ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ああ……直すから待っててね」
「フランじゃないもん」
また人形が壊れたが自分じゃないと言い張る。
ごめんなさいと言う時もあれば自分じゃ無いと言う時もある……どう言う事だろう?
「まあ、直せばいいか……」
「フランじゃないもん」
「分かりました」
何故壊れたのか分からないけど……一先ず彼女じゃないと言うならば保留としよう。
直せない程だったらまずいけどこれくらいなら問題ない程度だし。
「……一応は」
破けた部位を見てみる。
普段よりぐちゃぐちゃだ……直せはするが。
まるで本当にフランちゃんがやったようじゃない感じだな。嬉しくはないけど、力が強いせいで綺麗にもぎ取れるし。
「……こう言うのが前にも」
「どうしたの?」
「いや……」
流石に……それは無いだろう……
だってここは紅魔館だぞ?そう易々と入れないだろうよ……
「……フランちゃん」
「なぁに?」
「最近変な事起きてないかい?」
「変な事ー?」
「うん、起きて無いならいいけど」
「起きてるよー」
「え?」
まさかマジで……
「人形が勝手に壊れる!」
「……」
確かにそうだけど、今はその曖昧な疑惑以外が欲しかったなあ……
「他には?」
「無いよー、それくらい」
「分かった」
流石に、これだけじゃグレーだな……
探すのは一旦保留……
「失礼します」
「ん?」
「咲夜だー」
咲夜さんが地下へとやって来る。
何かあったのだろうか?
「妹様、少しよろしいですか?」
「どうしたのー?」
「厨房に入ってませんか?」
「入ってないよー」
「本当に?」
「本当だよ、咲夜疑うの?」
「いえ……しかし、それじゃあおかしいわね」
「何かあったんですか?」
「ああ小野寺さん、すみません居たのに気付きませんでした」
「……」
真面目な顔をして入って来たし多分本当に目に入ってなかったんだろうな……そう信じよう……
「冷蔵庫に入れて置いた物がいくつか消えているの」
「泥棒……は無いですね、無理でしょうし」
この紅魔館で犯人が見つかって無いなんて相当だしな……
そもそも食糧を優先するのも考え辛いな。
「ええ、だからお嬢様や妹様に聞いたのだけど……」
「互いに知らないと」
「そう言う事」
雲行きが怪しくなって来たな……
あの子はそう言う能力だが……明らかに異質の能力を持つ紅魔館で見つからないとも思えないんだが……
「咲夜」
「どうしました、妹様」
「何が消えたの?」
「えっと……」
食べ物が消えたと聞いてフランちゃんの目がマジだ……さっきまでの表情が一切無くなっている……
「ハムと……」
「……」
やばいやばいって……犯人が大変な事になるって……
「チーズと……」
「……どうしたの咲夜?他は?」
「チョコケーキです」
「……」
逃げちゃダメかな?逃げていいよね?
だってこのままじゃ俺死ぬもん……
「お兄さん」
「……何でしょう?」
回り込まれた……もうダメだこれ……
「悪戯っ子のメイド達かな?それとも侵入した妖精達かな?」
「あのフランさん……?」
「行こっか、犯人探し」
「……はい」
見付かるとか見付からないとかじゃ無い……これは見付けないとダメだ。
恐らくは紅魔館に居るであろう少女を探し始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何してるのお兄さん?」
「いや……探してるんだ」
「でも何も無いよね?」
「いや……探してるんだ」
そりゃ何も無い空間を探してると疑問に持たれるよな……
「まあいいけど……私は行くよ」
「頑張ってください」
「やっぱ探してなく無い?」
「探してますって」
「……」
若干不安気味な顔をしながら別の場所へと向かって行った。
しかし……実際これも途方も無いよな。
「……こいしさん居ますか?」
古明地こいし。地底の主、古明地さとりの妹。
彼女の姿は捉えるのは難しいし、悪戯好きだし……あり得るんだよなあ。
「声はしないか……」
やっぱり気のせいなのかな?フランちゃんも言っていたが、妖精とかもあり得るし。
コッ
「……誰かいるのか?」
後ろを振り向くが誰も居ない。
まさか……
「こいしさん……?」
慌てて廊下を駆ける。何処にいるか目には見えない。
ただ居るのだろうと。
「何処だ……?」
「どうしたのお兄さん?」
気付いたらフランちゃんに追い付いていた。
慌てて走る姿に驚かせてしまったようだ。
「ああごめん、フランちゃん。誰か通らなかった?」
「え?通ってないよ」
「……成る程」
まあ流石に見えないだろうしな。
多分近くに居るんだろうけど。
「お兄さん、本当にどうしたの?」
「もしかしたら誰か居たかもって思いましてね」
「そっか……でも居ないよ」
「そうだね……何処にも居ない」
このままだとまた見失うだろう。
だから見付けないといけないのに……
「まあいいや、探し続けようよ」
「了解」
切り替えるしか無いか……見付からないし、別の場所で探すしか無いか……
「痛っ……」
「どうしたのフランちゃん!?」
「今何かがぶつかったの……」
「ぶつかった……?」
まさか、いや合っているだろうな。
「こいしさんそこに居ますよね?」
無意識であろうと、いると確信して意識的に探せば見付かる。
目の前に懐かしい彼女の姿が見えた。
「……見付けた」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
to be continued