幻想郷で死に戻る俺は   作:せかいちっ!

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百四十三話 仕事なんですきっと〜trust me.

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「……」

 

 

目の前の壊れた人形を見る。

容易く取れる首を見て言葉を失う。

 

 

「お兄さん、次は何をするー?」

 

 

「この子達は……?」

 

 

「ごめんなさい、力入れすぎちゃった」

 

 

「そう……」

 

 

壊したくて壊してるんじゃ無いんだよなあ……

力加減のミスで人形が壊れる。

だからこそより怖いのだが……

 

 

「直せる……?」

 

 

「ごめんなさい……」

 

 

「ちょっと待っててね」

 

 

首が取れただけなら問題ない。簡単に直せる。

ただ……人形みたいなノリで俺自身もとなると困る。

 

 

「わー、凄いねえ」

 

 

「大切に使ってあげてね」

 

 

「……努力はするー」

 

 

それだけマシなのだろう。

修繕した人形をフランに渡し喜ばれる。

 

 

「直った!凄いねえ」

 

 

「教えてくれた人が良い人だったからね」

 

 

「その人何処にいるの?」

 

 

「今はどうかな……森にいるのかな?」

 

 

アリスさんに会いに行けてないし今どうなっているのか分からない。

今回は初めから流されるように進んでるしなあ……

 

 

「森?」

 

 

「ああ、ここからは遠いよ」

 

 

「えー、行きたい!!」

 

 

「そもそも外出していいのかい?」

 

 

「……うん」

 

 

「……」

 

 

ダメそうだよなあこれは……

 

 

 

「まあ……行くとしても今度ね」

 

 

「ブーブー」

 

 

「文句言わないの」

 

 

そのまま続けて、気付けば彼女は眠っていたようだ。

 

 

「……ベッドで寝かせてと」

 

 

そのまま部屋を出る。

 

 

「……何してるんですか」

 

 

扉の先にレミリアが居た事に少し驚く。

 

 

「妹を心配して悪いかしら?」

 

 

「……心配なら頼まなかった方が良いと思うけど」

 

 

「いえ、何故か不思議と大丈夫だと思ったのよね」

 

 

「……何ですそれ」

 

 

「もしかしたら過去に何か貴方と関係があったり?」

 

 

「それだったら記憶に何かあるでしょうよ……」

 

 

「あるわよ」

 

 

「え?」

 

 

「騙していてごめんなさい。実は覚えているの」

 

 

「……なん……で?」

 

 

 

悪い事と言うわけではないが、何故覚えているのか理解出来ずに戸惑う。

アリスさんと違って何も無いよな……

そう考えているとレミリアが顔を覗き込んできた。

 

 

「どうして覚えて……」

 

 

その瞬間レミリアの笑みが溢れたのに気づいた。八重歯がチラリと見えた。

 

 

「やっぱりね」

 

 

「何が?」

 

 

「過去に何か貴方と関わりがあったのね」

 

 

「それは先程の話で……」

 

 

「知らないわよそんな」

 

 

「え?」

 

 

「カマを掛けただけよ」

 

 

「……してやられた感があるな」

 

 

「いいじゃない」

 

 

「まあ……」

 

 

悪い事ではないか、どっち道事実である事には変わりがないし。

何より騙していたとか言い出しそうにはないから。

 

 

「違和感も何となく理解出来たわ」

 

 

「違和感……?」

 

 

「初めてな気がしないのがね」

 

 

「そう言えば言ってたような……」

 

 

正確な初めては……即殺されたんだが。

まああれは放置で二度目だ二度目。

 

 

「で、その件だけど」

 

 

「……やっぱあるのか」

 

 

許されるかなって思ったけど、やっぱダメかぁ……大変な事にならねばいいが。

 

 

「人の話を早とちりするのは悪い癖のようね」

 

 

「……ん?」

 

 

「別に何もしないわよ。勝手に悲嘆的になられても困るわ」

 

 

「それならいいけど」

 

 

「その話を聞きたかっただけよ」

 

 

「ああ、だったら……」

 

 

「後でいいわ。フランの相手してて疲れてるでしょう?」

 

 

「それはまあ……確かに……」

 

 

遊ぶだけならいいんだが……人形が引き千切られるたびにちょっと……

 

 

「これからも相手するんだから今日くらいは休んでおきなさい」

 

 

「……助かる」

 

 

正直今日はもう休んでしまいたいレベルだしな。

後で色々と話すとして……信じてくれる気はするな。

そう思いつつ睡眠に入った。

 

 

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「ん……」

 

 

朝に違和感を感じて起きる。

何というか……何かに乗っかられてたような……

 

 

「……誰も居ないな」

 

 

今はその重さを感じないが……

誰かが来ていた?いや、来ていても乗っかられているのはおかしいが……

 

 

「……気のせいかな?」

 

 

「お兄さん!おはよう」

 

 

「ああ、フランちゃんか」

 

 

って事はさっきまでフランちゃんが居たのかな?

 

 

「どうしたの?」

 

 

「……フランちゃんさっきここに来た?」

 

 

「来てないよー」

 

 

「うーん……」

 

 

どう言う事だ?フランちゃんが嘘を吐いているも無さそうだけど……

 

 

「誰か来たかい?」

 

 

「うーん、来て無いんじゃないかな?」

 

 

「そっか、ありがと」

 

 

なら気のせいだろうな。深く考えても仕方ないか。

 

 

「それじゃあお兄さん遊ぼ!」

 

 

「……今起きたばかりなんだけど」

 

 

「早くー」

 

 

そのまま引き摺られて行った。

 

 

「……」

 

 

 

背後に違和感を感じながら。

 

 

「〜♪」

 

 

「ご機嫌だねフランちゃん」

 

 

廊下を鼻歌を歌いながら歩いている。

 

 

「うん!ずっと退屈だったんだもん。楽しくなって嬉しいよ」

 

 

「それは良かった」

 

 

楽しんでくれているのは事実だろうしな。それでも怖い事は怖いんだけどさ……

ただ……だからって敬遠はしてはいけないなと。

 

 

「お姉様が普段は遊んでくれるけど、忙しい時は忙しいしさあ……独りぼっちなんだもん」

 

 

「そっか……」

 

 

「お兄さんもいつも暇では無さそうだけどさ」

 

 

「……」

 

 

一応これが仕事です。休みの時は休むけど。

 

 

「うー、でも仕方ないよね」

 

 

「そこはまあ……ごめんね」

 

 

「いいよ、しょうがないもん」

 

 

「本当にいい子だねえ」

 

 

「ちょっと前まで……お姉様達に酷いことしてちゃったからね」

 

 

「……それはフランちゃんが悪い事じゃないよ」

 

 

「そっか、そう言ってくれるなら嬉しいな」

 

 

「それなら良かった」

 

 

少しだけ曇ったフランの顔が戻る、無事に戻って良かった。

 

 

「でもお兄さん」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「その事話したっけ?」

 

 

「……」

 

 

やらかした気がする。どうにでもなるだろうけど。

 

 

「お兄さん?」

 

 

「……」

 

 

誤魔化すようにフランに肩車をする。

やっぱり……見た目通り軽いんだなと。

どうにかノリで押し切ろう。

 

 

「えっと……どうしたの?」

 

 

「いや行くぞーって」

 

 

「おー!」

 

 

少し戸惑うもテンションに乗ってくれた。

そのまま紅魔館を肩車で走り抜ける。

少し走った後、咲夜さんに見つかりこっ酷く叱られたのであった。

 

 

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to be continued

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