

 

 

「お嬢様、それでは彼をどうするつもりで?」

 

 

「どうしようかしらね……正直雑用とかさせても……」

 

 

「お姉様ー!」

 

 

向こうの部屋からトテトテとやって来た……ってえ?

 

 

「フランどうしたのかしら?」

 

 

「えっとねー、暇!」

 

 

「少し待ってなさい……」

 

 

「えー」

 

 

「えーじゃないの今は忙しいのよ」

 

 

「むー、分かったけど……早くね」

 

 

「ええ勿論……ってどうしたのよ?」

 

 

「……なんでもない」

 

 

唖然としていたところを見られたのだろう。

さして問題ないが……そっか、良かった。

 

 

「うーん、お兄さんどうしたの?」

 

 

「何でもないよ、ちょっと気になった事があっただけだよ」

 

 

「そっかー、どうにかなるといいね」

 

 

「……そうだね」

 

 

あの時の頑張りが無駄じゃないと思うと泣きかけて来る。

流石に泣く事はしないけど……

 

 

「何?フランの事が気に入ったの?」

 

 

「そう言うわけでは無いけど……」

 

 

「決めたわ」

 

 

「え?」

 

 

「アンタ、仕事は?」

 

 

「……今は特にしていませんが」

 

 

自分で言って最悪だなこれ……

ただ、してないのも事実だしな……

 

 

「だったらフランの相手をしてくれないかしら?」

 

 

「え?」

 

 

「私も忙しい時が多いし、いつでも見てあげられるわけじゃ無いから」

 

 

「……」

 

 

治ったとは思っているが無邪気ゆえの危険が付き纏う気がする。

正直、怖い。

 

 

「ダメかしら?」

 

 

「……死なないなら」

 

 

「暴走はしないし、前よりはましだと思うわ」

 

 

「……」

 

 

危険って事じゃ無いですかああああああ!!

あの時はまだ顔馴染みだったからマシだけど、こっちに関しては面白い玩具とか思われても困りますよお客様……

 

 

「やらなきゃやっぱ餌にしようかしら」

 

 

「脅迫じゃん……」

 

 

「いいかしら?」

 

 

「……危険ならすぐ助け呼ぶから助けて」

 

 

「善処するわ」

 

 

「ヘルプ!!」

 

 

「……まあ咲夜は何処かしらにいると思うから頼りなさい」

 

 

「……分かった」

 

 

「よろしくねお兄さん!」

 

 

「……そうだね」

 

 

よし、プラスと考えよう。彼女がどれだけマシになったかと気になっていたし。

本来はレミリアから聞く気だったけど……直接見れるならいいか。

 

 

「基本はフランの遊び相手、後は雑用を覚えてちょうだい」

 

 

「了解」

 

 

大体やる事は覚えている。問題ない。

命の危険はあるものの比較的マシだそうだし。

相手は覚えてないけどまたやって来れたし悪い事ではないか……

 

 

「頑張ろう」

 

 

気持ちを切り替える。

廃洋館はもう終わって紅魔館なのだと。

 

 

「お兄さん早く早く。人形遊びしようよ」

 

 

「分かった分かった、今行くよ」

 

 

フランの後を追って地下へと向かう。

前みたいに監禁はされてないみたいだが、場所はここのままなんだな。

 

 

「それじゃあよろしくね」

 

 

「ああ」

 

 

ここまで気に入られている理由は分からないけど、それなら好都合だ。

仲良く出来るならと願いながら人形遊びに付き合い始めたのだった。

 

 

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to be continued

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